Babylon5 #27

#27 The Long Dark

粗筋

SheridanはIvanovaから、 ディープスペースから奇妙な弱い信号が送られて来たという連絡を受けた。 通信の内容は、「こちらはCopernicus号、平和の使節です。」 というものだった。
一方Downbelowでは、Amisという男が「奴は壁を通り抜けて来る!」 「俺の頭から出ていけ!」などと叫んでいた。 彼は窓からBabylon5に近づいてくる宇宙船を見つけ、「そこだな、見つけたぞ!」と叫ぶ。 そして広場に走り出てテーブルの上に飛び乗り、裁きの日が来たという演説を始めた。 彼はG'Karを見つけて警告しようとするが、G'Karは彼を避けて歩き去り、 替わりにその様子を面白がって見ていたLondoが捉まるが、 そこに駆けつけたGaribaldiにAmisは取り押さえられ、 保護房に入れられた。

近づいてきた宇宙船の表面には、"U.S.S. Copernicus"と書かれていた。 Ivanovaは首をひねるが、Sheridanはこの船は地球がCentauriから ジャンプ技術を手に入れる以前の、100年以上前の長距離探査活動用の船だと指摘した。 船内には弱い生命反応があったため彼らは 船をステーションに回収する事にし、 Franklinに連絡した。
しばらくしてドックに曳航された船内にSheridanらが入ると、 中には二つの冬眠カプセルがあった。 そのうち一方の冬眠者は既に死亡していたが、もう一方には若い女性が入っており、 生きてはいるが危険な状態だった。 彼女のカプセルを開けたとき、目に見えない何かが飛び出したようにも見えた。 Franklinが医療班と共に彼女を医療室に運ぶ途中、 移動中チューブのなかでライトが一瞬瞬き、 彼女の心臓が停止する。 彼らは急いで彼女を医療室に運び、何とか蘇生させようとした。

Garibaldiは保護房で眠っているAmisの様子を見に戻った。 警備員はAmisに嫌悪感を示すが、Garibaldiは戦争の後遺症に苦しむ彼に同情的だった。 やがて眼を覚ました彼は自分の行動については憶えておらず、 Garibaldiに問われるままに自分がMinbari戦争中に歩兵部隊にいた事を話す。 Garibaldiもやはり歩兵で、彼が夢でうなされていた事を話して カウンセラーに会うように勧めた。
そのころIvanovaはCopernicusのブリッジで船のパワーを戻してみたが、 そのとき何かの気配を感じた。

冬眠カプセルに入っていた女性Mariah Cirrusは、危機を脱して覚醒を始めた。 やがて目を覚ました彼女は辺りを見て驚くが、Franklinは彼女を落ち着けた。
IvanovaはSheridanに、死んだ男の冬眠カプセルは正常に機能しており、 彼は何者かによって殺されたのだと報告した。 Franklinは犠牲者の体重が本来の半分しかなく、 何者かが彼の体内組織を奪い去った事が死因だと言う。 GaribaldiはMariahからの事情聴取を要求するが、 Franklinは彼女はずっと眠っていて何も知らないと指摘した。 しかしSheridanは納得せず、可能に成り次第彼女から話を聴く事にした。

FranklinはMariahに自己紹介し、彼女が船に乗っていた経緯を尋ねた。 彼女は自分と夫は人工冬眠による深宇宙探査ミッションの有志としてCopernicusに乗り込み、 知的生命体からの信号を受けたとき覚醒する事になっていたと説明した。 彼女はFranklinから自分が100年以上眠っていた事や 夫が死んだことを聞かされ驚愕した。
その頃保護房から開放されたAmisは、彼がステーション内に侵入したと感じている 何者かを探してドックのCopernicusに行き着き、「なんてことだ!」と叫んだ。
FranklinはMariahを連れてZocaloに現れた。 彼は彼女たちが出発して数年後に地球が初の異星文明としてCentauriと接触し、 ジャンプ技術を得て太陽系外に進出した事を説明した。 それを聞いたMariahは、自分たちがもう少し待てば良かった事を知ってショックを受けた。 さらに彼がDilgerやMinbariとの戦争について説明すると、 彼女は人類が100年経っても暴力の応酬から脱却していない事を知って悲しむ。
そのとき二人のテーブルにG'Karがやって来た。 Mariahに紹介された彼は彼女に 「自分の居た時代に帰りなさい、この世界はあなたが慣れた世界とは違う」 と一言警告して立ち去った。 そのとき彼女は自分が冬眠カプセルに入っていたときの夢のシーンを見た。 眠っているとカプセルの中に何かが入ってきて、目を覚ました彼女は悲鳴を上げた。
気がつくと、彼女はFranklinに連れられて彼の部屋に居た。 彼は彼女の夢の内容を尋ねたが彼女は何も覚えていないと答え、 逆に質問の理由を尋ねたため、 彼は彼女の夫は事故死ではなく殺された事を告げた。 彼女は自分が疑われている事を知りショックを受けるが、 彼は自分は彼女を疑っておらず、ただ何があったか知りたいだけだと説明した。 そして悲しみに暮れる彼女にそっとキスした。

GaribaldiがZocaloで食事をしている所にAmisが再び現れ、 「皆死んでしまう、暗黒の兵士が過去の船から降り立った。」と叫ぶ。 Garibaldiが彼を連れ出してトラブルを起こさないように諭すと、 彼は自分は狂っている訳ではなく何かがCopernicusに乗って基地に侵入したと言い、 Minbari戦争中に同じ怪物に出会ったと言い出した。
その頃基地の別の場所では一人の異星人が「怪物」に襲われて殺されていた。

