Babylon5 #38

#38 In the Shadow of Z'ha'dum

粗筋

最近のCentauriの攻撃によりNarn本星へ向かう途中の避難民を乗せた輸送船が、 次々とBabylon5に入港していた。 GaribaldiはZackに、司令官の指示に従って 負傷者全員をここで受け入れるように言うが、 医療ラボはすでに収容人数を超えており、 全員を受け入れるのは無理だとZackは指摘し、 Garibaldiが司令官にその事を伝えるようにと求めた。
Londoは戦争の進展に関する会議の為にCentauri本星へ戻っており、 代わりにVirがMordenとZocaloで会って情報クリスタルを受け取る。 VirはMordenがCentauriの栄光の為にと称して Londoに道を誤らせている事に対し、 彼への嫌悪感を隠そうとしなかった。 彼の反応に不満を募らせたMordenが「望みは何だ」と尋ねたのに対し、 Virは「あんたの生首が槍の先に晒されるのを見る日まで 生き続けるのが望みだ」と答え、 「そのときはあんたの首に手を振ってやる」と言い捨てた。
GaribaldiはSheridanのオフィスに現れ、 Narn人の難民の増加について報告をしていた。 Sheridanは彼らのNarn本星への脱出に、 出来る限りの便宜を図ってやるように命じる。 そのとき彼は死んだ妻Annaの遺品を整理して、 Icarusによる彼女の最後の任務について 調べている所だった。 Icarusの乗員たちの写真ファイルが映し出されたとき、いっしょに見ていた Garibaldiは一人の顔に注目し、この男は基地にいたと言った。 始めSheridanはそれを信じなかったが、Garibaildiは確かにこの男は生きていると言う。 それはMordenだった。 Sheridanは彼を探し出して連れてくるように命じた。

Taliaの元を公安省から派遣されたPierce MacAfeeが訪ねた。 彼は彼女に地球の平和を守るという公安省の目的を説明して、 彼らの新たなプログラムの説明会に彼女にも参加してもらえないかと要請し, 彼女は同意した。

医療室でNarn人負傷者の治療に疲れきったFranklinが、 レポートに目を通している所にIvanovaが現れ、 彼がもう36時間も眠っていない事を指摘した。 彼女は彼に直ちに仕事を止めて睡眠を取るように命令し、 彼はしぶしぶ従った。

Mordenは出港しようとしていた所をZackに呼び止められる。 彼は逃げようとしたがセキュリティーに拘束され、 Sheridanの元に連れて行かれた。 Sheridanは彼にAnnaとIcarusの写真を見せ、Icarusの最後の任務で 何があったかを問い糾した。 Mordenは事故のショックで何も記憶していないと主張するが、 Sheridanはさらに、 彼が地球には生存している事を知らせていない事を指摘する。 それに対しMordenは、最近まで自分の名前も思い出せず、 地球に送ったメッセージも 届かなかったと釈明し、尋問を終わらせようとするが、 Sheridanは彼を放さなかった。 彼が不当拘束だと反発するのに対し、 Sheridanは彼が記録上はZ'ha'dumで死んだ事になっていて、 法的には彼には何の権利もないと言い放ち、 さらに厳しく彼を尋問した。

FranklinはIvanovaとの朝食の席で、 彼が患者を救えなかった悪夢を見たと話す。 Ivanovaがこれだけ多くのNarnの難民を見ては無理も無いと言うのに対し、 彼は「神を信じるか」と尋ね、自分が基礎論者である事を彼女に打ち明けた。 そして彼女の問に対し、 基礎論とは地球が異星人と遭遇した後で出来た新たな思想であり、 神は偉大すぎて描写する事は出来ないと考えていると説明した。 そして、死の直前に患者たちは何かを捜し求めるような目つきをし、 その視線が自分を通り抜けて背後の何かを見つけた瞬間、 その目には神の姿が映っている、 昨晩自分は多くの患者の死を見て、 自分たちを救おうとしない神を信用できなくなった、と言った。

MacAfeeは会議室で聴衆を前にして、 公安省の新しいプログラム"Night Watch"について説明していた。 これはボランティア組織だが週に50クレジットが支給され、 黒い腕章をつけて基地の中を巡回し、 皆に存在をアピールするだけでよいという。 Zackの質問に対しMacAfeeは、 平和を乱そうとする人々を見つけ出し正しい方向へ導くのがNight Watchの仕事であり、 それによって間違った思想や扇動から社会を守る事が出来ると述べた。 そして、多くの人に自分と一緒にこの組織に参加して欲しいと言った。

SheridanはGaribaldiのオフィスで、 彼にMordenの話の嘘を暴くための協力を求めたが、 彼はMordenが容疑なしのまま既に10時間も拘束されている事を指摘し、 一旦釈放して密かに監視するように求めた。 しかしSheridanが拒んだため、激論の末Garibaldiは保安主任からの辞任を宣言し、 PPGとセキュリティーカード等をおいて出て行った。 そのためSheridanはZackにGaribaldiが休暇を取ったと説明し、 彼が戻るまで引き続きMordenの拘留を続けるように命じた。 さらに彼はTaliaを呼ぶように命じた。
SheridanのオフィスにVirが現れ、MordenはCentauriの客で外交特権をもっているといって 彼の釈放を求めた。 それに対し、SheridanはMordenは逮捕されているのではなく保護されているだけだと主張し、 要求を拒んだ。

Ivanovaは通路でSheridanと会い、彼の違法な行動を諌めた。 しかし彼はAnnaは彼にとってかけがえの無い存在であり、 彼女の死(もし彼女が本当に死んだのなら)の真相をどうしても突き止めるといって 彼女の諌めを聞き入れなかった。

