Babylon5 #33

#33 All Alone in the Night

粗筋

Delennは自分の部屋にLennierを呼び出し、彼女がGrey評議会から 新しい指導者が決定したという知らせがあり、 彼女が評議会に留まるかそれとも追放されるかを決めるために 呼び出された事を告げる。 なぜ彼女が追放されるかもしれないのか理解できない、 姿ではなく心が重要なはずだと言うLennierに、 そう思わない者たちも居ると彼女は答え、 自分がもうここに戻れるかも判らないので、 もし自分が戻らない場合、新たな大使がやってくるまで 彼がこれまでの彼女の教えに従って職務を代行するように命じた。 彼女が初めて孤独だと感じたと漏らしたのに対し、彼は彼女の手を取って 彼女は決して一人ではないと励ます。

IvanovaはSheridanにSector92を通った船が異常現象を目撃したと報告した。 それは小さな乱流か閃光のようなもので、 そこで少なくとも一隻の船が行方不明になっていた。 他の中隊が任務中のため、SheridanはIvanovaの反対を押し切って、 自ら護衛隊を連れて調査に出かける事にした。
その頃Sector92ではNarnの戦闘機が大型艦の攻撃を受けていた。 機は破壊されて脱出したパイロットは、その大型艦に吸い込まれた。

ドッキングベイでDelennを迎えたLennierは、 彼女の船の準備が整ったと告げ、 さらに自分も別の船で彼女といっしょに出発する許可を求めた。 彼女は今やGrey評議会に疎んじられている自分に従えば、 彼も危険に晒されると言って、 彼を思いとどまらせようとするが、彼の意思は固かった。 それを聞いた彼女は、とても彼に感謝していると言い、二機の Flyerは出発した。

部屋で出発の準備をしているSheridanにIvanovaから通信があり、 Hague将軍の基地への訪問の予定が早まったと報告を受ける。 彼女は将軍の訪問について事前に連絡が無かった事に苦情を言うが、 Sheridanはこれは個人的な訪問であり、将軍の到着前に戻ると答えた。
StarFuryパイロットのRamirezは、 World Seriesで自分の出身地である火星チームの勝利を主張し、 コテンパンにやられると主張するFranklinと30クレジットの賭けを交わした。 そこにIvanovaからSheridanの護衛に付くように指示があり、 掛け金を受け取るのが楽しみだと言い残してコブラベイに向かう。
やがてStarFuryに乗り込んだSheridanは、 三機の護衛機と共にBabylon5を出発した。

DelennとLennierはGrey評議会の戦艦に到着した。 彼女は彼に評議会が終わるまで、部屋の外で待っているよう命じる。 彼はその間彼女のために祈っていると答え、 「次にお会いするときまで、Satai」と言って彼女が部屋に入っていくのを見送った。

Sheridan一行はSector92に到着したが、何の異常も見られなかった。 彼が帰還しようとしたとき、突然ジャンプポイントが開き、 未知の型の大型艦が出現した。 彼は部下に回避行動を命じるが、大型艦は彼のStarFuryを攻撃し、 彼はコックピットごと脱出した。 しかし護衛のStarFuryは次々と破壊され、一隻を除いて全滅した。 そのパイロットのRamirezは、Sheridanが大型艦に吸い込まれるのを なすすべも無く見守った。
彼の機もひどく破損しており、 コックピットの放射能が致死レベルへと上昇し始めたが、 何とかBabylon5への帰路をセットし、ジャンプゲートに飛び込んだ。

Babylon5では到着したHague将軍をIvanovaが出迎えていた。 彼女がSheridanが出かけている事を説明すると、 彼は予定に遅れるなど彼らしくないと心配する。

Sheridanは気がつくと狭い部屋のテーブルの上に拘束されていた。 天井から彼の頭の上に外科手術装置が降りてきた。 それは彼の顔に近づいてきて、彼はなんとか逃れようとした。

Delennは評議会の部屋に入ったが、彼女の他に誰も居ない事に驚いた。 それでも彼女は伝統に従って他のメンバーに話し掛けたが、 現れたのはHedronnただ一人だった。 彼は彼女に他のメンバーは来ない、 彼女は評議会に仕えるためでなく、裁かれるために呼ばれたのだと告げた。 彼女は自分の立場を弁護させるよう求めるが、 Hedronnは「おまえは待つように言われたのに勝手に変身を遂げてしまい、 Minbari人ではなくなってしまった、従ってもう自分たちの一員ではない」 と答え、 投票の結果彼女の評議会からの追放が決まったと教えた。
彼女がBabylon5での大使という身分について尋ねると、 彼はそれはまだ決定しておらず、その件に関しては評議員の前で 弁明が許されると答えた。 自分の後任の名前を尋ねるDelennに、 Hedronnは表情をこわばらせ、評議会開催の準備が出来るまで 待つようにとだけ答えて姿を消す。

