Babylon5 #35

#35 Hunter, Prey

粗筋

Garibaldiは司令室に来てSheridanとIvanovaの居場所を尋ね、 首をかしげながら立ち入り禁止の13番ベイへ向かった。 二人は13番ベイにKoshの船を見に来ていた。 二年前に初めてこの船が入港してから密かに調査が試みられたが、 スキャンビームは船を透過できずに跳ね返され、何も解らなかった。 Sheridanが船の奇妙な美しさに感嘆していると、 突然その表面からプローブのようなものが伸び出て彼をスキャンした。 特に害は無くプローブはまた引っ込んだが、 Ivonovaはこれが13番ベイが封鎖されている理由の一つで、 夢にあのプローブが現れて問いかけるので ここの整備員は辞めてしまったと言う。 Sheridanは興味を持ち、Vorlonについてもっと学ぶ時が来たと言っているとき、 Garibaldiが現れた。 問題が起こったがこの船の前では話せないと言って彼が二人と立ち去った後で、 Koshが物陰から現れ、船の前に立った。 船の表面に何かの文字列が現れ、それを見てから彼は立ち去った。

SheridanのオフィスでGaribaldiは、 Clark大統領の侍医だったDr.Jacobsの指名手配書が 地球から届いた事を報告した。 彼によるとDr.Jacobsは地球同盟を壊滅させかねない情報を盗んで逃亡中で、 どうやら彼がBabylon5に潜伏しているらしいと当局は見ていた。 そしてもし彼が逮捕に抵抗すれば例え武装していなくても殺せという 命令が出ていた。

地球特務捜査局のDerek Cranstonが到着し、Sheridanの質問に対し Dr.Jacobsは自分の権限を悪用して地球同盟を崩壊させてしまう機密を入手し、 Babylon5で異星人政府にそれを売り渡すか、 あるいは地球同盟の管轄外に逃亡しようとしていると説明した。 Sheridanは彼の協力要請を了解し、 Ivanovaに出航する船を全て厳重にチェックするように命じた。 しかし彼が出て行った後で、 Garibaldiは彼が何かを隠していると言い、Sheridanも同意した。
FranklinはGaribaldiから話を聞き、Jacobsは彼の大学時代の恩師で人道主義者であり、 そのような人物ではない、と主張した。 Garibaldiは以前にFranklinの別の知り合いの学者があわや基地を壊滅させそうになった事に 言及するが、Jacobsは地球を売るような人間でないと、 なおもFranklinは言い張る。 それを聞いたGaribaldiは、 「Jacobsは昔とは別人になっているのかもしれない。」 と答えた。

その頃Downbelowの商店で、年老いた放浪者が店主に、 IDカードを調達してほしいとこっそり頼んでいた。 彼は金ならいくらでも出すと言うが、 却って怪しんだ店主はトラブルに巻き込まれるのは御免だと言って、 すげなく断る。 老放浪者は肩を落としてそこを立ち去ったが、 別の男に目を付けられていた。

Sheridanは廊下を通り過ぎたKoshに追いすがり、 顧問会議の議題の件や彼の船の事を話しかけた後で、 お互いの理解を深めようと持ちかけた。 「何故だ」と問うKoshに、彼は自分がStribe艦に拉致されたときに Koshが夢に入って来て、呼びかけた事を指摘した。 Koshは、「理解を探求していた。歌を聞いていた。 君の思想が歌になった。」 と答え、以前にも一度同じ事があったと告げて立ち去った。

Cranstonは保安チームを前に彼の捜査計画を説明したが、 ZackはBabylon5の大きさからして時間がかかり過ぎると言った。 対してCranstonは、誘拐された場合に備えてアースドームの要員は全て 放射性のIDチップを体内に埋め込んでおり、 それをスキャンすればJacobsの居場所が突き止められると答えた。

