Armies of Light and Dark

Region of Fire: Armies of Light and Dark

登場人物:

Vir Cotto: Babylon5のCentauri大使
Kane: 見習TechnoMage
Gwynn: 見習TechnoMage
Finian: 見習TechnoMage
Galen: TechnoMage,「TechnoMage三部作」の主人公
Rem Lanas: K0643の発掘現場労働者
Dulra: Centauriの内務大臣、後に首相
Londo Mollari: Centauri皇帝
Senna: Londoによって王宮に養われているCentauri人の少女、故Refa公爵の娘
Throk: Centauri国粋青年同盟(Prime Candidate)のリーダー
Shiv'kala: Centauriを陰で支配するDrakhのリーダー
Lou Welch: Babylon5での元のGaribaldiの部下
Michel Garibaldi: 嘗てのBabylon5警備主任、現在は火星最大の企業"Edgars Corp"の事実上の経営者
G'Kar: 嘗てのNarn大使, Londoの「旧友」
John Sheridan: 惑星間同盟大統領
Delenn: 嘗てのMinbari大使で現在のEntil'Zha, John Sheridanの妻

粗筋:

TechnoMageたちはVirに、死体に囲まれたエネルギーゲートに立っている幻を見せる。 Virはそれを見て、彼らと共にK0643へ赴いて Drakhの狙いを探り出さねばならない事を理解した。
K0643に到着したVirたちは、そこの発掘現場でRem Lanasが働いているのを目にする。 現場ではさらに作業員の死亡が相次ぎ、既に30%以上の犠牲が出ていた。 Virが現場監督Renegarに会って作業を中止するように説得しているとき、 作業現場では大きな爆発が起こり、 ジャンプゲートを思わせる巨大な構造物が地表に姿を現した。 Drakh艦がその中に飛び込み、Virもまた未知の力によってその中に引き寄せられ、 彼を捉えたTechoMage船もろともゲートの中に吸い込まれた。
ゲートの出口から出てきた彼らの前に有ったのは、 何も無い空隙「ゼロフィールド」だった。 その中に入った彼らは、Shadowの基地であるXha'damを発見する。 Drakhはそこで完成させたDeath CloudのテストのためにDaltron7に向かっており、 さらに別のDeath Cloudを建造中だった。 VirはKaneらに、Daltron7へ向かって警告するように言うが、 この星の文明はまだ宇宙に進出を始めた初期の段階で、 その運命を逃れる事は不可能だと判る。 諦めてXha'damに降りたVirは建造中のDeath Cloudを操作するDrakhを倒し、 未完成の兵器で基地を攻撃する。 船に戻る途中で彼らはDrakhたちに遭遇して戦い、 Kaneは重傷を負った。 脱出する彼らの後ろでXha'damは爆発するが、Kaneも死亡する。
崩壊しつつあるゲートから脱出してK0643に戻った彼らを待っていたのは TechoMage Galenだった。 GwynnとFinianから、Death Cloudで地球を破壊した後で MinbariにはShadowのウイルス兵器を使うというDrakhの計画の報告を受けたGalenは、 自分はCentauriの関与は伏せたままで地球とMinbariを救う手立てを打つと言い、 VirにはBabylon5に戻ってDrakhに反撃する艦隊を編成する手助けをするように助言した。

2268年1月、Londoは執筆中の書に、DrakhのDeath Cloudによる地球攻撃は失敗したが、 替わりにウイルスがばら撒かれた顛末を書き記した。
Durlaによって宗教相の地位についたVallkoは、地球の蒙った災厄に対し弔意を表明し、 惑星間同盟からの疑惑を逸らす。

ある朝Londoが目覚めると、部屋に居たのは古くから彼に仕えていた召使のDunsenyではなく、 国粋青年同盟の指導者Throkだった。 ThrokはDunsenyがLione大臣に退職を願い出たため新たに自分が任命されたと説明するが、 実はDunsenyは退職を強要されたのだった。 それを知ったLondoはSennaとの会話の中で、 王宮で起こっている事、特に国粋青年同盟のメンバーがどのくらい王宮に入り込んでいるのかを、 自分に知らせてくれるように仄めかす。 この出来事自体はDrakhとは関係なく、DurlaとLioneの考えによるものだった。
2268年6月、LondoはSennaが知らせてくれた情報を書き記し、 Virをもっと頻繁に王宮に呼び戻す計画を図る。
Sennaからの手紙で、Virは自分がCentauri社交界に復帰する鍵を握っているのが Marielだと気がついた。 そしてGalenに、TechnoMageの魔術を使って 彼女の気持ちを本当に自分に向けさせてくれるように頼む。 GalenはVirが自分の望みを本当に理解しているのか疑問に思うが、 結局彼の頼みを受け入れる。 次にMarielが現われた時、彼女は実際にVirを熱狂的に愛するようになり、 彼の求めに何でも応じるようになっていた。 彼はそうするようにGalenに求めた事を後悔したが、 もはや彼女を元に戻す事は出来ないとGalenは答える。 そしてGalenはVirに、Shadow技術を検出する装置と耳に取り付けて自分の指示を伝える 装置を彼に与えた。
Marielからの呼び出しでZocaloへ行ったVirは、彼女がDurlaと一緒に居るのを見つけた。 DurlaはMarielが最近になってスパイの役割を怠っている理由を質すために、 Babylon5にやって来たのだった。 Virは彼女の手引きでDurlaに取り入り、Centauri社交界への復帰の手がかりを得るが、 彼女をそのように利用した事でVirの良心は痛んだ。

