Babylon5 #48

#48 Passing through Gethsemane

粗筋

SheridanとBrother Theoがチェスを打っているのを、 IvanovaとTheoの仲間のEdwardが眺めていた。 絶体絶命に見えたTheoを、 こういうときこそ神頼みではとからかうSheridanに、 Theoは反論してから絶妙の手で勝ちを決めた。 そのときKoshの船が入港したと連絡があり、 呆然としているSheridanを残してIvanovaはその場を後にした。
EdwardはTheoに勧められ、彼が作りかけのガラス細工をSheridanに見せる。 そして出来栄えに感心した彼に、 完成したらプレゼントすると約束した。
IvanovaがDocking BayでKoshの船の入港を見守っていると、 そのKoshが後ろから現れる。 彼の船から出てきたのは、KoshではなくLyta Alexanderだった。 驚くIvanovaに彼女は、Koshの補佐官としてここに戻ってきたという。

LytaはSheridanのオフィスで、 Babylon5を離れてからVorlon宙域へ向かった事を話す。 しかし、皆が最も聞きたがったVorlon本星の様子やそこで何があったかは、 彼らに口止めされているといい、答えなかった。 時々はKoshの用事のために基地を離れるが、基本的にはここに留まると 話す彼女に、 いずれPsi Corpsが彼女の居場所を嗅ぎ付けて捕えに来ると Ivanovaが警告すると、 Koshに守ってもらうと彼女は答える。
医療室での検査では、彼女は完全な健康体で、先天性の貧血さえ治っていた。 ただ、血中の酸素濃度が異常に高かったが、 それに関しても彼女は説明を拒む。

Garibaldiは、Minbari貿易団の警備の依頼でオフィスに 訪ねて来たDelennと共に、 殺人犯が「人格の死刑」を言い渡されたというISNニュースを見ていた。 彼女の問に対して彼は、自分はこの刑は殺人犯には軽すぎると思う、 殺人者には電気椅子がお似合いだ、と言う。

Edwardがある女性と、 彼らの教団の資金を得るためのビジネス交渉を終えたとき、 彼女は彼のかばんから落ちたのでは、と黒いバラの花を示すが、 彼には記憶がなかった。 部屋に帰った彼は、部屋の壁に血文字で「死がおまえの周りを歩いている」 と書かれているのを発見する。 しかし、彼がGaribaldiを連れて戻ってきたときには、その文字は見当たらず、 痕跡すら残っていなかった。

Londoが乗ろうとした移動チューブから降りてきたのはLytaだった。 Londoは自分を無視して立ち去ろうとするLytaを呼び止め、 大金を出すからVorlonであった事を話してくれ、と言うが、 彼女は相手にしない。 そして、Psi Corpsに密告する事を仄めかす彼に、 そんな事をすれば、記憶をいじって一生悪夢を観させてやると脅した。

EdwardはDelennに対して、Minbariの信仰に関するインタヴューをしていた。 彼女とLennierは、 魂は個人の肉体の中にあるのではなく、 宇宙全体の魂が個人を通して見えているものだとMinbariでは考えていると 説明する。 その後彼女は彼に、彼自身の信仰のよりどころについて尋ねた。 彼はGethsemeneの園でキリストが一晩中ローマ兵が彼を捕らえに来るのを 待っていた、という話をし、 「彼は捕らえられればどうなるか知っていたのに、 人々の罪をあがなうためにあえて捕らえられた。 私はいつももし自分だったらどうするだろう、と考えています。」 と言う。 インタヴューの後、Valenについて尋ねられたLennierが、 「彼は千年前に何処からともなく現れ、Grey評議会を設立した。 Minbari生まれでないMinbari人と言われている。」 と話し出すのをDelennは遮り、 Edwardと二人は別れる。

Downbelowへ戻る途中、彼は奇妙なCentauri人にぶつかった。 その直後、彼は女性の悲鳴を聞き、 通路の壁に再び血で書かれたメッセージを見た。 さらに幻覚のような声を聞いた彼は、 パニックを起こして逃げ出しすが、 いつの間にか水たまりの中に突っ込み、 そこで女性の切り裂かれた死体を見る。 彼女の口には黒バラが差し込まれていた。

逃げ帰った後、部屋でぼんやりしていたEdwardは、 心配したTheoが帰った後で、 断片的によみがえった記憶を頼りに、 過去の犯罪記録についてコンピュータ検索をかけた。
Sheridanに相談に行ったTheoは、 修道会への参加者の過去については深く調べないようにしているが、 Edwardが過去に大きな罪を犯しているなら、 本人がそれを知る前に探り出してくれ、 そうしないとEdwardは自殺するかもしれないと話す。
Garibaldiの調査の結果、Edwardは嘗てはBlack Rose Killerと呼ばれた 猟奇的殺人鬼で、9年前に「人格の死刑」によって別の人格が与えられて、 Brother Edwardとして奉仕活動をしている、という事が判明した。 しかしその前に、Edward自身もその事を知ってしまった。 また、Edwardの一連の体験は彼の幻想ではなく、 Centauri人のテレパスを使って 彼にその記憶を呼び起こさせた依頼者がいる事も判明した。

EdwardはTheoに別れを告げ、 彼の説得を振り切って自らの過去の罪の償いへ出て行った。
SheridanはEdwardにぶつかったCentauri人テレパスを捕まえるが、 彼は依頼者の居場所を明かさない。 しかしPsi Corpsに属さないテレパスのLytaの協力で、 彼から強引に記憶を引き出して、SheridanはEdwardの行き先を突き止めた。

彼らがEdwardを見つけたとき、すでに彼は磔にされて息絶えようとしていた。 彼はSheridanに、主がGethsemeneの園で待っていた時の気持ちが理解できた、 といって息を引き取った。 依頼者は嘗て彼に家族を殺された男で、その場で逮捕された。

数週間後、基地に戻ってきたLytaを迎えたIvanovaは、 Edward殺しの犯人は全てを認め、 判決もすでに下ったと、彼女に話す。 人格の死刑に処され、別の人格が与えられた彼は、 Theoの教団の新人として、地球に行って修道院に入る事になったと Sheridanの前に挨拶に現れ、Sheridanは絶句して相手をにらみつける。 しかしTheoに促され、Sheridanは相手の手を取って彼の成功を祈る。

Koshの私室では、Lytaが呼吸装置をつけずにKoshと向き合っていた。 Koshの開いたスーツからエネルギーリボンのようなものが出て、 彼女の目とつながっている。 彼女の首筋には、鰓のようなものが見える。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

原題に関係するメインストーリーのテーマは重いが、 Babylon5全体の流れとは関係ないような気がする。

Lytaの血中酸素濃度が異常に高かったのは、 最後のシーンで暗示されているように、 彼女がVorlonの大気中でも生きられるように 改造された結果と思われる。

Minbariの魂に関する考え方は、 A.C.Clarkの名作"Childehood's End" (幼年期の終わり)での Overmindを連想させる。


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