Sheridanは歩きながらGaribaldiに、Jacobsの捜索の進展状況を尋ねていた。 そのとき彼は手すりにピンクのリボンが結んであるのを見つけ、 急用を思い出したかのようにGaribaldiと別れてどこかへ向かった。
暗い通廊の片隅に向かった彼は合図の信号を送り、 それに応じて一人の女性が現れた。 彼女はHague将軍からの使いで、彼が大変な危険の中に居ると警告し、 Jocobsは裏切り者ではないと告げた。 彼女の説明によると、特務捜査局はClark大統領の直属機関で、 彼の立場を脅かす存在となったJacobsをどんな手段を使っても阻止するつもりだと言う。 昨年末のSantiago前大統領の死亡「事故」の直前に、 副大統領だったClarkはウイルス性の病気を装って Earth Force 1から降りて爆発を免れていた。 しかしJacobsは彼が病気でなく、嘘をついていた事を知っていた。 彼をすぐに殺してしまえば自分が疑われるために、Clarkは彼を監視して いずれ事故死に見せかけて殺すつもりだった。 Hague将軍の一派はそれを知って彼を逃がしたが、 Ioで彼らのエージェントとの接触に失敗したJacobsは、 輸送船でBabylon5に逃げて来た。
そして彼女はSheridanに彼が安全に脱出するのに協力を求めた。 彼は保安チームの捜査を止めれば彼自身が疑われ、 これまで彼の彼自身の計画が破綻すると渋るが、 彼女は彼に信頼に足る事を見せてくれと重ねて求めた。 彼は自分自身の保安チームを出し抜かねばならないことを悟り、 Garibaldiに連絡を取った。

Franklinが医療室で部下に指示を与えているときに、 Jacobsを捜索している保安チームが現れ、辺りをスキャンする。 そのときGaribaldiから「誕生日おめでとう」という メッセージが入った。 今日は彼の誕生日ではなく、Franklinは始めはその意図が理解できなかったが、 映像を一こまずつ再生すると隠されたメッセージが現れ、 彼は着替えてGaribaldiの部屋へ向かった。
Garibaldiは私服に着替えて変装しており、 部下を出し抜いて二人でJacobsを捜索すると言った。

そのころJacobsはDownbelowの一角を逃亡中だった。 彼は疲労しきっており、興奮剤を射った後で妻へのメッセージを録音した。 警備班に見つかりそうになった彼は、 荷物用エレベーターの中に逃げ込んでその場は逃れる。
さらに暗い通路を歩いていく途中で、 彼は二人組みのチンピラに捕まってしまう。 彼のポケットを探った二人組みは高価な懐中時計とデータクリスタルを見つけ、 金づると判断して彼を自分達の隠れ家に監禁した。

CranstonはSheridanとIvanovaに、 JacobsはDownbelowに逃げ込んでいるらしいと言うが、 それを聞いたSheridanは"Downtown"という名前を出し、 大型の機械が置かれてパイプと鉛の壁だらけの場所だとCranstonに説明する。 Cranstonはその誘いに乗って、 多量の鉛があるならスキャナーを逃れるには最適な場所だと言い、 Downbelowを捜索中の備班を引き上げて Downtownへ向かわせるように指示を出した。 彼が立ち去った後、Ivanovaがその地区は封鎖されているはずだと指摘すると、 SheridanはGaribaldiらの時間を稼ぐためだと説明した。 そのとき司令室から彼に、 大使が面会を求めていると連絡が入る。 始めは明日にしてくれと言ったSheridanだが、 相手がKoshだと知り、直ぐに彼の部屋に向かった。

Downbelowで捜索を続けていたGaribaldiとFranklinは、 座り込んで一息入れていた。 FranklinはGaribaldiの求めに応じてJocobsの思い出を話し、 Dilger戦争に勝利した直後の地球は若者のように明るい未来が見えていたのに、 今はどこかで何かを失ってしまったようだと言う。 そのとき彼は、出店の店主がJacobsの懐中時計を客に見せているのを発見した。 Garibaldiは店主から入手先を聞き出そうとする。
CranstonはJacobsについての情報を持っているという男からの連絡を受けた。 男はJacobsの身代金として10000クレジットを要求し、Cranstonは同意した。 男は後でまた連絡すると言って、回線を切った。

Koshに会ったSheridanは、彼の環境スーツの中の姿を見たいというが、 Koshは「自分のことさえ理解していないから早い」と答えた。 そしてお互いの事を教え合おうと申し出る彼に、 理解していないから帰れと言って立ち去りかけた。 Sheridanは苛立ち、 自分がBabylon5に来る前はKoshは会議にほとんど姿を見せなかったが、 自分の赴任以降彼にずっと観察されている気がする、と言った。 そしてついに「あなたの望みは何です?」と問うと、 Koshは急に振り返り、「その質問はやめろ。」と声を荒げた。 そして「伝説と戦う準備が出来るまで、君自身について教える。」と告げた。

