Babylon5 #24

#24 Revelations

粗筋

顧問会議の席でLondoは、DelennもG'Karも欠席して代理が出席しているため 正式な会議が開けずに時間が無駄だと主張し、 Minbari, Narnの両国に新たな代表を送るように求める動議を出したが、 他の参加者の支持は得られず、Sheridanは会議の明日の朝までの延期を決めた。 会議の後LondoがG'Karの代理のNa'TothにG'Karの居場所を尋ねると、 彼女は彼がquadrant37の前哨基地への攻撃に関して調査に行ったとだけ答えた。
その頃G'Karの機は他のNarnの戦闘機と共に、Shadowの小型艦に追われながら ある惑星の近くをジャンプゲートへと向かっていた。 Narnの戦闘機は次々と破壊され、最後の一機がShadowの戦闘機に体当たりして時間を稼ぐ隙に、 G'Karはジャンプゲートに逃げ込む。 彼は自分の代わりに死んだ者たちに、 「G'Quanの名にかけて君たちを忘れない」とつぶやき、 コースをBabylon5にセットする。

士官用のラウンジでFranklinはSheridanを掴まえ、 Garibaldiの容態が厳しい事を伝えた。 そして最後の手段として、Laura Rosenが使っていた異星人技術の 装置を用いる事を提案した。 Sheridanがその装置でGaribaldiに生命エネルギーを与えるのは誰なのか尋ねると、 Franklinは自分自身がやると答えた。

Babylon5のSheridanの元に、妹のElizabethが地球から尋ねてきた。 彼らはいっしょに夕食を取る事にした。
その頃、庭園に座るLondoの元にはMordenが現れた。 彼は、quadrant37のNarn基地攻撃にLondoが関与していた事はNarnには決してばれず、 一方でCentauri政府はLondoの貢献を疑いも無く信じるだろうと保証した。 さらにMordenが「あなたが望めば、また望みを叶えられる。植民地か、前哨基地か?」 と尋ねたのに対し、Londoが「Narn本星を一気に消し去るのはどうかね?」と問い返すと、 彼は笑って「一度に一つですよ」と答え、 今回の貢献の見返りとして、 辺境に何か変わった事が起こったらどんな小さな事でも教えるように求めた。

Sheridanは二年ぶりに会ったElizabethと食事をしていたが、 彼は仕事の話ばかりをしており、 妻の死後彼は変わってしまったと彼女は怒り出す。 彼は二年前の妻Annaの死を未だ受け入れられないでおり、 古くからAnnaの友人であったElizabethはそれに苛立っていた。 二人はこの件に関して後でもう一度話し合う事にした。

LennierがDelennの部屋で繭を見守り、「もう少し」とつぶやいている頃、 妹との食事を終えたSheridanは医療部へ赴き、 Franklinではなく自分がGaribaldiに生命エネルギーを与えると申し出た。 議論の末、彼らは二人で生命エネルギーを交互に与える事で合意した。

Na'TothがG'Karの部屋に戻って仕事を始めようとしたとき、 暗い部屋の中から「ドアを閉めろ」というG'Karの声がした。 帰って来た彼は彼女に「未来のために泣け、我々のために」と言い、 「私は暗闇の中を見て来た、quadrant37を破壊したのは新しい種族か、とても古い種族だ」 と語り始めた。 「遙か昔に星を飲み込むほどの恐ろしい敵がいたという。 G'Quanの聖なる書には、大戦争の際の敵は降伏する前に辺境にある宙域に住み着いたとある。 1000年以上誰も踏み込んでいない世界で何かが蠢き、 誰の注意をも引かないままに力を溜め込んでいるのを見た。」 と話すG'Karは、1000年の時が過ぎて暗闇が再びやってくることを 皆に警告しなくてはならないと深刻そうに告げる。

Garibaldiが意識を取り戻したので、Franklinは司令室のSheridanとIvanovaに連絡した。 しかしGaribaldiを撃った彼の部下Jackもそれを聞き、医療室に向かった。 意識を取り戻したGaribaldiはまずSantiago大統領を救えたかを尋ねたが、 Ivanovaは間に合わなかったと答える。 次に彼はSinclairを探したが見当たらず、替わりにSheridanと対面した。 Ivanovaが彼に誰に撃たれたのかを尋ねた時、Jackが入ってきて彼らの後ろでPPGを握った。 しかしGaribaldiは後ろから撃たれて何も見なかったと答え、Jackは部屋を出ていった。

Londoは廊下で出くわしたG'Karに、辺境で何か興味深いことを見つけたかと尋ねた。 G'Karはその件について顧問会議を召集すると答えながら、 「NarnとCentauriの問題はCentauriの血でしか解決できないが、 自分が見つけたものはVorlon以外のすべての種族を脅かす。直に協力を求める。」と告げた。 彼はこの件に関してDelennを訪ねようとしていたが、 Londoは彼が基地を離れた後で彼女に何かが起こっていると言い、 「彼女は生きているのか」というG'Karの質問に、 「それは的を射た質問だ」と答えた。

