Babylon5 #13

#13 Signs and Portents

粗筋

Ivanovaが目を覚まして司令室に入った時、 Sinclairは貨物船を護衛していたStarFuryからの 海賊船から襲われたという救難信号を受け取っていた。 基地からそれほど遠くない空域のため彼は直ちに救援部隊を送ろうとするが、 間に合わずにStarFuryは破壊される。
その頃基地には上等の服装をした地球人が入港していた。 彼のIDカードは長い間更新されていなかったため係員が尋ねると、 辺境の調査を長い事していたという返事だった。

Sinclair, IvanovaとGaribaldiは、このところ基地の周辺空域に出没する海賊対策を 話し合っていた。 Ivanovaは自力でジャンプポイントを作れない海賊船が こんなに素早く姿を消すのは不思議だと言う。 SinclairはDelta中隊を警戒飛行に出し、 貨物の受け入れリストをチェックして 海賊の次の獲物になりそうなものが無いかを調べるようにGaribaldiに指示した。
Ivanovaが出て行った後、 Sinclairは最終決戦での24時間の記憶消失についてGaribaldiに話し、 調査してくれるように頼んだ。

LondoはバーでRenoという地球人の男に会って黒い箱を受け取っていた。 その中身はEyeという宝石で、Centauriの初代皇帝が持っていた権力の象徴だったが、 100年以上前のNashokの戦いで失われており、 このたびEyeが発見されたため、Centauri政府は大金を出して それを買い戻した所だった。 LondoはRenoがどうやってこれを手に入れたかを尋ねるが、 彼は答えようとしなかった。
部屋に戻る途中、Londoはエレベーターの前でG'Karに出くわした。 エレベーターを待っている間に二人の間で口論が始まり、 興奮した二人はエレベーターに乗り損ねた。

部屋に戻ったG'Karの所に、先ほどの辺境から来た地球人Mordenが訪ねて来た。 彼はG'Karに、「あなたの本当の望みは何ですか?」としつこく尋ねて苛立たせる。 最後にG'Karは、Centauriに対する復讐が望みだと答えたが、 その後は、と尋ねられると、 「判らない、自国の平和が保証されればそれ以上は何も要らない」と答えた。 Mordenは礼を言って立ち去ったが、G'Karの答えは彼の求めているものではないようだった。

同じ頃、LondoはドッキングベイでCentauriの貴族Kiro公爵と その伯母で預言者でもあるLady Ladiraを迎えていた。 Ladiraは気分が悪いようで、始めは旅の疲れのためと言っていたが実はそうではなく、 彼女は突然「Babylonは滅びる、この場所は破壊される!」と叫んで気を失った。
Kiroの部屋に運ばれた彼女は具合は良くなったようだが、 依然として破滅のヴィジョンは続いていた。 Londoは彼女が言った事が本当なのか尋ねるが、Kiroは笑って、 子供の頃彼は「影」に殺されると彼女に予言された事を話し、 予言など信じていないと言う。
Kiroは皇帝の代理としてEyeを受け取りに来たのだが、 元々はEyeは自分の家の物だったのに、とLondoに洩らした。
彼らが部屋を出た時、彼らを付けていた"Six"と名乗る男が"One"と連絡を取っていた。

MordenはDelennの部屋を訪ねて、G'Karにしたのと同じ質問を繰り返していた。 彼女がなぜそのような事を尋ねるのか問い返している最中に、 急に彼女は何かを感じ、額を手で抑えた。 手を離したとき、彼女の額には銀色の三角形が浮かんでいた。 彼女は何かに怯えた様子でordenに直ちに部屋から出て行くように叫び、 彼は何かに気づかれた事を悟って命令に従った。 彼が出て行くとDelennの額の銀色の三角形は消えたが、 彼女は震えながら「奴らだわ」と呟いた。

