Babylon5 #44

#44 The Fall of Night

粗筋

SheridanはStarFury Zeta中隊を率いてCentauriを仮想敵とした戦闘訓練をしていた。 Ivanovaからの緊急呼び出しを受け、彼は中隊に訓練を続けるよう指示して 一人で基地に戻った。

LennierとVirはZocaloのバーで会って、お互いの上司に関して愚痴っている。 DelennもLondoも以前とは変わってしまい、なにやら秘密めいた事をやっていて 彼らの意見を聞こうとしなくなった。 最後に二人は、「明日また同じ時間に」と言って別れた。

Sheridanを彼のオフィスで待っていたのはDraziとPak'ma'raの大使で、 彼らはCentauriが両国の領域に侵略を始め、他の国家への攻撃の準備をしていると訴え、 さらに「まもなく彼らはあなた方も攻撃するだろう」と警告した。
SheridanはLondoをオフィスに呼び、CentauriはNarnだけで満足できないのか、と詰問するが、 Londoは彼らは単にこの領域の安定の為に緩衝地帯を作ろうとしているだけだと強弁し、 逆に彼が権限を逸脱した行動を取る事は許さないと脅した。
Londoが帰った後Garibaldiは、 「彼はもはや誰の言う事にも耳を貸さなくなった、 自分が思いがけず持ってしまった力に恐れを感じているようだ」と話す。 Shridanが、Centauriの件のEarth Domeへのレポートを作った、と話している所に、 Ivanovaが公安省からFrederick Lantzが派遣されてきたと報告した。

Kefferは訓練を終え、仲間の一人と亜空間に出没するという"ghost"の話を始めた。 彼はさらにZacoloで、それを見たという同僚のMitchに話を聞く。 始め彼はその件について話そうとせず、Kefferにそれを再び探すのは止めるようにと言った。 しかし暫くしてMitchは再び現れ、Kefferにghostが現れたときのセンサー記録を渡した。

LantzはNight WatchのWellesといっしょで、 彼はSheridanにLondoと、Centauriの拡大の影響を受けている他の諸国の大使との 会談を要請した。 彼はIvonovaから非同盟惑星諸国やステーションの状況について聞いた後、 彼女に自分は自分の孫が平和に暮らせる事を願って公安省で働いている、と説明した。
一方Wellesが来たのは、ステーションのNight Watchメンバーとの会合の為だった。 彼はIvanovaの個室を訪れ、彼女がNight Watchに協力して他の要員に関する情報を知らせれば より早く出世できる、と持ちかけた。 彼女は、Night Watchについてはいろいろ気になる事を知っているし、 自分はキャリアの為に信念を捨てる気はない、と彼の申し出を突っぱねた。

その頃、Babylon5から見てEpsilon3の裏側にジャンプポイントが開いて NarnのG'Quan級戦艦が現れた。 Narnの艦長はSheridanに艦の修理の援助と保護を要請し、 SheridanはG'Karに、この戦艦のニュースを知らせた。 彼はそれを聞いて喜び、Sheridanが戦艦に保護を与えてくれた事に感謝する。 さらにSheridanは彼に、地球からLantzが来ている事も知らせた。 G'Karは地球からの支持を期待して、Lantzに会おうと出て行った。 しかし他の大使との会談を終えて出てきたLantzは、彼を冷たくあしらった。

Night Watchの会合でWellesはZackに、彼からの報告がない事を指摘し、 Zocaloの店主が輸入に関する新規制について不満を言っていたのが事実かを尋ねた。 彼はその件は特に重要と思わなかったと答えるが、 Wellesはどんな事でも報告する事を求め、Zackは困惑する。

SheridanはNarn艦の艦長に、修理のスピードアップのためジャンプエンジンを切るように求め、 ステーションが艦の安全を保障すると告げた。
Lantzが司令室に現れ、Centauriを仮想敵とする戦闘訓練を中止するように求めた。 彼は地球とCentauriとの不可侵条約の締結を進めていた。
一方、司令室要員のNight Watchの女がWellesに会って、何かを彼に伝えていた。

SheridanはIvanovaと会って、不可侵条約はCentauriに周辺国を侵略し放題にさせる事だと 怒り、もはや軍の制服を着ることに誇りを感じなくなった、と言う。 彼女は同意するが、彼へのクリスマスプレゼントを持って来ていた。 それは彼がMinbari戦争で破壊したMinbari艦隊の旗艦BlackStarの破片だった。
そのときLondoから、彼らがNarnの戦艦をかくまっている事を非難し、 Narn艦の引渡しを要求するメッセージが入る。 彼がNarn艦にCentauriに知られた事を伝えた直後に、ジャンプポイントが開き、 CentauriのPrimus級戦艦が出現した。 対してSheridanはNarn艦の保護の為にStarFury Zeta中隊を発進させた。 Lantzが再び現れ、彼の処置を非難するが、 Sheridanはまだ条約は締結されていないし、自分はNarn艦の保護を約束したと言い、 彼を司令室から追い出した。 そしてLondoにCentauri戦艦の撤退を要求し、Narn艦をこの宙域を出るまでは保護し、 Centauriの攻撃には反撃すると宣言した。

Narn艦はZeta中隊の護衛の下にジャンプゲートに向かうが、 Centauri艦はNarn艦、Zeta中隊、さらにBabylon5に照準を定めた。 Babylon5もCentauri艦に照準をあわせ、ブラストドアを閉めた。 遂にCentauri艦が攻撃を始め、Babylon5も迎撃を開始する。 その結果、Narn艦はジャンプゲートから逃走し、Centauri艦は大損害を受け破壊された。 そしてステーションもかなりの損傷を受ける。

