Babylon5 Pilot

The Gathering (year 2257)

オープニング

英語:

I was there at the dawn of the third age of mankind. It began in the Earth year 2257 with the founding of the last of the Babylon stations, located deep neutro space. It was a port of call for refugees, smugglers, businessmen, diplomats, and travelers from a hundred worlds. Could be a dangerous place. But we accepted the risk, because Babylon 5 was our last, best hope for peace. Under the leadership of its final commander, Babylon 5 was a dream given form: a dream of a galaxy without war, when species from different worlds could live side by side in mutual respect. A dream that was in danger as never before, by the arrival of one man on a mission of destruction. Babylon 5 was the last of the Babylon stations. This is its story.


粗筋:

Babylon5ステーションの司令室では、 航法管制官のTakashima少佐がドックに入港する船の管制業務を行っている。 基地の警備主任のGaribaldiからSinclair司令官(中佐)へ、 入港者との面会の呼び出しが入った。 Takashimaは司令官が既に向かっていると答える。

基地の入港チェックをDel Varnerという地球人が通過している時、 Sinclair司令官が現われ、彼を待っていたLyta Alexanderを迎えた。 彼女は基地に配属された商業テレパスで、 Sinclairが彼女に基地の規則を説明しているのをVarnerは見ていた。 二人がLytaの部屋に向かう時、VarnerとLytaは一瞬視線を交わす。

Narn政府の大使G'Karが司令室に飛び込んで来て、 Narnの補給船への武器の捜索に対して抗議をまくし立てた。 しかしTakashimaは冷たく遮り、 捜索を受け入れなければ、補給船は永遠に入港させないと答える。

Lytaを彼女の部屋に案内するために異星人地区を横切る途中で、 Sinclairは彼女に自分の視点からのBabylon5の目的を話した。 ここはあらゆる種族があらゆる種類の交流を行う場所であり、 遅かれ早かれあらゆる人々がやってくると言うSinclairに、 Lytaは何故Babylon"5"なのかと尋ねる。 始めの三つのステーションは建設途中で破壊され、 四つ目は稼動後24時間で謎の消滅を遂げたと話す彼に対し、 彼女はそれは良くない徴候だと顔を曇らせた。

主要国のうちで最後となるVorlon帝国のKosh大使の到着が48時間後に迫り、 司令官のオフィスに上級士官全員が集まった。 Vorlonは極端な秘密主義を取っており、 TakashimaがKoshと連絡を取ったときも、 通信装置の故障と称して音声のみでのやり取りに終始していた。 地球同盟政府もVorlonについては全く情報を持っておらず、 彼らの姿を見た者すらいない。 Dr.KyleはVorlon人のための大気の情報を得ていたが、 極めて特殊なものだった。
その頃蟹のような形の小型船が輸送船から離れ、 基地の外壁に取り付いて穴を開け始めていた。

Minbari連邦のDelenn大使によって基地の庭園に呼び出されたSinclairは、 なぜ二日に一度も自分を呼び出すのかを尋ねたがDelennは彼を遮った。 彼女は彼に日本風の石庭の表す水の波を示して、 水面を進んで行く波は動きが予測可能で変化しないが、 そこに石を投げ込むとパターンが乱れ全てが変化すると言う。 そして彼女はVorlonに関してMinbariが得ている情報の ファイルを彼に渡して、もし誰かに尋ねられたら空から降ってきたとでも答えなさいと言う。 地球とMinbariとの戦争から10年過ぎたが、 両国の多くの国民が未だに敵視し合っているのになぜこんな事をするのかと彼が尋ねると、 彼女は「あなた方は自分たちの文化である石庭を それほど注意深く観察していないのでは」と答えて立ち去った。

