Babylon5 #64

#64 And the Rock Cried Out, No Hidding Place

粗筋

Z-Dayまで14日:
対Shadowの切り札としてテレパスが有用である事が証明されたため、 Ivanovaは召集したテレパスたちを、非同盟惑星連合の各船に振り分けていた。 一方でSheridanは、対Shadow作戦の為に不眠不休で仕事に追われており、 休むようにとのDelennの忠告にも耳を貸さない。

Babylon5にCentauriの有力者Virini大臣がRefa公爵と共にやって来た。 Centauri本国ではRefa家とMollari家との勢力争いが激化し、 RefaとLondoとはそれぞれ相手を蹴落としてViriniを味方につけようと工作している。 Londoの計略はG'Karを騙してNarn本星に返し、そこで彼を捕える事で、 そのためにVirに、G'Karに会って元の副官のNa'TothがNarn本星の地下に囚われている、 という偽情報を知らせるように命ずる。 G'KarはNarnの統治機関だったKha'Ri議会の最後の一人であるため、 彼を捉える事は政治的に重要な意味がある。 一方RefaはLondoの企みを知るためにVirを捕らえ、テレパスに命じて彼をスキャンし、 Londoの計画を知って、自らでG'Karを捉えにNarn本星に向かう。

Z-Dayまで13日:
SheridanはDelennに負担をかけないようにと、一人で責任を背負い込んでいたが、 地球からやってきたDexter神父(Theoの知り合いの宗教家の一人)にその事を指摘され、 さらに「神はAdamの後に彼と分かち合うためにEveを作られた。 Delennはあなたを愛している。」と告げられる。 彼は「彼女は自分自身の問題で手一杯だ」と反論するが、Dexterが去った後考え込む。

Refaは首尾よくG'Kar 一行を地下道で捕らえるが、これはLondoの罠だった。 RefaがVirをスキャンして計画を聞き出す事をLondoは予想しており、 G'Karが出したLondoのホログラムは、 RefaこそがNarn本星でのマスドライバー使用の張本人で、その後の残虐行為の 責任者である、と彼を糾弾する。 彼はそれらが真実である証拠をG'Karに渡してあり、 さらにRefaの護衛も実はLondoの部下だった。 これは又、単なる権力闘争のためだけではなく、Adiraを殺された事に対する Londoの復讐でもあった。 Refaは逃げようとするが、Narn人らになぶり殺しにされた。

SheridanはついにShadowの一見闇雲に見える攻撃パターンの真の狙いに気づいた。 すなわち難民船をある星域の中央に追い込んで、 大攻勢を仕掛けて恐怖感を募らせる作戦らしかった。 しかし「もし私がShadowならそう考える」と口走った事にDelennは過敏に反応し、 彼を強引にチャペルでのDexterの会に連れて行く。 そこでは彼の説教の後で、ゴスペルにあわせて皆が踊っていた。

Z-Dayまで10日:
Narnで殺されたRefaの死体からは、(Londoが用意した)彼の裏切りを示す 情報クリスタルが見つかった、とLondoからViriniは報告を受ける。 ViriniはLondoに彼の今回の功績を皇帝に伝えると約束する。 その後Virは自分がLondoの権力闘争に利用された事に対して、Londoを非難する。

Delennに連れられてSheridanがWhiteStarで向かった先で、 彼女は彼にMinbariによって用意されたWhiteStarの大艦隊を見せる。 彼は彼女に深い感謝の意を示し、ついに二人はキスを交わした。


印象に残ったシーン、台詞


メモ

今回はDelennのSheridanに対する話し方が始めから妙に馴れ馴れしい。 作戦室での「石頭」の解釈をめぐる会話、というより彼女の独白の後、 互いに、「目の上のたんこぶ」「石頭」とやり合っているのも、 恋人同士のじゃれあいのようなやり取りだった。 さらに、Sheridanが「私がShadowならこうする」と言い出したとき、 Delennは「なんですって」と怒り出したが、 その後強引に彼を引っ張っていったのはまるで世話焼き女房、というより母親だ。 最後のキスシーンへの布石なのだが、ちょっと極端では。 また、彼女は彼を地球からの客たちに合わせるために Minbariは嘘をつかないという評判を逆手にとって強引な駆け引きをしてるが、 もはやMinbariではなく地球人の女性として振舞っている。

始めからのDelennの様子をよく見ていると、 彼女はSheridanの煮え切らない態度あるいは勘の悪さにイライラしていたのかも。 "Sic Transit Vir"でキスを交わす寸前にIvanovaに邪魔されて以来、 彼女は彼が積極的な行動に出るのを待っていた気がする。

「Z-DayまでN日」という字幕が何回も出るが、Z-Day は恐らく次回の Shadowに対する連合艦隊の攻勢の日だろう。

てっきりそう思っていたら実は違っていた。 どうやらシーズン最終話のあのとんでもない展開が"Z-Day"らしい。

タイトルの"No Hidding Place"は、後半のチャペルのシーンで歌われたゴスペルの題名らしい。

Sheridanが「Shadowの様に考えた」事に対するDelennの示した激しい嫌悪感は、 "War without End"の17年後のシーンでの彼女の言葉、「失われてしまった誠実さ」 と関係があるかもしれない。 すなわち、Shadow戦争の結果、彼女が愛した人がShadowの様に考えるようになってしまった事が、 「恐ろしい代償」なのかもしれない。

Delennの「石頭」をめぐる発言と、Londoが監禁されていたVirを救い出したときの 「頭の骨の多さで護衛を選んでいるらしい。いっそMinbariにしろ。」という発言が 微妙に呼応している。 それに気が付くと、元々MinbarのDelennが「石頭」と楽しそうに言っているのも、 何か笑える。

Dexter神父の日本語の声を当てているのが、ST-VOYのNeelixのそれと同じ声優で、 両方ともおしゃべりで世話好きな所がそっくりだ。

Narn本星へのマスドライヴァー使用を命じたのは確かにRefaだが、 元々Narnへの戦争の引き金を引いたのはLondoだった。 また、Adiraの死に関しては、恐らくRefaは無罪だから、 彼にしてみれば納得の行かない非難だったろう。

Dexter神父らから、独立後初めて地球の現状に関する情報が伝えられた。

Shadowの攻撃の目的が理解できない、というSheridanの疑問は、 #59 "Interludes and Examinations"でも同じくDelennに対して投げかけられていた。 今回一応の説明は為されるが、 実は#66 "Z'ha'dum"においてJustinから説明されるように、 混乱を作り出すこと自体がShadowの真の目的である。


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