Babylon5 #34

#34 Acts of Sacrifice

粗筋

惑星からの避難民を乗せたNarnの輸送船団に、 Centauriの戦闘機が攻撃を仕掛けていた。 多くの輸送船が破壊されたが、NarnのG'Quan級戦艦の犠牲によって 何とか一隻の輸送船はその場を脱出し、亜空間に逃げ込む事に成功した。
G'Karはこの記録映像をSheridanらに見せ、 Centauriが約束を破って民間人を乗せた輸送船を攻撃し、 5000人ものNarn人が殺されたと訴えた。 IvanovaはCentauri政府はこの船は民間人ではなく武器を積んでいたと主張していると言ったが、 G'Karはそれを強く否定する。 SheridanはNarnに対する援助について地球政府と話してみると約束し、 G'Karは納得して出て行った。
ちょうどそのとき、Sheridanは彼らが待っていた船が到着したという知らせを受け取った。

司令室でSheridanはIvanovaに、 紛争が起こったときに備えて地球同盟が異星人種族Lumatiを味方につけたいと 望んでいる事を説明した。 彼はその交渉のためにBabylon5に来るLumati代表団の接待役にIvanovaを任命し、 彼らが地球との同盟に加わるか、非同盟惑星連合に加わるかを選択するまで 彼女が必要なあらゆる便宜を図るように指示した。

G'KarはDelennにも記録映像を見せて、MinbariによるCentauri政府への働きかけを求めていた。 DelennはCentauriの非を認めるが、これまでNarnがCentauriに対して攻撃的な態度を 続けてきた事を指摘し、期待に添えないと返答した。 G'Karは彼女に、これまでの態度については反省している、 さらに許しを請えとでも言うのかと詰め寄るが、 彼女はMinbariはNarnを助けられないが、 評議会なら非軍事的な面に限った援助が出来るだろうと答えた。 G'Karは満足はしなかったが、彼女に謝意を示した。

酒場で全Narnの破壊を叫んで気勢を上げるCentauri人の一団が、 近くに居たNarn人の一団を挑発して乱闘になりかける。 その場は駆けつけたZackら警備班が両者を分けた。

Ivanovaはドッキングベイで二人のLumati使節団に会った。 一人は自分をCorrelilmerzonと紹介したが、彼女がもう一方に名前を尋ねると、 始めの男が前と同じ答えを繰り返した。 そしてLumatiは下等な種族と直接話をしないため、自分が伝達者となって 間接的に会話するが、地球人がLumatiと対等な種族と証明できれば 伝達者なしで直接話すようになると説明した。
Ivanovaは気を取り直し、二人にステーションを案内し始める。

Londoは自分の商売を有利にするために 彼の宮廷への影響力を当てにしているCentauriの商人と面会していた。 彼への賄賂を申し出た商人をなんとか追い返したが、 他にも彼に面会を求める多くの人々が待っていた。 LondoはVirに、 自分が権力を持った途端に友達と称する輩がやたらに増えたとこぼす。 そしてVirに残りの面会者を断らせた。

Narn人とCentauri人の一団の間にまた小競り合いが起こり、 警備班が彼らを分けようとした。 Narn人の一人が警告を無視して武器を持って向かってきたため、 警備班が発砲して彼は殺された。
SheridanはオフィスにG'Karを呼び出し、 Narn人に武器を下ろさせるように求めた。 G'Karは彼らには自分達を守る権利があると主張するが、 Sheridanは先に仕掛けたのはNarnの方だと言い返す。 そのあと彼はG'Karに、地球政府にNarnへの援助をするように働きかけているが、 このようなごたごたは事態を複雑にして援助を取り付ける障害となると説明し、 Babylon5を交戦地帯としないために、Londoにも同じ事を求めていると言った。 G'Karは黙りこんでその場を立ち去った。

IvanovaとLumatiの一行は医療ラボを視察し、 彼ら二人の共生関係に興味を示すFranklinと話をした。 Lumati側はこのような施設は弱者の遺伝子が淘汰されるのを妨げる物で、 種族の進化にとってマイナスであると主張し、Franklinと議論になった。

LondoはバーでGaribaldiに会い、 一杯奢った上でこれまでの彼への借金を返済することを申し出て、 彼ら二人が友人でありつづける事を求めた。 彼は皆が自分を恐れていると言い、Garibaldiはそれは最近の彼の変貌について 彼自身が何も説明しないからだと答えた。 Londoはこれからも関係を変えないで欲しいと求めたが、 Garibaldiは飲み物を断って立ち去った。

G'KarはステーションのNarn人を集め、地球からの支援を危うくするようないざこざを 自制するように求めた。 一人の男が他国からの支援など必要ない、 G'Karは地球人と仲良くして地球人のような口を利くと不満を露にするが、 G'Karは以前と状況が変わり、支援が必要だと説明する。 彼が立ち去った後、酒場のいざこざの場にいたCentauri人の男が捕らえられてきた。 Narn人の一人は彼を殺し、死体を目に付く場所に捨てるように指示して、 6時間後に残りのCentauri人を攻撃して基地から追い出すように皆に伝える様に言った。

殺されたCentauri人の死体を検死したFranklinは、 SheridanらにおそらくNarn人の仕業だと言った。 しかしSheridanはGaribaldiに事件をLondoに伝えるのを遅らせるよう指示し、 両者の全面対決の勃発を避けようとする。 Londoは酒場でGaribaldiを待っていたが、この事件の処理のため、 Garibaldiは現れなかった。