IvanovaとHague将軍がSheridanとの連絡が取れない事を知って 調査を始めようとしていたとき、RamirezのStarFuryがジャンプゲートから現れた。 スキャンでは弱い生命反応しかなく、IvanovaはFranklinに知らせた。
Franklinの懸命の処置にも関わらず、Ramirezは息を引き取った。 しかしStarFuryに残っていたデータから、 Sheridanが未知の船に捕らえられた事が明らかになった。

天井からの装置に顔を数箇所切られたSheridanは、 なぜ自分を痛めつけるのかと叫ぶがその答えはなく、 やがて装置は天井の穴に消えた。 そして天井から金属の棒が落ちてきて、彼の拘束が外れる。 彼が起き上がって棒を手に取ったとき、 同じ棒を持ったDraziが突然現れて、彼に襲い掛かった。 そのDraziは頭につけられた装置に操られている様子で、 彼が話し掛けても反応せず、二人は戦い続けた。 最後にDraziに自分自身の武器が刺さって、戦いは終わった。
Draziの死体はその場から閃光と共に掻き消え、 今度は剣を持ったNarn人が現れて、Sheridanに襲い掛かった。 彼は戦いを避けようとするうち隅に追い詰められるが、 そのときNarn人は自分を殺せと彼に言った。 彼は自分たちを誘拐した異星人が、 お互いに戦わせようとしている事を理解する。 Sheridanは相手のNarn人に戦わないように説得を試みるが、 相手の剣で傷を負い、ついに棒で相手を殴り倒した。 Narn人は床に倒れて動かなくなったが、死んではいなかった。

召集されたGrey評議会の前でDelennは、 やがて来る大戦争のためにMinbariと地球人の二つの種族は 団結しなくてはならず、 そのために自分はBabylon5に残らなくてはならない、と訴えた。 それに対して答えたのは、彼女の替わりに新たに評議員になった 戦士カーストのNeroonだった。 彼女はそれを知って呆然とし、 自分の後任が聖職者カーストではなく戦士カーストから選ばれれば、 三つのカーストから三人ずつ選ぶというValenの定めに反し、 戦士カーストに有利すぎると抗議したが、 Neroonは地球との戦争で死んだのは自分たち戦士カーストであり、 大戦争が近づいているなら戦士カーストこそ主導権を取るべきだと反論した。 そして、地球との戦争で勝利寸前に降伏した理由を始めて知って唖然とした、 自分が知っていれば決して降伏しなかった、と断言した。 最後に彼は、 Minbariの純血を汚したDelennにはもはやここに居場所はなく、 望みどおりに伝説に縋って地球人との連絡兵となって Babylon5で一生を終えるように命じ、 他の評議員と共に消えた。

Sheridanは倒れたNarn人の頭の装置を外してやった。 意識を取り戻した彼の話では、 彼らを捕らえた異星人は彼らを互いに戦わせてその能力を調べ、 侵略するための情報を得ようとしているらしい。 そして「殺してくれ」と言ったのはここを脱出する方法が無いからだと言った。

Gray評議会の部屋を出たDelennは、Lennierに自分はもはやSataiではなくただのDelenだと言い、 自分はBabylon5へ戻るが、彼は彼女に従う必要はないと言った。 しかし彼は彼女について行く事を誓い、二人は出発した。

Hague将軍はIvanovaにSheridanを攫った船についての情報を尋ね、 彼女は異星人大使たちに協力を求めることにした。 将軍はこのような事態を予想して、 Sheridanが司令官就任前に艦長を務めていた Omega級駆逐戦艦Agamemnonを呼び寄せていた。

疲れて眠りに落ちたSheridanは次のような夢を見た。

肩に烏を止まらせたIvanovaが唇に指を当てて静かにするようジェスチャーし、 「私が誰か知ってる?」と言う。
肩に白い鳩を止まらせたGaribaldiが、「間(はざま)にいる男が探している」と言う。
Psi-Copの制服を着た自分自身を見る。
ヴェールを被ったIvanovaが「あなたは手よ」と言う。
再び元の制服に戻った彼の前にKoshが現れ、「なぜあなたがここに?」 と尋ねると、彼は「離れたことはない。 やっと私の声が聞こえるほど心が落ち着いたな。」と言う。 そして今度は「なぜ私がここに?」と問うと、 「君はずっとここに居た。」と答えた。

Babylon5の近くに戻ってきたDelennらは、Sheridanが拉致された事を聞き、 犯人の船の映像を求めた。 それを見た彼女は、これはStreibという種族で、 嘗てMinbari宙域の近くで今回と同様の拉致行為をしたため、 彼らを母星まで追い詰めて懲らしめた事がある、と言い 母星の座標を知らせた。

