Narn

Narn政府 (Narn Regime)

Narn本星

Eridanus82番星の第二惑星で、衛星は一つ。 太陽からの距離は20光年で、Eridanus Epsilon系にあるBabylon5から12.2光年、 またCentauri本星から67光年という設定である。
しかしこの恒星名は星図には存在せず、 太陽からの距離等から想像すると、Eridanus e星の事かもしれない。 それなら太陽よりやや暗い主系列星(スペクトル型 G5V)で、 実視等級は4.26等級、また太陽からの距離は19.8光年である。 これから絶対等級を計算すると、5.34等級となる。


Narn人の生理的特長

Narn人は他の種族と異なり両生類から進化したとされている。 男女の性を持つが、 男性は腹部に育児嚢を持ち、女性が産んだ新生児を 男性がそこで育てる。 彼らの厚い皮膚は暗い黄や緑の斑点で覆われ、 厳しい環境に耐える事が出来る。 Narn主星が太陽よりもスペクトル型が晩期の星であるため、 その光に適応して彼らの目は赤い。 1000年前にShadowの基地がNarn本星に置かれていた際に、 Shadowによってテレパスが一掃され、 主要種族のうちで唯一テレパスを持たない。


Babylon5本編当初時点までのNarnの歴史

22世紀初頭にCentauriによって侵略を受けるまでは、Narnは平和な農業種族だった。 Centauriの侵略軍は、南大陸の中心都市をプラズマ爆弾で壊滅させた後で それを他の侵略者の仕業のように見せかけ、 自分たちがその侵略者を撃退したかのように装った。 たまたまその筋書きがNarnの聖典であるG'Quanの書の記述に一致していたため、 Narn人たちはCentauri人を歓迎し救世主として敬った。 その錯覚を利用してCentauri人たちはNarnの指導者たちに NarnがCentauri共和国に従属する見返りに Narn人に教育や技術を与え安全を保障するという提案をし、彼らを取り込んだ。
始めのうちNarn人たちは従順で、CentauriにとってNarn本星は最重要な惑星となった。 CentauriはNarnの農産物や鉱物資源を輸入し、Narn本星はCentauri人にとって 最も人気あるリゾート地になった。 しかし段々とCentauri人は横暴に振舞うようになり、Narn人の権利は制限されていった。 Centauri人は征服者となり、彼らの奴隷のようにされたNarn人たちは、 彼らが神とは程遠い存在である事に気がついた。 Narnの指導者たちはCentauriに自治権の拡大を求めたが一笑に付され、 却ってNarn人たちは家畜のように集められ農場や鉱山に送り込まれた。 さらに一部のNarn人はCentauriが支配する他の惑星に奴隷として送られるようになる。 Centauriによる資源の収奪が進むにつれ、Narnの自然環境は破壊されていった。
ここに至ってNarn人たちのレジスタンスが始まったが、 始めは組織化されていなかった為にCentauri軍によって簡単に鎮圧された。 しかし他の惑星に送られていたNarn人が戻り、Centauri人たちは保護者ではなく Centauriの他にも宇宙には多くの種族がいる事をNarn人が知ると、 組織化された抵抗運動が起るようになった。 レジスタンスはCentauriに属する設備を破壊し、 Narnに住むCentauri人を殺し始めた。 さらに同様にCentauriの横暴に苦しむ非同盟惑星諸国からの武器援助も受け、 レジスタンスは拡大の一途を辿る。 Centauriの占領軍はレジスタンスとの本格的な戦いに入ったが、 23世紀の初頭にはプラズマ爆弾を投下したのがCentauriだった事が暴露され、 Narn全土が反占領闘争に覆われた。 惑星外でもNarn人たちは非同盟惑星の協力を得てCentauriの交易ルートを破壊していった。 都市は焼き討ちされ、鉱山や駐屯地は襲撃を受け、 CentauriにとってNarn占領はもはや重荷になる一方となった。 そして2214年、遂にCentauriはNarnを放棄し、Narnは独立を勝ち取った。
長期に渡るCentauriによる占領の間にNarnは荒廃してしまったため、 彼らは伝統に立ち返って部族や一族単位で選ばれた代表者からなるKhariを 世界政府の議会として設立し、国家の再建を始めた。 彼らは二度と支配される側に回らない事を誓い、まず何よりも強力な軍を作りあげ、 その軍事力を背景として近隣の星系に侵略を始めて占領中に失った資源を今度は 収奪する側に回った。 Narnが新たに得た九つの植民星のうち四つはCentauriの旧植民星だったが、 Centauriは彼らに反撃する力を失っていた。 一方でNarnは新たな科学技術を得るために異星人との交易を推進したが、 その強引な手法はしばしば摩擦を生じ、紛争を引き起こした。 2219年にはNarnは地球同盟と接触するが、 始めNarn人は地球人をCentauri人と誤解したため紛争が起った。
2228年に、NarnはDilgar帝国と初めて接触した。 DilgarはCentauriと同等の力を持つ古い種族だったが、 彼らの進出を厳しく監視していたCentauriが力を失ったため急速に拡大を始め、 非同盟惑星諸国に侵略の手を伸ばし始めていた。 Narnは同じくCentauriを憎悪していたDilgarと手を結び、 両国は銀河のこの領域を二分する約束を交わして交易を始めたが、 非同盟惑星へのDilgarの侵略が進むにつれ Khariの一部は彼らがNarnをも侵略するのではと恐れ始めた。 暫くしてDilgarはNarnが非同盟惑星に武器を売っている事を知り、 背信行為への報復としてNarnの貿易艦隊を破壊し、領域境にある植民星を侵略した。 やがてNarnの艦隊が植民星に到着したとき、 植民者たち全員がDilgarによって遺伝子実験の実験動物にされていた事が明らかになった。 この知らせを受け、Narnは非同盟惑星と結んでDilgarに対抗する事になった。 非同盟惑星はCentauriにも救援を求めるが彼らは自分たちの事に手一杯で、 MinbariはDilgarと相互不可侵条約を結んでいた。
2229年にDilgarは正式に侵略戦争を開始し、戦争は途中までは一方的にDilgar有利に進んだ。 しかし2231年に地球同盟が戦争に介入してから風向きが変わり、 その年の終わりにはDilgarの艦隊は一掃される。
Dilgar戦争の結果、Narnと地球との関係は改善し、 2245年に始まった地球-Minbari戦争ではNarnは数少ない地球の支援国として 武器やCentauriから奪った技術を供与した。 しかし戦後は両国の関係は段々と冷え込んでいった。

