Babylon5 #41

#41 Divided Loyalties

粗筋

Sheridanは地球の新聞"Universe Today"の自動販売機の前で Delennに呼び止められ、 彼女もこの新聞を読んでいることに驚く。 彼女は、地球のレポーターとの出来事の後、 色々と情報を仕入れておく事が必要と感じるようになった、と説明するが、 またMinbariでは、各々は必要な事だけを知らされるとも言う。 彼女が買った今日の新聞には、 「週刊Minbari事情」(Eye on Minbari)が休載で、 彼女はこの記事は地球人がMinbariをどう考えているか、 また彼女が知れされていないMinbariの情報について多くを学べるのにと 残念がる。

火星のSyria Planumコロニーの下水路を重傷を負って逃走中の男は、 死ぬ直前にRangerの男に落ち合った。 彼は「例の情報をつかんだ、Babylon5に伝えろ、内部にスパイがいる」と Rangerに情報クリスタルを渡して死に、 Rangerは追っ手がやってきたのに気がついてその場を逃げ去る。

GaribaldiはトイレでSheridanと会い、 盗聴されていないのを慎重に確認してから、 Taliaを彼らの計画の仲間に入れたらどうか、と提案した。 Sheridanも同意し、二人は彼女に打ち明けるための計画を相談をする。
一方Ivanovaは、最近になってようやく親しくなったTaliaと朝食を取っていた。 その席でTaliaの部屋の空調が壊れたと聞き、 Ivanovaは自分の部屋に泊まるよう申し出る。

ジャンプゲートから突然現れた宇宙船は呼びかけにも応答せず、 登録番号もでたらめだった。 やがて船内から医療ラボに収容された意識不明の女性は、 Garibaldiによって、2年前にBabylon5に暫く勤務していた商業テレパスのLytaと 確認された。
Garibaldiは2年前のKosh暗殺未遂事件の経緯をSheridanに説明し、 KoshをスキャンしたLytaと診察をしたDr. Kyleは いずれも直後に地球に召還され、 またLytaはKoshのスキャン後は別人の様になったと話す。
意識を取り戻したLytaはいきなりFranklinにメスを突きつけ、 Sheridan始め指令スタッフを呼ぶように要求し、 一人ではどこにも行かない、と叫ぶ。 理由を尋ねるFranklinに、彼女はBabylon5の中にスパイがおり、 彼女はそれを暴けると言った。
LytaはSheridan, Ivanova, Garibaldi, Franklinの前で、 地球に召還後の出来事を説明した。

地球当局は彼女がKoshの心をスキャンした内容を執拗に尋ね、 暗殺未遂シーンと強い感情以外は何も見なかったという彼女の言葉を信じずに、 執拗にスキャンを繰り返した。 彼女は自分がVorlon宙域に行かなくてはならないと強く感じており、 6ヶ月前にPsi Corpsを逃れて、 火星の独立運動に雇われテレパスとして身を投じた。
一週間前に地下組織の一人が、Psi Corpsによる"Sleeperプログラム"についての情報を もたらした直後に殺された。 これは被験者の潜在意識の奥深くに、 投薬とディープスキャンによって作り出された 別の人格を植え付けるもので、 第二の人格は本人には自覚が無く、 ディープスキャンでも見つけられないが、 スパイとして働く。 テレパシーによるパスワードが送られると元の人格は崩壊し、 第二の人格が被験者を乗っ取ってしまう。 彼女の得た情報では、そのようなスパイがBabylon5を含む多くの重要組織に 入り込んでいるという。 "Control"というコードネームのBabylon5のスパイが誰だか判らないが、 彼女はパスワードを知っており、どうやら指令スタッフの中の一人らしい。
Ivanovaは露骨に不信感を示したが、Sheridanは検討を約束する。 しかしLytaは長くは待てないと言い、護衛つきで保護房に入った。