GaribaldiとFranklinは二人組みのチンピラの隠れ家を突き止め、 Jacobsを見張っていた一人を倒してJacobsを救出したが、 Garibaldiは男に刺される。 Jacobsから、全ての証拠が入ったデータクリスタルを奪われたと聞かされ、 Garibaldiは二人を先に逃がして一人でその場に残った。 そして間もなく戻ってきたもう一人をPPGで脅して、 データクリスタルを取り返した。

CranstonはBabylon5全体の放射性物質をスキャンする方法があることを知った。 これを使えば容易にJacobsの居場所を特定できるため、 Sheridanになぜこれまでそれを教えなかったのかと食ってかかる。 ちょうどSheridanはFranklinに緊急で呼び出されたため、 彼はIvanovaに同じ質問をぶつけるが、 彼女は単にそれについて質問されなかったし、 装置が適合するかわからなかったからだと釈明した。 彼はすぐにスキャンの準備をするように命じた。

SheridanはFranklinらによって、Jacobsに引き合わされた。 彼はClarkが実際に病気ではなかった事を知らせ、 その記録の入ったデータクリスタルを渡すが、 Clarkを追い詰めるにはさらに彼の宣誓供述書が必要だった。 SheridanはCranstonが基地全体のスキャンを始めるつもりで、 そうなればすぐにJacobsが見つかってしまうと言う。 基地の外へのルートはほとんど監視されていたが、 Sheridanは一つ抜け道があるという。

スキャンの準備が整ったときKoshから出航許可の要請があったが、 少し待ってもらってスキャンが実行された。 スキャンの結果、Babylon5にJacobsが居ない事が判り、 SheridanはCranstonに基地を理由なしに混乱させたと苦情を言った。 Cranstonは男がなぜJacobsを拘束していると言ったのかと疑問を出すが、 Sheridanは金のためなら偽情報もでっち上げる奴らが多いと説明した。 IvanovaがKoshの船に就航を許可し、 さらにジャンプの許可を出そうとしたとき、 Cranstonは気がついてその船もスキャンしろ、と命じた。 二人は大使には外交特権があり、大変なスキャンダルになると抗議したが、 彼は強硬に命令を繰り返し、スキャンは実行された。 その結果、異星人一名のみの生命反応しかなく、Koshの船はジャンプに入った。

Cranstonが基地を離れた後、13番ベイにKoshの船が戻ってきたのを Sheridanらは迎えた。 彼はこの船にはKoshは乗っておらず、 従ってスキャンに反応した非地球人生命は船自身で、 この船は生きているらしいと説明した。 やがて船から触覚のようなものが出て、昏睡状態のJacobsを床に置いた。 Franklinが彼を蘇生させると、 彼は夢のなかで船が彼のために歌っているのを聞いた、と話す。

SheridanはHague将軍の使いの女に会って情報クリスタルを渡した。 彼女はJacobsは彼らの手で安全な星に脱出させると言い、 この情報だけではClarkを倒すのに十分ではないが 第一歩にはなる、大きな勝利を手にしたと言った。 「いつも次があるのか?」という彼の問いに彼女は 「次がある限り、自分たちが勝つ機会が残っている、 この戦争では全ての機会をものにしないと・・・。」 と言い残して立ち去った。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

GaribaldiがFranklinに彼の知り合いの科学者が基地を危険に晒した、と言及したのは #4 "Infection"での Hendricksによる一件である。

KoshがSheridanに、「(夢の中に現れたのと同じような事が)もう一度あった」 と言ったのはどういう意味だろうか?

Sheridanがピンクのリボンを発見したときに、 ちょうどGaribaldiもすれ違った男に気を取られていた。 その男の服装から判断すると、どうやらRangerと思われる。

Koshが厳しく反応した「あなたの望みは何です?」(What do you want?)という問は、 "Signs and Portents"でMordenが各大使に聞いて回った問と同じで これからも何回か出てくる。 Shadowの本質を示す問らしい。


前話へ 次話へ 戻る
inserted by FC2 system