嘗て支配されたCentauriに対しては現在でも激しい敵意を剥き出しにし、 国境での小競り合いを繰り返している。


Narnの艦船

G'Quan級巡洋戦艦(Heavy Cruser):

全長1400mのNarnの主力艦で、上から見ると背の高い二等辺三角形をしている。 地球同盟のHyperion級巡洋艦より強力だが、Omega級駆逐戦艦には劣る。 主砲は二門の粒子レーザー砲で、動力源は核融合炉二機である。 人工重力発生装置はなく、通常航行期間は9ヶ月。

T'Loth級巡洋艦(Assult Cruser):

全長1050mの、Narnでは初めてジャンプエンジンを搭載した艦である。 Narnが他の多くの種族から得た技術で作った艦であり Dilgar戦争時の主力艦だった。

Frazi級戦闘機(heavy Fighter):

全長15.8mの一人乗り戦闘機。 地球同盟のStarfuryに比べ、加速性能が劣る。 主装備はパルスキャノンとミサイルである。

Memo

Narnのモデルは欧米に植民地化されていた第三世界一般だが、 幾つかの挿話については特定のモデルが見出せる。 例えば始めCentauri人を神として迎えたという話は、 アステカ帝国の「白い神」の話を思い出させる。

設定上はNarn人は両生類だが、見かけはいわゆる爬虫類型の異星人である。 SFでは爬虫類型異星人は悪役として設定されるのが普通であり、 実際にPilot Movieから第一シーズン当初でのG'Karの行動などを見ていると いかにも悪役として描かれているが、 これは視聴者の思い込みを利用した原作者の作戦である。


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