Delennは眠っているSheridanの傍らに座り、彼の寝顔を見守っていた。 彼女は微笑む。
G'Karは武器倉庫でIvanovaに会い、彼女の依頼通りに Gaimから大量の核融合爆弾を入手したと伝えた。 Ivanovaの計画では、これを次のShadowの攻撃を待ち伏せする機雷として使うつもりだった。
Sheridanは医療ラボでFranklinにAnnaの検査結果を聞いていた。 Franklinは彼女は実際に全ての検査結果がAnnaの記録と一致しており、 本人に間違いないと告げ、彼に彼女が帰ってきて嬉しくないのですかと尋ねた。 彼はこれまで彼女の死を受け入れてそれを乗り越え、Delennと出会った今、 事態は複雑だと、答える。 Franklinは、Annaのうなじの後ろに幾つかの傷跡があり、それが何か判らないのが ちょっと引っかかるとも言った。
SheridanはオフィスでDelennにあれは本当のAnnaか尋ねるが、彼女は判らないと答える。
彼は、Annaが死んだと確信がなかったのなら、
なぜKoshと彼女は彼にZ'ha'dumの映像を見せ、彼女の死を信じさせようとしたのか、
と彼女に詰め寄る。
彼女は、Z'ha'dumへ行った者は、Shadowの言う事を聞かなければ決して生きて帰れない、
だからAnnaは死んだと思っていた、と答えるが、
彼はAnnaがShadowの言いなりになった、という考えを受け入れようとしなかった。
そして彼女に、なぜAnnaが生きている可能性があると彼に言わなかったのか
問い詰める。
すると彼女は、「そうすればあなたは彼女を探しにZ'ha'dumへ行こうとしたでしょう、
それを私たちは恐れたの」と告白した。
彼は「Koshと君とではなく、君が恐れたんだろう!」と激しく反応し、
「どこかでまだAnnaが生きているのではという思いを振り切って、
これまで君を信じて大切に思い、愛し始めていた。
そして君との将来を思い描いてきたのに!」と叫ぶ。
自分は本当に彼女が生きていると知らなかった、
Z'ha'dumはShadowの本拠地で、そこから帰ってきた者は皆以前と変わってしまう、
と言うDelennに対して、
彼は「君は私に選ぶ権利を与えないのか、君はなおも私に信じろというのか?」
と叫んで出て行こうとした。
Delennがなおも、「John, あなたを愛している! たとえあなたが私のこれまで言ったことを
すべて疑ったとしても、これだけは信じて!」と叫ぶが、
彼は答えずに彼女を置いて出て行き、彼女は力なくベンチに座り込んだ。
LondoとVirはZocaloのバーに座っている。
VirがLondoが荒れ気味の理由を尋ねると、彼は皇帝の相談役として本国に召還されたと言う。
彼の考えでは、これは昇進ではなく、皇帝が自分を恐れて監視下に置くためだった。
そのとき、見知らぬ地球人の男が現れ、彼に「共通の友人」からのメッセージを伝えた。
それは、死にたくないなら急いでこのステーションから立ち去るように、
というものだった。
医療ラボではFrankilnがAnnaの検査結果と、Shadowの武器として捕らえられていたCalorynとの
それを照合していた。
彼はAnnaのうなじの後ろの傷跡と、Calorynが付けられていた装置の位置とが一致する事に
気がつく。
SheridanはAnnaに、彼がいっしょにZ'ha'dumに行くための条件として、
彼女がそこでこれまで何をしていたのか、詳しい説明を求めた。
彼女の説明は次の通りだった。
Sheridanは部屋に入ってきたGaribaldiに、WhiteStarのMinbari人クルーにも 基地のセキュリティーチェックを受けさせるよう指示した。 そしてさらに彼にある命令書を渡す。 それに目を通したGaribaldiはショックを受けるが、 Sheridanは何も聞かずに秘密裏に実行するように命じた。
Sheridanは一人でZ'ha'dumへ向かう準備をしていた。 彼はPPGを装填し、さらに予備のPPGも持った。 そのとき彼はKoshの、「Z'ha'dumへ行けば、君は死ぬ」という声を聞き、 鏡の中にKoshの姿を見た。 振り返ったがそこには誰も居ず、彼は再び鏡の中の自分自身を暫く眺め、 それから通信スクリーンに向かって、Delennへの時差メッセージを記録し始めた。
SheridanとAnnaは二人だけでWhiteStarに乗り込んだ。 彼は彼女に、これまでずっと観察してきたから一人で操縦できるといい、 船はZ'ha'dumへと発進した。 亜空間の中で、彼女はこの船はVorlonの技術が使われているから他の船で来るべきだったという。 彼女によると、ShadowはVorlonに関係するものに触れると死ぬと信じているという。 彼は、それならこの船は軌道上に残してシャトルで降りよう、と言った。
Babylon5では、Franklinが通路でIvanovaをつかまえ、 司令官がなぜ出発したのか、また彼は自分の報告書を読んだかどうか知っているか尋ねた。 彼女は彼が何の話をしているか判らなかったので、 彼はAnnaについての彼の発見を説明し始めた。