SheridanはDelennと庭園で会い、 彼女は明日Narnへの食糧支援について話し合いたいと言った。 彼の沈んだ様子を見て、心配して理由を尋ねる彼女に、 厄介事が起こったと答えた彼はさらに続けて、 「なぜあなたはこんなにも過酷な運命に翻弄されているのに、 何時でも元気で明るく振舞っていられるのか」と彼女に問い返す。 しかし話しているうちに、彼女は彼に元気を取り戻させ、 気がつくと彼の手の上にDelennの両手が置かれていた。 そのときGaribaldiからLytaに関する予備調査が終わったと連絡があり、 二人は慌てて別れた。
Garibaldiは彼に、調査の範囲ではLytaの言っている事は本当で、 彼の勘でも彼女は信用できると言う。 Sheridanは彼に、一晩考えさせてくれと答えた。

部屋でいらつきながら戸棚を開け閉めしているIvanovaに、 いくら調べても盗聴などされていないとTaliaは声をかけ、 彼女が不安がっている理由を尋ねた。 それに対しIvanovaは、Lytaを知っているかとTaliaに尋ね、 LytaはPsi Corpsで一年後輩で、 Psi Copでのインターン時代に半年一緒になり親しくしていたが、 最近は会っていないとTaliaは答えた。 そしてIvanovaの問に対して、 Lytaは信用出来ると思うが、本当の所は判らないという。 Ivanovaは自分が誰を信じていいのか判らない、と不安をもらすと、 Taliaは自分も赴任したときはそうだったが、 Ivanovaの事を信用できるようになったと答えた。

GaribaldiはZackに、Lytaをもっと設備の整った部屋に移すよう命じる。 そのとき彼はZackがNight Watchの腕章をつけているのをとがめるが、 Zackは単にお金の為だと、気軽な様子だった。

Taliaは目を覚ましたとき、横で寝ていたはずの Ivanovaの姿が無い事に気がついた。 彼女が部屋を出た頃、 Lytaは二人の警備に付き添われて通路を歩いていたが、 何者かに銃撃されて警備が倒され、Lytaはその場から逃亡する。
やがて外交文書を口述中のDelennの元に、 Lytaから直ぐにBrown3区で会いたいという連絡があった。

SheridanはLytaが実際に襲撃された事に衝撃を受け、 彼女を探し出してスタッフのスキャンをさせる事を決断した。 Ivanovaは頑固に反対するが、 彼は誰が信じられるかはっきりさせる事が必要だという。

Taliaが自分の部屋の空調が直ったとIvanovaの元に知らせに来たが、 Ivanovaの様子が変だった。 TaliaはIvanovaに、昨夜どこに行ったのか尋ね、 なにか自分に出来る事はないか尋ねたが、 Ivanovaは 「自分の隠していた秘密がもうすぐ表に出てしまう、 自分が長年皆を危険に晒すような嘘をついてた事が判れば、 もう皆の顔をまっすぐ見ることは出来ない」と言う。 Taliaは、自分がここに居る、と彼女を慰めた。

DelennはSheridanに、Lytaから連絡があったことを告げ、 彼女は全員がその場に居なくては姿を現さないと言っていると伝えた。 彼はLytaの条件に同意した。

IvanovaはSheridanに、どうしてもテレパススキャンを受けたくないと言う。 彼は、テレパスだった彼女の母の運命がその理由だと思っていたが、 彼女は自分がスキャンをブロックできるテレパスであることを告白した。 その事を知っていたのは彼女の母だけで、 Psi Corpsに捕まらないために、 これまで彼女はその事を隠し続けてきたのだった。 SheridanはLytaはもはやPsi Corpsの一員ではないと言うが、 彼女はなかなか納得せず、 「自分が誰かすら判らないときがある」と言った。 それを聞いて、SheridanはStreibの船に捕まった時の に現れた彼女の言葉を思い出した。

