Babylon5 #14

#14 TKO

粗筋

ユダヤ教のラビとWalker Smithという若い男が同じ船でBabylon5を訪ねて来た。
盗品の故買をしていた異星人を逮捕しようとしたGaribaldiは 相棒に後ろから刺されそうになるが、 居合わせたSmithが一発のパンチで男を伸してしまった。 彼はGaribaldiの古い友人で、 タイトル戦で大金を稼いでいた有名なボクサーだったが、 数年前にスキャンダルに巻き込まれて資格を剥奪されていた。
その夜二人はバーで話をするが、 SmithはGaribaldiが酒を止めていたのに驚いた。

Ivanovaの部屋には、先ほどのラビKoslovが訪ねてきた。 彼は彼女とは家族同然の仲で、 彼女の父から死の直前に託された遺品を彼女に渡そうとする。 彼は本来はそれを葬儀の席で渡すつもりだったが、 基地の危機的な状況が続いていたため、彼女は葬儀に参加出来なかった。
Koslovはそれについては自分も彼女の父も理解していると言った上で、 彼女に父の喪に服してShivaの儀式を行う事を求めたが、 彼女はそれをする時間がないと言って拒んだ。

SmithはGaribaldiに、タイトル戦での八百長試合を拒んだために 薬物疑惑をでっち上げられた経緯を説明した。 そしてBabylon5にやってきたのは、 異星人の格闘技であるMutaiに参加するつもりである事を彼に話した。 Mutaiにはこれまで地球人が参加した事がなく、 また多くの死者や重傷者を出すことで有名な競技であるため GaribaldiはSmithを止めるが、彼は聞かなかった。

KoslovはSinclairを訪ね、 Ivanovaの父の死を話して彼女がShivaを行う力添えをするように頼んだ。 Sinclairは彼女から父が死んだ事も聞かされていなかったが、 Koslovは彼女と父が母と兄が死んだ後で仲たがいしていた事を説明する。 Sinclairは彼女にそのための時間を与える事を約束した。
その夕方、再びKoslovはIvanovaとレストランで会い、昔の事を語り合った。 彼女は父をBabylon5に呼んだが、 彼は故郷ですら平和に暮らせない地球人は宇宙に出る資格がないと言って応じなかった 事を話す。 しかしKoslovが司令官と話した事を持ち出すと彼女は怒り出し、 「父はいつも私の人生を縛ろうとしていた」と言ってその場を出て行った。

SmithとGaribaldiはMutaiの元締めのMuta-Doを訪ねるが、 Muta-Doは地球人はMutaiに参加する事を許されていないと言って、 彼の出場を拒否した。 Smithがすごすご引き返す途中で、Calibanという異星人がやって来て、 Mutaiで戦うもう一つの方法があると言った。

SinclairはIvanovaをオフィスに呼んで、Shivaを行うために休暇を取る事を提案した。 彼女はそれを断って仕事に戻ろうとするが、 彼はその背中に向かって、それが本当に彼女の気持ちなのか考えるように言った。

SmithはGaribaldiに、Mutaiへの挑戦を諦めて地球に帰ろうと思っている事を話すが、 何が問題だったのかを知るために最後にMutaiの試合を見たいと言う。 二人はその夜のチャンピオン(Sho-Rin)の試合を見に行った。
Sho-RinのGyorは簡単にDraziの挑戦者を退け、 元締めのMuta-Doは「他に挑戦者は居るか?」と会場に尋ねた。 その時Smithが名乗りを上げる。 Gyorが挑戦を受け入れたため、二人の試合は3サイクル後に行われる事になった。 しかし彼が部屋に戻ると別の異星人が現われ、 地球人は既に異星人の事に干渉し過ぎていると言い、 彼がMutaiに首を突っ込まないように警告した。

IvanovaはKoslovに謝罪し、帝政時代の古いサモワールなどの遺品を受け取った。 しかし彼がもう一度Shivaを行う事を提案したのにはきっぱりと断り、 自分はユダヤ人であるのを止めたという訳ではないが、 母と兄を失って父に傍に居て欲しいと思った時に 彼がそれを拒んだ事を未だに許せないからだと告白した。
Koslovが諦めて地球に帰るための船に乗ろうとしていると、 Ivanovaがさよならを言うために現われた。 しかし彼が船に消える寸前に彼女は父の最期の言葉(#3 "Born to the Purple")を思い出し、 Koslovを呼び止めてShivaを行う決意を告げた。

SmithはGaribaldiとCalibanの助けを借りて、戦いに備えてトレーニングを始めていた。 Garibaldiが彼は勝てるだろうかとCalibanに尋ねると、 Calibanは彼は勇気を持って戦うだろうとだけ答える。 トレーニングの後、GaribaldiはSmithに未だ考え直す事は出来ると言ったが、 彼はその気はないと答える。

Sinclairも彼女の友人として参加してShivaの儀式が始まった。 Koslovは彼女の父Ivanovは学者で全ての人の平和を望んでいたと紹介する。 続いてIvanovaが父の思い出を語った。
彼女の子供時代の英雄だったNeo-Communistの作家Kasharevに 彼女が会って質問をした時、 Kasharovはその質問を即座に退けたが、 後で父はそれは良い質問だと誉めてくれた。
やがてユダヤ教の祈りが唱えられたとき、 Ivanovaの抑えられていた悲しみが解き放たれ、彼女は涙を流す。

GyorとSmithのMutaiの試合が始まった。 始めは簡単にGyorが勝ちそうに見えたが、 Smithはじりじりと形勢を挽回する。 その時彼の部屋に嫌がらせに来た異星人が 密かにボウガンで彼を射ようとしたが、Garibaldiに取り押さえられた。
両者譲らずに試合は続き、ついに二人ともリングに崩れ落ちた。 Muta-Doは引き分けを宣言し、 観客たちは両者の健闘を称えて歓声を上げた。

IvanovaとSinclairに別れを告げて、Koslovは基地を去って行った。
一方Smithも出発しようとしていたが、 Muta-DoとGyorが現われて今後は地球人もMutaiに自由に参加できると告げた。 Garibaldiに見送られ、彼は地球への便に乗った。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

珍しくこの話では大使たちが一切登場しない。

Iavnovaが地球軍に入隊したきっかけ等が明かされる点では後につながってくるが、 Walker SmithとMutaiの件は本筋とはまるで関係ないように見える。

多くの異星人が戦っているMutaiに、地球人だけが参加を許されない理由が良く解らない。

最初の場面で、SmithはGaribaldiに「背中に気をつけろ」と注意する。 なんでもない言葉だが、#22 "Chrysalis"での事件を暗示している。

Ivanovaの父の死は、#3 "Born to the Purple"での事だった。 彼女は死の床にある父と密かに通信を交わしていたが、 どうやらその時点では未だ父を許していなかったようだ。


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