Z'ha'dumについた二人は酸素マスクをつけて地上に降り、そこにある建物のなかに入った。
彼女の指示に従い、彼もマスクを外し、PPGを渡した。
彼女はこの建物は自分達の為に用意されたものだ、という。
通路には幾つものドアが並んでおり、Sheridanはその一つを開けようとしたが、
Annaがそれを遮って別のドアをノックすると返事があり、
中に入ると二人の男がいた。
一人は老人で、もう一人はMordenだった。
老人はSheridanが名前を尋ねると、彼はそれは重要ではないといい、
さらに問う彼に、逆に世の中の色々な事は誰が決定しているのか尋ねた。
彼がそれは判らないと認めると、老人は、
自分は彼らと同じ仲間だが、部門は違う、いわば中間の人間だと思ってくれ、
名前はJustinだ、と答えた。
Babylon5では、DelennがSheridanからの時差メッセージを受け取っていた。
Z'ha'dumではJustinが説明を始め、MordenとAnnaもそれに加わった。
Banylon5の周囲に突然三隻のShadow艦が出現してステーションを包囲した。 Ivanovaは非常警報を発し、全StarFury中隊が発進したが、 Shadow艦は攻撃はせず、何かを待っている様子だった。
Justinらは話し続けた。
Babylon5ではGaribaldiもまたStarFuryで発進するが、 Shadow艦は静止して何かを待ち続けている。 IvanovaはDraalに連絡しようとするが、通信は妨害されていた。
三人のSheridanへの説得は続く。
G'Karが司令室に入ってきたので、 Ivanovaは彼の核融合爆弾を外のShadow艦に使えないか尋ねた。 彼はそうすればBabylon5も爆発に巻き込まれると言い、 さらに二発の爆弾が行方不明だと彼女に告げた。 それを聞いて彼女は驚愕する。
血まみれになったSheridanは岩だらけの通路を抜け、Shadowの都市を見下ろすバルコニーに出た。
下を見ると、巨大な深淵が見え、上には外の大気を遮断する半透明のドームが見えていた。
彼は上空のWhiteStarに信号を送り、WhiteStarは爆弾を起動して惑星への降下を始めた。
彼を追ってきたAnnaは、もう逃げ道はない、戻りましょう。
自分はAnnaの分身で、彼女はもう戻らないが、同じようにあなたを愛せる、と呼びかけた。
Babylon5では、Delennが彼の残したメッセージの最後を聞いていた。 「最後の君の言葉を聴いていたよ。君を愛している、Delenn・・・、 さようなら。」 彼女は画面の彼に触れようとするがメッセージは終わり、彼女はその場に泣き崩れた。
彼はWhiteStarがこちらへ向かってくるのをドーム越しに確認し、下の巨大な深淵を見た。 そのとき、心の中でKoshの声がした。 「飛べ、今すぐ飛べ!」 Annaとその後ろからShadowが近づいてくるのを見て、彼はバルコニーの縁を乗り越え、 下の深淵に向かって飛び込んだ。 Annaが駆け寄って深淵を見下ろしているとき、 WhiteStarはドームを突き破り、そこで大爆発が起こった。
Babylon5を包囲していたShadow艦は突然飛び去って姿を消したが、 GaribaldiのStarFuryはShadow艦に飲み込まれた。 司令室では何が起こったのか判らなかったが、 G'Karは彼らが去ったのは彼らがもはや我々を恐れていないからだと示唆する。 それを聞いたIvanovaは、「彼が死んだ」と表情を凍らせてつぶやいた。
以下、G'Karのナレーション。 画面では、Delennと彼女に代わったLennierがろうそくに祈りをささげている。
司令室で、IvanovaはCorwinに司令官についての情報を尋ねるが、 彼は手を尽くしたがWhiteStarも応答しないと答える。 さらに、GaribaldiのStarFuryが基地に帰還していない事も報告し、 それを聞いたIvanovaはさらに顔を曇らせる。
G'Karの独白は続く。 背景には亜空間を飛ぶShadow艦、その中にはGaribaldiのStarFuryが見える。 破壊されたShadowの都市の廃墟の上空にShadow艦が集まっている。
"It was the end of the Earth year 2260, and the war had paused, suddenly and unexpectedly. All around us, it was as if the universe were holding its breath - waiting... All of life can be broken down into moments of transition or moments of revelation. This had the feeling of both... G'Quon wrote, 'There is a greater darkness