Babylon5 Column 10

Babylon5第五シーズンは蛇足か?

Babylon5本編は第四シーズンの始めにシリーズ全体の主題であるShadow戦争が終結し、 その余波とも言うべきMinbariと地球それぞれでの内戦も第四シーズン中に決着します。 そのため、もはや第五シーズンに残っているものがあるのか、という疑問を 実際に観るまでは私自身が持っていました。 その第五シーズンの主な出来事は、前半はテレパス問題、 後半はCentauriの運命ですが、 両方とも事態の進行にSheridanらは有効な手を打つことが出来ず、 悲劇的な結末を迎えます。 ある意味「新時代の幕開け」と惑星間同盟の有用性を否定するような展開で、 それまでのSheridanとDelennとの苦労は意味があったのか、 という疑問も出かねません。

しかし私はこの物語において、やはり第五シーズンは必要だと思います。 それはDelennがSheridanに言ったように、 「古いものを壊すのは簡単だが、新しいものを作るのは難しい、 けれど誰かがやらなくてはいけない」からです。 派手な戦争に比べてその後の再建は地味な作業であり、 しかも共通の敵を失った同盟の内部対立に翻弄されて ストレスの溜まる報われない仕事ですが、 あえてその泥臭くて失敗も多い過程を描いた第五シーズンの存在は、 派手な出来事で作られるのは歴史の一部でしかなく、 多くはこのような地味な出来事の積み重ねで作られると 教えているようです。

第四シーズン最終話で描かれたように、 後の歴史家は二人の仕事を評価せず犯した過ちばかりを責めたり、 あるいは歴史が改竄されたり失われたりしました。 しかし例え100万年後の記録者が居なくても、 同盟の設立という二人の始めた仕事の重みは変わらないと思うのです。 そしてそれは第四シーズンまでの主題であるShadow戦争の勝利より、 むしろ重要なのではと考えています。

2005/5/6


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