Babylon5 #42

#42 The Long, Twilight Struggle

粗筋

LondoはRefaによって、Centauri本星の王宮に召喚されていた。 全ては順調で自分たちの天下が来たと上機嫌なRefaに、 大きな犠牲も払ったとLondoは言って、 Urzaの件を持ち出す。 しかしRefaはそれには耳をかさず、 Narnとの戦争は始めの予想より早く終局に近づいており、 Londoはその勝利の立役者になれるだろうと告げる。

Babylon5で瞑想中のDelennは突然何かの存在を感じて、 「こんにちは、友よ。」と微笑む。 彼女の周りは黄色っぽい光に包まれ、笑い声が響いた。
Epsilon3からのエネルギー波を探知した司令室のCorwinは、 この事を以前から予期していたIvanovaに連絡する。 部屋でシャワーを浴びていたSheridanの元に、 エネルギー波の件をIvanovaが伝えた直後に、 今度はDraal(のホログラム)が彼の前に現れた。 彼はSheridanをこれまで観察していたが、自己紹介する時期が来たと言い、 彼ともう一人をEpsilon3に招待すると告げた。
部屋を出てオフィスに急ぐSheridanを捉まえたDelennは、 自分もまたDraalの招待を受けたと彼に伝える。

G'Karは叔父のG'Sten司令官の訪問を受けていた。 G'StenはG'Karに、NarnはCentauriに負け続けており、 すでにこれまでの30年間で得た領域を奪われた、 このままでは近いうちに降伏に追い込まれると話す。 Kha'Ri議会はCentauriへの反攻が可能だと国民に信じさせようとして、 これまで真実を伏せていたのだった。 唯一の反攻のチャンスとして、 G'Stenは全戦力を集めて全Centauri軍の補給基地がある Gorash7を攻撃するつもりだった。 G'KarはNarn本星の防御が薄くなると危惧するが、 G'Stenは危険はあるがそれは短期間で、 本国防衛に十分な戦力がGorash7攻撃から帰還できるはずだと言う。 そして、Babylon5でG'Karは艦隊が為し得る以上の仕事が出来る、 彼の父が生きていたら誇りに思うだろうと彼を激励し、 Babylon5を立ち去った。

RefaはNarn軍の通信を傍受してG'Stenの計画を察知しており、 Gorash7の防衛はLondoの同盟軍に任せて、 Centauri軍にはNarn本星に直接攻撃をさせるつもりだった。 彼がNarn本星攻撃にマスドライバーを使うと言うのを聞いて、 Londoは止めさせようと説得する。 マスドライバーは条約によって使用を禁じられた大量破壊兵器だった。 さらにLondoは、彼の同盟者(Shadow)は危険で、 彼のコントロールが効かなくなる恐れがあるとも訴えるがRefaは耳を貸さず、 Londoを待って既にCentauri艦隊が待機しているし、 Centauri人のこれ以上の犠牲を救うためには、 マスドライバーの使用もやむを得ないと主張した。 結局Londoは、今回を最後にするという条件で彼の同盟軍の参加を認めた。

GaribaldiはDraalからの通信は何かのトリックではと疑うが、 Delennは彼を信じていた。 実際にメッセージはEpsilon3から送られた事が判り、 Garibaldiはなおも保安チームの同行を主張するが、 Sheridanは彼とDelennだけが招待されたといって、 二人だけでEpsilon3へ向かう事にする。
RefaがLondoに再び会って、Narn本星へ進撃する戦艦に乗るように 求めている頃、SheridanとDelennはステーションを離れた。

医療ラボにG'Karを呼び出したFranklinは、 彼の扱ったNarnの避難民からの情報を伝えた。 Centauri軍はこのところNarnの植民惑星にほとんど興味を示さずに どこかへ急いでおり、 これはMinbari戦争の最終盤でのMinbari軍の行動と同じだと言う。 G'Karはこの情報からCentauriがNarn本星への 直接攻撃を計画している事を察知し、 G'Stenに連絡するが、G'Stenは彼の説得を振り切ってGorash7へ出撃していった。

