Babylon5 #26

#26 A Distant Star

粗筋

司令室へ向かうSheridanは、Cortez号のJack Maynard 艦長からの 物資の補給のためBabylon5に寄航するというメッセージをIvanovaから受け取った。 Cortez号はExplorerクラスの調査艦でこれまで5年に渡って未調査宙域を航行しており、 この近辺に現われるのは極めてまれな事だった。 まもなくほとんどBabylon5と同じぐらいの長さがある巨大なCortez号が ジャンプゲートから現われたとき、 Sheridanは部下たちにこの光景を良く見ておくように言う。

MaynardがSheridanと再会を喜び合い、彼が作成した辺境の宙図の事や Euphratesジャンプゲートの補修のためにやって来た事などを話しているときに、 Delennが二人に近づいてきた。 Sheridanは二人を紹介し、彼女のSector19の件で会議を開きたいという提案に同意した。 彼女が立ち去った後、Maynardは彼女の外見が普通のMinbari人と違う事に驚きを示した。 Sheridanは、その件については彼女自身が説明してくれたが、 「Minbari人は決して全ての真実を話さない」から、と言葉を濁した。
SheridanがBabylon5での細細とした仕事について説明するのを聴いてMaynardは、 彼がこのような仕事を引き受けるとは思わなかったと言う。

Garibaldiは医療室のFranklinに、 彼の食事内容について細かく口を出すのをやめるように求めていた。 Franklinが彼が鉄分不足で高血圧だと指摘し、 自分の処方箋によるダイエットをするように求めた。 そして好物のBagna Caudaを作る話を始めた彼に、 食べてはいけないもののリストを渡したが、 それを読んだGaribaldiは自分の好物が全て入っているのを知って怒り出した。 Franklinは彼だけでなく他の士官に対しても 同様の食事制限プログラムを行うつもりだと宣言した。

Sheridanは自分の部屋でMaynardに、彼が基地に赴任して直ぐ直面した CentauriとNarnのごたごたや、Vorlonの事や、Minbari人たちの自分に対する敵意や、 さらにDelennの繭の件について話した。 Maynardは彼がこんな事に巻き込まれるとは思わなかったと言い、 大統領がMinbariに嫌われている彼を司令官に据えた事に首をひねった。 さらに彼はSheridanがこのような仕事には向いていないのではと指摘した。
その後二人でZocaloへ向かう途中で基地での万引きの増加について報告したGaribaldiに、 Sheridanはそんな些細な事は自分で処理しろと言い、 彼が司令官は基地で起こった全ての事件を知りたがっていたと指摘すると、 全ての重要な事だと言い返した。

Sheridan, Ivanova, KefferとZeta中隊の隊長Galusは 士官用のラウンジでMaynardの体験談に聞き入っていた。 Ivanovaが亜空間での彼の体験について尋ね、 Kefferが亜空間に未知の生命が潜んでいるという記事を Universe Todayで読んだ事を話すと、 Maynardは少し黙り込んで、 嘗て彼がそこで「想像もつかないような奇妙な物」をみた事があると言った。
Maynardを部屋に送ったSheridanは、先ほど彼が言った事は本当かを尋ねた。 彼は亜空間ではないがSector857で背後の星を覆い隠す巨大な黒い物体を見た事を話す。 Sheridanが辺境での奇妙な存在との遭遇を聴くのは ここ数ヶ月で二度目だと言うと、 Maynardはあれは現実で、思い出すと今でも背筋が寒くなると答えた。

Delennの元にTeronnというMinbari人が訪れ、 Babylon5に居る彼を含むMinbari人たちが彼女がまだMinbari人なのかを 不安に思っており、何が起こったのか説明して欲しいと彼女に求めていた。 彼女が説明を拒み、理解は必要なくただ彼女に従って欲しいと答えると、 彼は彼女がまだMinbari人であるならもちろん従うと答え、 Grey評議会に直接その質問を問い合わせる許可を求めた。 彼女は勝手になさいと答え、Teronnは出て行った。

GaribaldiはOrwellという若い男に、あるものを手に入れるように頼んでいた。 Orwellがそれは難しいと渋るのに、彼は余計に払う事を約束し、 決してFranklinにはこの事を話さないように求めた。
FranklinはSheridanには体重を減らして肉を控え野菜をもっと取るように指導し、 Ivanovaにはミネラル分の補給を命じて食事療法の計画を渡し、 二人を怒らせた。