司令室に、ジャンプゲートに突然新たな船が現われた事が報告された。 それはVorlonの輸送船で、Takashimaが恐れていたように Kosh大使が二日も早く到着したのだった。
基地内の暗い通路に人影が立ち、手にした装置でドアを開けると部屋の中にはVarnerが居た。 彼は「時間だ」と人影に声をかけるが、 その直後部屋の中で閃光が走り、誰かが床に倒れた。

SinclairとGaribaldi, Takashimaは基地の回転軸を走るコアシャトルに乗っていた。 Koshを迎えるまでにもう2時間しかなく、 SinclairはGaribaldiに、Centauri共和国のLondo Mollari大使に歓迎式典への出席の 保証を取り付けるように命じた。 LondoはG'Karの基地への赴任の際には式典を欠席して騒ぎを起こしていた。
個人メッセージがSinclair宛に届き、彼は一人で部屋に向かった。 メッセージは彼のガールフレンドのCarolyn Sykesからで、 交易の仕事から一週間早く基地に戻るという内容だった。

通路でTakashimaを呼び止めたG'Karは、 輸送船の船長に武器の捜索に応じるよう命じたと言い、 さらにKosh大使の船が入港した後まで輸送船の入港を待っても良いと告げる。 彼がうって変わって上機嫌なので彼女は意外だった。

Londo Mollariがカジノで賭けている所に、Garibaldiが現われた。 独自の賭けの方法を見つけたと言ってLondoがGaribaldiから金をせびっている時、 Del Varnerが近くでそれを見つめていた。 さらにCentauriの過去の栄光の話を始めたLondoをGaribaldiは遮り、 大使としての義務として二時間以内に9番ベイに行くように求める。 Londoは了解したが、Garibaldiが立ち去った後、 Varnerが彼に話し掛けた。

Lytaが基地での商談の立会いを終えたとき、 G'Karが彼女の前に現われて、個人的な商談を持ちかけた。 それは彼女と性交してNarnに存在しないテレパスの遺伝子を得たいというものだった。 彼女はNarnが他国の科学技術を買いあさっているのは知っているが、 他の種族の遺伝子を得ようとするのは非道徳的だといって即座にその話を断わるが、 G'Karは本国に居る自分の妻はこの件について了解済みだと主張する。

Takashimaの管制によってKoshの船が入港操作を開始した頃、 Varnerは通路のセキュリティーチェックを咎められずに抜け、 自信ありげに笑った。
SinclairがKoshを迎えるためにターボリフトに乗った直後、 動力系統のトラブルでリフトが急停止した。 その間にKoshの船は9番ベイに入港し、巨大な気密スーツに入ったKoshがベイに降り立った。 リフトのトラブルは直ぐに直り、Sinclairは予定より少し遅れて TakashimaとGaribaldiとほぼ同時にベイの入り口に到着する。 GaribaldiがLondoの不在を彼に説明し始めてすぐ、警報が鳴り響いた。 Takashimaに警備班を呼びに行かせたSinclairがベイのドアを開けると、 Koshが気密スーツのまま床に倒れていた。 大気の成分が異なり気密スーツを開ける事が出来ないため、 SinclairはGaribaldiをDr. Kyleの元にやり、 直ちに医療ラボの準備をするように連絡する。

Kyleが医療ラボにVorlonの大気を注入しているのを見ながら、 TakashimaはSinclairにVorlon政府が Koshの気密スーツをあける事を許さないと言ってきた事を伝えた。 Vorlonが極端な秘密主義を取っており、 これまで誰もVorlon人の真の姿を見た者がなく、 それを見た者は石になるという噂すらあるとTakashimaは警告するが、 Sinclairはラボの記録装置を切った上で Kyleに医師としての義務を果たすように命じた。
彼とTakashimaは気密室のガラス越しに、KyleがKoshのスーツを開けるのを 見守っていた。 スーツが開いた時、中から光が漏れ出した。