SheridanとDelennはEpsilon3の地下に入り、巨大な吹き抜けを渡る通路に来た。 彼はその光景に言葉を失う。 二人がDraalの入っている機械の前にたどり着いたとき、 Draalのホログラムが現れた。 彼は二人に、この惑星の秘密について多くを知り、 銀河全体とさらにSheridanについても多くを学んだと言う。 彼はSheridanが計画している地球政府への「光の陰謀」の事も承知しており、 Sheridanを狼狽させる。 嘗て彼がこの機械の一部となったとき、 彼は時が来るまでこの惑星は立ち入り禁止だと言ったが、 今がその時であり、来るべき戦争において 同盟の拠点として使っても良いと申し出た。

G'Sten率いるNarnの大艦隊は、ジャンプポイントからGorash7に現れた。 辺りにはCentauriの艦隊の姿はなく、彼らは攻撃の準備をする。 そのとき突然5隻のShadow戦艦が現れ、Narn艦隊への攻撃を開始した。 圧倒的な力の差の前に、Narn戦艦は次々と破壊されて行く。 二隻のNarn戦艦の共同攻撃でShadow艦一隻がダメージを負うが、 それが唯一のNarn側の戦果で、 G'Stenは残った艦隊にジャンプポイントを開いて撤退するように命じる。 しかしShadow艦によってジャンプポイントを崩壊させられ、 Narn艦隊は全滅した。
この会戦の最中、Babylon5ではG'Karが祈りを捧げていたが、 会戦が終結した頃に祈りを終えた彼はろうそくを消した。

DraalがSheridanに、この同盟は地球政府には秘密にする事や、 彼は一人でなくマシンを世話する者が居る事などを話している最中に、 Draalは救難信号をキャッチし、 SheridanにBabylon5へ戻るよう勧めた。 もっと頻繁に会いたいと訴えるDelennに、 「彼らを紹介するように」と言って彼女を去らせた後で、 Draalは「忙しくなる」と"Zathras"を呼んだが誰も現れず、 「必要なときにはいつもいない。」とぼやいた。

IvanovaはGaribaldiに、CentauriがNarn本星に総攻撃をかけた情報を伝え、 Babylon5の治安を守るための準備を命じた。 ISNがCentauriによる総攻撃の緊急ニュースを伝えると、 Zocaloの酒場ではNarn人とCentauri人の乱闘が始まった。 Epsilon3から戻る途中のSheridanに、 Centauriのマスドライバーを使用した総攻撃のニュースが、 Ivanovaから伝えられる。
その頃、LondoはNarn本星近くのCentauri戦艦の船窓から、 マスドライバーによる攻撃を呆然と見守っていた。

Centauriの惑星爆撃は4日目に入っていた。 ISNニュースはNarnが依然降伏を拒んでおり、 Minbariを始めとする他国政府は、 Centauriにマスドライバーの一般市民への使用を抗議しているが、 何の反応もない事を伝えた。 既にNarnの多くの都市とインフラが破壊され、 このまま爆撃が続けばNarnは石器時代に戻ってしまうだろう、 という地球の専門家のコメントが報じられる。
G'Karは本国との通信で降伏以外に道はないと知らされ、帰国しようとするが、 それは自殺行為で、 数少ない生き残りのKha'Riメンバーとして ステーションに残ってくれと言われる。 Kha'Riから最後のメッセージを受け取ったG'KarはSheridanを訪れ、 政府の指示で身柄の保護を求めることを伝えた。

Babylon5に戻って来たLondoは、 非同盟惑星連合を交えた顧問会議の招集をSheridanに要求した。 無条件降伏したNarnに対するCentauriの要求項目は以下のようなものだった。