MaynardはSheridanと別れの挨拶を交わし、Babylon5を離れてCortez号に向かった。 Cortez号がジャンプゲートを抜け亜空間に消えるのを、 Sheridanは複雑な思いで見送っていた。
Ivanovaが彼の元に異星人外交団の部屋割りの苦情について相談に現われた。 それは彼女の仕事だと言う彼に、 彼女は外交団が司令官以外の仲裁は聞かないと主張している事を告げ、 彼はしぶしぶ仲裁を引き受けた。 しかし彼女は直ぐには帰らず、彼の様子がMaynard 艦長が来てからおかしいと指摘し 何か問題があるなら彼女に話してくれと求めた。 彼は自分はこれまで戦艦の指揮を取ってきたため、 このような外交や日常のごたごたを解決する事に慣れていないと言い、 Maynardに合わない仕事に付いていると指摘された事を話した。 Ivanovaは戦艦の指揮も宇宙ステーションの指揮も異なってはいるが同じ程度の難しさで、 彼に出来ないはずはないと慰めたが、 彼はMaynardは正しい、彼らは自分を官僚か警察官にしようとしていると言う。 Ivanovaがそれでは大統領が彼をこの地位につけたのは間違いを犯したと 思うかと尋ねると、彼は判らない、そうかもと答えた。

Cortez号が亜空間を航行中に突然爆発が起こり、核融合炉が損傷した。 その結果、船は亜空間から出られなくなってしまった。 自分たちの位置が判らないまま、Cortez号は亜空間を漂流していった。

Sheridan, IvanovaとGaribaldiはFranklinの食事プログラムに沿った料理を前に げんなりしていた。 しかしSheridanがうまい解決法を思いつき、 三人は皿を交換して食べ始めた。 しかし直後にFranklinが点検に来て、 三人はあわてて皿を元に戻し、渋い顔をして食べ始める。

Cortez号の内部ではようやく修理が終わったが、 ジャンプゲートからの識別信号を失って漂流を始めて48時間も経っていた。 Maynardは救難信号を発信させるが、その信号が届くかどうかも判らなかった。 しかしBabylon5では信号を受け取る。 Ivanovaはこのような状況で助かった船はいないとSheridanに言うが、 彼は危険を承知でStarFury Zeta中隊を亜空間に救援に向かわせる事を決断した。

DelennはFranklinが何度も彼女を検査するのに抗議していたが、 彼は自分の興味だけでなく、彼女の変化の後の健康状態に責任があると言い張った。 彼女がめまいと軽い疲れ以外は何も問題がないと言ったのに対し、 彼は彼女が何か心配事を抱えているのではと指摘した。 そして他のMinbari人たちは彼女の変化を受け入れているのかと尋ねた。 彼女はもちろんと答え、直ぐに話題を変えて、 基地に新しく来るという使節団について彼に尋ねた。 何も聞いていない彼が聴き返すと、彼女はGaribaldiがそれを待っているらしいと言い、 「確か、Bagna Caudaとかいう名前の。」と続けた。

SheridanとIvanovaはCortez号の捜索に向かうパイロットたちに注意を与えていた。 Cortez号が今どこに居るかは判っていないが、 始めの救難信号はかなり強いものだった。 Galus隊長の質問に対しSheridanは、 ゲートの入り口から1000km毎にStarFuryを配置して信号を中継する方法を提案した。 出発の準備が出来た隊員たちにSheridanは古代Egyptの幸運の祈りの言葉 「行く手に待つ災難の前に神がいつも居てくださいますように。」を贈った。
Cortez号からの信号はもう失われていたが、 StarFuryは作戦通りに亜空間の中に配置され、信号を送りつづけた。 ついにCortez号からの返信があったが、彼らはまだ自分の位置を見失っていた。 SheridanはGalusとKefferのStarFuryに信号の発信元に向かうように命じたが、 その結果彼らもまたBabylon5から離れすぎて基地からの信号を見失った。
Babylon5ではSheridanとIvanovaがCortez号とStarFuryの運命を心配し続けていて、 彼は彼女にMaynardが自分の最初の任務での司令官だった事を話した。
Galus機が位置を保持している間にKefferはついにCortez号を発見したが、 そのときShadow艦が突然現われGalus機を破壊した。 さらにKeffer機も攻撃されたが、スタビライザーを破壊されただけで済んだ。
Cortez号のMaynardは、Keffer機がスピンしながら一定の方向に発砲を続けているのに 気がついた。 それが帰還すべき方向を示していると気がついた彼はKeffer機に回収を呼びかけるが、 Kefferは時間をロスすれば両方とも帰れなくなると言い、 直ちにCortez号だけが帰還するように求めた。 それに従ってCortez号はKeffer機を残してBabylon5へと向かった。
Cortez号と大部分のStarFuryの帰還にほっとしながら、 Sheridanらは二機のStarFuryが行方不明となった事に心を痛めていた。