LennierがDelennの部屋に入ると空っぽの繭が開いていた。 彼が辺りを探すと、部屋の暗い片隅でDelennはマントに身を包み力無い声で助けを求めていた。 彼はFranklinを呼び、現われた彼にここで知りうる事を秘密にするように求めた。 DelennはFranklinの問に「病気ではない」と言うが苦しんでおり、 差し出した手は乾いた鱗のようなものに覆われていた。

Sheridanは彼の部屋で妹のElizabethに対して、 自分がまだAnnaの死を悲しみ続けていると話していた。 そしてAnnaの死が自分の責任であると言う彼に、 Elizabethは遠い辺境で起こった調査船の事故に彼には責任はない、と言い返した。 彼は結婚記念日にAnnaと二人で会う提案をしていたにも関わらず、 とても仕事が忙しくて一旦決めた待ち合わせをキャンセルした事を話し、 その直後に彼女が調査船Icarus号の仕事に参加を決めた事を説明した。 さらに彼はいつもAnnaと連絡を取るときには「愛している」と言っていたのに、 そのときは忙しくてそれを言うのを忘れてしまい、それを悔いていると妹に話す。

Franklinは、Delennの皮膚を覆う青い鱗がはがれ落ちることに気がついたが、 自分だけではなくLennierもDelenn自身も何が起こったのか解っていないため、 すばやく彼女をスキャンしてみた。 自分は一体何者なのかと弱々しく尋ねるDelennの顔もまた、一面青い鱗に覆われていた。

顧問会議の席でG'Karは、彼が辺境で見た事から判断して、 G'Quanの書に描かれた古代の種族が帰って来たのかもしれないと話した。 Sheridanは別の種族がその惑星に植民しただけではと疑問を呈するが、 G'Karは彼らを攻撃した船がG'Quanの書にある絵と非常に似ていると言って その見解を受け入れなかった。 Narn議会が制限しているため、彼はその惑星Z'ha'dumで見たものを未だ公式発表できないが、 議会はZ'ha'dumに調査船を送っており、 12時間後に亜空間から出て惑星をスキャンする予定だと話し、 もし何者かがそこにいたら全種族は全滅の危機にあると、G'Karは結んだ。
会議の後、LondoはMordenに再び会ってG'Karの話した内容を伝えた。 Mordenはただ一つ、Narn艦のZ'ha'dumへの到着予定時刻を尋ねた。

Lau Welchが連れてきたTaliaはGaribaldiの病室に入り、 彼が求めたディープスキャンの結果は 法廷証拠としては使えない事を説明した。 彼が同意したので彼女は片方の手袋を脱ぎ、彼の手を取ってスキャンを始めた。
過去の記憶の中で彼はPPGを構えそして、自分が後ろから撃たれる直前に 部下のJackが視界の隅にあった鏡に映っていたのを見た。
警備員の一人がDelenn大使が繭から出て蝶のように羽が生えてるから見てみろ、 と言ってJackを部屋から誘い出し、彼が部屋を出たところを警備班が取り囲んだ。 Sheridanの命令でJackは厳重に監視されて拘束室に入れられた。
GaribaldiはFranklinの制止を振り切って、自らJackの尋問を始めた。 彼がJackを、これまで信頼して弟のように接してきたのになぜ裏切ったのか、 誰が彼に命令を下したのかと追求すると、 Jackは地球では新しい勢力が台頭しており、自分は勝ち組に付いたと答えた。 そしてHomeguardは負け犬にすぎず、 Garibaldiは何が本質なのかを理解していないとせせら笑った。 最後に、上官に対する反逆罪の報いであるスペーシングの執行ボタンは自分が押す、 と言って出ていこうとするGaribaldiにJackは、 親指と人差し指で輪を作って目の近くに挙げるという仕草をして 「また会おう」と笑った。

オフィスに居たSheridanにClark大統領からの通信が入った。 彼はJackの逮捕についてのレポートを読んだと言い、 容疑者が前大統領暗殺の陰謀に関与しているのかを尋ねた。 Sheridanが証拠はないが暗殺に気づいた上官を狙撃したのは確かだと答えると、 大統領は事の重大性に鑑みて自ら取り調べると言い、 容疑者と事件に関する全ての情報をを地球へ送る事を命じた。

