Babylon5 #55

#55 Ceremonies of Light and Dark

粗筋

Babylon5から何隻ものシャトルが出てゆくのを司令室から見ながら、 IvanovaはSheridanに、既に判っているNightWatch全員を 基地から追い出した事を伝える。 しかし、まだ割り出せていないメンバーをGaribaldiが調査中だった。 そこに入ってきた、右手をギプスで固定したままのGaribaldiは、 基地の大部分の住民は呆然としたままだが、 地球との通信が遮断されている事に不満が募っていると報告する。 しかし再び回線を開けば、地球からの信号で基地のシステムを 乗っ取られてしまうとIvanovaが指摘すると、 基地の全システムを再起動して、 アクセスコードを変更すれば良いとGaribaldiは提案した。 制服の上着を脱いだままのSheridanはIvanovaの問に、 この件が片付くまでは着ないと答え、 司令部が平静である事を示すために、 警備なしで一人で基地内を視察すると言い出した。

Delennは戦艦から来たMinbari人たちに、 司令官が彼らに深く感謝しており、 彼らの名は歴史に刻まれるだろうと艦長たちに伝えるように頼んだ。 彼らが出て行った後で、LennierはMinbari艦隊の司令官が基地を訪問したい と言っている事を伝え、Delennは自ら迎える事にした。 彼女に今回の彼女の決断について意見を求められたLennierは、 Valenの予言では、Minbari人と地球人という魂の両面が協力する事が 必要とされており、正にその通りになったと答える。 しかしDelennは、予言は良い事ばかりでなく、 行く手に炎と暗闇が待ち受けているとも言っている、 誰かが生き残れる保障はないのだと指摘した。

SheridanはZocaloを視察していたが、狙撃手の銃口が物陰から彼を狙っていた。 まさにライフルが火を噴く寸前に、狙撃手はリーダーのBoggsに止められる。 ここでSheridanを殺しても彼が殉教者に祭り上げられるだけなので、 Delennを殺してその責任をSheridanになすりつけ、 Minbari艦隊とBabylon5とを仲たがいさせる計画を、 Boggsは地球からの秘密指令を受けて進めていた。

Delennは任務から戻ってきたMarcusに、再生の儀式Nafak'chaを すぐに行いたいと言う。 今は時期が良くないのではと戸惑うMarcusに、 この儀式は大いなる変化を祝うもので、 今が正にその時だとLennierは反論した。 Nafak'chaでは、参加者は他の参加者に、 自分の誰にも話していない秘密を告白し、 大事な品物を与える事になっている。
同じ頃、Sheridanらは前回の戦闘の戦死者を宇宙に葬る儀式に臨んでいた。 Ivanovaが戦死者の名を読み上げると、 彼らの棺はStarFuryの一隊に囲まれて基地から離れていった。

Zocaloのレストランに現れたRefaは、LondoがCentauri本星に来ずに 逆に自分をBabylon5に呼びつけた事に不満げだった。 Londoは相手の不機嫌を相手にせずに、最近Centauriは戦線を広げ過ぎだ、 周辺の小国と次々侵略戦争を初めて今や12の戦線で戦っており、 本星の防御が弱くなっていると指摘する。 彼はRefaが彼越しにMordenらと取引をしているのに気づいており、 Shadowは自分たちの手に負えない恐るべき相手であり、 彼らに隙を見せないために戦線を縮小すべきだと訴える。 しかしRefaは彼の心配を一笑に付し、 Londoが愚かにも最も強力な力を手放したのだから、 その代わりに自分がその力を利用して次の皇帝の座を確保する、と答える。 しかしこのやり取りの間にLondoはRefaに混合性の毒を盛っていて、 彼が皇帝を炊きつけるのを止めてMordenとも手を切り、 本星の防御を固めさせるように命じ、 そうしなければCentauri王宮に居る部下に命じて もう一種の毒を飲ませて殺すと脅迫した。