GaribaldiがOrwellから、彼が注文して地球から取り寄せた Bagna Caudaの材料を受け取っているときに、 それを嗅ぎつけたFranklinが現われた。 Garibaldiはこれは自分の誕生日のための特別な料理だと主張するが Franklinは聞き入れなかった。 しかしGaribaldiが、彼の父親が彼のためにBagna Caudaを作ってくれた話をし、 死んだ父の思い出の料理だと説明すると態度を和らげ、 二人分を作るように求めた。

樹木園でSheridanに会ったDelennは、 彼が二人の部下を失って沈み込んでいるのを慰め、 彼は他人を救うためにそれをしたのであり、 「あなたは正しい場所にいて、正しい事をした」と言った。 彼がそれでは自分にとってBabylon5は正しい場所なのかと尋ねると彼女は、 宇宙は自分たちを学ばせるためにこの場所に連れてきたのであり、 たとえ苦しみや痛みがあろうとも、 どこであろうと彼らは正しいときに正しい場所にいるのだと説明した。 そしてそれは彼女自身にも言える事で、 自分たちは宇宙全体とかかわりを持っており、「星の子」なのだ、と言った。

Kefferは依然として亜空間を漂流していたが、 再びShadow艦が彼の前に現われ、別の方向に消えた。 彼はその飛行経路を分析し、そこからある方向を割り出してそちらへ進路を取った。
SheridanがKefferらの帰還をあきらめかけていた頃ジャンプゲートが作動し、 KefferのStarFuryが現われた。

パーティーの席でKefferは、謎の船の航路から帰還路を知る事が出来たことを話したが、 なぜそれが出来たかは自分でも説明できなかった。 そして謎の船を見たときなにか暗く危険に感じたと話し、 Maynardはその感じに同意した。 彼がその船の正体を突き止めるというのを制して、 Ivanovaは彼にZeta中隊の隊長への昇進を告げた。
その頃Garibaldiは彼の部屋にFranklinを招き、Bagna Caudaを振舞っていた。

Sheridanはオフィスに入ってきたIvanovaに、 彼女はDelennと長い時間話した事があるかと尋ねた。 そして彼女は宇宙と特別な関係を持っているようだと言う。 それに対してIvanovaは、「私たち全員でなくて?」と答えて立ち去った。 彼は二人が言った事の意味を考え、「星の子」とつぶやいて微笑んだ。


印象に残ったシーン、台詞

Sheridanが言ったMinbariに関する諺、 「Minbari人は決して全ての真実を話さない」 "The Minbari never tell you the whole truth."は、 ずっと後にDelennの信頼性を疑う言葉として何回か現れる言い回しである。

古代Egyptの祈りの言葉、 "God be between you and harm, and all the empty places we must walk." は、これもずっと後の回にIvanovaが口にする。


Memo

SheridanがBabylon5の司令官になったのは彼の本意ではなかった事が明らかになる。 彼が司令官に選ばれた理由は後のストーリー(#33 "All Alone in the Night")で説明される。 その理由を知ると、Ivanovaの何気ない 「大統領はSheridanを司令官に据えた事で間違いを犯したのか」という質問が 思った以上に深いものである事が判る。

Explorerクラスの調査艦は、全長が6,103mという巨大な宇宙船である。 未知の宙域の探索とジャンプゲートの建設、補修が主要な任務であり、 軽武装ながら強力なジャンプエンジンを備えている。

Sheridanが言っていた辺境で奇妙なものを見たという話のもう一つは 恐らくG'Karの言っていたZ'ha'dumでの件だろう。

Kefferの言っていた亜空間の生命に関するUniverse Todayの記事は、 #8 "And the Sky Full of the Stars"で 見出しになっていたらしい。

GalusらがCortez号を見つけるのに使った方法は、なぜ有効なのか理解し難い。 StarFuryはせいぜい数十機だろうから、ジャンプゲートの入り口から 末端のStarFuryまでの距離は数万kmに過ぎず、 それで信号が拾えるようになる範囲は限られているように思う。
一方、KefferがShadow艦の飛行経路から帰路を見つけた、というのは Shadowが必ずしも絶対悪ではない事を示唆しているのかもしれない。

この回から、SheridanとDelennの親交が始まる。 彼らは何度も二人きりで会って、段々と親密な関係になってゆく。
Ivanovaの最後の返答は、 実は彼女がDelennとかなり突っ込んだ話をしている事を示唆している。


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