Babylon5 #3

#3 Born to the Purple

粗筋

Londo Mollariがナイトクラブで楽しんでいる所に、 Sinclairがかなり怒ったG'Karと共に現われた。 明日の朝こそはEuphrates星域を巡るNarnとCentauriの交渉の席についてもらうと 言い渡す彼らを遮って「世界で最も美しいのは女性だ」と言い出したLondoは、 ちょうどステージで始まったCentauriのエロティックダンスを 座って観ていくように二人に勧めた。 珍しくG'Karも同意して三人がショーを観ていると、 G'Karの基地に赴任したばかりの副官KoD'athが彼を呼びに来た。 彼女はこのような場所に居るのが不快なようすで、 声を掛けて誘った男を手荒く突き飛ばす。 一方G'Karはややうろたえ気味で、彼女を部屋に送って行くためクラブを後にした。
ショーの後、ご機嫌な様子のLondoは自分の部屋のドアを開け、 寝室を覗いて満面の笑みを浮かべる。 そこには先ほどのダンサーAdira Tyreeが彼を待っていた。

翌朝、緊急用のGold Channelが無断で使用されている形跡を発見したGaribaldiは Sinclairに報告した。 Sinclairは引き続き調査するように命じる。
その後SinclairはG'KarとLondoとの交渉の席に向かったが、 何時まで待ってもLondoが現われなかった。 G'Karは苛立ちを募らせる一方で、Virは持ち込んだ小型ゲーム機に夢中になっている。 Sinclairはそのゲーム機を取り上げ、もう一度Londoを呼びに行くようにVirに求める。 そのとき交渉に立ち会うテレパスのTalia Wintersが急に席を立ったため、 Sinclairは彼女を追って部屋を出た。 その場に立ち込める険しい感情に耐えられないと言う彼女に、 Sinclairは和平交渉の場としてのBabylon5の重要性を説き、 彼女は交渉での嘘を排除して必用な真実だけを残す為に必用だと言う。
その頃ベッドの中のLondoは、Adiraに彼女の欲しいものを尋ねていた。 彼女は今日は人生最良の日で他に何もいらないと答え、 Virの懇願もあってついにLondoは外交交渉の場に向かった。

Garibaldiから何者かがGold Channelを不正使用しているという話を聞いたIvanovaは、 コンピュータの誤作動ではと彼の疑いを簡単に一蹴する。 Garibaldiは何回も記録をチェックしたから間違いないし、 Gold Channelは一般人には存在すら秘密にされているし 使用には司令官の許可が必要だとなおも言うが、 彼女は興味を示さず、時間があれば調べてみると答えただけだった。
ようやく交渉の席に現われたLondoは、 Virのゲーム機にはまっていたG'Karに、 本国の重要な問題のせいで遅刻したと言い訳をする。

自室に戻ったAdiraは、そこに別のCentauri人Trakisが居るのを見て立ちすくんだ。 実はAdiraはTrakisの奴隷だった。 彼は彼女にLondoの件は予定通りに進んでいるかを尋ねる。 口篭もる彼女にTrakisは、奴隷は主人に嘘をついてはならないし、 いざとなれば彼女の心を読むテレパスデバイスがあると脅す。 Mollari一族は長年に渡ってCentrauriの貴族たちのスキャンダルを集めており、 その情報の入ったPurpleファイルの存在が、 彼のような「飲んだくれの馬鹿者」をその地位に留まらせているのだとTrakisは説明する。 Purpleファイルの中身を明らかにすれば多くの貴族たちが没落する事になり、 Narn政府はそれに大金を払うだろうから、Trakisはそれを手に入れようとしていた。 そして彼はAdiraにPurpleファイルのデータを得るために Londoに精神プローブを使うように命じた。

自分の部屋にやって来たLondoから高価な花や家宝の装身具を贈られ、 さらに最高級のレストランでのディナーに誘われたAdiraは、 Centauriの人々が自分たちがいっしょに居るのを見たら何と言うかとLondoを嗜める。 彼はCentauriは階級社会で自分たち貴族は着飾っているが中身は空っぽだ、と答える。

Garibaldiが自分のオフィスでUniverse Todayを読んでいるとき、 彼の仕掛けた警報がGold Channelへの不正アクセスを検出した。 しかし彼がアクセス元を突き止める寸前に、通信は途絶えた。
SinclairがTaliaをディナーに誘い、交渉の席での件を話していると、 LondoがAdiraを連れて入ってきた。 それを見ながらTaliaは、 交渉の席でのLondoはエロティックな想像ばかりしていたと話す。
GaribaldiはIvanovaのコンソールで先ほどの不正アクセスをトレースし、 地球のRussia州へのメッセージを探り当てた。

AdiraはLondoの部屋で彼の酒に混ぜて薬を飲ませ、 気を失った彼から精神プローブを使ってPurpleファイルへのアクセスコードを聞き出した。 そしてデータをダウンロードした後、彼から贈られた家宝の装身具をその場に置き、 彼の姿を悲しげに見てから部屋を出て行った。
次の朝Virに起こされたLondoは激しい頭痛に悩まされていた。 突然彼はAdiraが彼の贈り物を机に置いていったのに気が付く。
その頃Adiraは自分の部屋で、 Trakisから10分以内にPurpleファイルを持って会いに来るように命じられていた。
事態に気がついたLondoは、Virを自分に代わるCentauriの外交代表者に任命し、 全ての交渉を彼が行うように命じた。