Sinclairは自分のオフィスで地球同盟の議員に Koshが死にかけている事を報告していた。 議員は彼に、Vorlon政府は事件の真相に重大な疑念を持っており、 一つ間違えば戦争になりかねないと警告する。 そしてGaribaldiが捜査の指揮を取っていると聴いた議員は、 彼はここ数年間何処の基地でも持て余されて転々としていたと指摘し、 彼を基地の警備責任者に据えた人選に疑問を投げかける。 Sinclairがそれに反論するのを、Garibaldiは聞いていた。
自室に戻ったSinclairは、ベッドの中にCarolynが居るのに気がついた。 彼女は彼に、もっと頻繁にセキュリティーコードを換えなくては、と忠告した。

KyleはKoshがある種の毒を注入されたらしい事をSinclairに報告した。 毒の種類が判らないため解毒剤も用意できず、このままでは24時間以内にKoshは死んでしまう。 せめて気密スーツを通して毒を注入した方法が判れば 手がかりになるとKyleは言い、Sinclairは基地からの船の出入りを封鎖した。

その頃Delennは部屋を尋ねてきたG'Karの相手をしていた。 彼はKosh暗殺未遂の犯人はLondo Mollariであり、その目的は 戦争を起こしてCentauriの領土を拡大するためだと主張する。 そして彼女に、MinbariがNarnと同盟を結ぶ事を求めた。 彼女はNarnはCentauriの奴隷とされていたため復讐に燃えているだけであり、 Manbariは何処とも同盟を結ばないと答えると、 G'KarはMinbariは勇気がない、 地球を追い詰めながら勝利直前に降伏したのもその現われだと罵る。 それを聞いたDelennは隠し戸棚を開け、 そこに並んでいる指輪を幾つか取り出しながら、それには理由があるのだと答えた。 さらにG'Karが「Grey評議会とかいう宗教組織の決定らしいが・・・」と 続けたときに彼女は指輪をした手で彼を制止し、 同時に彼は突然強まった重力でその場に崩れた。 彼女は冷たい声で、自分の前では二度とGrey評議会の名を出さないように警告し、 彼が約束するまで重力を元に戻さなかった。 G'Karは捨て台詞を残してその場を立ち去った。

カジノのバーでLondoを見つけたGaribaldiは、 Kosh大使暗殺未遂事件の際に彼が何処に居たかを質問した。 Londoは外交特権をちらつかせながら、自分はその時間ここに居て Varnerの金を使ってカジノで賭けつづけていたと答える。 そしてその様子をLytaも見ていたはずだとアリバイを主張した。 犯人の心当たりについて尋ねるGaribaldiにLondoは知っていればもちろん言うが トラブルを起こしたくないと答え、 自分は強大な地球同盟の前にひれ伏す為にこの基地に居るのだと自嘲しながら、 嘗ては銀河の広大な領域を支配していたCentauri共和国が没落して 今や過去の栄光を切り売りして生きている事を嘆く。

TakashimaとDr.Kyleは密かに現在の状況を話し合っていた。 Vorlon政府からの要請で9番ベイのモニターは切られていたため、 Kosh本人以外は彼が毒を盛られた経緯を知らない。 Kyleはテレパスの助けを借りる事を提案しTakashimaも同意したが、 もちろんKoshをテレパススキャンする事をVorlonは許さないだろうから、 Sinclairの責任問題にならないように彼に知らせずにそれを行う事になった。

Lytaは相手の同意なしのスキャンはPsi Corpsの誓いに反すると言って、 Takashimaらの要請を即座に断わった。 しかしTakashimaは、もしこのまま何もせずにKoshが死ねば、 Vorlonは報復としてこの基地を真っ先に攻撃するだろうし、 そうすれば多くの人命が失われると言い、Lytaを説得する。
その頃小型船が外壁に開けた穴からの空気漏れでその区画に気圧の低下が起り、 メインテナンスボットが調査に出動した。
Lytaは説得に負けてスキャンを了承したが、 スキャンではKoshの体験が彼女の自分の姿のままでの体験として感じられるので、 起った事そのままではないと彼女は説明する。 彼女は始めKoshの心に入る事が出来なかったが、 意を決した彼女が手袋を取った手をKoshのスーツの中に入れると Koshの記憶が彼女の体験として再現された。

