Babylon5 #2

#2 Soul Hunter

粗筋

SinclairとIvanovaはドッキングベイで新任の医療部長Dr. Franklinを迎えていた。 Sinclairと旧知の仲の彼は、地球との中継点で前任者のDr.Kyleに会ったと話す。 その最中に司令室からジャンプゲートに何かが現われたと連絡があり、 Sinclairは直ぐに司令室に向かった。 何時もこんなにあわただしいのかと驚くFranklinに、Ivanovaは肩をすくめる。
ジャンプポイントから現われたのは未知の船だったが、 酷く破損しており基地との衝突コースにあった。 しかしSinclairは破壊せずに回収するため自らStarFuryで出発する。 グラップラーでの捕捉に何度も失敗し基地への衝突まで数十秒という所で 彼はその船の回収に成功し、 Dr. Franklinにパイロットの治療のために待機するように命じた。

Sinclairが収容された船のパイロットの様子を見るために医療室に向かう途中で、 Delennが現われ彼にその種族の確認を手伝う事を申し出た。 着任早々のFranklinは重傷を負っているパイロットの治療に当たっていたが、 船の中の空気から大気は合成したものの他には彼の種族について何も判らない状態で、 ラボの外ではGaribaldiが見守っていた。 Delennは患者の顔を確認するなり顔色を変え「Shak Tot!」と叫び、 GaribaldiのPPGを奪って患者を殺そうとしてSinclairに取り押さえられる。 彼女はもがきながら、Shak Totは"SoulHunter"で魂を盗みに来たのだ、 彼を船に戻して船ごと破壊して、彼を生かしておくと誰かが死ぬ、と叫ぶ。

暫くして落ち着きを取り戻したDelennは、Sinclairに先ほどの振る舞いを謝罪した。 彼女がこれまでにない取り乱し方をしたのに驚いていたSinclairは、 彼女に説明を求める。 彼女によるとMinbariでは子供の時からSoulHunterの事を怖れるように教えられているという。 彼らは特定の階級の魂に特に興味を示し、その人物の死の間際に現われて魂を奪う力がある、 相手の考えや思想を盗むのだと言って、 彼女はSinclairにもう一度SoulHunterの基地からの追放を勧めた。

基地の異星人地区から戻ってきたGaribaldiは、 奇妙な事にまるで人気がなくなっているとIvanovaに話す。 一方Ivanovaの話では、異星人たちが一斉に基地から脱出を始めており、 医療室のSoulHunterが原因ではとSinclairは考える。
Downbelowでは、カップと玉の賭けの胴元のギャンブラーが客とトラブルを起こしたが、 その声がはるか離れた医療ラボのSoulHunterの意識に入り込み、 彼は目を覚まして起き上がった。 それに気付いたFranklinが話し掛けているとき、 客に追われたギャンブラーは追いつかれて刺されるが、彼はそれを感知したようだった。 ギャンブラーは医療室に運ばれFranklinが治療に当たるが、 ラボ内のSoulHunterは彼の命が消えて行くさまを描写し続け、 彼が死んだ時に「行った、行ったのだ」と独り言を言う。

医療室でSinclairは、どうやってギャンブラーの死を予見したのかとSoulHunterを追求したが、 彼は質問を無視して呪文のような言葉を唱えていた。 そしてSinclairがMinbariの名前を持ち出したときに一瞬反応するが、再び呪文を唱え始める。 しかし「魂の盗人」という皮肉には反応し、 自分たちは魂を盗むのではなく、価値のある魂を保管しているのだと反論する。 そしてMinbari人との間に何があったのかを尋ねるSinclairに彼は、 嘗てMinbariの偉大な指導者Dukhatが死んだ時に、 自分がその魂を回収するのを他のMinbari人が総出で阻止したため、 彼の魂は失われたと話す。 Franklinが魂を抜き取って回収するなどナンセンスだと鼻で笑うと、 それなら自分を解放してくれとSoulHunterは言い返す。 Sinclairは個人的には彼が魂を盗めるとは信じないが、 異星人たちが彼の出現に動揺しているため、 治療中はこのまま隔離して、済み次第基地から出て行くように求める。

死んだ男の棺が宇宙葬されるのをIvanovaとFranklinが司令室で見守っていた頃、 Delennが医療ラボのSoulHunterの前に現われた。 彼女は彼が持っているはずの魂のコレクションについて尋ね、 彼が去る前に彼の船を徹底的に調べて見つけ出し、 それらの魂を全て開放すると誓う。 それを聞いたSoulHunterはそれは魂を殺す事だと反論し、 SoulHunterによってMinbariの偉人たちの魂が盗まれて再生できなくなっているために Minbariは世代を追うにつれて衰退しているのだ、と非難するDelennに対して、 自分たちが保存しなければその魂は死んで失われると言い返した。
突然彼は、Delennが自分がDukhatの魂を回収するのを阻止したうちの 一人である事に気がつき、Grey評議員の一人である彼女が なぜここの大使などをしているのかと尋ねる。 それを聴いた彼女はたじろぎ、急いで医療室を立ち去った。
その直後、SoulHunterは保安部員を騙して医療室から逃げ出した。 彼は自分の船に戻り、隠し場所から魂のコレクションを取り出しながら、 それらに「自分がここに来た理由が解った。」と話し掛けていた。