than the one we fight. It is the darkness of the soul that has lost its way. The war we fight is not against powers and principalities, it is against chaos and despair. Greater than the death of flesh is the death of hope, the death of dreams. Against this peril we can never surrender. The future is all around us, waiting, in moments of transition, to be born in moments of revelation. No one knows the shape of that future or where it will take us. We know only that it is always born in pain."-- 最後のG'Karによるナレーション(英語)
今回もまたDelennがらみの場面がすばらしい。 始めにAnnaと対面した時の彼女の慌てぶりは、この場面だけを切り出し見ると結構笑えるが、 もっと深刻な、Sheridanに一方的に非難される場面、 そして彼からのメッセージの場面は、 彼をいかに深く愛しているかを見事に表現している。
夢で予言された「間に立つ男」とは、Justinだった。
JustinによるShadowの立場の説明は、基本的に嘘ではないように思う。 VorlonとShadowの両方がバランスしている事が必要なのだ。 結局、VorlonとShadowとのどちらが正しいかではなく、 どちらがより良いかの問題だ。
Z'ha'dumの近辺にはジャンプゲートが存在するのだろうか? もしないのなら、Icarusはどうやってそこに到達したのだろう。 確かにその任務から考えて、Icarusはジャンプゲートを使わずに 遠方の惑星へ行く手段をもっていると思われるが、 大きさから見て、ジャンプポイントを作れるとは思えない。
前回多くの苦しみを乗り越えて、 やっとSheridanと結ばれる寸前までいったDelennだが、 彼女の立場は暗転する。 確かに彼が責めたように、彼が自分の元を去る事を恐れて、 Annaが生きている可能性を指摘しなかったという事はあるだろう。 それにしても、彼女の悲しみはあまりに大きい。
Delennが(新たな姿で)初めてSheridanの前に現れたのは、 彼が妹から妻のAnnaの最後のメッセージを受け取ったのと 同時期だった。 この事は、Sheridanをめぐる二人の女性DelennとAnnaとの対立を 暗示しているのかも。 AnnaはShadowの手先と化してSheridanの前に再び現れ、 対するDelennは光を象徴する。
Shadow艦がBabylon5の周りに現れたとき、 Minbari艦を含む護衛船団はどこに行たのだろうか?
未来のDelennが言った「Z'ha'dumへは決して行かないで」という言葉を聞いた結果が あの未来になった、というSheridanの解釈は無理がある気がする。 普通に考えると、彼がZ'ha'dumへ行った結果があの未来で、 Delennは止められなかった自分を悔やんでいる、と思われるのだが。 ただ、今回の彼の解釈が正しければ、行った結果あの未来は変わり、 Delennが示唆していた彼の変貌も起こらないのかも知れない。
SheridanがAnnaについて言った、「記憶は完璧で、DNAも一致する、しかし人格が違う。」 という言葉は、Taliaの運命を思い出させる。 SleeperプログラムとShadow艦には、実は基本的に同じ技術が使われているのかも。
SheridanとAnnaの乗ったシャトルがZ'ha'dumの上空を飛行して行くシーンで、 シャトルが飛び去った後に、地表にShadow艦の影が落ちている。
ここまでシリーズを観て、このシリーズは (良い意味で)SFの体裁をしたファンタジーだと感じた。 「指輪物語」にかなり近いのでは。
Sheridanのメッセージの中で、彼が言っていた「私の願いは、君と共に生きることだ。」 という台詞は、嘗てMordenが「あなたの本当の願いは?」という質問を 思い出させる。
GaribaldiがSheridanにWhiteStarのMinbari人乗員の事を話すときに、 「Delennが保証人ですから」と、Delennの名を呼び捨てにしていた。 これまでは、「Delenn大使」と言っていたような気がするが。
SheridanがGaribaldiに極秘扱いで頼んだのは、 WhiteStarにG'Karの用意した核融合爆弾二発を設置する事だった。 従ってGaribaldiがSheridanとAnnaをドッキングベイで見送るシーンで、 彼は司令官が戻ってこない事を覚悟していた可能性がある。