ドッキングベイに立つ彼女の前にSinclairが現われ、「ようこそBabylon5へ」と言った。 彼が差し出した右手に彼女が手を伸ばすと、 突然彼は左手に隠し持っていた赤いパッチを彼女の手に貼り付けた。 床に倒れて見上げる彼女の視界は乱れ、 恐ろしく歪んだ顔をしたSinclairが最後に見えて真っ暗になった。
悲鳴を上げ続けるLytaを気密ラボから引っ張り出し、 TakashimaとKyleは彼女を正気づかせた。 彼女がどのように毒が注入されたかを話している時、 Sinclairが病室に入ってくる。 彼を見てLytaは、「司令官が犯人だ」と名指しした。

マーケットを歩いているLytaに、Varnerが小さな機械の狙いを向けていたが、 彼女はそれに気がつかなかった。
基地の外では、外壁にへばり付いた小型船が近づいて来たメインテナンスボットを破壊した。
VarnerはEricという名の整備員の後について移動チューブに乗り込んだ。 ドアが閉まる時に中で閃光が走り、 やがて開いたドアからはEric一人が出て行った。

上級士官の会議でTakashimaは、 目撃者が司令官を犯人と名指しした事が外部に漏れた事を報告する。 地球の議員の命令でSinclairは一時的に職務停止となり、 Takashimaが職務を代行する事になった。 議員はSinclairに、Babylon5の顧問会議で一度決定が出てしまえば、 彼を救う事は出来ないと警告する。

顧問会議の席でG'Karは、 Kosh大使が襲われた直前に起ったとSinclairが主張しているターボリフトの故障は 記録に残っていない事を暴露して、彼を暗殺未遂の容疑者として糾弾した。 Delennが司令官を犯人だとする目撃者の名前を尋ねたのに対し、 Kyleはそれを明かすのを拒否した。 しかし用いられたのがDamocles星域でのみ産出する特殊な毒だった事を彼が明かすと、 途端にG'Karは、Sinclairの交際相手のCarolynがその星域を通って 暗殺事件の直前にこの基地にやって来た事を指摘した。

顧問会議の中断中にLondoがバーに座って酒のグラスを眺めている所にG'Karが現われ、 会議での投票について話し合いたいと彼に告げた。
GaribaldiはSinclairに、彼の独自の調査結果を報告していた。 彼はLytaの証言を信用しておらず、 LondoをKosh大使を迎える祝賀会に出席させないように立ち回ったVarnerと Lytaが何度も接触している事を目撃したと言う。 Varnerは地球同盟から技術密売人として手配されている人物で、 その彼が危険を冒してこの基地に現われた理由をGaribaldiは怪しんでいた。

顧問会議が再開され、 G'KarはSinclairをKosh大使暗殺未遂の容疑者として Vorlon政府に引き渡す事を提案した。 Takashimaは地球の代表として反対を表明し、 Delennは明らかに躊躇いながら投票を棄権した。 しかしLondoは不本意そうな様子で賛成する。 Takashimaは賛成が二票では過半数に達せず動議は否決されると言うが、 G'KarはVorlon政府に連絡を取っており、 Vorlonの賛成票を得ていた。 これによってSinclairは12時間以内にVorlon政府に引き渡される事が決定した。

GaribaldiはVarnerの部屋を捜索し、水槽に彼の死体が隠されているのを発見した。 Kyleの検死の結果、死体は実際にVarnerで、死後10時間は経過している事が判る。 Kyleはまた、Kosh襲撃に使われた毒の解毒剤を合成し、 彼は回復に向かいつつあった。