Sheridanは攻撃を始めたのはCentauri側で、自分には基地を守る義務があり、 またNarn艦に関しては、一般命令47 (地球軍の人間は救難信号に応じいかなる船をも救助すべし。地球と戦争中の者を除いては。) によって保護する義務があったと主張する。 しかし、Centauriは事件を清算する条件としてSheridanの謝罪を要求しており、 最高評議会と大統領から 謝罪しなければ解任するという命令がSheridanに下った。 謝罪は1時間後に庭園で開かれる各国大使との会合で行われることになり、 彼はしぶしぶ謝罪のスピーチを準備するが、内容はとても謝罪とはいえないものだった。

Narn艦を護衛していたKefferは、亜空間でghostのシグナルを見つけ、一人で隊を離れた。 そしてShadow艦を発見し録画を開始するが、逆にスキャンされ破壊される。 その寸前に、彼は帰還信号にのせてレコーダーを投下した。

庭園には大使たちが集まっており、Sheridanを弁護したいというG'Karも身を潜ませていたが Ivanovaがやめるように説得した。
庭園へ向かうコアシャトルに乗ったSheridanは二人のCentauri人に気がつく。 次の駅で彼以外の全員が降りていった後、彼が車内を見回すと、爆弾がしかけられていた。 とっさに彼がドアから飛び出した直後に、シャトルは爆発した。 それは庭園で待つ大使たちの真上で起こり、 彼は地面に向かってゆっくりと落下を始めた。 Ivanovaは救出用ジェットバックを要請するがとても間に合いそうもなかった。
その様子を地上で見ていたDelennがKoshに「何かする気なら今がその時です」と訴え、 Koshの環境スーツが開き始める。 中から背中に羽を持って光り輝くKoshが飛び出した。
その姿を見て、Lennierは"Valeria", Draziは"Droshalla", そしてG'Karは"G'Lan"と呼んだ。
Sheridanの手を取ったKoshは、彼を無事着地させて去った。

事件が片付いた後で訪問してきたDelennに、 SheridanはあれがKoshであり、各種族がそれぞれの伝説の中の光の存在 (天使)を見た事を確認した。 そしてVorlon人は過去に色々な惑星を訪れて、 各種族が必要な時に正しい反応をするように操作してきたと推測する。 Delennはそれを認め、Koshがその姿を現した事を、 ShadowはVorlonが彼らと戦う準備ができた証拠だと思って恐れるだろうが、 まだ準備は出来ていないので、彼らの存在を知らないふりをして 時間を稼ぐ必要があると語った。 その時、IvanovaがZeta中隊がKefferを除いて帰還したことを伝えた。
「光の存在」についてNarn人と話していた一人のDraziは、 Londoに何を見たか尋ねたが、彼は「何も見てない」と答えた。

Ivanovaの独白:

地球歴2259年暮れ、戦争が勃発した。 地球Centauri条約が締結されるやいなや、 Centauriは戦争の範囲を他の惑星連合にも広げたのだ。 そしてもうひとつ。 思想にかかわる地球がらみの戦争も起こりつつあった。
Babylon5は平和をかけた最後の願いであったが、2259年の暮れその願いは潰えた。 戦争の拡大により、その目的は勝利を賭けた最後の望みへと変容した。 しかし、その裏側では1万年前の古代種族による戦争で滅びなかった者たちが 不気味な動きを始めていた。
独白の背景ではIvanovaがろうそくに火をつけている。 そして「思想にかかわる地球がらみの戦争」の部分では、Zocaloの雑貨店主が連れ去られ、 「反逆行為により公安省命令で閉鎖」という張り紙をZackが見守る。
最後に画像が乱れ、Shadow艦の姿を映すISNの独占放送が流される。


印象に残ったシーン、台詞

It was the end of the Earth year 2259, and the war was upon us. As anticipated, a few days after the Earth-Centauri treaty was announced, the Centauri widened their war to include many of the Non-Aligned Worlds. And there was another war brewing closer to home, a personal one whose cost would be higher than any of us could imagine. We came to this place because Babylon 5 was our last, best hope for peace. By the end of 2259, we knew that it had failed. But in so doing, it became something greater. As the war expanded, it became our last best hope... for victory. Because sometimes, peace is another word for surrender. And because secrets have a way of getting out.
--Ivanovaの独白(英語)

LennierとVirがお互いの立場を愚痴っているシーンは、本筋とは直接関係ないが結構可笑しい。 LondoがVirの諌めに耳を貸さずに悪の道へと踏み込んでいるのに対し、 Delennの方も、彼女にしか解らない方向に進んでいるのは確かで、 確かに両者の補佐官の立場はつらいだろう。 二人は定期的に会っているような事を言っているが、 この後その事は特に言及されない。


Memo

結局SheridanのCentauriへの謝罪は行われたかどうかは触れられていない。

Koshに助けられた後のDelennとの会談で、 Sheridanは自分が必ずしもVorlonの意図が善意だけではないと思っている事を表明している。 これはDelennの方がこの時点ではVorlonを無条件に信用しているのとは対照的だ。 もっと後になって彼女も考え方を変えてゆく。

庭園で何を見たか問われたLondoが「何も見ていない」と答えたのは、 実際に彼にはKoshの姿が見えなかった事を意味しているのだろうか? CentauriにはVorlon人は訪れなかったのか、 あるいはShadowと悪魔の契約を結んでしまった彼には天使の姿が見えなかったのだろうか?


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