Babylon5 #65

#65 Shadow Dancing

粗筋

Z-Day 7日前:
会議室でDelennとLennierは非同盟惑星諸国の大使たちに、 対Shadow連合艦隊への参加を要請していた。 しかし大使たちは、彼女がShadowに対抗する戦略を示さないため、参加に難色を示す。 二人は自分たちは今まで一度も裏切った事はなかった、今回も信じてくれと言うが、 彼らはさらに自分たちの母星の守りが薄くなると主張する。 二人は彼らが互いに議論する時間を与えてその場を去った。

SheridanはIvanovaとMarcusに、WhiteStarでShadowの動きを偵察しにSecter83へ 行くように命じた。 Shadowは最近の攻撃でこの星域に難民船を追い込んでおり、 近いうちに大規模な攻撃が予想された。 Shadow艦隊が現れたとき、その規模を報告するのが彼らの任務で、 攻撃は避けるようにと、彼は指示する。 彼らがこの任務から帰還できるかは、良くて五分五分だ、と彼は言う。

GaribaldiがZackにFranklinが放浪を続けているのは自分のせいだ、といって悔やんでいる頃、 彼はDownbelowのバザールの一角に座り込んでいた。 地球からの親子連れが通りかかるが、母親はここの現状に嫌悪感を示し、 Clarkのおかげで地球は経済がすっかり良くなった、と主張する。

Delennが会議室に戻ってくると部屋にはDraziの大使だけが残っておらず、 彼女は一瞬衝撃を受ける。 彼は非同盟惑星諸国を代表して、彼らの艦隊の連合艦隊への派遣に同意した。 そして彼女に、「君が正しい事を祈る、さもないと我々は全滅だ」と言った。

WhiteStarのブリッジでSector83への出発準備が出来たと伝えるIvanovaに、 Sheridanは古代エジプトの幸運の祈りを贈った。

Z-Day 6日前:
戦略ルームに一人で居るSheridanの元にDelennがやってきて、 連合艦隊に参加する非同盟惑星諸国の艦船についてのレポートを手渡した。 彼は期待より参加艦が少ない事に失望するが、 彼女は時間が経てば引き止めるのは困難になるので、 今すぐ出発しようと彼を急かした。 彼は彼女にBabylon5に残るように言うが、彼女は一緒に行くと主張した。 そしてこの戦いが終わったら、いっしょに夜を過ごそう、という。
Minbariの習慣では、彼らの様に男女が親しくなったとき、 二人は三晩共に過ごし、男性が眠っている間女性は彼を見守る。 昼の間は二人は相手に良い所だけを見せようと仮面をかぶっているが、 眠っているとき、相手に真の顔を見せる。 女性が相手の真の顔を気に入らなければ、彼女は彼の元を去る。
それで気に入ったら、という彼の問に、 彼女は「それはあとのお楽しみ」("History awaits.")といって部屋を出て行った。

Secter83に着いたWhiteStarは衛星の影に隠れてShadow艦隊の出現を待っていた。 Marcusと交代して仮眠を取る事にしたIvanovaは、Minbari式のベッドに悪戦苦闘していた。 ついに枕のクッションだけを床に敷き詰めてやっと寝ようとしたとき、 Marcusから呼び出しがあり、再びブリッジへ戻る。 Shadowの中型船一隻が偵察に現れたが、ちょうどそのとき、 衛星の影から出たWhiteStarに太陽の光が当たった。 Shadow艦が彼らに気づいたため彼女は攻撃を命じて敵を破壊するが、 体当たり攻撃でWhiteStarもダメージを受けて動けなくなった。 そして間もなく、Shadowの大艦隊が姿を現した。 彼らは死を覚悟して、連合艦隊に信号を送る。

Franklinはチンピラのいざこざに巻き込まれて腹部をナイフで刺され重傷を負った。 助けを呼ぶが誰も現れず、彼は出血をしたままへたり込む。 死を待つだけの状態になったとき、彼の前にもう一人の彼が現れた。

