Babylon5 Column 6

亜空間とジャンプ技術

Babylon5宇宙で超光速移動の手段となっているのは亜空間(Hyper Space)の利用です。 そもそも亜空間というのはやや誤訳で、Hyper Spaceを直訳すれば超空間の方が 良さそうですが、既に定着しているのでここでは「亜空間」を使う事にします。
亜空間を使うと超光速で移動できる理由ですが、 その中では通常空間と異なり超光速で飛行できるというイメージは必ずしも正しくなく、 むしろ通常空間内の離れた点を亜空間がより短い距離で結んでいるという方が より実態に近いようです。 そのため、通常空間での距離と亜空間を使っての飛行時間とは比例関係にはなく、 10光年程度しか離れていない地球-Babylon5間の移動に一日程度は必要なのに 1500光年もはなれたOrion Deltaに地球の植民星があるという不思議な事情も、 それが説明の一つになると思われます。

亜空間と通常空間との関係は、 ある意味球体とその表面との関係に似ているようです。 この例では球の表面は二次元ですが、それが一次元上がった 三次元超球面が通常空間、その内部の四次元超球が亜空間というイメージです。 ただし亜空間内での距離は上の例でイメージされるより遥かに縮んでいて、 そのため亜空間での「1000km」は実際には膨大な距離に対応していて、 "The Distant Star"や"Thirdspace"での捜索方法が意味を持つと思われます。 亜空間内には、通常空間では存在が否定されている「エーテル」様の流れがあり、 動力を失った船はその流れに流されて漂流する事になります。 また、亜空間ビーコンを含む通信手段は亜空間ではあまり遠距離まで届かず、 その結果一旦漂流を始めてビーコンの届く範囲から外れてしまうと、 偶然によらなければ生還は絶望的です。

通常空間と亜空間とを結ぶのがジャンプ技術で、 ジャンプゲートと宇宙船搭載のジャンプエンジンによる二種類があります。 ジャンプゲートは通常四つのジェネレータによってその中央にゲートを発生させる装置で、 MinbariやCentauriが宇宙に進出したときには既に多くの恒星系間に ジャンプゲートのネットワークが張り巡らされていました。 その起源は本編では触れられませんでしたがはるか昔に遡り、 どうやらVorlonが作ったのではと示唆されています。 実際Vorlonはジャンプゲートをそのまま利用し、また彼らのジャンプポイントは より若い種族のそれと同様に見えますが、 ShadowやSigma957のFirstOneたちは、別の形で亜空間に出入りしています。
ジャンプゲートジェネレータは解体して別の場所に設置可能で、 Centauriが大帝国を築いた時期にネットワークを組みなおしたようで、 地球同盟も(少なくとも始めのうちは)Centauriにゲート使用料を支払っていたらしいです。 亜空間内ではゲート(に対応する点)間が亜空間ビーコンの信号で結ばれ、 船はそれに沿って航行しています。 何らかの信号によってゲートが作動し、その際に課金されるシステムですが、 航行の安全のため亜空間から通常空間へ出るのは無料となっています。 ジャンプゲートを破壊する事はその地点を孤立させるばかりでなく ネットワーク全体にダメージを与えるため、喩え戦時でも厳重に禁止されています。

一方ジャンプエンジンは宇宙船搭載型のジェネレータで、 亜空間への入り口であるジャンプポイントを任意(?)の場所に開く事ができます。 作動に大量のエネルギーが必要なため相当の大型艦でなければ搭載できず、 五大国以外ではBrakiliだけがジャンプエンジン搭載艦を使っています。 また同様の理由によって、 ジャンプエンジン搭載艦でも通常はジャンプゲートを利用しています。 ジャンプゲート内でさらにジャンプポイントを開くと干渉によって不安定化し、 爆発が起こってゲートが破壊される結果を生みます。

第四シーズンでの話では、地球からBabylon5に向かうのに通常は数回中継点を 通る必要があり、そこでは通常空間に出る必要があるようです。(#73 Epiphanies) これはMinbari本星に向かうSharlin級巡洋戦艦でも同様で (#79 Rumors, Bargains and Lies)、 この事から考えると何らかの理由で亜空間に長く留まる事は出来ないのではと想像されます。 しかし一方、Besterの説明ではPsi Corpsの工作母船は 長期間亜空間に留まったまま(#101 The Corps is Mother, The Corps is Father) との事なので、上の想像とは違って来ます。 亜空間で動かなければ大丈夫なのでしょうか?

2004/11/17


戻る

inserted by FC2 system