2268年8月、VirはMarielと共にCentauri王宮でのパーティーに出席していた。 その様子をGalen, GwynnとFinianは、Virに取り付けたプローブを通じて Ghehanaの隠れ家から監視している。 Virは王宮にこれまで仕えてきた者たちが姿を消し、見知った顔が一人も居なくなっているのに 注意を引かれる。 Marielがパーティーの花形となって周囲に男たちを引き寄せている隙に、 Virは一人で王宮内の探索を始めた。 彼は宮殿の暗く一角に入り、精神的にも感覚を失うような抑圧感を憶える。 そして監視しているGalenらが、 ドアの陰でDrakhがVirを殺そうと待ち伏せしているのに気がついたとき、 突然Virに指示を与える装置が働かなくなった。 あわやという瞬間にLondoが現われ、Virをパーティーの場に引き戻す。 一方LioneはMarielをオフィスに連れて行き、スパイとしてきちんと働くか さもないとVirと一緒に死ぬことになると彼女を脅す。
翌朝Ghehanaの隠れ家にやって来たVirに、 Galenは昨晩Drakhが彼を殺そうとしていた映像を見せた。 さらに彼はLondoが肩の上のKeeperに痛めつけられるシーンも示す。 Galenらはこれらの証拠を惑星間同盟に渡す計画だったが、 VirはそれがCentauri本星の滅亡を招くとして反対し、別の案を出した。 (Virの代案の内容はここでは触れられていない。) 完全に納得した訳ではなかったが、Galenらはその案を受け入れる。
VirはDurlaのオフィスに行き、Marielの浮気に苦しめられているので いっそ彼に譲りたいと申し出る。 両者が面目を保つために、Marielを賭けてカードゲームを行い、 賭けに破れたVirがDurlaに彼女を譲った形を取った。 MarielはDurlaのものになる事を受け入れるが、 それはDurlaをスパイして愛するVirを助けるためで、 何時かVirが自分を取り戻してくれると信じていた。 Virはこのような手段を講じた事で自己嫌悪に襲われる。

2270年5月、DurlaはXonos大陸で密かに戦争の準備を始めていた。 惑星間同盟はそれに気がついて計画の破棄を求めるが、 Durlaはこれは平和目的の計画だと主張する。
ThrokはSennaとの結婚の許可をLondoに願い出るが、Sennaは彼を嫌っていた。 ある夜、Londoは宮殿で争う声を聞きつけ、 行ってみるとThrokがSennaを掴まえて殴りつけていた。 LondoはThrokを殴り倒し、今度Sennaに手を出せば宮殿から追放すると言い渡した。

火星のGaribaldiのオフィスに、現在はセキュリティーコンサルタント業をしている 嘗ての部下のLou Welchが入ってきた。 Garibaldiは彼にXonos大陸に建設中の施設の写真を示す。 Sheridan大統領はその施設が、軍需工場を隠すためのおとりだと疑っており、 Garibaldiは自分と共に嘗てのLondoを良く知る仲間が調査に加わる事を望んでいた。 Welchがサインすると、調査チームの三人目のメンバーであるG'Karが部屋に入ってきた。
Centauri王宮に到着した三人はLondoと会い、 翌日XonosへLondoの言う農業施設を視察に行く事になった。 王宮のそこかしこに居る国粋青年同盟員が鍵を握っていると気付いたWelchは、 風邪を口実にして王宮に居残り、彼らの動きを探る事にする。 一方G'Karは嘗て自分がCartagiaに閉じ込められていた地下牢を見に行った。 そこで彼を見つけたLondoは、 彼がMarielと共謀して自分を殺そうとした時の話を持ち出す。 (#29 "Soul Mate")
翌日Welchは、「隠れ外套」を被って 国粋青年同盟のメンバーの跡を付け、彼らが本部と呼ぶ建物に侵入した。 この外套は、ある惑星に不時着した異星人の船で彼が見つけたものだった。 彼はそこでThrokの姿に気付き、 彼が出て行ったオフィスの端末を操作して Xonosの施設は実際に無害だが、 替わりに辺境の惑星でCentauriが軍事物資を大量生産している証拠を見つける。 しかしThrokが戻ってきたとき突然隠れ外套が働かなくなり、 見つかったWelchは殺されてしまう。 物陰から現われたShiv'kalaは、 ThrokにWelchの隠していたデータクリスタルを取り上げるように言い、 隠れ外套を調べてそれが本来はDrakhのものだった事を確認した。 ThrokはWelchの死体を市街地の離れた場所に放置する。