Franklinは殺された異星人を検死し、 SheridanとGaribaldiにMariahの夫と同様に 体内組織が外傷も無く抜き取られていた事を報告した。 GaribaldiはAmisが戦争中に駐屯していたある衛星で47名の兵士が同様に殺され、 彼だけが生き残ったという調査結果を報告した。 そしてCopernicusの航路を調べた所、過去にその衛星の近くを通っている事を指摘し、 Mariahは本人ではなく正体はその殺人者ではないかと疑いを述べた。
Franklinは夕べ彼女は彼と一緒にいたので犯人ではありえないと主張するが、 SheridanはMariahの再スキャンと24時間の監視体制を命じた。 そしてFranklinに、自分はステーション全体の安全を第一に考える必要があり、 さらにこの件で非同盟惑星連合が顧問会議の開催を要求している事を告げた。

非同盟惑星連合は、「過去から暗黒の兵士を運んできた」 Mariahの基地からの追放を要求した。 G'Karはその意見を検討するべきだと言い、 「『暗黒の軍隊』は他人をあやつり利用する。 今、暗闇から伸びた手が過去に戦いに破れて身を隠していた『暗黒の軍隊』を 眠りから呼び覚ます。」と警告を発した。 Londoは彼らの主張を迷信だと一蹴したが、非同盟惑星連合は 司令官が動かなければ自分たちが行動に出ると脅迫した。 Sheridanは会議の延会を決めるが、同じく会議に出ていたIvanovaに 実際に「暗黒の軍隊」が基地内をうろついていたらどうするかと尋ねられた。 彼がこの眼でそれを見たら信じると言い返すと、 彼女はそうならない事を願うと答える。

Garibaldiは悪夢を見て飛び起き、Amisに会いに行った。 そして彼に初めて「怪物」を見た場所に案内させたが、もうそこには何もいなかった。 AmisはGaribaldiになぜ自分を気違い扱いせずに信用するのかを尋ね、 Garibaldiは自分の戦時中の体験を話した。 そしてAmisに彼らの部隊が衛星の監視基地で「怪物」に襲われた状況と、 どうやって生き延びたのか尋ねると、 彼は自分は「怪物」すなわち「暗黒の兵士」に生きたままにされたのであり、 その一部が自分の中に残っており「暗黒の兵士」におびき寄せられていると話した。 そして彼は急に走り去った。

FranklinはCopernicusの中でMariahが佇んでいるのを見つけた。 彼の問に対し、彼女はここがこれまでの自分の全てだったと答え、 彼女と夫は離婚寸前でこの星の世界への旅の夢だけが彼らの絆だった事を明かした。 Franklinが彼女の夫を殺したものがステーションに入り込んでいる事を告げ、 彼女の協力を求めると、彼女はカプセルの中に自分以外に何かが居ると感じていた事を明かし、 多分それが彼女に取り憑いてここに到着するのを待っていたのだろうと言った。 そして自分の到着がステーションの人たちを危険に晒してしまった事を悔やんだ。

GaribaldiはSheridanらにAmisの話していた事を説明し、 彼の中に怪物の一部が残っていて彼が怪物の居場所を分るのなら、 Mariahにも同じ事ができるのではと指摘した。 Ivanovaはそのアイディアに難色を示すが、Sheridanは 嘗て監視基地であった事をこの基地で起こしてはならないと言い、 Garibaldiの計画を支持した。
Garibaldiは医療室でMariahに会い、彼女が怪物の居場所を知る事が出来るか尋ねた。 彼女は多分できると答え、Franklinは自分が同行するという条件で彼女に協力させる事を認めた。

司令室で基地内での発砲が感知され、Sheridanはその地区の封鎖を命じた。 そして彼とIvanovaは重装備の部下と共に、現場に向かった。 彼らはFranklinとMariahが、負傷者と共に居るのを発見し、 GaribaldiがAmisと怪物を追って先に進んだ事を知らされた。
GaribaldiはAmisが目に見えない何かに捉えられ空中に浮き上がっているのを発見した。 Amisが怪物を撃てと叫び、Garibaldiはその背後の宙に発砲して一瞬怪物の姿が浮かび、 Amisは床に落ちた。 彼がAmisを助けようとしたとき、Sheridanらが彼らに追いつき、 彼らは怪物が最後に見えた場所に一斉に発砲したが効果は無かった。 Amisは自ら囮となって怪物を挑発し、彼を再び捉えた怪物は 背の高く二本の角がある悪魔のような姿の輪郭を浮き上がらせ、 一斉攻撃によって崩れ落ちて消えた。

FranklinはMariahとAmisを診察したが、生命に危険はなかった。 Mariahは基地に留まるようにというFranklinの申し出を断り、 夫の葬儀と失った100年を取り戻すために地球に帰ることを決意した。
IvanovaはCopernicusの記録を調べ、船が例の衛星の近くを通ったときに 1/10の酸素を失っていた事と、そのときに船がコースを変えていた事を報告した。 その進路はG'Karが古代の敵の本拠地と言及していた辺境の惑星Z'ha'dumだった。

G'Karは自分の部屋でG'Quanの書を捲っていた。 開かれたページには一斉射撃の際に影として見えた 「暗黒の兵士」にそっくりな生物の絵があった。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

「暗黒の兵士」の正体は何なのだろう。 Z'ha'dumへ向かおうとしていた事からするとShadowと関係があることは明らかだが、 彼らの補助種族としては行動が意味不明だ。 Copernicusの速度からしてZ'ha'dumへ到着するのは数百年後になるはずで わざわざそこに向かう意味が判らない。

Copernicusは地球からBabylon5に到着するのに100年以上かかっている。 Babylon5の母星がEridanus Epsilonだという設定が正しければ、 地球からの距離は10.5光年だから、Copernicusの速度は0.1光速程度という事になる。

基地内で演説をするには、「布教ライセンス」が必要らしい。


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