Babylon5 #5

#5 The Parliament of Dreams

粗筋

地球当局は異文化交流事業の一環として、 Babylon5に居住する全ての異星人種族の宗教行事を紹介する宗教祭を行う事にした。 これはBabylon5の警備班にとっては悪夢のような出来事で、 警備班は対応に翻弄される事になる。
宗教行事に使うナイフを持って税関を通ろうとしたDraziに対し、 Garibaldiはどんな理由でも武器は持ち込めないと言い渡してナイフを押収した。 部下に今回の地球政府の思いつきについて愚痴っているとき、 GaribaldiはSinclair司令官の元の恋人だったCatherine Sakaiが 税関を通ったのに気が付く。 彼は直ぐにその事をSinclairに報告しに行った。

上機嫌のG'Karが歌を口ずさみながら部屋で夕食の支度をしている所に、 外交特使と名乗るNarn人Tu'Pariが入ってきた。 彼が持ってきたデータクリスタルの内容を直ぐに観るように勧める。 始めは夕食の後回しにするつもりだったG'Karは、 Tu'Pariが立ち去った後で思い直して記録を再生する。 それは議会での彼の仇敵D'Rogからのもので、 自分はもう直ぐ死ぬというメッセージに彼は祝杯を挙げた。 ところがG'Rogは、これから48時間以内にG'Karも殺されるべく 全財産を処分して暗殺者を雇った、暗殺者はもうすぐ近くに迫っていると続け、 それを聞いたG'Karはうめき声を挙げた。
彼がそれを観た直後に、今度は彼の新たな副官のNa'Tothが 着任の挨拶のために部屋に入ってきたが、 彼は彼女を疑いの目で見た。

正装に着替えたSinclairがCentauriの宗教行事に向かおうとしている時、 彼の部屋にGaribaldiが現われてCatherineが基地に現われた事を知らせた。 Sinclairは彼女を避けられるように教えてくれた事に礼を言うが、 突然思い直して彼女が一人だったかをGarivaldiに尋ねた。

Centauriの宗教行事が始まった。 それは踊りや酒が一杯のお祭り騒ぎで、 Virの説明では「生命の祭り」だった。 すっかり陽気になったLondoはテーブルの上によじ登ってそこに並んでいる Centauriの神々の像を手に取って紹介を始め、 それからDelennに「前から言おうとしていたんだが、 あんたはMinbariとしては綺麗だが、口うるさいのが玉に傷だ」と話し掛ける。 最後に酔いつぶれた彼はテーブルの上にうつぶせに倒れこみ、 そのまま寝込んでしまった。
途中で退席したSinclairは、Zocaloで仕事を終えたばかりのCatherineに出会った。 彼女は彼がここの司令官とは知らなかった、 彼が気にするなら直ぐにこの基地を離れると言うが、 彼は彼女をディナーに誘った。 始め躊躇った彼女は、その申し出に応じる。

G'KarはNa'Tothに、 D'Rogと会っているかをしつこく確認していた。 彼女は全く面識がないと否定するが、彼はかえって疑いを深め、 彼女の前任者のKoD'athがエアロックの事故で急死した経緯を話し、 彼女が誰の引きで自分の補佐に選ばれたかを尋ねた。 それがD'Rogの友人の推薦だと知って、彼はさらに疑いを深める。 彼女は自分が暗殺者である事を否定し、 もしD'Rogが予告したようにG'Karを殺すつもりなら、 彼は暗殺者ギルドに依頼したはずで、 ギルドの暗殺者は伝統として犠牲者に黒い「死の花」を届けると言った。 そして彼がその花を受け取っていない以上、 暗殺者など居ないと主張する。
その夜ベッドで眠っていたG'Karは花の香りで目を覚まし、 ベッドに死の花が置かれているのに気がつく。 G'KarはNa'Tothを呼びだすが彼女は関与を否定し、 Sinclair司令官に警備の相談をするように勧めたが、 彼は司令官に弱みを見せるのを拒否した。 そして彼女に、D'Rogのメッセージを持ってきたTu'Pariを見つけるように命じる。

その頃Delennはドッキングベイで、 彼女の副官として派遣された若いMinbari人男性Lennierを迎えていた。 彼は彼女にGrey評議員の称号である"Satai"で呼びかけ、 失礼に当たるために顔を伏せて直接彼女の目を見ようとしなかったが、 彼女は「自分の目を見る事の出来ない副官を持つ訳にいかない」と言って 顔を上げるように命じた。 さらに彼女は、自分がGrey評議員である事を他の人に知られてはならず、 評議会の名を口にしないように求め、 以後"Satai"ではなく単にDelennとのみ呼ぶように彼に命じた。 Lennierはその指示に戸惑いながらも、彼女の命令に従う事を約束する。 彼女はまもなく行われるMinbariの宗教儀式の準備を彼に命じてから、 しばらく戻っていないMinbari本星の様子を話すように頼んだ。