NarnのG'Quan級戦艦が亜空間からZ'ha'dumの近くに現われたとき、 そこにはShadow戦艦が待ち構えていた。 Shadow艦はNarn艦が再び亜空間に逃げ込む間を与えず一撃で破壊した。
顧問会議の席にNa'Tothが現れ、Z'ha'dumに送ったNarn戦艦が破壊された事を報告した。 Narn議会はこれをジャンプエンジンの事故だと考えており、 当面は次の調査艦を送る余裕はないと言っていた。 しかしG'Karは、事故ではなく 通信が出来ないジャンプポイントから出た直後を狙った攻撃だと主張するが、 戦艦の出現を待ち受けるためにはその到着を前もって知っていたに違いないと気がつき、 それを知っていたSheridanとLondoを疑わしげに見つめた。
そこへLennierが現れ、Delenn大使が会議に復帰したいと言っている事を伝えた。 Sheridanが承諾すると、Lennierに付き添われ白いフード付きの長いコートを着たDelennが 入ってきて、皆の前でゆっくりとフードを外した。 現われた彼女の肌は地球人とそっくりになっており、 長い茶色の髪をして、わずかに頭部に貝殻状の部分が1/3ほど残っているだけだった。 彼女は「Sinclair大使がMinbari本星で両種族の相互理解に尽力しているので、 自分はこのような姿に変わって戦争がないよう両国の架け橋になる」と話す。

SheridanからDelennの変身の話を聞いたElizabethは、 彼女の変化は表面だけなのかそれとも遺伝子構造もか尋ねるが、 彼はその件に関してはDelennは何も話そうとしなかったと答える。 Elizabethは彼にAnnaが死ぬ一週間前に彼女に送ったメッセージを渡した。 その中でAnnaは辺境の惑星で発見された古代遺跡の発掘に参加するため Johnとの約束をキャンセルしたと言い、彼に済まないと伝えてくれと言っていた。 これを見て初めてSheridanはAnnaがIcarus号に乗ったのは 自分が待ち合わせをキャンセルしたからではないことを知った。 彼は画面の妻の映像に手を当て、愛していると言って別れを告げた。

Garibaldiは彼へのスキャンによって狙撃犯を捕らえられた事をTaliaに感謝したが、 そのあとIvanovaとFranklinに話があるからと言って彼女に席を外してもらった。 そして二人に、彼女を信用しているがPsi Corpsの一員だからと説明した。 Franklinの問に対し彼は、 Jackが取り調べの最後にした仕草はBesterと同じだったと言い、 さらに前回の選挙で本来中立を保つべきPsi Corpsが Clarkを支持したスキャンダルに言及した。 彼の考えではPsi Corpsは彼らの支持者が権力に着く事を望んでおり、 一方でClarkが大統領暗殺の直前にEarth Force 1を風邪の治療だと称して 降りていた事を怪しんでいた。

SheridanはBabylon5を去るElizabethを見送り、 彼女に近況を知らせるようにすると約束した。 彼女が発った直後、彼はIvanovaから司令室に呼ばれた。
その頃G'KarはNa'Tothに、 全ては変わってしまい元には戻らないが、Narnは逆境を乗り越えると語り、 地球人はNarn人が考えるより賢い種族だと言って 彼が見つけたYeatsの詩 "The Second Coming"の一節を読んで聞かせた。
一方でDelennとLennierは彼女の部屋に座り、 彼女は自分の新しい姿を鏡で確認していた。

SheridanはIvanovaから、Jackが護送船から行く先不明の別の船に移動させられて その船のIDコードは存在しないものだったという話を聴かされた。 彼と共に全ての証拠も失われ、彼女の問い合わせに大統領は応答を拒否しているという。 それを聞いたSheridanは外の闇を見ながら、 ここに居ると背筋が寒くなって来るとIvanovaに言い、 彼女もその言葉に頷いた。


印象に残ったシーン、台詞

Sinclair大使はMinbariに赴任され、両種族の相互理解のためにご尽力なさっています。 お返しに私はこのような変身を。 祖国の意向です。 私が両国の掛け橋になり、両国が二度と戦争をしないようにと願って・・・。
-- 顧問会議の場に現れ、ベールを脱いだDelennの言葉。

Things fall apart; the centre cannot hold.
Mere anarchy is loosed upon the world.
The blood-dimmed tide is loosed, and everywhere,
The ceremony of innocence is drowned.
And what rough beast, its hour come round at last,
Slouches toward Bethlehem to be born?
物事は離散し、中心は持ちこたえず、
無秩序がこの世を覆い、
血に染まった河が氾濫し、
どんなに無垢なる儀式をも飲み込み、
いかなる野獣も来るべき時を迎える。
ベツレヘムの方角に頭を向けて、誕生を待つ。
-- "The Second Coming":(Yeats)


Memo

SheridanがAnnaの死を受け入れ、別れを告げたのと時を同じくして、 Delennが新たな姿で彼の前に現われた。 これは今後の展開、Sheridanをめぐる二人の女性の関係を暗示している。

Annaが向かった古代遺跡のある惑星はどこかはここでは明かされないが、後に重要になる。

最後のGaribaldiとFranklinの会話で、 前回の大統領選挙でPsi CorpsがClarkを支持したという話が出ているが、 その選挙で彼はもちろんSantiagoの副大統領候補だった。 この事は、IvanovaがSantiago-Clarkコンビを 支持しなかった理由の一つかもしれない。

この回あたりから、G'Karの性格が大きく変わってくる。 第一シーズンでは彼は陰謀好きの小悪党のイメージが強かった。


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