IvanovaのWhiteStarからの信号を受け、 連合艦隊は亜空間の集結点からSecter83へ向かった。 SheridanとDelennはMinbari旗艦の戦術センターにただ二人で入る。 Shadowの戦艦がIvanovaのWhiteStarに気づいて向かってきたとき、 ジャンプポイントが開いて連合艦隊が現れた。 Sheridanは全艦隊に攻撃命令を下し、両艦隊は交戦状態に入った。
テレパスによるShadow艦への撹乱作戦が功を奏して、連合艦隊はShadowと互角に戦うが、 それでも次々と味方の艦船は破壊されていった。 結局Shadow艦隊は大打撃を受けて撤退したが、連合艦隊の破壊された艦船は Shadow側の損害の倍に上った。 味方の艦船とその残骸が広がる光景が広がる戦術センターの中で、 SheridanとDelennは堅く抱き合った。

もう一人のFranklinは死にかけている彼に「おまえはいつも状況から逃げてばかりいた。 ここから自力で脱出してみろ。」と言い、彼は死力を振り絞って歩き出した。 ついにマーケットの一角にたどり着き、医療ラボに搬送された。 丁度そのとき、艦隊もBabylon5に帰還し、負傷者が続々と運び込まれていた。

Z-Day 4日前:
今回の戦いは勝ったものの、味方の損害は大きかった。 SheridanはShadowのBabylon5に対する反撃を予想し、Ivanova, Delennと話し合っていた。 DelennはEpsilon3のGreatMachineの防衛システムはShadowの攻撃をも跳ね返すため、 彼らは攻撃をためらっているのだろうと言う。 そのとき突然、彼の脳裏に嘗てStreib艦に囚われた時に見た夢の場面が現れる。
 肩の上にからすを乗せたIvanovaが、「私が誰か知っている?」と言う。
同じ夢の最後にKoshが現れており、一連の夢は彼からのメッセージの可能性が高かった。 この場面は、実は彼女がテレパスで「自分が誰か判らなくなる」とその後告白した事を 意味していたのだ、と彼は主張する。 DelennとIvanovaに、他に見たものは、と尋ねられ、彼は自分がPsi Corpsの制服を着ていた 事を思い出した。 Ivanovaは、それはBesterとの思いがけない同盟を示唆していると夢解きをした。 しかしGarbaldiが「間にいる男があなたを待っている」と言った場面に対しては、 Ivanovaが「間にいる男」とはSinclairではと言うが、Sheridanはしっくり来ないという。 そして黒いベール姿のIvanovaが「あなたは手よ」と言う場面に対しては、 Delennが、手は二本あり同じだが反対向きだ、前の部分とあわせて、 彼と対等なもう一人の人物が彼を待っているという意味では、と解釈した。 これは夢の最後の場面で、彼がもう一人の自分をみたシーンとも符合していた。
このころ、一隻のShadow戦艦から別れた小型船がBabylon5へと向かっていた。

医療室で車椅子姿で部下に指示しているFranklinをSheridanが見舞い、 彼の正式な復帰を要請した。 Delennが待っている、という呼び出しで彼は自室へ戻り、 戦いの前に彼女の言った通り、眠っている彼を彼女が見守っている。

Shadowからの小型船はBabylon5に着き、ある人物が入港してSheridanの私室へ向かった。 眠っているIvanovaにZackから、 「司令官に関連したある人物が入港した。」という緊急の連絡があった。
Delennが立ち上がって微笑み、Snowgroveを取り上げて眺めていたとき、 ドアが開いてその人物が現れた。 「こんにちは。あなたがDelennね。私はAnna Sheridan, Johnの妻よ。」 DelennはSnowgroveを取り落とし、それは床で砕けた。
:Z-Day 2日前


印象に残ったシーン、台詞

会議室に戻ってきたDelennがDrazi大使しか残っていないのを見たときの表情、 また彼が艦隊への参加を表明した後「もし君が間違っていたら、我々はお終いだ」 と告げたときの彼女の表情は印象的。 始めは説得に失敗したと思ってショックを受け、 その後は責任の重さを始めて実感したのだろう。

