Babylon5 #59

#59 Interludes and Examinations

粗筋

2260年8月3日、Shadowの公然たる攻撃が始まって10日が過ぎていた。 今の所は、弱小の非同盟惑星諸国への散発的な攻撃であり、 その目的は掴めなかった。
入港審査の列に並んでいたMordenは、警備の一人から合図を受け、 列から出て物陰で彼に何かの薬品を渡す。 そしてその警備員に導かれて、Mordenは審査を受けずに基地に入った。 やがて部屋に入った彼の周囲に、Shadowたちが現れる。
基地の多くの要員がストレスを抱えており、 特に患者の急増によって休む間もなく働きづめのFranklinは、 興奮剤を常用していた。
そんな中、LondoはAdiraが彼のもとに帰ってくるという知らせを聞いて、 幸せに浸っていた。 彼はVirに、彼女のために出来る限りの歓迎の準備をするように命じる。

Brakiriの大使はSheridanに、周辺国との戦いで多くの戦艦を 失った自分たちは到底Shadowの攻撃に抵抗できないと訴え、 地球の援助を要請したが、 Babylon5が地球から独立した今、それはできないと言われていた。 なぜShadowが自分たちの味方だと思っていたのか、 彼らの狙いはお互いに戦わせて戦力を削ぐ事だったと指摘するSheridanに、 自分たちの存在が認められたと思ったのだとBrakiriの大使は言い訳をする。 Sheridanは一緒に呼んでいたGaimの大使に、 彼らがBrakiri宙域に近いので、彼らが援助できないかと提案するが、 Gaimの大使はそれを拒否する。 彼の言い分は、今の所自分たちは攻撃されていないし、 じっとしていればShadowに見逃されるかもしれないというもので、 Sheridanの再度の要請に対しては、 彼らがShadowに対抗できる戦力を持っていることを証明すれば検討する、 と答えた。

医療ラボでは、異星人患者への処置に対するFranklinの指示内容に、 Dr. Hobbsが反対をしていた。 しかし彼は、その処置は間違っているという彼女の意見に耳を貸さずに、 同じ命令を繰り返す。 そこにGaribaldiが、別の急患を運んできた。 Franklinが気を取られている間に、先ほどの異星人患者の容態が急変し、 パニック状態になった彼はHobbsらに当り散らす。 幸いHobbsの指示で患者の容態は安定したが、 Franklinは自分のミスを認めようとしなかった。

Adiraとの思い出にふけっていたLondoは、 彼女のための部屋の準備が整ったというVirの知らせを受けて、 部屋を出てそちらへ向かった。 彼が通路を歩いていると、突然照明が消え、 赤い光が辺りを満たす。 そして前からMordenが現れた。 Mordenは、 彼がRefaに圧力をかけてCentauri軍の戦線を縮小させた事をとがめ、 約束が違うとなじる。 しかしLondoは、二人の約束はお互いの領分に立ち入らない事であり、 Mordenの仲間はCentauriの栄光を考えている訳ではなく、 自分たちを利用したいだけだと言い返し、 要求を突っぱねた。 二人のやり取りの最中に、周囲で奇妙な音が何度かして、 Londoは辺りを見回すが何も見えなかった。。 立ち去ったLondoを見送るMordenの周りにShadowの影が現れるが、 今は彼を殺さない、もっとよい方法があるとMordenは言った。

部屋でFranklinがシャワーを浴びて着替えようとしている所に Garibaldiが現れた。 すぐにまた仕事に戻らなくてはいけないと言うFranklinに、 Garibaldiは働きすぎだと注意し、 さらに今朝の医療ラボで患者を死なす寸前になった事を指摘して、 興奮剤を限度を超えて使っているのではと疑問を挟む。 それを聞いたFranklinは、自分の事は良く解っている、 この件に関してはもう話す事はないと怒り出し、 二人の友情を持ち出して自ら進退を決断するように頼む Garibaldiに耳を貸さなかった。 結局Garibaldiは、彼に筋は通したし警告もしたと言い残し、 部屋を出て行った。