1. Kha'Ri議会を解散し、メンバーは裁判のため逮捕する。 罪状はCentauriへの戦争犯罪である。
2. Narn人がCentauri人を一人殺す度に、 500人のNarn人を死刑にする。犯人の家族も死刑とする。
3. Centauriによる植民地の暫定統治議会が、 文明化されたNarn政府再建を請け負う。
4. NarnはCentauriの保護領であるため、 G'Karの大使の地位を剥奪し、裁判のためNarnに返す。
Sheridanは地球がオブザーバーを送ることを要求するが却下された。 しかし、G'Karに関しては身柄の保護を求められており、 条約にサインしていない地球は彼を裁判に送る義務はないと突っぱねた。 Delennも彼の主張を支持したためG'Karの身柄は守られるが、 LondoはもはやNarnの代表でない彼を顧問会議から除籍するよう要求し、 議論が必要だとするSheridanを怒鳴りつけた。
G'Karは、 「独裁者も、侵略者も、武力によって民を永遠に拘束する事はできない。 宇宙で最も大きなパワーは、自由を求める魂だ。 そのパワーの前では、政府も、暴君も、軍隊も決して敵いはしない。 嘗てCentauriはそれを学んだはずだ。 例え千年掛かろうとも、我々はまた自由を勝ち取ってみせる。」 と言い残し、静かに会議場を去った。

Londoが見ているISNのニュースは、 CentauriのCartagia皇帝がNarn本星奪還を祝して 1週間の公式祝典を行う事を宣言したと、伝えていた。 同じニュースはさらに、 旧Narn領の周辺の幾つかの領域をCentauriが併合すると宣言した事や、 彼らがこれ以上領土拡大はしないと言っているが、 Earth Domeには懸念の声があることを伝えていた。

SheridanはG'Karに、彼を会議のメンバーから失うのはとても残念で、 これからも彼の洞察力と決断力が必要だと伝えた。 そして、彼がNarnの自由を取り戻せるために助力を惜しまないと言って 握手を求めた。 G'Karはこの前握手した相手とは24時間後に戦争になった、 と言いながらも握手を交わした。

Delennに会議室に呼び出されたSheridanは、 大勢のMinbari人と地球人たちが集まり、 そこにGaribaldiとKoshまでいるのにびっくりする。 Delennは彼らはRangerだと紹介し、 さらにGaribaldiは彼らは来るべき暗闇との戦いの為に ここに集まって来たと説明する。 Sheridanがなぜ今まで黙っていたのかと問うのに対し、 Garibaldiは8ヶ月前から知っていたが、友人と約束で黙っていたことを明かす。 Delennは、大戦争が近づいており暗闇に立ち向かう光の砦が必要であること、 今までBabylon5のRangerは自分の指揮下にあったが、 同じ権限をSheridanに譲渡し共に戦うことを伝えた。
Sheridanは手を携えて暗闇に立ち向かうことを宣言した。


印象に残ったシーン、台詞

"No dictator... no invader... can hold an imprisoned population by force of arms forever. There is no greater power in the universe than the need for freedom. Against that power, governments and tyrants and armies cannot stand. The Centauri learned this lesson once. We will teach it to them again. Though it take a thousand years, we will be free."
-- 顧問会議の議場を去るG'Karの言葉。


Memo

マスドライバーは、近くの小惑星を動かして衛星軌道から次々と惑星表面に撃ち込む兵器である。 その威力は核爆弾をはるかに凌ぎ、 地球で恐竜が絶滅した事件と同様の、 大規模な「核の冬」をもたらす事になる。

マスドライバー使用を正当化するための Refaの論拠は、アメリカの原爆投下正当化の論拠と全く同じである。 アメリカの視聴者はそれに気がついただろうか?
また、上のG'Karの言葉はイラクの現状を思わずにいられない。

マスドライバーの使用によって無数の犠牲者を出した事によって、 さすがのLondoも自分の決断の結果が恐ろしくなったようだ。 しかしもはや事態は彼の手に負えなくなっていた。

G'Karが言った、前回握手した相手とは、 "The Coming of Shadows"でのLondoの事。

GaribaldiにRangerの事を口止めしたのはSinclairで、 やはり"The Coming of Shadows"での事。

"Babylon Squared"でBabylon4に現われた謎の異星人 Zathrasは、 Epsilon3のDraalの元から派遣されたらしい事が判った。 すなわちBabylon4の事件にGreat Mathineが関与している事を示唆している。


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