LondoはKiroと自分の部屋でEyeを眺めていた。 KiroはCentauri本国では人々が不満を抱え政府に失望しており、 一方皇帝はもう長い事公の場に姿を見せていないと指摘する。 そして元々自分の家のものだったEyeを皇帝に返す必要があるだろうかと、 胸のうちの野心を露にした。 Londoは彼を嗜め、 皇帝の権力を奪おうとしても国民の支持がなければ殺されてしまう、と指摘して、 今はもう良き昔の時代とは違うと言った。 Kiroも頷き、名残惜しそうにEyeを箱に仕舞った。
Ladiraは眠っていたが、Babylon5の破滅のシーンを夢で見て目を覚ました。

輸送船Achilles号から海賊に追われてジャンプゲートに向かっているという連絡が 基地の司令室に入った。 IvanovaがDelta中隊を率いてAchilles号の救援のためにジャンプゲートに向かった。
その頃"Six"は"One"に、「奴らは餌に食いついた。」と連絡していた。

Koshの船がステーションに戻り、彼が通路をやってくるのを、 Mordenは脇によけてやり過ごした。
Achilles号の近くに到着したIvanovaは、 二機のStarFuryを警戒のためにジャンプゲートの付近に残して、 残りの中隊でAchilles号の護衛を始めた。

KiroからCentauriに発つ準備が出来たという連絡を受けたLondoは、 Babylon5のジャンプゲートを抜ければ後はCentauri軍が警護に付くと話して、 Eyeの箱を持って部屋を出た。 エレベーターの前でMordenが現われ、 LondoにもG'Karらにしたのと同じ質問を繰り返した。 始めはMordenが立ち去るのが望みだと答えていたLondoだが、 「それで本当の望みは何ですか」と繰り返すMordenに振り返って、 「麿の本当の望みは、銀河系におけるCentauri共和国の復権だ。 古き良き時代を取り戻す事だ。 これで答えになっているかね?」と答えた。 Mordenは礼を言って立ち去った。

KiroとLadira, LondoがKiroの船に向かう途中でSixが彼らを遮り、 彼と共犯者はEyeを取り上げた上で三人を人質に取ってそのまま船に向かった。
SinclairはAchilles号の積荷が大して価値の無い物だったためおとりであった事に気がつき、 Ivanovaに基地に引き返すように命じた。 そして彼はドッキングベイへ急いだが、 彼が到着した時すでにSixは人質を取っており、 SixがKiroを連れて船に乗り込むのをSinclairたちは為すすべも無く見送った。
二人の乗ったCentauri船が出発すると直ぐに、 SinclairはGaribaldiに命じてAlpha中隊を発進させた。 LondoはLadiraを守ってその場を離れたが、 彼女は「影が彼の所に来るわ」と言う。

Alpha中隊がCentauri船を追って出撃した時、 突然ステーションの近くにジャンプポイントが開き、大型の海賊船の母艦が出現した。 そこから出撃した海賊の戦闘機部隊とAlpha中隊は交戦を始め、 基地の防御砲も加わった。 Alpha中隊が戦闘に追われている隙に、 Centauri船は海賊母艦に収容される。 交戦で基地も被弾して群集が逃げ惑う中、 Lady Laridaは通路の真中で立ち止まり、ヴィジョンを見ていた。 「炎、死、破壊。影がKiroの元に来る。影は私たち全ての元に来る!」
同じ頃Mordenが通路を急いでいると、 前からKoshが現われて立ちふさがった。 Koshは、「ここを立ち去れ。彼らはおまえたちのものではない。 行け、今すぐに。」と彼に向かって告げる。

海賊の戦闘機部隊と基地との交戦が続き、 さらに戻ってきたIvanovaの部隊も加わった。 挟み撃ちにされた海賊の部隊は次々と破壊されたが、 海賊母艦はジャンプポイントを開いて亜空間に逃げ込んだ。 Ivanovaは追いかけようとするが、Sinclairは止めさせた。

戦闘が終わってから、GaribaldiはSinclairに 基地の被害は微少で、StarFuryを二機失ったと報告した。 さらにKosh大使が環境スーツの修理の部品を要求していると告げる。 彼は海賊たちは大きな損害を受けて、もう暫くは現われないだろう、と言った。