対Shadowの作戦室で、 Sheridanは前線からのレポートに目を通していた。 そこに入ってきたDelennは、もう休むように彼に言う。 しかし彼はそれを拒み、 Shadowの攻撃はやみくもで目的が解らないと指摘する。 そして、彼らに対抗するには同盟を組むよりないが、 各国は自分の事しか考えていない、 せめて一度でもShadowに勝つ事が出来れば、と彼が続けると、 それなら勝ちましょう、とDelennは答えた。 彼がその方法を尋ねると、彼女は微笑み、 あなたなら思いつくはずと言い残して作戦室を出てゆく。 残されたSheridanは、皆がKoshのような話し方をするとぼやくが、 自分のその言葉で何かを思いついた。

Zocaloのレストランで食事を取りながらレポートを書いている Dr. HobbsのテーブルにやってきたGaribaldiは、 Franklinの定期血液検査のデータを密かに持ち出せないか尋ねた。 彼女は正規の手続きを踏むようにと言って要求を断るが、 もしFranklinが本当に興奮剤依存になっているなら 自分たち以外の者に知られた時点で彼のキャリアは終わりになるという Garibaldiの説得に負けて、データファイルへのアクセスコードを教えた。 しかしそのFranklinが、二人のやり取りを離れた場所から見ていた。

VirはZocaloで商人に会って、 Adiraのための最上級の装身具や下着を注文していた。 自分たちの様子を観ているMordenに気づいた彼は すぐに話を打ち切って立ち去ろうとするが、 通路を曲がった所でそのMordenに出くわす。 何か自分に出来る事はないかと尋ねるMordenに対し、 死ぬ事以外には思いつかないとVirは答えて歩き去るが、 Mordenは先ほどの商人からAdiraの事を聞き出した。

Garibaldiが自分ののオフィスでFranklinの検査データに アクセスを試みているところにそのFranklinが入ってきた。 検索を中止したGaribaldiは、本人の口から直接結果を聞きたいと言う。 Franklinは、限度を超えて興奮剤を使っているとは思っていなかったが、 自分で検査結果を見た結果、実際に依存症になっている事を認める。

SheridanはKoshにVorlonの対Shadow参戦を求めるが、 Koshは「まだその時期ではない」と答える。 それを聞いたSheridanは声を荒げ、 これまで三年間、Koshは何もせずに他の者たちを操ってきた、 一体あとどのくらいの犠牲者が出れば満足するのか、と迫る。 それを聞いたKoshは、あつかましいぞ、歯向かう気か、と言い、 彼がヘッドピースの眼孔を開くと、Sheridanに電撃を食わせた。 そのとき、司令室では基地全体に広がる 異常なエネルギーレベルの上昇を感知していた。 それでも尚も言い募るSheridanを、 Koshはテレキネンスで壁に叩きつけるが、 それでもSheridanは要求を取り下げず、殺すなら殺せと開き直る。 遂にKoshは、 「よろしい、要求を聞こう、しかし代償を払ってもらう。 君がZ'ha'dumに行くときに、私は同行できない。」 と言う。 それを聞いたSheridanが、Za'ha'dumへ行けば死ぬのだろうがそれでも結構だ、 と答えると、 君は理解していないようだ、じきに解る、と言い残してKoshは立ち去る。

やがて作戦室でSheridanがIvanovaに状況報告を求めている頃、 再びShadow艦隊が現れる。 しかし進撃する彼らの横にジャンプポイントが開き、 Vorlon艦隊が現れてShadow艦隊に襲い掛かった。 ちょうど作戦室にDelennが非同盟惑星諸国の大使たちを伴って入ってきた頃、 Ivanovaがそのニュースを知らせる。 交戦の結果、VorlonがShadowを打ち破ったのを知り、 各国の大使たちはSheridanとDelennの同盟への参加を一斉に表明した。

Centauriからの便が到着し、花束を持って再会に心ときめかすLondoと VirはロビーでAdiraを待っていたが、いつまでも彼女は現れなかった。 出てきたパーサーに未だ客が残っているのかとLondoが尋ねると、 パーサーは黙って見つめて歩き去る。 やがて通路の向こうから現れたのは、 覆いの掛けられた彼女の遺体を運ぶHobbsらだった。 到着まえにパーサーが客室で死んでいるのを発見したが、 死因は検視するまで判らないというHobbsの説明を聞き、 ショックのあまりよろめきながら、 LondoはRefaとのやり取りを思い出していた。 彼はHobbsに、毒を調べてくれと叫び、 一行が立ち去った後でなぜ死んだと泣き崩れる。 一方、先ほどのパーサーと落ち合ったMordenは、相手に報酬を渡していた。 そこに別の男が、Vorlon艦隊の出現を彼に伝える。