G'Karはブラックマーケットを仕切るN'Grathに会い、ボディーガードを雇った。 数時間後にMinbariの宗教行事があるが、 彼はそこにボディーガードを伴って行くつもりだった。
その頃SinclairとCatherineはディナーの席で、これまでの二人の関係を話していた。 数年おきに会ってベッドを共にしてはまた別れるという関係を 変えたいという点で二人は一致する。

Minbariの宗教行事が始まった。 それはCentauriの行事とは対照的なものだった。 白いベールを被り左右に従者を従えたDelennが、次のように語った。 言葉の節々に、従者の一人が琴をかき鳴らした。

私の後に続くか、火の中に、嵐の中に、暗闇に、死の中に。
九名は言った、「はい」と。
では、やりなさい。 後に続く者に示すのです、 死によって新しい命が誕生するという事を。 破滅を装って復活するという事を。
ここで従者の一人のLennierが、大きな器に盛られた赤くて小さな丸い果物を 並んでいる参加者に配った。 Londo, Vir, Garibaldi, Sinclair, Ivanova, G'Karの順に果物を手に取る間に、 Delennは言葉を続けた。
生まれて来て、死を通じて復活するのだ。 古いものは捨て去らねばならない、古い恐れに、命。 これがお前の死、肉体の死、痛みの死、過去からの死なのだ。 味わいなさい、恐れる事はない、私が共に居る、最後の時まで。
Londoは躊躇わずに果物を口にし、様子を見ていたVirにも食べるように促した。 Garibaldiは手にした果物を下に置くが、Ivanovaは自然に口にする。 さっきから落ち着かない様子のG'Karは口に運ぼうとしなかった。 躊躇っているSinclairの方を見ながら、Delennは 「味わいなさい」と繰り返す。 そして彼が果物を口にすると、彼女自身も口に含み、 「さあ、始まるわ。」と言葉を結んだ。
儀式の間ボディーガードが現われないのでイライラしていたG'Karは、 儀式が終わると直ぐに自分の部屋に飛んで帰り、 Na'Tothにボディーガードの居場所を尋ねる。 そして寝室に飛び込んで、彼がベッドに座っているのを見つけ、 怒って怒鳴りつけて肩を揺すると、 ボディーガードは床に崩れ、その服から黒い花が落ちた。

G'Karは殺人事件の調査をするGaribaldiに、 この男がなぜ自分の寝室で死んでいたのか見当も付かないと言い張った。 Garibaldiは寝室を捜索し、ベッドの下から女性のホットピンクの下着を見つけた。 G'Karは外交特権を主張して供述を拒否し、 直ぐに自分の部屋から出てゆくようにGaribaldiに求めた。
その頃Na'TothはついにTu'Pariを見つけ、G'Karの所に同行するように求めた。

その頃Catherineは自分の仕事の最中だった。 彼女は顧客に鉱脈のありそうな小惑星に関する情報を知らせると、 相手は前回の彼女の情報が大変役に立った事に礼を言う。 そして契約によって儲けの一部を彼女に提供すると言ったが、 その金額の多さに彼女は息を呑む。

Na'TothがTu'Pariを連れてくると、G'Karは彼女を外に出してから Tu'Pariの喉元に腕を回し、D'Rogのメッセージを託した相手を教えるように求めた。 Tu'PariはそれがNa'Tothの父親であるSha'Toth評議員だと言う。

Sinclairが部屋でTennysonの"Ulysses"を聴いている所に、 高価なワインを持ったCatherineが入ってきた。 彼女は彼が古い詩が好きな事に言及し、 彼女と暮らしていた頃に彼が聴いていた詩の一節を幾つか引用して見せた。 両者とも二人の関係はもう終わったものと考えていたが、 結局よりが戻って一晩いっしょに過ごす事になった。

G'KarはNarn本星に連絡を取り、Na'Tothを転属させるように求めていた。 そのやり取りの中で彼は、自分への特使の到着が事故によって遅れている事を聞かされる。 はっと気がついて振り返った彼の目に映ったのは、 銃を構えて笑っているTu'Pariだった。

次の日の朝、SinclairとCatherineはベッドの中で、 これまで自分たちの関係がいかに長く続いてきたかを話していた。 彼らの関係はアカデミー時代から始まっていた。 そしてまた、その間に色々な事が変わっていった事も思い返していた。

G'Karは意識を取り戻すと、暗殺者と判ったTu'Pariに襲い掛かろうとした。 しかし彼の首と手足にはPainGiverが取り付けられてあり、 彼は痛みにその場に崩れる。 Tu'Pariは、彼に痛みと恐怖の味を教えるのが自分の仕事で、 それが済むまでは彼を殺さないと説明した。 G'KarはTu'Pariに二倍の報酬を出すから自分を解放するように求めるが、 それは暗殺ギルドに対する裏切り行為でそうすれば自分がギルドに殺されてしまうと言って Tu'Pariは拒否した。