司令官室に入ってきたLondoとLadiraに対しSinclairは、 奪われたCentauri船には何が積んであったのか、 またそれが高価な物ならなぜ申告書に記載されていなかったのかを尋ねた。 そのときLaridaは別のヴィジョンを見た。
海賊母艦は亜空間から通常空間に出た所だった。 船の中では海賊の首領とKiroが話をしていた。 実はKiroと海賊はグルで、彼が海賊にジャンプポイントを作れる大型の艦を 与える替わりに海賊にEyeを奪う手助けをさせて、 KiroはCentauriでクーデターを起こすつもりだった。 しかし首領は裏切って、かえってKiroは身代金を要求されていた。
そのとき突然、黒くて巨大なとげだらけの宇宙船が何処からともなく現われ、 一撃で海賊母艦を破壊してまた姿を消した。
そのヴィジョンを見たLaridaはよろめいた。

Laridaが別れを告げたときLondoは沈み込んでいて、 Eyeを失ってしまった自分のキャリアは終わったも同然で、 数日後にはここを出発する、と告げた。
彼女が立ち去った後、Mordenが部屋を尋ねて来て、 「まだ見ぬあなたの友人から」と言って箱を渡して部屋を出て行った。
その箱の中身は失われたと思っていたEyeで、 Londoは追いかけて礼を言おうとするが彼の姿は無く、 「こちらから会いに行きます、いつか必ず」という声だけが聞こえた。

GaribaldiはSinclairに、彼の司令官就任に関する自分の調査結果を話した。
Babylon5が建設されるときMinbariは資金協力をして、 地球政府から司令官任命についての拒否権を取り付けた。 Sinclairは司令官候補リストの下位だったが、 彼の上位者はすべてMinbariによって任命を拒否され、彼が司令官に選ばれた。 「彼らはあなたを望んでいたんです、Jeff。」そうGaribaldiは言った。

Ladiraはドッキングベイに見送りに来たSinclairに、 自分が見たBabylon5破滅のヴィジョンを話した。 彼が今回の海賊の攻撃はしのいだ事を指摘すると、 彼女は今回は助かったが、あのヴィジョンはもっと先の事だと言い、 自分の観たものを見せようと言って、彼の手を取った。

彼の眼の前に虚空に浮かぶBabylon5が現われた。 一隻のシャトルが脱出した直後にステーション全体が炎に包まれ、 Babylon5は内部から爆発して飛び散った。
「これは・・・、未来のヴィジョンなのか・・・?」 言葉を失うSinclairに彼女は、 「未来は常に変化します。 我々の言葉や行いや信念が未来を作るのです。 あなた方が悲劇を避けられるよう祈っています。」 と告げ、祖国への船に向かった。


印象に残ったシーン、台詞

"I want my people to reclaim their rightful place in the galaxy. I want to see the Centauri stretch forth their hand again and command the stars. I want a rebirth of glory, a renaissance of power. I want to stop running through my life like a man late for an appointment, afraid to...to look back or to look forward. I want us to be what we used to be. I want...I want it all back the way that it was!"
-- LondoがMordenに対して。

"The future is always changing. We create the future, with our words, with our deeds, and with our beliefs. This is a possible future, Commander. And it is my hope that you may yet avoid it."
-- Lady LadiraがSinclairに。


Memo

第一シーズンのこれまでの話はそれぞれバラバラな出来事を扱っている印象だったが、 この話から物語全体のテーマがようやく動き出す。

Mordenの質問に対して正しく答えたLondoがその恩恵を受け取った。 しかしこれが後に大変な事態をもたらす事になる。

Koshが「彼らに手を出すな」と言った相手は実はMordenではない。 Mordenといっしょに居た、目に見えないある存在である。 Koshのスーツが破損したのも、海賊との交戦ではなく彼らとのいざこざの結果である。
Delennが「奴ら」と言ったのもその存在の事である。

MinbariがSinclairを司令官に選んだ理由はここでは明らかにならないが、 Grey評議員の一人であるDelennがわざわざBabylon5に赴任しているのは、 彼が居るためである。

Mordenの質問中にDelennの額に現われた銀色の三角形は、 既に#8 "And the Sky Full of the Stars"でGrey評議会の場に引き出された Sinclairが同様のものを彼女の額に見ている。


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