Varnerが死んでいたため、Garibaldiは捜査の手がかりを失ってしまった。 自分をここの警備主任に据えたのが間違いだったかもしれない、と言う彼に、 Sinclairは自分の判断は正しかったと答える。
その頃Taksashimaはメインテナンスボットが失われた事を知り、 修理班を送って何が起こったのか調べさせる事にした。
LytaはG'Karに異星人地区に呼び出されていた。 酸素マスクをつけていないのを注意されたG'Karは、 鰓状のインプラントを彼女に示し、 彼女に付いて来るように言った。

カジノのバーに座っていたLondoは、会議での自分の投票についてGaribaldiに謝罪した。 G'Karは彼の父親のスキャンダルを嗅ぎ付け、彼を脅迫していた。 Centauriでは祖先の功績によって子孫の地位が決定されるため、 スキャンダルが暴露されればLondoは地位を失う事になってしまう。 自分の一票は結果に影響しないと考えていた、 G'KarがまさかVorlonと連絡を取っているとは思わなかった、と言い訳をするLondoに、 もし知っていたら投票を変えたかとGaribaldiが問うと、 暫く考えたLondoは「いいや」と答え、 「これが自分の弱さだ、すまない」と謝った。

Sinclairの部屋で地球軍の名誉賞メダルを見つけたCarolynは、 彼がMinbariとの最終決戦に参加していた事を始めて知った。 その事を話したくなかったと言う彼に、彼女はさらにその理由を尋ねた。

戦争は最終局面を迎え、Minbariの大艦隊が地球に迫っていた。 地球軍の残存艦はMinbariの艦隊をいかなる犠牲を払っても阻止するために 地球周囲に集められた。 しかし地球の艦は次々と破壊され、彼の率いる中隊も壊滅した。 彼は自分の機を近くのMinbari戦艦に体当たりさせようとするが、 敵艦が目の前に迫ったとき、何かが視界の前を横切った。 それが最後の記憶で、 気がつくと24時間が経過しており、 彼を回収した味方は、Minbariが降伏して戦争が終わった事を告げた。
最終防衛線の戦いのおかげね、と言うCarolynに、 彼はそれは違う、彼らは勝っていたのに降伏したのだと答える。

医療室にLytaが現われ、KyleにKoshの容態を尋ねた。 彼が説明しながら、計器の数値を見るために後ろを向いている隙に、 彼女はKoshに繋がれている生命維持装置を切り始める。 気がついたKyleは止めようとして彼女ともみ合い、床に投げ出されたが、 彼が倒れた所にあった埋め込み式のレーザーがLytaの腕に命中した。 彼女が逃げようと銃を抜きながらドアに向かった時、 部屋に入ってきた本物のLytaと鉢合わせする。 一瞬偽のLytaは本物のLytaに銃を向けるが、 彼女ではなくその後ろに現われたSinclairに発砲した。 Sinclairがそれをかわして床に倒れた隙に、偽のLytaは逃げ去った。
偽のLytaは撃たれた腕を抑えながら通路をよろめき歩いていた。 彼女の顔は時々激しく歪んだ。

カーゴベイで調査していたGaribaldiは、 蟹のような一人乗りの小型船をSinclairに示した。 この船は短い距離しか移動できないため、Sinclairは別の船が運んできたと推察する。 Garibaldiはまた、技術班のEricの死体が発見されたが 彼の友人が死亡推定時刻より後に彼を見ていた事を報告する。 そのときVarnerの部屋を調べていたTakashimaが、見せたいものがあると連絡してきた。

TakashimaはVarnerの部屋で見つかったファイルから、 彼が偽装ネットを基地に持ち込んでいた事を発見した。 偽装ネットを全身に被れば、生命の危険と引き換えに見かけの姿を自由に変える事が出来、 Kosh大使がSinclairの姿を見た理由を説明できる。 ネットは大量のエネルギーを発するため、彼女はスキャンによって それを着ている暗殺者のおおよその位置を特定した。 Sinclairはその区画を封鎖し、Garibaldiと共に武装してそこに向かう。 Takashimaは彼らに自動式記録カメラを同行させた。 その頃ジャンプゲートに新たな船が現われた。 それはSinclairを護送するVorlon艦だったが、単なる輸送船ではなく大型戦艦三隻だった。

