Babylon5 Column 11

二人の商業テレパス -- 設定の変更?

Babylon5ステーションの商業テレパスであるTalia Wintersは、 Psi Corpsに忠実ながらBesterとは対照的に暖かい心の持ち主で、 Corpsが教えられて来たほど理想的な組織ではない事に うすうす気づいてはいました。 #6 "Mind War"でPsi Corpsを脱走してBabylon5に逃げてきた 嘗ての恋人Ironheartから、テレキネンスと 強力なスキャンブロック能力を贈られた彼女は、 公式なレベルであるP5よりはるかに強力なテレパスになります。 そして#30 "A Race through Dark Places"で未登録テレパスたちに出会い、 Psi Corpsの真の姿を直視して組織と距離を置くと共に、 テレパス嫌いのIvanovaと親交を深めてゆきます。 未登録テレパスのリーダーRickが、 彼女が鍵であり自分たちの未来だと断言したように、 このあたりの展開から想像すると彼女は反Psi Corpsの中心人物ととして シリーズ終盤まで一方の主役になりそうに思えます。

ところが#41 "Divided Loyalities"において別人格に乗っ取られた 彼女はこの回を最後に姿を消し、突然の降板となります。 Taliaの退場後に彼女の代役を果たすのは、 Pilot Movieでの基地の商業テレパスだったLyta Alexanderで、 Vorlonによって能力を強化された彼女は 第五シーズンで出会ったByronの意思を引継ぎ、 Psi Corpsとの戦いを始めます。 本編では詳細は描かれませんが名前が言及されているテレパス戦争は、 彼女が率いる組織とPsi Corpsとのいわば内戦で、 この戦いによって彼女は命を落とすものの Psi Corpsも崩壊する結果となります。

Taliaの降板はいかにも唐突で、 しかも"Control"が彼女だった事により、 #28 "A Spider in the Web"の事件の真相が、 理解しがたいほど複雑怪奇になってしまいました。 "Control"は、事件の目撃者であるTaliaを殺すように Hornに指示していましたが、 Talia = "Control"とすると、ちょっと理解しがたい指示です。

どうやらTaliaの降板は初めから予定されていたものではなく、 Taliaを演じるAndrea Thompson側の都合らしいです。 噂によると、自分の出番が少ない事に不満を募らせたThomsponが 自ら降板を申し出て、 そのため、本来の筋書きではTaliaが担う事になっていた役割が、 急遽再登場したLytaに引き継がれたという話です。 本来の筋書きでは、TaliaはIronheartからの贈り物に加えて Vorlonパワーも獲得し、最強テレパスとなるはずだったとか。 (川崎さんからの情報) そうすれば、#9 "Deathwalker"で Koshが彼女の記憶と感情を記録させたのが意味を持ってくる訳で、 なるほどという気がします。

ただ、本編当初で商業テレパスがLytaからTaliaへと替わったのも 実は予定変更だったという説もあるようで、 そうならば二回の変更によって、 一番初めの筋書きに戻ったのかもしれません。

Taliaの降板によって、Ironheart関連の伏線がほぼ意味を失い、 またKoshが持っていたはずのTaliaの記録も再登場の機会を失ったのは 残念ですが、 Lytaの再登場によって第五シーズン屈指の名場面である Byronとの別れのシーンが生まれた訳で、 どちらが良かったかを判断するのは難しいですね。 ただ、TaliaとIvanovaとの関係はどう進展していったのか、 #55 "Ceremonies of Light and Dark"でのIvanovaの告白が 一部で言われていたように二人の同性愛関係を意味するものなのかは、 ちょっと気になります。

それにしても、人口25万人の基地に配属されている商業テレパスが たった一人というのは、少なすぎるのでは。 このような僻地勤務を希望するテレパスが少ないという事でしょうか。

2005/6/4


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