Garibaldiのオフィスに集まったSheridanらが、システム再起動のために パスワードを口頭で入力している所にやってきたDelennは、 SheridanらにもNafak'chaに参加するように求める。 他にもMarcusと非同盟惑星諸国の大使、 さらにG'KarとLondoを招待するつもりだと聞いたSheridanは、 Londoを加えるのはどうなのかと疑問を差し挟むが、 自分たちと彼との間に問題が起こっているからこそ、 彼が再生の儀式に参加して関係の修復を図る事が必要なのだと 彼女は説明する。
IvanovaとGaribaldiはアクセスコードの変更操作を始めるが、 再起動直後に、以前に消去したはずの性格の悪い人工知能が システム内に復活してしまい、彼はその処置に振り回される。

Marcusが情報屋に会うのに使っているDownbelowに酒場にやってきたDelennが、 なぜ儀式の準備をしないのかと彼に尋ねると、 実は参加を辞退したいと彼は言い出した。
一方Zocaloで女たちに囲まれて酒を呷っていたLondoは、 DelennとLennierから儀式の説明を聞くが、 自分には自分の過去も未来も良く解っており、 懺悔や瞑想をする必要もないと言い捨てる。 さらにG'Karは、自分たちNarn人は基地の重要な役割を担っており、 忙しくて儀式に参加する時間がない、 それに自分はすでに生まれ変わっていると言って断り、 Delennは少し苛立ってくる。
艦隊司令官の一行を迎えに彼女はMarcusを伴って向かい、 その間にMarcusになぜ儀式への参加を嫌がるのかを尋ねる。 彼は、Shadowによって全てを奪われ、 もう他に与えられる物は残っていないと答え、 Rangerに参加を志していた兄の警告を信じなかったために、 Shadowの攻撃によって兄も恋人も故郷も失った、 Delennを信じていた兄の意思を継ぐためにRangerに加わったと話す。 それを聞いたDelennは、その過去への囚われと後悔こそが 彼が捨てるべきものだと諭すが、 そのときちょうどMinbariのシャトルの入港が伝えられ、 艦隊司令官の訪問を警備に伝えるためにMarcusはその場を離れた。

一人になったDelennがシャトルベイに向かうと、 ちょうど隊司令官のLenann一行が向こうから現れた。 その瞬間、隠れていたBoggsらがPPGを持って現れ、 一行に発砲して、Delenn諸共に拉致する。 やがてSheridanらに連絡をしてきたBoggsは、 六時間以内のMinbari艦隊の撤退を要求する。 彼の計画では、その後直ちに地球軍の部隊が基地を 制圧に向かう事になっていた。 そして自分たちが本気である事を示すために、 艦隊司令官の負傷していた補佐官を射殺する。
MarcusはDelennが誘拐されたのは自分の責任だと感じ、 Downbelowの酒場に戻ってそこを取り仕切っている犯罪グループから Boggsらのアジトを聞き出そうとして大暴れする。
彼がその場に居る全員を伸してしまった時、Lennierがやって来るが、 こんなときでも未だNafak'chaの準備の事を言う彼にMarcusはいらだち、 彼の腕をつかむ。
するとLennierは逆に彼の胸倉をつかんで片手で軽々と持ち上げ、 「地球人の癖に気安く私に触るな、 我々は似ていても同胞ではない。 私が大使の事が心配でないとでも思っているのか?」 と言い、さらに「私の誰にも話していない秘密を告白しよう。 彼女を愛している。 彼女の運命は他の人と結びついているが、 それでも私は彼女と一緒にいると誓ったのだ。」と告白する。 謝罪するMarcusにLennierは、 これは恋愛ではなく、もっと精神的な愛だと続けるが、 そのとき意識を取り戻した一人の男から、 Marcusは求めていた情報を得る。

DelennとLenannはMinbari語で逃亡計画を話し合うが、 二人を見張っていた男は戦争中にMinbari語を覚えており、 捕虜に自分の墓を掘らせるのに重宝したと嘯く。 それを聞いたDelennは、一人ぼっちで正しい道に導いてくれる者がいない とは哀れだと男に言い、かっとなった男は 彼女とLenannに発砲するが、その場はBoggsに止められた。

