Vorlon本星については一切が不明である。 ただ、Vorlon宙域の範囲はかなりはっきりと判っているらしい。 Vorlon宙域にはこれまでMinbari, Centauriを始め多くの種族が調査船を送ったが、 一隻も戻らなかった。 Vorlonが銀河を去った後に、彼らの遺産を「墓荒らし」しようとした船も、 彼らが残した自動防御システムによってことごとく破壊されている。
「公式には」Vorlon人は非ヒューマノイドであり、メタン-硫化水素の大気を呼吸している。
そのためBabylon5では、彼らは常に特殊な気密服(環境スーツ)に身を包み、
その中の姿を見た者は居らず、
「Vorlon人の真の姿を見た者は石になる」という噂がささやかれている。
実際のVorlon人は、進化の結果として肉体を捨てて精神生命体に変わっており、
見る者によってその姿は色々に見える。
彼らは嘗て多くの若い種族の星を訪れて導いており、
そのため多くの種族は彼らの姿を「天使」として見る。
ただしこれは、Vorlon人が見る者の心に働きかけて
そのように見えさせているというべきであり、
そのため多くの種族に姿を晒す事は、Vorlon人にとってかなり疲労する作業らしい。
環境スーツの形状から想像すると、元々の彼らの肉体も非ヒューマノイドだったと思われる。
また、メタン-硫化水素の大気というのも本当らしい。
Ulkeshの「我々は皆Kosh」という言葉からは、種族全体が集合意識を持つ事が示唆されるが、
はっきりとした説明はされていない。
Vorlonの正体は、Minbariなどより遥かに古いFirst Oneと呼ばれる古代種族である。
First Oneのうちでは最も若い種族とされている。
太古の昔からFirst Oneたちは銀河系に広がり、お互いに争いを続けてきたが、
やがて争いをやめて多くは銀河系の外へと去って行った。
その際、VorlonとShadowの二種族が、より若い種族たちの導き手として銀河系に留まった。
Vorlonは秩序を重んじ、若い種族を枠にはめて導こうとしたのに対し、
Shadowは混沌と争いから進化が生まれると考えており、
両種族のイデオロギーは完全に対立していた。
始めのうち、両者はお互いの考えを尊重していたが、
やがて自分たちのやり方だけが正しいと考えて争いを始めた。
その争いに多くの若い種族が巻き込まれて滅び、
一万年前の戦いでは、僅かに残った別のFirst Oneたちも加わって
Shadowを破った。
その後、VorlonとShadowとは直接対決を避け、
両者が勝手に若い種族を支援し、相手が支援した種族を滅ぼすという戦い方を始める。
千年前には、VorlonはMinbariを支援してShadowと戦い、
彼らを本拠地のZ'ha'dumから追いやった。
その後はVorlonはごく最近まで、他の若い種族との相互接触を断っていた。
しかしその間も彼らは地球を含め幾つもの惑星を密かに訪れていたらしく、
その間に若い種族への遺伝子操作を行っていた。
地球での100年前のテレパスの大量出現はその結果であり、
Vorlonはテレパスを対Shadowの兵器として準備していた。
百万年以上昔にVorlonが多くの惑星を訪れていた頃、彼らは神として迎えられた結果、 自分たちも自らを全能であるように思い込み、 天国への門を開けるつもりで「第三空間」への扉を開いた。 しかしその世界の住人はVorlonを上回る力を持ち、 自分たちよりも劣る全生命を滅ぼそうとした。 Vorlonは辛うじてその侵攻を食い止め扉を封印したが、 その扉は亜空間で見失われていた。
Vorlonの政体については一切不明であり、帝国というのも恐らく俗称にすぎない。 ただ、いわゆる「帝国主義」的な(唯我独尊的な)国家という意味では 当たっているかもしれない。
恐らくJMSによる意図的なミスリーディングによって、 Vorlonはかなりおどろおどろしいイメージで描かれている。 その後、「光の存在」としてShadowと対比され、絶対善であるように描かれるが、 それも必ずしも正しくない。 Shadowとの争いは善と悪の戦いではなく、秩序と混沌との対立というのが正しい。