DelennがSheridanにMinbariの習慣を話した後「それは後のお楽しみ」と言って、 厚手のガウンのすそを翻して部屋を出て行くシーンの彼女は魅力的だ。 彼女は飛び抜けた美人というわけではないが、こういった動きが優雅でかつ快活な女性だ。

そして戦いが終わったときに、二人がどちらからともなく抱き合うシーンも印象的。

"May God stand between you and harm in all the empty places you must walk."
-- Ivanovaが説明した、エジプトの神への祈りの言葉。 これはずっと以前に#26 "
A Distant Star"でSheridanが言っていた。


Memo

二人が指揮を取ったMinbari旗艦の戦術センターは、 Grey評議会の会議が開かれていた場所と同様の部屋である。 Sheridanは「スクリーンもなしに、どうやって指揮をとるんだ」と言っていたが、 あのスクリーンはWhite Starのブリッジでおなじみなのだから 気がついても良さそうなものだ。

Annaが訪ねて来たシーンは、もちろんDelennがタイムフラッシュで見た 未来のシーンだが、両者は微妙に異なっている。 彼女が驚いたという事は、タイムフラッシュのときは相手が誰かは判らなかったのだろうか。

Draziは非同盟惑星諸国のリーダー的存在らしく、以前にも代表役を務めていた。 彼らの主力艦SunHorkは中型艦としては最強クラスの性能らしく、 今回の戦闘でもSheridanが指揮するときに特に名前を挙げられていた。

前回の、Z-Dayが連合艦隊の反攻の日という予想は、間違っていた。 次回、第三シーズンの最終回の出来事がZ-Dayという事だろう。

IvanovaのWhiteStarをShadow艦が見つけて迫ってきた時に、 Marcusは距離が5000kmで、あと20分で来ると言っていた。 (つまり秒速4km程度) Babylon5の世界では、通常空間での宇宙船のスピードはあまり早くないようだ。 Star Trekに比べてより現実的と思われる。 しかし大型艦のサイズは1km以上だから、それから考えると遅すぎるようにも思う。
Shadow艦隊の映像を見直すと、秒速4kmというのは映像的にも合っているようだ。 「第一宇宙速度」の半分だから一見かなり遅いようだが、相対速度だからかなり速い。 地球同盟艦のように反動推進システムで動いている場合、 たとえ核融合エンジンを使ってもあの巨体ではそれほどの加速度は出ないだろう。 そう考えると、WhiteStarやShadow艦の素早い方向転換は全く異なった推進システムの 賜物だろう。

AnnaがBabylon5に現れた事をZackがIvanovaに、「でも、大事ですよ。」と表現したのは、 彼女がShadowの手先になっている、と知っての発言ではなく、 単にSheridanがDelennとよろしくやっている所に彼の妻がやってきたから一大事、 というつもりだろう。

Lennierは非同盟惑星諸国の大使たちにWhiteStar艦隊の事を、 「あなた方の見た事も無いような」と形容しているが、 WhiteStar自身はBabylon5の横に停泊しているから、大げさな気がする。 Delennも含めて、Manbari人は嘘は言わないかもしれないが、言う事が大げさだ。

MarcusとIvanovaがWhiteStarのブリッジの当直を交代するときに、 彼がMinbari語で言った言葉は、字幕では 「あなたほど美しい女性は初めてだ」となっていた。

DelennがSheridanにMinbariの習慣を説明したとき、 最後に言った"History awaits."は、どういう意味だろう。 「男女が好き合ったら、当然歴史上無数に繰り返されたようになる」 ぐらいだろうか?

地球から独立後も、Babylon5には地球からの観光客が来ているようだ。

最初の会議室の場面から会戦の間まで、DelennはIsil'Zhaを胸に着けていた。 これはEntil'Zhaの象徴であり、 Rangerたちが操縦するWhiteStar艦隊の指揮官としての意味があるのだろう。
前話の彼女はそれを付けていなかったのは、私人としての彼女だったからだろう。

偵察に来たShadowの小型艦に気づかれたIvanovaは Sheridanの指示に反して攻撃を命じたが、 このシーンは#10 "Believers"での 同様の彼女の行動が下敷きになっている。


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