The Long Night of Centauri Prime

Legions of Fire: The Long Night of Centauri Prime

登場人物:

Shiv'kala: CentauriにおけるDrakhのリーダー
Londo Mollari: Centauri皇帝
Durla: Centauri宮廷警護隊長、後に内務大臣
Senna: 故Refa公爵の娘
Vir Cotto: Babylon5のCentauri大使
Rem Lanas: Babylon5のDownBelowに住むCentauri人
Kane: 見習のTechnoMage
Mariel: Londoの元の妻
Timov: Londoの妻
Castig Lione: Centauriの開発担当大臣
Kuto: Centauriの情報大臣
John Sheridan: 惑星間同盟大統領

粗筋:

第一部: Nightfall (2262--2264)

Centauri王宮に潜み摂政を操っていたDrakhのリーダーであるShiv'kalaに、 Centauri本星全体を人質に取られた皇帝Londo Mollariは、 死んだ摂政と入れ替わりにKeeperを取り付けられる事を受け入れた。 しかしそれは想像していた以上に酷い体験であり、 彼は悲鳴を揚げてKeeperを取り外すように頼むが、 ついに自分の死以外には運命を逃れる方法は無い事を悟る。
Shiv'kalaの要求に従って彼は皇帝としてCentauri国民に演説を行い、 惑星間同盟への敵意を煽った。(#106 "The Fall of Centauri Prime")
その後Londoが玉座に一人で座り、自殺を考えている所に、 警護隊長のDurlaが入ってくる。 自殺するときに一人で居たいLondoは、彼の卑屈な態度を不快に感じて 玉座の間から出て行くように命令するが、 皇帝が無防備なのは適切でないとDurlaは抵抗する。
Londoは自殺する前にもう一度だけ首都の光景をみようと散歩に出かける。 そこで彼に石を投げた少女が捕えられた。 それはRefa公爵の娘で一族の最後の生き残りだったSenna(15歳)だった。 Londoは彼女を許し、却って王宮に部屋を与えて庇護すると申し出る。 始め彼女はその申し出を拒否するが、 しばらく後にLondoが酒を飲んでいる所に戻ってきて、 彼の申し出を受け入れて宮殿に住む事になった。 Shiv'kalaはそれに難色を示すが、 結局はDurlaを内務大臣に据える事と引き換えに、Sennaの命を保証する。 また、もしLondoが自殺すればSennaの命もないと釘を刺す。 このとき既に、Londoは酒に弱いというKeeperの弱点に気がついていた。

八ヵ月後、Sennaは家庭教師のTelis Elarisと親しくなり、 市街地の外の丘で二人きりで会うようになった。 彼はCentauriが再び戦争への道を進んでいると信じており、 DurlaはSennaに王宮の外で彼に会う事を禁じるが、彼女はそれを無視していた。
ある日、彼女がいつものように丘で彼を待っていると、 彼の家の辺りが爆発するのが見えた。 現場に駆けつけた彼女は、Durlaが遺体の収容作業をしているのを見て、 彼を殺人者として告発する。 Londoは彼女の軽率な振る舞いをたしなめるが、 もし彼女の主張が真実ならMordenと同様の方法で処刑するとDurlaに警告した。 その後LondoはShiv'kalaによって、Durlaを脅迫した罰として 数日間動けも喋りも出来ない状態で玉座に座り続けさせた。

Babylon5からCentauri本星に戻って来たVir Cotto大使は、 反惑星間同盟の空気が満ちている本国の状況に心を痛める。 彼を宇宙港で迎えたのは開発大臣のCatig Lioneと国粋青年同盟の指導者Throkで、 二人が王宮に彼を連れてゆく間に、こっけいな会話が交わされる。 パーティーの席で、酔ったLondoはVirに謎かけをし、 その中でKran皇帝の話を持ち出す。 また、Babylon5に住むRem LanasというCentauri人の名前にも言及した。
Babylon5に戻ったVirはZackにRem Lanasについて調べてもらうが、 入港記録はあるが住居や職歴は見当たらず、 ZackはDownBelowの住人らしいと見当をつけた。 そこにやって来たGaribaldiがSheridan大統領と会談にVirを呼び出す。 次の日に予定されている大統領によるDownBelowの視察にVirも参加予定だったが、 同盟の他の種族はCentauri大使の招待取り消しを求めていた。 大統領はその要求を突っぱねるつもりだったが、Virは自ら招待を辞退する。
VirはKran皇帝がスラム視察中に暗殺された故事を思い出し、 Londoの謎掛けの意味を理解する。 直ぐにDownBelowに向かったVirはLanasを見つけ出し、 彼に何かが取り付いているのに気がつくが、 取っ組み合いの最中にLanasの口から飛び出した怪物に殺されかける。 そこに現われて彼を救ったのは、(見習)TechnoMageのKaneだった。 KaneはVirに陰謀について警告し、Lanasが正気を取り戻す前に姿を消す。
Shiv'kalaはSheridanを救った事に対してLondoを罰し、 彼にMinbariを訪問してKeeperの入った壷を J&D夫妻の生まれてくる子供にプレゼントするように命じた。

内務大臣Durlaは嘗ての恋人Marielの夢を観た。 嘗て彼は彼女と結婚するために自分の兄弟を殺す事までしたが、 その後彼女は彼を棄ててLondo Mollariと結婚したのだった。 夢の中で彼女は、辺境の惑星K0643を発掘する事で銀河を征服できると彼に教える。 実はこの夢は、Dreamweaverという半生物を使ってShiv'kalaが彼に見せたものだった。
現実のMarielはLondoに離婚された後は貧乏に苦しみ、遂には自殺しようとしていた。 そのとき大臣Castig Lioneの使者Throkが彼女を訪問し、惑星間同盟へのスパイとして 彼女をスカウトする。

