Babylon5 #49

#49 Voices of Authority

粗筋

Garibaldiが、制服の生地に関して盛んにぼやいているZackと共に、 毎朝のミーティングに向かって歩いている時に、 Ivanovaから彼に軍事委員会の呼び出しコード"7-R"が入った。 Zackはそのコードは何かと尋ねるが、Garibaldiは適当に誤魔化し、 ミーティングを欠席すると言って立ち去った。

軍事委員会ではDelennが、新たな同盟者を探す提案をした。 彼女はVorlon以外にも未だ別の太古の種族First Oneたちが 銀河に残っている可能性を指摘し、彼らを探そうという。 彼女の提案でDraalを呼び出して彼の意見を聞く事になった。
Draalのホログラムが現れ、Epsilon3のGreat Machineには First Oneたちに関するいくつかのデータが残されている、と言う。 Sheridanは彼の招待に応じてEpsilon3へ向かう事にする。

ドッキングベイでは、Zackが地球公安省から来たJulie Musanteを迎えていた。 彼女は暫くステーションに留まると言い、 Zackに彼女の部屋まで荷物を運ばせる。

G'KarはZocaloで装身具の品定めをしているDelennに、 近頃この基地では奇妙な事が起こっていると話しかける。 彼はRangerという言葉を出し、 彼女が何か知っているかと探りを入れるが、 彼女は聞いたことがないと答える。 立ち去ろうとする彼女の背中に向けて、 「それなら私は独自に調べる、 何か判ったら君にも教えてやろう」とG'Karは声をかける。

Sheridanがオフィスへ戻ると、Musanteが待っていた。 彼女はBabylon5の政務官として派遣され、 彼の最近の行動が政治的な問題を起こしており、 そのような事態を避けるために彼女が彼にアドバイスする、と言う。 彼は、自分の権限を侵すものだと反発するが、 これは既に決まった事だと彼女は答え、 より詳しい話をするために彼を二時間後のディナーに招待した。 初め彼は先約があると言うが、 彼女がその内容を知りたがったため、結局彼女の求めに応じる。 そのため彼はEpsilon3へ行けなくなり、 司令室のIvanovaに、彼女が代わりに行くように指示した。
Musanteを部屋に案内したZackが、 司令官の印象について尋ねると、 立派な人物だと彼女は答える。 しかし、彼が隠している事について、 Night Watchの隊員であるZackに尋ねたいと続け、 自分の部屋の中にZackを入れた。
Sheridanとのディナーの席で、 Musanteは地球では反社会的分子が排除され、 理想社会に変わりつつある、と説明するが、 実際には"1984年"かStalinソビエトのような世界へと進んでいるようだった。

Draalは始めIvanovaが代わりに来た事に不快感を示すが、 彼女の冗談で態度を和らげた。 彼の助けを受けて、彼女は彼の代わりにGreatMachineに接続される。
彼女の精神は宇宙空間に投げ出され、宇宙空間を渡る道を見た。 それを伝って彼女はSigma957に達し、そこにFirst Oneの痕跡を見る。 しかしそのとき、彼女は別の存在に気が付く。 それは宇宙空間に浮かぶ、Shadowの目と似た光の群れだった。 危うくその存在から逃れ、彼女は別の場所に居た。 そこでは爆発前のEarthForce1がIoへと向かっていた。 彼女は爆発前に警告してSantiago大統領を救おうとするが、 Draalにそれは過去の映像だと指摘される。 そのとき、別の映像が彼女の前に現れた。 それはClark副大統領が、 秘密回線を通じて誰かに話しかけているものだった。
「Santiagoの死をずっと望んでいたが、実行できるとは思わなかった。 成功したのか?」
「EarthForce1は、Ioから戻ってきません。 権力はあなたのものです、Clark...大統領。」 答えたのはMordenの声だった。 (残念ながら、吹き替えでは別の声になっている。) そして実際に起こったように、EarthForce1は爆発した。
この映像の記録は、Clarkが前大統領暗殺に関与していた、 決定的な証拠になると、Ivanovaは興奮する。

ディナーの後、Musanteは自分の部屋の鍵が開かない、 と言ってSheridanについて彼の部屋に入った。 そして彼が飲み物を用意している間に、 いきなり服を脱いで彼を誘惑する。 唖然として彼が眺めている裸の彼女の後ろに、 Epsilon3に居るIvanovaのホログラムが現れた。 彼の驚いた表情を見て、振り返ろうとするMusanteを、 とっさに彼は抱きしめてキスを交わした。 Ivanovaのホログラムが消えると、 彼は言い訳をしてバスルームに入り、 そこで再び現れたIvanovaから、 彼女の見たものについて報告を受けた。 しかし外で待ちくたびれたMusanteが呼んでいるため、 彼はIvanovaに一人でFirst Oneとコンタクトを取り、 入手した情報に関してはGaribaldiに話すように指示した。