目を覚ましたNarn人とSheridanは、 床と壁の隙間を見つけ、こじ開けようとしていた。 その頃、母星近くに戻ってきたStreib艦の近くにジャンプポイントから AgamemnonとIvanova率いるStarFury中隊が現れ、攻撃を開始した。
自分のFlyerで彼らについてきたDelennは、 Streib艦に捕虜を解放するように呼びかけた。
Sheridanらは艦が攻撃されている事を知り、 ついに床と壁の隙間をこじ開けて部屋を脱出した。 重傷を負っているNarn人は、 自分を置いて行くように言うがSheridanはそれを拒み、 ちょうどそこを通りかかったStriebの後を付けて 殴り倒し、ライフポッドを見つけてNarn人と二人でそれに入った。
そのとき、Streib艦は捕虜たちを宇宙空間に放り出した。 それを見たIvanovaは怒って総攻撃を命じ、 Agamemnonの一撃でStrieb艦は破壊された。 しかし彼女はライフポッドのSheridanからの信号を受けとり、 二人を無事に回収した。

Babylon5に戻った後、SheridanはFranklinに救出したNarn人の容態を尋ねた。 彼は生きていたが、Ramirezが放射能汚染で死んだ事を知らされ、 Sheridanはショックを受ける。 彼が医療ラボを出ると、ドアの外にKoshが立っており、 「君はずっとここに居た。」と言って立ち去った。 Sheridanは夢のシーンを思い出して、しばし呆然とする。

部屋に戻ったSheridanはHague将軍と密談していた。 彼は将軍に「6ヶ月も待った、Ivanovaらは地球に対して忠実であり、 彼らをこれ以上スパイするのは嫌だ」と告げた。 将軍は、Santiago前大統領はBabylon5の重要性を理解しており、 彼の死後、Clark大統領がその司令官に "hardnosed jarhead"(命令通りに動く頑固な軍人)をつけると予想されたため、 彼らがSheridanの経歴をいじってそのような人物として書き換えていたことを打ち明けた。 そして前大統領の死は事故ではなく、恐らくPsi Corpsが黒幕である事を認めた。 そしてSheridanに、「行動を起こすときだ、 君の助けがなければ我々の政府はとりもどせない」と 自分達の「計画」に参加するか否か即答を求めた。

Sheridanは彼の部屋にIvanova, Garibaldi, Franklinを集め、 前大統領の死後の悪化する一方の地球の状況を説明した。 そしてそれに対してある行動に出る事を示唆し、 これ以上聞く前に部屋を出るかどうかを確認した。 三人はいずれも彼を支持し、計画に協力することに同意した。


印象に残ったシーン、台詞

Sheridanの夢のシーンは、今後何回も現れる重要なものなので、 英語ガイドから引用しておく。

He is in his own quarters, which are very dark. He turns, looks across the room, and sees Ivanova standing there, her hair draped over her left shoulder. She puts her finger over her mouth and says, "Shh." A large black raven appears on her shoulder. "Do you know who I am?" she asks him. He turns around and looks behind...
...and finds himself somewhere else, a corridor on Babylon 5. He looks above him and sees himself standing on a platform, bathed in an eerie white light. The Sheridan on the platform shifts his gaze. He sees another figure on the platform -- Garibaldi, also bathed in the white light, and with a small white bird, a dove, sitting on his shoulder. "The man in between is searching for you," Garibaldi tells Sheridan. Sensing another figure behind him, Sheridan turns...
...and finds himself wearing a black Psi-Cop uniform, complete with badge. He is facing a tall figure in a veil, again Ivanova. "You are the hand," she tells him. He finds himself wearing his normal uniform and turns around again...
...this time seeing Ambassador Kosh standing there. "Why are you here?" Sheridan asks him.
"We were never away," Kosh intones. "For the first time, your mind is quiet enough to hear me."
"Why am I here?"
"You have always been here," Kosh says...

20サイクルの間、評議員として仕えました。 私はあなたたちを友と呼んだのに、 今あなたたちは私を追放者と呼ぶ。
知ってるでしょう、私は何が起こるか判っているの。 大戦争がやってくる。 私はあなたたちを裏切っていない。 力になりたくて、過去の私も、現在の私も犠牲にしたのよ。 異種族だからと言って、分裂している時ではありません。 力を併せなければ、両方滅びるのです。 私の犠牲を無駄にしないで。 やり掛けた事を完了させて。 私たちの友情と、我が民の未来のために、Babylon5に残らせてください。
-- Grey評議会でのDelennの弁明。


Memo

Lintira級のMinbari Flyerは宇宙空間と大気圏とを両方飛行でき、 全長40m, 十分な防御用の武装を備えている。 なお、Delennの個人用のFlyerの名はZalonという。

NeroonのGrey評議員就任によって、九人の評議員のうち 戦士カーストが四人を占め、Valen以来千年間保たれて Minbari社会の基礎となっていたカースト間のバランスが崩れた。 これによってCentauri, Narnと地球に続き、 Minbariもまた混乱の時代へと突入する。

Sheridanに救われたNarn人の名はここでは言及されないが、Ta'Lonという。 彼はSheridanに恩義を感じて、Babylon5に戻って来る事になる。

Hague将軍がSheridanに極秘任務を与えていた事は、 #23 "Point of Departures"で すでに暗示されていた。


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