一旦はTrakisとの待ち合わせの場所に行ったAdiraは、 彼の姿を見て急に身を翻して逃げ出した。 怒ったTrakisは彼女を追おうとしたが、逃げられてしまう。

TrakisはAdiraの部屋のドアをノックしているLondoを見つけ、 彼にAdiraが自分たち二人を共に裏切った事を説明した。 その頃Adiraは友人の踊り子の部屋に逃げ込み、 Babylon5を離れる船が出るまでの間匿ってもらう事にした。
TrakisはAdiraはNarnのスパイだったとLondoに告げ、 信じようとしない彼にPurpleファイルの件を持ち出し、 もしPurpleファイルの中身が暴露されれば、 Centauri社会そのものが崩壊すると言った。 そして彼はAdiraは彼の奴隷であり、 彼女の罪を裁く権利は自分にあると説明する。 その隙に彼はLondoの服に密かに盗聴器を付けておいた。 彼の話にショックを受けたLondoは、Trakisを部屋から追い出した。

Narnとの外交交渉の場にLondoに代わって現われたVirは、 自分がCentauriの代表者だと自信たっぷりに宣言する。 それを聞いたG'Karは腹を立て、 それならばNarnの代表も自分ではなくKoD'athにすると言い出した。 Sinclairは交渉の決裂を避けるため、Londoを探しに席を立った。

Adiraが実際にPurpleファイルを盗んだ事を確認したLondoは沈み込み、 とても会議に戻る気分ではなかった。 彼は事件の性格上表ざたに出来ないため、 Sinclairに助けを求める。 Sinclairは助ける条件として、Londoが会議に復帰する事を求めた。
二人はAdiraが働いていたクラブに行き、 彼女の同僚から話を聞いた。 そして彼女が最も信頼している友人のダンサーの部屋を聞き出した。 しかしTrakisはLondoの服につけた盗聴器でその会話を聞いており、 ブラックマーケットのN'grathに金を払って 男たちに二人がAdiraの隠れ家に向かうのを妨害させる。 そして二人が襲撃をかわしている間にTrakisはAdiraを捕え、 Purpleファイルの入ったデータクリスタルを奪った。

Ivanovaはある区画で重火器の発砲があった事をGaribaldiに告げ、 調査に行くように命じた。 しかし彼は自分では行かずに部下をやり、 Gold Channelの不正使用のモニターを続けていた。

SinclairはLondoにTrakisを逮捕する事を提案したが、 Londoは事件が表ざたになり、かつAdiraに危害が加えられる怖れがあるとしてそれを拒否した。 Sinclairは彼がなおもAdiraを庇う事に驚きながらも、別の方法を考えた。

Garibaldiは再びGold Channelの不正使用を見つけ、 今度はそれがRussiaのある病院への通信である事を突き止めた。 それはIvanovaと死の床にある彼女の父との会話で、 彼はIvanovaの母と兄の死の際に彼女の傍に居てやれなかった事を詫びていた。 彼が娘に詫びながら死んで行くのをGaribaldiは密かに見守っていた。

SinclairはG'Karに、Euphrates Sectorでの地球に有利な譲歩と引き換えに 彼がLondoの弱みを握れる商談を持ちかけた。 そして商談の公正さの保証のためにTaliaを同席させると申し出る。
一方で彼はTaliaに、商談の相手であるTrakisの意識を探って Adiraの監禁場所を突き止めるように求めた。 Psi Corpsの誓いに反すると渋るTaliaだが、 Adiraの命を救うためと言われ、最後には表層意識だけならと同意した。
G'Karとの商談の場で、Trakisはテレパスの立会いに難色を示す。 それに対しTaliaは、自分は心の表層を読むだけで、 「例えばAdira Tyreeが何処に居るかなどを考えなければ大丈夫だ」と言う。 不意を突かれたTrakisの心からTaliaはAdiraの監禁場所を読み、 Sinclairに知らせた。 とっさに逃げようとするTrakisの前にLondoが立ちふさがり彼を殴り倒し、 データクリスタルを回収して、 「自分の地位だけでなくCentauri共和国を救ってくれた」とG'Karに皮肉を言う。 それを聞いたG'Karは唸り声を上げて走り去った。 異星人地区の監禁されていたAdiraも、警備班によって無事に保護された。

Garibaldiは自分の指令に従わなかった事を咎めるIvanovaに、 新たな不正通信の信号を見つけたので追跡したらコンピュータの誤作動だった、 修理したのでもう起こらないだろうと報告した。

Londoは基地を離れるAdiraに、Trakisの奴隷としての地位から彼女を開放した事を告げた。 そして改めて自分の家宝の品を彼女に贈り、 誇り高きCentauriの女性としてこれを身に付けていてくれと言った。 彼女は決して彼の事は忘れない、いつかきっと戻ってくると答えて船に乗り込んだ。


印象に残ったシーン、台詞

LondoとG'KarがそれぞれVirとKoD'athを代理に指名する場面で、 両者とも同じように「我が国を破滅させるなよ」という激励の言葉をかけている。 この二人の大使の意地の張り合いが後に招く結果を考えると、 この言葉はかなり皮肉である。


Memo

#1, #2でのオープニングクレジットでは、G'Karの副官として#5以降に登場する Na'Tothの名が出ていたが、今回はKoD'athに替わっていた。

ずっと後になって、Adiraは実際にBabylon5に戻ってくる。 しかしそれは、思いがけない形で実現する事になる。 (#59 "Interludes and Examinations", #96 "Day of the Dead")


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