二人は司令室からの案内で暗殺者を追うが、 Garibaldiは撃たれて動けなくなり、Sinclairだけが先に進んだ。
現われたVorlon艦隊は直ちにSinclairを引き渡すように求める。 Takashimaは暗殺者追跡劇のカメラ映像をVorlon艦に中継するように命じるが、 Vorlon側は5分以内に攻撃すると警告した。

Sinclairと暗殺者は互いに撃ち合うが、両者とも命中しない。 Sinclairが前方に注意を向けている隙に、Ericの姿に変わった暗殺者が後ろから飛び掛り、 両者とも銃を取り落として格闘になった。 格闘のうちに暗殺者はVarner, LytaさらにはSinclair自身へと姿を変えるが、 高エネルギーバリアに投げ出されて遂に真の姿、Minbari人の姿を現した。
Babylon5を包囲したVorlon艦が武器を起動する中、やっとカメラ映像の中継回線が繋がった。

故障したネットの爆発でMinbari人暗殺者は通路に投げ出された。 Sinclairに「なぜこんな事をした?」と問われたMinbari人は、 「おまえの心に隙があったからだ」とだけ答えて 肘につけた何かの装置に触った。 Sinclairはとっさに付近の封鎖を命じながらその場を逃げ出すと、 彼の背後で大爆発が起る。 衝撃で基地は大きく揺らぐが、Takashimaは何とか制御を取り戻した。 Vorlon艦隊は攻撃準備を中止し、その場を去って行った。
GaribaldiとDelennは、爆発で破壊された区画から無事に現われたSinclairを見つけた。 「何か必用な物は?」と尋ねるDelennに彼は、「コーヒーとアスピリンを」と答える。

シャワーを浴びて一息入れた後、Sinclairは基地を発つCarolynを見送った。 自分と一緒に基地を離れないかと誘う彼女に、一度はそう考えたが、と彼は答える。 「あなたを待っているが、永遠にではない」と言って彼女は基地を後にした。
医療室でSinclairは、Koshが回復に向かっている事を知らされた。 そこに現われたDelennは彼にMinbari人が今回の事件に関わっていた事を謝罪する。 「自分の種族全ての行動に責任を感じる必要はないと答える彼に、 彼女は暗殺者の氏族に関する情報を渡した。

SinclairはG'Karを部屋に招いて、Babylon5が本格的に稼動を始めた事を乾杯した。 乾杯の後、彼はVarnerがTigris星域で偽装ネットを売ろうとしていたが、 Narnの輸送艦もそこを経由していた事を指摘する。 そしてMinbari人の暗殺者が本来はNarnの輸送船のクルーとしてBabylon5に入るために 偽装ネットを必要としていたが、Varnerとの事前の接触に失敗したため、 小型船で潜入する事になったという推測を述べる。 Varnerも暗殺者も死んでおり、何の証拠もないとG'Karは開き直るが、 Sinclairは彼の酒に超小型の発信機を入れておいて 今後5年間彼の居場所は直ぐに判るようになっている、 今後また基地を危険にさらす真似をすれば、 自分の戦友たちが彼を追い詰めるだろうと警告した。 慌てて部屋を飛び出したG'KarはGaribaldiとLondoに鉢合わせするが、 Garibaldiが発信機の存在をほのめかし、 さらに何も知らないLondoがその口真似をすると G'Karはうめき声を上げて走り去った。