第二部: Nighttime (2265--2267)

執筆中の書物を開いたままで書斎で居眠りをしている皇帝Londo Mollariを見つけたSennaは その内容を読んでしまい、 彼が五ヶ月前のMinbari訪問の際にKeeperの入った壷をJ&D夫妻に贈った事を知る。 (#109 "Objects at Rest") そのとき目を覚ましたLondoが激怒すると、 彼女は宮殿から逃げ出してスラム街であるGhehanaを彷徨う。
一週間ほどしても戻ってこない彼女をLondoは自ら四人の護衛を率いてGhehanaに探しに行き 彼女の危機を救うが、その際にその場に現われたKaneはLondoにプローブを付けた。 同じ頃、LondoはDurlaが惑星K0643で古代遺跡の発掘を進めているのをかぎつけ、 その件についてShiv'kalaに尋ねる。 その発掘現場では、労働者たちが相次いで謎の死を遂げ始めていた。

Babylon5のVirの元にMarielが訪ねて来て、彼を誘惑する。 彼は彼女の魅力の虜となり、彼女は彼の愛人としてBabylon5でスパイ活動を行っていた。
数ヵ月後、彼の部屋にKaneが現われ、Marielがスパイである証拠を示す。 始めVirはそれを信じなかったが、 彼女が大臣に二人の性生活についてまで報告しているのを知ってかんかんになった。 さらにKaneは事件の背後にはDrakhが居ると言って、 Londoに取り付けたプローブからの記録を彼に見せる。 その中でShiv'kalaはLondoにK0643の状況について話しだすが、 途中でプローブに気がついてそれを壊した。
Kaneの勧めに従ってCentauri王宮に行ったVirは、宮殿の待合室でTimovに遭ってビックリする。 彼女はLondoの孤独に心を痛めたSennaから連絡を受け、王宮に戻って来ていたのだった。

K0643の発掘現場では犠牲者が増え続け、 懸念する人々からの問い合わせが情報相Kutoの元に相次いでいた。 実はK0643にはShadowの遺産が眠っていたのだった。
LondoとTimovとの夕食の席でLondoは大酒を飲み、 Timovが退席したあとでVirはKaneに教えられた通りShiv'kalaの名前を口にした。 その途端彼は酒瓶で頭を殴られて倒れ、 その場に現われたShiv'kalaはLondoに彼を殺すように求める。 しかしこのときLondoはKeeperの影響を脱しており、 壁にかかっている剣を取ってShiv'kalaに突きつけ、Virの助命の保証を取り付けた。
その後寝室に戻ったLondoは、ベッドの中にTimovが居るのを見つける。 しかし二人がベッドに入ると直ぐにDurlaが衛兵を率いて寝室に入って来て、 Timovの反逆の証拠を彼に突きつけた。 仕方なく彼は彼女を独房に送り、やはり独房に入れられたVirと二人共に 翌朝王宮から追放した。 その際LondoはVirに「その名前」を二度と口にしてはならないと警告する。
宮殿を出たVirを待っていたのはKaneと二人のTechnoMage, GwynnとFinianだった。 Kaneは二人に、自分たちが銀河を救うのをVirが手助けすると告げる。

2005/3/21加筆


メモ:

Shadowの秘密兵器が隠されている惑星の名前だが、 始めはK0643だったのが途中でK0632に変わっている。 これは"B5/Crusade Spoiler Junkies Archaive"の勘違いだろうが、 どちらが正しいのか判らないのでここではK0643で統一した。

ここではBabylon5本編のうち二話(#106, #109)の一部が再び描かれている。 しかし本編との時間が、やや整合性を失っている感がある。 例えばここで書かれているSheridan暗殺未遂事件は、 #106から#109の僅かな間に起こった事になるし、 LondoのMinbari訪問が2264年という事になってしまう。

Sennaの父親のRefa公爵は、嘗てLondoと手を結んでMalakai首相暗殺に手を染めたが、 後に彼との権力争いに破れて殺された上に裏切り者の汚名を着せられた。 (#64 "And the Rock Cried Out, No Hidding Place") 従ってSennaがLondoを憎んでいたのも当然である。
彼女の肉親はRefa公爵の巻き添えで処刑されたのか、それともNarn-Drazi連合艦隊の爆撃で 死んだのかは不明であるが、恐らくその両方だろう。

Shiv'kalaと打ち合わせを行う"Drakh Entire"という存在がしばしば言及されている。 恐らくDrakhは蟻や蜂のような社会性昆虫と似た集合社会を成しており、 "Entire"とはその集合意識そのものである可能性が高い。 "B5 Tech-Manual"では、彼らの名称は"Drakh Hordes"(大群)となっている。

LondoはKeeperを取り付けられた後も、必ずしも自分の意思を失ってはいない。 また、Keeperも彼の行動を一部始終監視している訳ではないようだ。 ただしそれによって彼の精神は段々と蝕まれて行く。

TimovとMarielは共に#29 "Soul Mates"でBabylon5に現われ、 MarielはLondoに離婚されたがTimovは妻として残った。 このときLondoはMarielを、「権力を持つ男に擦り寄って行き相手を破滅させる」 女だと評している。 恐らく彼女は身分の低い出身で、Durlaを社交界デヴューの踏み台にして 家柄の高いLondoと結婚したのだろう。
もう一人の元妻Daggairの消息は不明のままである。

この巻の最後でVirが三人のTechnoMageに迎えられたのは、 Centauri初代皇帝Tuscanoの故事を思わせる。 後に彼が皇帝になる事を暗示しているのだろう。 (#25 "The Geometry of Shadows")


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