遺体置き場で、かんかんになったGaribaldiはDurlaに、 Welchを殺した者を死刑にするように要求していた。 G'Karが彼を宥めている所にVirが到着してお悔やみを言い、 Durlaが出て行くとFinianが姿を現した。 FinianはWeichの脳を読んで彼の死の原因を探れると言うが、 出来ればGalenにそれをやってもらいたい様子だった。 結局Virが検死官の注意を逸らしている間に FinianはWelchの頭蓋骨を開け、記憶を読み取った。 Welchが探り出した辺境の軍事工場の秘密で それによってThrokに殺されたと知った彼らは、 とりあえずその情報を公開しない事にするが、 GaribaldiはWelchを殺した犯人にその報いを受けさせる事をVirに確約させた。
Virは酔った振りをしてThrokが二人の部下と共に本部に入ろうとしている時に話し掛け、 二人だけになったときに彼がWelchを殺したと知っている事を仄めかすが、 自分は勝利が確実なThrokの側に付くと続けた。 その隙に彼はThrokにマイクロ爆弾を付ける。 Throkが建物に入った後で爆弾が発見されたとき、Virは起爆スイッチを押し、 建物は炎上した。 Virが約束を守ったのを確認して、彼と共にGaribaldiとG'KarはBabylon5に向かう。
Babylon5でVirは集まった12名の同志に、 植民惑星での軍備増強に対する妨害工作を行ってDrakhの計画を混乱させる指示を与える。 彼らの中には、Rem Lanas, RenegarとDunsenyも含まれていた。
2271年1月、Londoは自分の書物に数ヶ月前の国粋青年同盟の隠れ家の爆破事件と、 その後に次々と起こった植民惑星の施設の破壊について書いた。 彼は忠僕のDunsenyがまた戻ってきた事を喜んでおり、 またDurlaは一連の事件で自分が更迭される事を心配していた。

六ヵ月後、火星にGaribaldiを訪ねていたSheridanに、Delennからの通信が入った。 彼女は彼が学校でのDavidの儀式に立ち会う約束をしていた事を思い出させ、 部屋からDavidが出て行った後で自分が観た夢の話をする。 それはCentauriとLondo, そして彼女を見つめる「目」の夢で、 その目は彼女を通してさらにDavidを見つめているように感じられた。
その後、SheridanとGaribaldiは、妻のMarielを伴ったCentauriの新首相Durlaと会談する。 Durlaは惑星間同盟がCentauri植民星でのサボタージュや破壊工作を支援していると主張し、 強圧的な態度を取った。 Durlaが出て行った後で、二人はCentauriが実際に戦争の準備を進めているが、 惑星間同盟は平和に慣れておりその警告を無視するだろうと話し合った。

2273年3月、Londoは昨年の出来事について書いていた。 DurlaはGhehanaを一掃し、「偉大な年」と呼ばれていたが、 さらに自分に忠誠を誓わない貴族たちを次々と排除していた。 遂にDurlaはLondoの排除さえも企み、 今晩大勢の目撃者を連れてLondoの前に現われて彼を挑発したが、 しかしLondoは、Durlaが自分の手を汚したくない臆病者だと知っていたので それに応じなかった。
Centauri本星では異星人を排斥する法令が施行され、 もはや文明社会とはいえない世界に変わっていた。

2005/4/7 加筆


メモ:

第二巻、第三巻はいずれも、 一連の出来事とLondoの書き記している書物の記述が交互に綴られている体裁になっている。 この書物の正体は、第三章の最後に明らかになる。

Daltron7がDeath Cloudの実験台として破壊された事は "A Call to Arms"において触れられており、 「ゼロフィールド」も登場している。 結果的に地球にばら撒かれたShadowウイルスは、 本来はMinbariに使用する予定だったものなのだろうか? もしや、Galenが講じた手立てによってMinbari攻撃が中止され、 結果的に地球にウイルスがばら撒かれたのだろうか?

Galenは"Crusade"のレギュラーの一人であり、Excaliburにも時々姿を表すが、 この小説によると、Excaliburに居ない時には Centauri本星のスラム地区GhehanaからVirを監視しているらしい。
彼はまた、「TechonoMage三部作」の主人公でもある。 恐らくJMSはGalenを、 Babylon5世界の物語の後半を通した主人公として想定していると思われる。

"Crusade"の発端となる"A Call to Arms"の一連の事件が描かれているのに引き換え、 その後の地球の運命に関してはここでは一切触れられていない。 2272--3年までにおそらくExcaliburの活躍によってDrakhウイルスへの対抗策が完成して 地球が救われたのは確実だが、それに関する記述は少なくとも粗筋には存在しない。

Xonos大陸は、嘗てCentauriに滅ぼされたXonが住んでいた大陸である。 恐らくその後も、人口希薄地帯のままだったらしい。

Lou Welchは本編第一、第二シーズンに準レギュラーとして登場していた。 正直な所ここでの扱いは、 StarTrekでの「見慣れない顔が上陸班に入っていると、必ず殺される」 という法則を思い出させてあまり気分が良くない。


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