脱走したSoulHunterがブラックマーケットを取り仕切る蟷螂型の異星人N'grathから 外交官地区の地図を入手している頃、 ジャンプゲートにもう一隻のSoulHunterの船が現われた。 そのパイロットはSinclairに、誰かの生死に関わる事だといって会談を求める。

Delennが自分の部屋で外交交渉のためにBabcomユニットに向かって話している時に、 部屋のドアベルが鳴った。 彼女の返事に答えて入ってきたのは脱走したSoulHunterだった。
その頃新たに到着したSoulHunterは、 始めのSoulHunterはMinbariの指導者の魂を回収するのに失敗し続けて精神を病み、 本来は死後に回収すべき魂を相手を殺して回収しようとしており、 それを阻止するために自分が彼を追っている、 一度はもう少しで捉え掛けて船にダメージを負わせたが逃げられたと 二人目のSoulHunterは言う。

Delennを拘束したSoulHunterは、彼女の魂は永遠の生命を得ると告げて 彼女の血液を抜き取ってゆっくりと殺す装置を作動させた。 そして彼女に魂が傷つくので抵抗しないように命じる。 その頃彼女が誘拐されたのを知ったSinclairは、 二人目のSoulHunterの協力でその場所に向かっていた。
最初のSoulHunterは死が近くなったDelennの心を読み取り、 彼女の考えていた事を知って驚いた。 間もなく外交官地区の一角で 彼女が奇妙な装置に繋がれているのを発見したSinclairは近づこうとするが、 SoulHunterは彼に、「なぜ彼女のために戦おうとするのか、 彼女はSataiだ、彼らはお前を利用しているんだぞ!」と警告する。
SoulHunterとの格闘の後、SinclairがDelennの横にあった袋を開けると 中から魂の入った幾つもの玉が飛び出し、SoulHunterに襲い掛かった。 そのとき魂を吸い出す装置が作動したが、 SinclairがそれをSoulHunterに向けると、 装置はDelennではなくSoulHunter自身の魂を吸い出してしまった。

医療室に運ばれたDelennは驚くべき体力で回復していた。 SinclairはFranklinに、 何を見たのか知らないが私はそんな話を信じないと釘を刺されて苦笑を浮かべる。
やがて目覚めた彼女はSinclairを見て微笑み、 「来ると判っていた、思った通りね、あなたは・・・。」と言う。 彼は彼女に「誰が思った通りだって?」と問い返すが、彼女はまた眠りに落ちていた。

その後Sinclairは自分の部屋で、 SoulHunterがDelennについて言った"Satai"についてコンピュータに検索させた。 "Satai"がGrey評議員の敬称だと知った彼は、 副大統領級ポストであるGrey評議員がなぜこの基地の大使などしているのか、と考え込む。

二人目のSoulHunterは基地を出発する時に、 始めのSoulHunterの魂のコレクションがどこへ行ったかをSinclairに尋ねる。 彼は「不思議な事もあるものだ」と受け流したが、 その頃Delennは自分の部屋で、 微笑みながら球体に囚われていた魂を解放していた。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

Dr. Franklinはこの時点でSinclair司令官とは既に面識があったが、 Ivanovaとは初対面だった。 また、彼は地球との中継点で、Dr. Kyleとすれ違っている。 従ってKyleが基地を離れたのはせいぜい数日前と思われる。

SoulHunterの大気成分は通常の酸素呼吸種族とはかなり違うが、 彼らは酸素にも順応できる。

この時点で早くもMinbari大使Delennが表面上の地位以上の重要人物である事が判る。 彼女がこの基地で一介の大使をしている理由は、 段々と明らかになってゆく。

今回の魂を巡る話が示すように、 Minbariは地球よりはるかに進んだ科学文明を持ちながら、 同時に地球人には迷信としか思えない事を信じている二面性がある。

Delennが囚われた魂を開放するシーンは、 StarTrek(映画)II, IIIでのSpockの魂の一件を想像させる。 この事からもMinbari人のキャラクターは多分にVulcan人を意識して作られているようだ。

Minbari人の魂の一部が再生せずに失われているために Minbariが衰退している、という話はやや別の形でもっと先にも出てくる。 実はそれが地球との戦争でMinbariが謎の降伏をした理由と密接に関係している。 (#23 Points of Departure)

SoulHunterがDelennの心から読み取った考えはなんだったのだろうか。 第一シーズン最終話#22 "Chrysalis"での彼女の行動だろうか?


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