Sheridanが彼の部屋で眠りについた頃、MordenがKoshの部屋に侵入する。 彼の周りにShadowが数体現れ、振り向いたKoshに襲いかかった。 同じ頃、Sheridanの夢に父親のDavidが現れ、彼の名を呼ぶ。 彼はSheridanに、「もう時間がない、おまえは正しい。 年の為に意固地になっていて、いままでそれを認められなかった。」と詫びる。 Koshの部屋ではすさまじい闘争が続き、夢の中のDavidはよろめき、 もう行かなくては、とSheridanに別れを告げた。 行かないで、と叫ぶSheridanにDavidは、 「おまえがここに居る間、私はずっとここに居る。」 (As long as you're here, I'll always be here.) と言って、姿を消す。 そのときKoshの部屋での闘争は終わり、 エネルギーフラッシュがBabylon5の軸に沿って走った。 SheridanはKoshの名を叫んで飛び起きる。
警備班がKoshの部屋に駆けつけた時、Koshの部屋には誰も居なかったが、 まるで戦場のようなありさまで、 ゆがんで焼け焦げたKoshの環境スーツだけが残されていた。 GaribaldiはKoshがまだ生きているかもというが、 SheridanとDelennは彼の死を確信していた。 DelennはVorlon政府からの要請として、 同盟を動揺させないためにKoshの後任が到着するまで死を伏せる事と、 彼の環境スーツと全ての持ち物を彼の船に乗せる事を求める。

再びMordenの訪問を受けたLondoは、 Adiraの死因が毒だったと確認し、 さらにMordenの話で彼女を殺したのはRefaだと確信した。 彼はMordenに復讐への協力を求め、こう言った。
麿の求めるのは復讐と、我が国民の安全だけだ。 残りの銀河系など燃え尽きてしまえ、麿の知ったことか。
Mordenは笑顔で快諾した。

Franklinは医療室に会いに来たSheridanに、 自分が仕事に追われて自らを失い、興奮剤依存症に陥っている事を告げ、 医療部長からの辞任を宣言した。 Sheridanは彼を止めようとするが、彼は聞き入れず、 二人は握手をして、Franklinは医療室を去った。

「それで?」と尋ねるGarbaldiにDelennは答えた。 「そしてKoshの所持品が船に積まれると、船は自ら作動したの。 それは彼のために作られた船で、彼の一部だった。 不思議な方法で生きているの。 彼が居ないと生きていけない。」
船は発進し、近くの恒星へと向かって行った。
「我々と同じように、船もまた悲しんでいるわ。 でも、最後の義務を果たしているの。 Koshの追悼を。」


印象に残ったシーン、台詞

最後のDelennの説明のシーン:

And then, once Kosh's belongings are loaded into his ship, it will activate itself. The ship was made for him. It was a part of him. In a curious way, it is alive. It cannot live without him.
So it will grieve, as we do, in its own way, and perform its last duty, in memory of Kosh.


Memo

Adiraは、#3 "Born to the Purple"で LondoからPurpleファイルを盗み出した奴隷出身の女性で、 彼によって開放された後、再会を約束して別れていた。

Brakiriは非同盟惑星諸国の中では経済的には有力国だが、 軍事的には弱小国家である。 非同盟惑星諸国を軍事力でリードするDraziとはとかく仲が悪い。

Gaimは昆虫型ヒューマノイド種族であり、 他の種族と大気成分がかなり異なるため、 気密スーツを着ている。 今回登場した大使の名は、She'lahという。

Franklinが興奮剤依存に陥っているのは、 #47 "A Day in the Strife"あたりから、何回か触れられていた。 しかし実はこの件は、もっと以前から伏線が張られている。 #21 "The Quality of Mercy"で登場した Laura Rosenは 、興奮剤依存で診断を誤って患者を死なせ、 医師資格を剥奪された過去があった。 また、#35 "Hunter, Prey"に登場した Dr.Jacobsも、 Downbelowで逃亡を続ける中で興奮剤を使っていた。

MordenとLondoの通路でのやり取りの最中に、 周囲で聞こえた奇妙な音は、 #56 "Sic Trnsit Vir"でのLondoの部屋の 害虫退治のときにした音と そっくりだった。 まさかあのときに、Londoの部屋にShadowが居たわけではないだろうが。


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