DelennにRangerの事についての答えをはぐらかされたG'Karは、 今度はGaribaldiに会いに来て、Ivanovaの居場所について尋ねた。 しかし彼もまともに答えないため、G'Karは怒り出し、 ここで秘密裏に起こっている事に対して、 自分たちNarnも貢献できるはずだ、と言う。 一体何が出来ると問い返すGaribaldiに、 「それは君次第だ」と言ってG'Karは走り去った。

翌日、朝食を食べているMusanteを見つけたZackは 彼女に親しげに話しかけるが、 司令官があんな簡単な提案を色々と理由をつけて断るなんて、 と彼女は不機嫌な様子だった。 その様子を、Garibaldiは遠くから見ていた。
彼女は、その後のNight Watchの集会で、 地球同盟軍の要員は政府に反対意見を表明する事はもはや許されないと宣言し、 一般市民に対する監視も強化するように命じた。 行き過ぎを危惧する声に対し、 近いうちに政府内部の敵性分子がパージされるだろうと彼女は言明し、 これらの権利の制限は、地球が安全になって 純化されるまでの一時的なものであると続けた。

Ivanovaは通訳としてMarcusを伴い、 WhiteStarでSigma957へ向かった。 Sigma957で暫く待つうち、突然巨大な宇宙船が現れた。 Ivanovaはその船に呼びかけ、「Shadowが再び現れました、 いっしょに彼らと戦ってください」という。 すると大きな石の仮面のような物体がWhiteStarのブリッジに現れた。 Ivanovaはそれに向かって訴えを繰り返すが、 暫くして返ってきた返事はただ一言"Zog"で、宇宙船は去って行こうとする。 対してIvanovaは、「Vorlonはあなた方が役立たずだと言っていた。 それならばあなた方抜きでVorlonと組んで戦うから、ご自由に」と言い返すと、 再び石の仮面が現れ、「その時がきたら、ここに来て我々の名を呼べ。姿を見せてやる。」 と言い、巨大な船は姿を消した。

Ivanovaの見つけた記録映像を見たSheridanは、 これこそ求めていた動かぬ証拠だと興奮する。 政府高官の通信には機密コードが付いており、 偽造は事実上不可能とされていた。
この記録はHague将軍の一派に渡され、 やがてISNは、 Santiago前大統領の死は暗殺であり、 Clarkがそれに関与していた証拠が議会に提出された、 というニュースを伝えていた。 Garibaldiは警備班のミーティングでそのニュースを見ながら、 騒動を防ぐために警備を強化するように部下に命じ、 さらにMusanteがこの件で急遽地球に呼び戻されたと告げる。 他の警備班が去った後、GaribaldiはZackに、 Musanteに何を話していたのかを尋ね、自分を裏切る気かと追求した。 Zackは反発し、Garibaldiは自分を信用しておらず隠し事をしている、 Night Watchがまず疑うのは、隠し事をする人間だ、 今日は自分に話しかけないでくれ、と怒って出て行った。
地球に向かうMusanteを送って行きながら、 Zackはコード"7-R"について尋ねるが、彼女は何も知らなかった。 今回の地球でのゴタゴタを起こした犯人を見つけて 必ず罰すると、彼女は宣言して基地を離れる。

その夜遅く、眠っていたGaribaldiの部屋にG'Karが押しかけてきた。 彼はG'Quanの書をGarbaldiに渡し、 「君を助けてやる、と言ったな。これを読め!それから話そう。」という。 GaribaldiはがNarn語など読めない、と言うのに、 彼は「なら学べ!」と言って立ち去った。 「嫌がらせか」とつぶやいたGaribaldiはベッドに倒れこむ。


印象に残ったシーン、台詞

G'KarがZocaloの商店の前でDelennに話し掛けるシーンで、 Delennは楽しそうに商品のアクセサリーの品定めをしている。 このシーンでは、もはや彼女は地球人の女性として振舞っている。
この直後、G'KarにRangerの事を尋ねられた彼女は、 急に厳しい表情に変るが、 これは嘘をつかなくてはならなくなったためだろう。


Memo

ディナーの席でMusanteがSheridanに説明していた、 貧困者やホームレスや犯罪者を「再定義」して 見かけ上それを無くす、という方法は、 ソ連でよく行われていた方法である。 Night Watchの集会でのポスターも、ソ連のそれを思わせる代物だった。

上にも書いたように、Clarkが秘密回線で話していた相手はMordenである。 すなわち、Santiago暗殺に始まる地球の変質に、 Shadowが関わっている事が判る。

Musanteの不機嫌な様子からすると、 彼女はSheridanを「落とす」事が出来なかったようだ。

Sigma957は#6 "Mind War"においてCatherine Sakaiが調査に向かい、 謎の存在に遭遇した惑星である。 今回、彼女が遭遇したのはFirst Oneだった事が判明した。


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