Babylon5 #51

#51 Exogenesis

粗筋

Babylon5にその日最後に入港したシャトルを、 ベイに忍び込んだ男女が眺めていた。 男は微笑みながら、「彼らが到着した」と女に声をかける。

その頃、地球軍士官用のクラブでは、 Corwinの中尉への昇進パーティーが行われていた。 Corwinが仲間に祝福される様子を近くのテーブルで見ながら、 FranklinはIvanovaに、なぜMarcusをパーティーに招かなかったのか尋ねる。 Marcusは地球軍士官ではなく、完全には仲間内と言えないと彼女は答え、 Sheridanもそれに同意した。 パーティーの後、SheridanはIvanovaを司令室の彼の席に呼んで、 彼を自分達の計画に引き入れても大丈夫かを確かめるように指示する。
翌日の早朝の司令室で、IvanovaはCorwinに話しかける。 そして彼の将来について色々聞きたいので、 勤務時間後に自分の私室に来るように言った。

Downbelowでは、蠍のような生命体を背中に乗せられた男が苦しんでいた。 生命体は彼の皮膚の下に入り込むが、彼は急死してしまい、 周りを囲んでいた先ほどの男女は慌てる。 警備員がやってきたため、彼らは死んだ男を置いて逃げる。

Marcusは酒場で、Rangerの情報員から Shadowの動きについての報告を聞いていた。 彼は、情報員の一人が現れないのに気づき、彼を探しに行く。 しかしその男は見知らぬ仲間達と一緒で、 これまでの彼と態度がすっかり変わっていた。

医療室のミーティングで、Franklinは部下から Downbelowで死んでいた男の検死を頼まれる。 検死の結果、遺体に異常を発見した彼が解剖してみると、 遺体の脊髄の周りを、謎のの寄生生物が取り囲んでいた。 彼はこの生物が全ての生命に寄生可能で、 ステーション外から来たらしい事を突き止める。

Marcusは、知り合いのDuncanが市場の自分の露店から姿を消したため、 Garbaldiに調査を依頼するが相手にされない。 彼はさらにFranklinに会ってしつこく食い下がり、 彼とDuncanの部屋に調査に行く事を同意させる。 ドアをこじ開けて中に入ると、誰も居なかったが 壁には食い破られたような穴が空いていた。 その穴に入って行くと広間に出たが、そこでは別の男が蠍状生物を 背中に乗せられていた。 Franklinは彼に近づくが、一団の男女に銃を突きつけられ二人は拘束された。 彼らはDownbelowに住む浮浪者や社会の不適応者ばかりで、 Duncanも彼らの仲間に加わっていた。

Corwinはデートに誘われたと勘違いして、 Zocaloで買った高価な人造バラの花束を持って、 Ivanovaの部屋を訪ねた。 しかし、どうやら彼女にその気がないと察して、とっさに この花束は彼女の部屋のドアの外に置いてあった、と言い訳する。 「もし、地球の利益と上からの命令とが相反していたらどうするか?」 という彼女の質問に対し、彼は、「命令系統に従わなければ、 全てはおかしくなってしまう。」と答えるが、 これは彼女の期待した答えではなかった。 当り障りのない会話の後、彼女は彼を帰した。

捕えられたFranklinはMarcusに、あの寄生生物は宿主を完全に支配でき、 もし基地に広まったら大変なことになる、と言う。 Marcusはそれならなぜ彼らは司令部ではなく、浮浪者たちにばかり 寄生しているのか、と疑問をもつ。
それから二人の話題はIvanovaの事になり、Marcusは彼女に好意を持っている と告白するが、それを聞いたFranklinは笑って、 彼女は君のタイプではないと言う。
そうするうちに、Franklinは男達に連れて行かれ、 様子がおかしくなった彼らの仲間を診察させられた。 Franklinは寄生体を取りだすように言うが、 リーダーの男はそれを拒否し、両方を救うように命じる。 一方残されたMarcusは見張りをだまして抜け出し、 Franklinの通信機で警備を呼び出そうとしたが、 生体認証が違っていたので使えなかった。 しかしその不正使用を司令室のIvanovaがキャッチし、 GaribaldiにBrown87区に向かうように伝える。

Franklinが患者を処置している部屋に、 脱出したMarcusが押し入って彼を救出し、両者はにらみあいになった。 男たちは彼らに、「自分達は基地を乗っ取ったりするつもりはない、 あの生物Vindriziは50万年以上前に作られた人工生命体で、 宇宙のあらゆる出来事を記憶しており、 それを保持し続けるために宿主を探しているだけだ。 人生の目的を失った人達のみを宿主として、 彼らに新たな目的を与えているのだ。」 と説明したが、二人は信じない。 すると、Duncanに寄生していたVindriziが再び彼の体外に出て行き、 彼は自由になるが、彼らの言っていた事は真実で、 Duncanは過去数十万年の宇宙の出来事を体験して、大きな喜びに浸っていた。 一度Vindriziが出てしまうと、元の宿主の体内には二度と戻れないため、 Marcusは彼の生きがいを失わせてしまった事を後悔する。

司令室でIvanovaは、SheridanがCorwinの件について目線で尋ねたのに対し、 かすかに首を横に振って答える。 彼は失望の表情を浮かべた。

結局Franklinらは全てをSheridanに報告し、彼らの主張は真実であり、 Vindriziは基地の脅威ではない、と保証する。 Sheridanは彼らが基地に残る事を認めるが、 DuncanはVindriziが居た時に見たものを再び自分の目で確かめたいと、 基地を出て旅立っていった。

IvanovaはFranklinから、Marcusが自分に気がある事を聞き、 彼が例の花束の送り主だと誤解した。 怒った彼女は、Marcusを探し出して花束を突っ返すが、 彼の方は彼女がその花束を贈り物にくれたものだと勘違いして、 「結構見込みがありそうだ」と機嫌を良くした。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

IvanovaはSheridanに、Corwinの思想を秘密裏に調べるような事は苦手だ、 とぼやいたが、実際に彼女はこのような仕事には向かないようだ。 あの質問の仕方では、Corwinもああ答えるよりないだろう。

Marcusが酒場で受け取った情報:
1. MinbariのRanger Oneから、 厳戒態勢をとって地球宙域から撤退するようにという指示があった。 地球でおかしな動きがあるらしい。
2. Shadow艦がSector900で目撃されており、 Centauri宙域との間に境を作っているようだ。
3. Marcusが頼んだ「荷物」は火星を離れ、Babylon5に向かっている。
これらはいずれも、次回以降の展開に関係がある。

Vindriziは50万年以上の宇宙で起こったさまざまな出来事の記憶を 保持している事になるが、Shadowについての記憶はどうなのだろうか? いずれ彼らの記憶がShadow戦争で役に立つのだろうか?
彼らの起源は恐らくFirst Oneが関係しているのだろうが、 Vorlonではないような気がする。

ここではCorwinの階級を、 日本語放送に従って中尉(従って昇進する前は少尉)としたが、 "Tech-Manual"の記載を見るとどうやらこれは誤訳らしい。 地球艦隊(Earthforce Star Navy)の階級では、 Lieutenantは大尉、Junior Lieutenantが中尉、Ensignが少尉相当で、 恐らく今回、Corwinは中尉から大尉に昇進したと思われる。 彼がSheridan, Ivanovaに次ぐ立場にあるという設定からしても、 その方が自然である。


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