次の朝、Ivanovaが着替えている途中に、 彼女の部屋にやって来たLumati一行は、 彼女がステーションの全てではなく、 見せたいものしか彼らに見せていないと指摘した。 しかたなく彼女はスケジュールを調整することになった。 勝手に彼女の下着にまで手を出すCorrelilmerzonを、 彼女は急いで追い払う。

昨日G'Karに反論したNarn人の男が、 地球人の密売人から襲撃のための武器を調達しているのを Na'Tothが物陰から見つめていた。 彼女はG'Karにその事を伝え、二人は襲撃グループの集結場所へ向かった。

Sheridanは地球からNarnへの支援という彼の提案を却下する知らせを受け取った。 しかし彼は独自に支援をするためにDelennに連絡を取った。

IvanovaはLumati一行をDownbelowに案内した。 彼女はここはBabylon5にやって来たものの、 適応できなかった者達が暮らしている場所だと説明し、 彼らには興味がないだろうと言うと、Lumati達は このように社会の強者と弱者を分離し、 落ちこぼれを隔離するシステムはすばらしいと言い出した。 Ivanovaはこれは意図的なものでないと説明するが、 突然Correlilmerzonが伝達者を介せずに彼女に話しかけ、 Downbelowの存在こそ地球同盟が彼らと対等の高度な種族である事を 証明しており、Lumatiは地球との同盟に参加する事を表明した。

G'KarとNa'TothはNarn人達が襲撃の計画を話し合っている所に現れた。 G'Karは彼のみがNarn政府によって武器を取っての戦いを命じる権利を与えれられていると言い、 グループのリーダーとの素手での格闘を行った。 Na'Tothが他のメンバーがG'Karに襲い掛かろうとするのを止めている間に、 彼はリーダーの男を倒し、メンバーたちに自室に戻っておとなしくしているように命じた。 しかしリーダーの男が立ち上がってDraziの毒のついたナイフで彼を刺した。 G'Karは男を再び叩きのめし、Na'Tothに助けられてその場を立ち去った。

SheridanはDelennに彼が非公式にNarnへの医療支援と民間人への支援を行う事を説明した。 そして彼女にNarnへの食料輸送を行っているMinbari輸送船の帰りに Narnの難民を輸送するように求めた。 彼女は自分のMinbari政府への影響力が以前より失われている事を説明したが、 出来る限りの事をしてみると答えた。

CorrelilmerzonはIvanovaに、彼らの完全な同盟関係の象徴として、 「伝統に従って」Sexを行うように求めた。 彼女は驚いて、とりあえず司令室からの呼び出しがあった振りをしてその場を立ち去った。
困惑した彼女はFranklinに自分の落ち入った苦境を説明していた。 彼は仮病を使う事を提案するが、彼女はもっとうまい方法を思いついた。

Na'Tothは昨晩Centauri人を殺したNarn人を連れてSheridanのオフィスに出頭し、 彼をGaribaldiに引き渡した。 Garibaldiは事態がさらに悪化する事を懸念する。
Na'TothからSheridanとDelennが彼を待っている事を伝えられたG'Karは 怪我を押して二人に会いに来た。 彼は二人からNarnへの援助について説明を受けるが、 期待していたよりはるかに小さかった事に失望を隠せない。 彼は二人に謝意を表すが、部屋を出てから自嘲の笑いを浮かべ、涙を流す。

Correlilmerzonと伝達者はIvanovaの部屋に儀式のためにやってきた。 彼女は彼にLumati式にそれを行うには彼女の知識が足りないため、 地球人の方式で行いたいと提案し、彼は同意した。 彼女は深呼吸し、いきなり彼の周りで踊り始め、 歌ったりデートやキスを表現する動作を交えたダンスを披露した。 そして最後に性的な興奮をもダンスで表現してみせ、 彼にこれで終わりだと告げる。 「この後は」と尋ねるCorrelilmerzonに、 「昔はベッドで逆立ち、今はピザを食べに行く」と彼女が答えると、 彼は納得して部屋を去ったが、伝達者は立ち去る前に 彼女の手に長いキスをしていった。

SheridanからNarn人によるCentauri人殺害事件について説明されたLondoは、 殺された男が厄介者であって彼の死を悲しむ者は居ないと言って、 犯人の強制送還とその財産を競売にかけCentauri戦闘基金に寄付することだけを求めた。

SheridanはバーでIvanovaに会って、Lumatiが地球にBabylon5への参加を申し出て、 彼女のもてなしに感謝を伝えてきたと知らせた。 そして彼女にCorrelilmerzonからの贈り物を渡す。 添えられたカードには「今度は我々の方式で」と書かれており、 美しい装身具が入っていた。

GaribaidiはLondoとの待ち合わせの席に赴き、 Narnに対する彼の寛大な態度を感謝した。 彼はいずれNarnは自分たちに再征服されるのだから ことさら厳しくする必要は無いと答え、 さらにこの事がGaribaldiとの友情の証だと説明した。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

今回登場したLumatiだが、「高度な文明種族」と自称しているものの 実態はやや疑問だ。 むしろこの程度の種族と急いで同盟を結ぼうとしている地球当局は、 余裕の無さを示しているように思う。

CentauriとNarnとの戦争は、早くもNarn不利に傾きつつあり、 Narn指導部の一部は早期の和平交渉を望んでいる。 NarnがCentauriの支配を打破したのは、長期のゲリラ戦によるもので、 正規軍同士の戦いではCentauriの方が技術力で遥かに有利なようだ。

Minbariの軍事介入というG'Karの要請をDelennが拒んだのは、 彼女が言った以外にも隠された別の理由があった事が、 後に彼女の口から明らかにされる。 (#58 "Ship of Tears")

IvanovaがCorrelilmerzonを騙した事を、 伝達者は気づいていたような気がする。


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