Na'TothはG'Karの部屋に戻るが彼の姿が見えないため、 コンピュータに彼が最後に居た場所を表示させ、捜索に向かった。
Tu'PariはG'KarにPainGiverでさらに痛みを与え続け、 始めは声を立てずに堪えていたG'Karもついには悲鳴を上げる。 そのとき追ってきたNa'Tothが現われた。 彼女はTu'Pariに、自分もギルドの一員で、彼が任務に失敗した場合の控えだと主張する。 彼はそんな話は聴いていないと言って信じないが、 彼女はPainGiverでは十分な苦痛を受ける前にG'Karが死んでしまうと言って、 床に倒れているG'Karを何度も手ひどく蹴飛ばした。
それでもTu'Pariは彼女を信じないが、 一瞬警戒を緩めた隙にPainGiverを壊されたG'Karが彼に飛び掛って気絶させた。 Na'TothはG'Karに、PainGiverを壊すにはあのように何度も蹴飛ばすしかなかったと謝るが、 「少しは楽しんでやっていたんだろう?」と問い返す彼に頷く。

三日後にやっと意識を取り戻したTu'Pariに、 G'Karは彼の口座に大金を振り込んでおいた事を伝える。 これは彼がギルドを裏切った証拠になり、 Tu'Pariは自分がギルドに殺されてしまうと青ざめるが、 G'KarとNa'Tothは上機嫌に 「痛みと恐怖と死を知るように」と言って、彼をNarn行きの船に乗せた。

SinclairとCatherineは別れの挨拶を交わすが、 今回はこれまでとは違ってまた会うつもりだった。 彼が主催する地球の宗教行事の内容について尋ねるCatherineに、 今の所何も考えていないと彼は答え、 Minbariの厳かな儀式に対抗するのは難しいと説明した。 その内容を聞いたCatherineは、 赤い果物を食べる儀式はまた、結婚の儀式でもあり、 参加者の誰かが結婚する事を意味すると話す。

エアロック近くではDelennやLondo, G'Karとその副官たちが Sinclairに呼ばれて儀式が始まるのを待っていたが、 なかなか現われない彼に苛立ちを募らせ、 IvanovaとGaribaldiに司令官が何を考えているのかと疑問をぶつける。 ようやく現われたSinclairは準備が整ったと告げ、 一同をエアロックの長い通路にに呼び入れる。 そこには地球の様々な宗教や少数民族の代表者が一列に並んでおり、 彼はそれらの代表者を紹介し始めた。


印象に残ったシーン、台詞

Will you follow me into fire? Into storm, into darkness, into death? And the Nine said, "Yes." Then do this in testimony to the One who will follow, who will bring death couched in the promise of new life, and renewal disguised as defeat.
From birth, through death and renewal, you must put aside old things, old fears, old lives. This is your death - the death of flesh, the death of pain, the death of yesterday. Taste of it, and be not afraid, for I am with you to the end of time. Taste of it. And so - it begins!
Minbariの宗教行事でのDelennの言葉。
"One"とは1000年前に初めてGrey評議会を創設したValenの事であり、 "Nine"は九人のGrey評議員の事である。

I'm thinking of thinking of calling her right after my afternoon nap.
I'm thinking of thinking of sending her flowers, right after Bonnie gets back.
So many fishies left in the sea, so many fishies - but no-one for me...
I'm thinking of thinking of hooking a love, soon after supper is done.
夕食の準備をしながらG'Karが口ずさんでいた歌。


Memo

Delennが始めてLennierに会った時に言った 「自分の目を見られない副官を持つ訳にはいかない」という言葉は、 実は彼女自身が師のDukhatに言われた言葉である。 (#75 Atonement)

Minbariの宗教行事での「結婚の儀式」の一件は、 後の展開に関係していると思われる。 恐らく特定の誰かの結婚ではなく、Delenn, Sinclairを始め多くの人々の未来を ある意味予言していたのかもしれない。

Centauriの祭りは、敵対種族"Xon"を滅ぼした事を祝う行事である。 嘗てCentauri本星には、大洋で隔てられた別々の大陸に 知性のある二種族が進化していた。 一方が現在のCentauri人であり、他方がXonである。 文明が進歩し大洋を渡れるようになると、両種族間の絶え間ない戦争が始まった。 技術的には現Centauri人が優れていたが体力ではXonが優勢で、 あるとき大都市にXonが攻め入って大虐殺が行われた。 それをきっかけに現Centaruri人は結束しXonとの全面戦争に突入し、 ついにXonを滅ぼした。

Londoが祭りの際に紹介していたうち、 Centauriの情熱の神Liの像には、 腰の後ろから六本の光線状の装飾のようなものが延びていた。 この像に関しては、彼からもう一度説明される。 (#21 "The Quality of Mercy")

LennierはChu'DomoのThird Faneの出身と名乗っている。 この一族は500年間に渡ってMinbariの宗教儀式の準備を執り行ってきた。

Pilot Movie "The Gathering"でのSinclairの相手の女性はCarolynだった。 しかし彼女はその後は現われず、今回のCatherineと入れ替わる。 名前が微妙に似ており仕事も同様だが、 設定変更という訳ではなく実際に二人居るという事だろう。


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