Delennに連れられてSheridanのオフィスに現れたLytaに、 Sheridanは彼女がパスワードを送ることに同意し、 まず彼からテストが始まった。 彼はIvanovaはパスさせ、Franklin, Garibaldiとテストは進んだが、 いずれも"Control"ではなかった。 次々と主だったスタッフがテストを受けるが"Control"は見つからず、 LytaはIvanovaが何か隠していると主張する。 耐え切れなくなってIvanovaもテストを受け、始めブロックするが Sheridanに諌められてブロックを止め、彼女も"Control"ではなかった。
そのとき、TaliaがSheridanを探しに部屋に現れた。 Lytaがパスワードを送った瞬間、Taliaは頭を抑えてよろめき、 彼女を支えたGaribaldiの銃を奪ってLytaを撃とうとしたが、 間一髪で彼に取り押さえられた。 彼女は顔をゆがめ、「よくも見破ったな、死ね!聞いているのか? Corpsは父であり母である。 死ね、Lyta Alxander! Corpsは必ずおまえを捕まえる!」と Lytaを罵りながら、警備班に連れて行かれた。

Taliaがスパイだった事により、 どれだけの情報がPsi Corpsに漏れたかが議論される。 未登録テレパスを逃がす地下組織の件はばれてしまったが、 彼らを殺しに来た弱みもあり、表沙汰には出来ないだろう、 という結論になったが、 Franklinは組織をBabylon5から他の場所に移す事にした。
Garibaldiは、始めの予定通り彼女に計画を打ち明けていたら、 今頃は全員が逮捕されていた、と言いながら、
ある記憶を思い出していた。

TaliaはKoshとAbbutと会談に立ち会わされて、その後KoshはAbbutから、 「未来のための恐怖、驚き、反省」の入ったデータクリスタルを渡されていた。
彼はその件についてもう少し調査をしてみる、と言った。

Ivanovaは"Talia"の元を訪れ、嘗ての彼女が残っているか尋ねる。 彼女は自分がもとのTaliaの潜在意識に働きかけてIvanovaに近づけ、 彼女が言わせた事をおまえは信じたのだと言い、 彼女の単純さをあざ笑った。 Ivanovaは「私の知っていたTaliaは死んだのね・・・」 と寂しげに言って立ち去った。

Lytaは酸素マスクをつけて異星人居住区のKoshに会いに行き、 「ここをすぐに去らなくてはならないが、 あの事は誰にも言っていないし、 死んでも誰にも言わない。 ここに戻って来たいが出来るかどうか判らない、 最後にもう一度だけ姿を見せて欲しい。」と頼む。 Koshの環境スーツが開き始め、巨大な羽が羽ばたくような音がした。 そしてスーツの中から光があたりに満ち、Lytaはそれを凝視していた。


印象に残ったシーン、台詞

Taliaの人格が入れ替わり、彼女の表情が豹変するシーンは身震いがするほど恐ろしい。 優しくて誠実だったTaliaが消え、顔をゆがめてLytaに罵声を浴びせる女が居た。
また、Ivanovaをあざ笑う"Talia"と、寂しげに「私のTaliaは死んだのね。」と言う Ivanovaのシーンはあまりに悲しい。


Memo

Taliaの元の人格は完全に消えてしまったのだろうか? 最後のGaribaldiの記憶の中のシーンは、Koshの助けによって彼女が救われる可能性を 示唆している。 しかし、どうやらこのシリーズでは彼女が二度と登場する事はないらしい。 とすると、あのシーンは"Babylon5"以降のシリーズへの伏線だったのか?
(どうやら、このTalia降板事件は、予定変更だったらしい。)
ところで、あのシーンをGalibaldiが知っているのはなぜ?

"Control"というコードネームは、 #28 "A Spider in the Web"の最後のシーンで 言及されている。 その正体がTaliaだったから、"A Spider in the Web"では Hornが目撃者として消そうとしていた人物が、 彼を送り込んだ組織に報告している、という奇怪な状況になっている。

Garibaldiによると、 LytaがBabylon5に勤務していたのは、 2257年1月3日から6週間で、 彼女の赴任翌日に、Kosh暗殺未遂事件が起こっている。 従って、Pilot Movieの"The Gathering"は、2257年1月の出来事となり、 #1 "Midnight on the Firing Line"とはほとんど1年の間がある事になる。
ただ妙なのは、#2 "Soul Hunter"で 基地に赴任したFranklinが、 途中で基地から地球に召還されたKyleに遇ったと言っている点である。 そうすると、Kyleが地球に呼び戻されたのは、Lytaとはずっと後だという 事になる。


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