Vorlonを除く四大国の首都惑星の主星はいずれも太陽と似通った主系列星です。 太陽のスペクトル型がG2V, 絶対等級4.85であるのに対し、 竜座Chi(Minbari)はF7V, 4.20, 巨嘴鳥座Zeta(Centauri)はF9V, 4.92, Eridanus座e星(Narn)はG5V, 5.34となっています。 これらは例えばSiriusやVegaといった名の通った明るい恒星ではありませんが、 より現実的な設定です。 恒星進化論によれば、質量の大きな恒星ほど明るく、寿命が短くなるため、 Sirius, VegaのようなA型主系列星の寿命は数億年程度しかなく、 その惑星上で生命が進化するには短すぎると考えられています。 また連星系は、その惑星が安定した軌道を回れないと考えられているので、 単独星である事も生命が存在する惑星を持つポイントです。 従ってCentaurus Aplhaのような連星も不適当です。
ただしより細かく見てゆくと、微妙な問題点があるようです。
それはMinbari, Centauri, 地球, Narnとほぼ文明が古い順に
主星のスペクトル型が早期になっている事です。
一般にスペクトルが早期なほど光度が明るくなるため寿命が短くなりますから、
古い文明の主星ほど晩期スペクトルを持つ方が自然に思います。
しかしMinbari文明と言えども地球より高々数千年しか古くないので、
恒星の寿命に比べれば一瞬の出来事であり、
この点は問題にならないかもしれません。
Vorlon本星の主星についてはなんのデータもないのですが、
彼らの場合圧倒的に古い種族ですから
もしかすると既に主系列星から離れて巨星に進化している可能性があります。
(Known SpaceシリーズのPuppeteer人もそのような設定でした。)
いずれにせよ、上の考察は全て地球での生命の進化が宇宙で典型的であるという
仮定に基づいた話です。
地球の場合よりはるかに早く知的生命が進化するという可能性も否定はできません。
一方で地球同盟の植民惑星ですが、
Proxima植民地はいくら何でも主星が暗すぎるような気がします。
もっともこれも、例えばGanimede基地のような
完全気密のドーム基地なら特に問題がないわけですが。
また、Orion植民星がOrion Delta系にあるとすると、
主星があまりにも明るく若すぎると思われます。