TaliaはSheridanの、Mordenをスキャンしてくれという要請をきっぱりと断った。 彼はMordenは法的には死んでいるから彼女はPsi Corpsの誓いを破った事にならないというが、 彼女はそれは詭弁で、相手の同意がないスキャンは出来ないと主張する。 そこで彼はZackに、Mordenの拘束されている部屋を変えるように命じ、 彼とTaliaとが通路ですれ違うように細工をした。
彼女はMordenとすれ違って目を会わせたとき、 彼の顔が影で覆われるのを見た。 彼女は頭を抑えて叫び、視線をそらしたが、 その前に彼の周りに異様な形の影がいるのを見た。
医療ラボに運ばれたTaliaはFranklinに、 Mordenとすれ違ったとき、深い井戸に落ちていくような感覚と寒気を感じ、 異様な影を見たと告げた。 Sheridanが彼女に謝罪しようと入ってきたが、 彼女は彼に平手打ちをして出て行った。 Franklinは彼に、死んでしまった者達にはもう何もしてやれない、 その事実に正面から向き合うようにアドバイスをした。
Sheridanが医療ラボから出ると、KoshとDelennが彼を待っていた。 DelennはMordenをすぐに釈放するように言い、彼は彼らまでがそんな事を言い出したのに びっくりして説明を求めた。 彼女は始め、基地が重大な危機に晒されるから自分を信じてくれとだけ言うが、 彼が納得しないのを見て、 Koshの了解を得て恐るべき
宇宙の歴史を語った。

宇宙には10億年以上も前から存在する種族First Oneたちがいる。 彼らは星々の間を自由に歩き回り、若い種族たちを導き、銀河に大帝国を築いた。 やがてFirst Oneたちの多くは銀河を去って行ったが、 "Shadow"が戻り彼らが必要とされる時を待って姿を隠した者もあった。 Shadowは古代種族よりもさらに古い種族で、 彼らと100万年もの間戦い続け、1万年前に最後の大戦争があった。 それ以降First Oneたちは若い種族の間に公然と姿を見せなくなった。 この戦争でShadowは敗北したが滅びなかった。 今から1000年前にShadowは彼らの本拠地に戻って勢力を建て直し、触手をのばし始めた。 しかしMinbariと残っていたFirst Oneたちが集結し、彼らを進撃前にうち負かした。 闘いが終わってFirst Oneたちは銀河を去った。 唯一残ったFirst OneがVorlonで、 彼らは正体を見せないために環境スーツを脱がないのだった。
昨年DelennはKoshに「ShadowはZ'ha'dumに戻ったのですか?」と尋ね、 それに対する
答えが「はい」だった。
Z'ha'dumとは、たしかG'Karが言及していた名前だというSheridanに、 Koshは「学べ」と言って彼のヘッドピースの眼孔を広げてSheridanに向けた。 彼がそれを見つめると彼の顔は緑の光に包まれ、 Z'ha'dumに向かうIcarusの映像が彼の前に現れた。 そしてIcarusのクルーたちがZ'ha'dumに降り、地底深くに潜んでいたShadowを見つけた。 Shadowがこちらを向き、その眼が輝いたとき、映像は消えた。
彼はそれでもAnnaは捕虜として生きているかもしれないと主張するが、 DelennはShadowは彼らの存在を知った者を決して生かして返さないという。 そしてMordenを尋問し続ければ、彼は耐え切れずに真実を話してしまい、 その結果こちらの準備が整う前にShadowが動き出してしまう、 Shadowを止めるチャンスはただ一度しかない、それが出来なければ何十億人もが死ぬと言った。 そして彼女は最後に、 「あなたがG'Karに復讐か国民を救うかを選択するように言ったのと同様に、 あなたも今人生で最も重要な選択をしなくてはならない。」 とSheridanに告げる。

保安主任のオフィスでSheridanはZackに、第二次世界大戦中の英国で、 Churchillがより大きな勝利のためにある街の人々を見殺しにしたという話をし、 彼がその後で街を訪れたとき、生き残った人たちの眼をどんな気持ちで見ただろうか、という。 Zackは自分がそんな決断をする立場でなくて良かった、という。
そのとき、Mordenの拘束されている部屋から奇妙な雑音がする。 SheridanはDelennが「Mordenは一人ではない」と言っていたのを思い出し、 モニターを調節して光の波長を変えるようにZackに命じた。 すると一瞬Mordenの周りに二体のShadowの姿が現れ、また消えた。 それを確認したSheridanはついにMordenを釈放し、 Garibaldiにも復帰を要請した。

SheridanはKoshを訪れ、Shadowと戦う戦術を尋ねた。 Koshは「もしZ'ha'dumに行けば君は死ぬ」と言うが、 彼は「なら死のう、だが簡単にはやられないし、犬死だけはしない。 教えるか?」と言う。 そしてKoshは「よかろう。」と答えた。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

この話から、Delennの髪型が変っている。 以前は右側に垂らすような髪型だった。

Delennの話のうち、年代に関する部分はかなり大雑把な数字だと思われる。 100万、10億という数字は、英語では日本語と異なり三桁ずつ数字を区切るため、大変言い易い数である。 ただし、「1000年前」という年代だけは、 かなり正確な意味を持っている事が後に判ってくる。

SheridanがG'Karに、復讐か国民を救うかを選択するように言ったというのは、 #31 "The Coming of Shadows" での出来事である。


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