Babylon5 Column 4

繰り返される言葉

このシリーズの放送を始めから観ていて、 「この台詞はずっと以前にあった」と気がつく事が時々あります。 同じあるいは同様の意味の台詞が、 別の場面に別の登場人物によって繰り返されているのです。
典型的なのが、「何が望みです」(What do you want?)と 「君は誰だ」(Who are you?)という二つの質問です。 日本語の吹き替えでは訳が場面場面で異なっているために、 やや気がつきにくいですが、 この質問は色々な場面で別々の人物によって何度も口にされます。 実は最初の質問はShadow, 次の質問はVorlonに属するもので、 その事はLorienがSheridanの夢の中でこの質問を発したときに明らかになります。
また、「(私は)ずっとここに居た。」という言葉も、色々な人物によって発せられ、 しかも表面的な意味以上のものを持っています。 始めはKoshがSheridanやG'Karを夢の中で導くシーンで口にしていますが、 実はこの言葉はLorienがはるか太古にVorlonやShadowを導いた時の言葉だったようです。
今まで挙げてきたのは元々謎めいた部分のある言葉でしたが、 もっと日常的な台詞でも別々の場面で何度も繰り返され、 その場面場面に応じて適切な意味を示すものがあります。 例えばDelennがBabylon5を「ここは私たちの家」と呼ぶのはその例です。
また、もう一つ目立つのが、あるものに対する形容が、 別の場面で別のものにも当てはまっているというパターンです。 これは例えばDelennがGrey評議会を「もはや人々を導いていない」と非難した言葉が そのままVorlonとShadowに当てはまったり、 AnnaがZ'ha'dumから戻ってきたときSheridanがDelennを 「君は私に選ぶ権利を与えないのか」と責めた言葉が、 "Into the Fire"でVorlonに投げかけられたりというのがその例です。
こうしてみて行くと、各シーズンのオープニングとシーズン最後に別々の登場人物による 独白がある事も相まって、このシリーズの最大の特徴として 「言葉の重要視」が挙げられると思います。


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