Koshの歓迎会が無事に行われ、 歓迎のスピーチをするSinclairに、Koshはヘッドピースを下げて礼をする。 Delennも歓迎の挨拶をし、Londoは祝杯を上げたが、 G'Karの姿は見えなかった。
歓迎会の後、夜の庭園でSinclairはDelennに会っていた。 彼がMinbari人暗殺者が最後に言った 「おまえの心に隙があったからだ」という言葉の意味を尋ねると、 彼女は「単なる負け惜しみだから気にするな」と答え、 Minbari戦争の最終決戦での24時間の空白に関係するのではと言う彼に対し、 自分たちはその件についても何の情報もないと返した。 そして彼女が「なぜBabylon"5"なのか、過去四つの基地が失われたのに、 それでもまた新たに建設したのか」と尋ねると、 彼はTennysonの詩を引用して 価値有るものが失われると人間は何度も何度も作り直す、と答えた。
最後にまたBabylon5の司令室でのTakashimaの管制に画面は戻った。 彼女は入港する船に、ドッキングベイの準備が出来たと伝えている。


印象に残ったシーン、台詞

"To strive, to seek, to find, and not to yield."
--最後のシーンでDelennの質問に対してSinclairが引用したTennysonの詩の一節。


Memo

Minbari戦争の最終決戦での「空白の24時間」は、その後のSinclairに大きな影響を 与えている。 そのとき何があったかは、シリーズの第一シーズンの幾つかの話でおいおい明らかになる。

Babylon4消滅事件の真相とMinbariの降伏の謎は、シリーズ前半の大きなテーマである。 この二つとSinclairの運命とは密接に関係している。

Koshの体内に毒を注入した方法は、彼の真の姿が後に明らかになると余計に謎が深まる。 Lytaが観たのは彼女の身体での体験としてだからそのままではない訳だが、 「手を差し出した」シーンは如何解釈すべきだろうか。

Grey評議会はMinbariの最高意思決定機関であり、 聖職者、戦士、労働者の三つのカースト(身分の上下ではなく、文化集団に近い) の代表者3人から成る。 Delennがその名を口にしたG'Karを懲らしめた理由は、彼女の身分と関係がある。 (c.f. #2 "Soul Hunter")
Delennは聖職者カーストの出身であり、暗殺者は戦士カーストの一員である。

Delennは地球の立場に理解があるというより、 実はSinclair個人を注意深く見守っている。 それは後の幾つかの回ではっきりするが、その真の理由は彼の運命と深く結びついている。

G'Karによって異星人地区に呼び出されたLytaは本物の彼女だろうか?

Sinclairに色々と指図してくる地球の「議員」(senater)は、 むしろ「評議員」と訳すべきかもしれない。 どうやら議会の中に「Babylon5監督委員会」というような物があり、 その委員の事らしい。

後のストーリーでのVorlonの超然とした態度からすると、 今回の彼らの態度(G'Karの連絡に答えてSinclairの引渡しを求めるなど)は やや関わり過ぎの感がある。 特にいずれ明らかになるSinclair本人の重要性をVorlonは知っているはずだから、 彼を処刑しようなどとは考えなさそうに思われる。 設定の変更だろうか、それとも深い意味があるのだろうか?

LytaはBabylon5がなぜ"5"か、という理由を知らなかった。 普通に考えるとミステリアスなBabylon4消滅事件などは地球でも大々的に報道されそうで、 それにも関わらず尚も新たなステーションを建設するという決定が行われた際に、 これが五番目である事は周知の事実になっていそうに思う。 深読みすると、これは地球の人々が宇宙に関して関心を失っている事を 象徴しているのかもしれない。

日本語吹き替えではオープニングはSinclairが喋っている形になっているが、 元の英語ではLondoが話している。 この話だけの印象では、飲んだくれの落ちぶれ親父にしか見えない彼が 主人公のように語っているのは、かなり違和感がある。 しかし実はずっと後の展開を知ると、 ずっと後の世界の年老いたLondoが、過去の大事件の話を誰かにしているという スタイルである事が解る。 それはまた、TV-Movie "In the Begininng"の構成とも大いに関係がある。


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