Boggsからの通信をIvanovaが分析して拾った雑音から、 彼のアジトがBrown区の核融合炉の近くにある事が判る。 さらに戻ってきたMarcusの情報から、それが14区である事も判り、 その一角が偽の命令で封鎖されている事にSheridanらは気が付き、 ある計画を思いつく。
撤退期限の十分前になって、警備班に居る仲間からBoggsに、 Minbari艦隊が撤退したという連絡が入り、 Boggsがそれを地球に通信しようとしたときに突然爆発音がする。 彼が外に飛び出すと、 原子炉で爆発があったと言って何人もが逃げ出していて、 彼も仲間に捕虜を連れて逃げるように命じた。 人質を連れて逃げるBoggsらと警備班との銃撃戦の末、 ほとんどのメンバーは拘束されるが、 DelennはSheridanをかばおうとして背中をナイフで刺され、 彼の腕の中に崩れる。
彼女を任せてとIvanovaが声をかけたため、 Sheridanは逃げた男を追跡して捕らえるが、 怒りのあまり何度も相手を殴りつけ、 もう少しで男を殺すところだった。

Delennの怪我は大事には至らなかったが、 一定の時間内に終わらせねばならない再生の儀式は出来なくなったと Lennierは言う。 しかしSheridanらは、医療室の彼女のベッドの横で Nafak'chaを行う事にした。 その頃Garibaldiは、依然AIのおしゃべりに悩まされていた。 移動チューブの中で遂に切れた彼は、 スピーカーに向けてPPGを発砲し、AIを黙らせる。
Delennの病室に、始めにSheridanが入ってきて、地球軍の制服を置き、 彼女の事をとても大切に思っていて、 あの時もう少しで彼女を刺した男を殺すところだった、 と告白する。 Ivanovaは「Taliaを愛していた」と告白し、 Garibaldiは「自分が何をしでかすか心配だ」と言い、 さらにFranklinは、「自分は問題を抱えている」と告白し、 いずれも制服を置いて行く。
Delennは彼らの行動が判っていたようで、 代わりに彼らの部屋に、新しいデザインの制服が用意されていた。

翌朝、司令室に新しい制服姿の4人が入ってきた。 驚いて黙って眺めているスタッフに、 「生まれ変わった人間を見たことがないのか。」とSheridanは言った後、 危機は終わった。 船に伝えろ、Babylon5にようこそと。」と 彼は宣言する。


印象に残ったシーン、台詞

それこそが、あなたが捨てるべきものよ。 あなたは多くを失い、多くを耐え、多くを犠牲にした。 でも、犠牲にしたものへの記憶に囚われている、 失ったり過ぎたものへの記憶に。 それらが鎖のようにあなたに付きまとっているのよ。 あなたに恐ろしい力を及ぼしているの、 悲観や喪失や後悔となって。 確かに、あなたは人々と場所と物を手放したわ。 でも痛みは手放していないのよ。 自分を許していないの。

Then that is exactly what you must give up! Yes, you have lost much, endured much, sacrificed greatly, but you cling to the memory of your sacrifices, of all the things you have lost or left behind! They drag behind you like chains of your own making! And they can have a terrible power over you, Marcus. The power of grief and loss and regret. Yes, you have let go of the people, the places, the things. But you have not let go of the pain! You have not forgiven yourself.
-- 自分がRangerに加わった経緯を話すMarcusに対し、 Delennが言った言葉。


Memo

復活してGaribaldiらを振り回したAIの声は、Harlan Ellisonが担当した。
しかし結局GaribaldiはこのAIを始末できたのだろうか?

LondoがBabylon5にRefaを呼び出したのは、 二人の力関係がこれまでと変ってきた事を示している。 LondoはCentauri宮廷で急速に影響力を増しており、 Refaの使い走りからライバルになってきた。

Delennの冷静な言葉も、いかれている相手には通用しないようで、 却って火に油を注ぐ結果になった。

Delennへのそれぞれの告白だが、 Ivanovaに関しては、彼女がTaliaと同性愛関係にあったのかが ファンの間で議論になった。 一方、Garibaldiは「誰も知らないですが」と言っているが、 彼が、箍が外れると危ない人物なのは周知の事実のような気がする。 そしてFranklinだが、「問題」の内容を告白しなくては意味がないのでは?
実の所、一番の衝撃的告白はLennierのそれだろう。 彼の告白の内容は、第五シーズンで効いてくる。


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