Babylon5 #69

#69 The Summoning

粗筋

Ivanovaは通路でMarcusといっしょに歩いていたDelennに会い、 新たな味方のFirst Oneを捜索するために WhiteStarを使う許可を取った。 彼女はMinbari語を少し習ったので通訳なしで大丈夫だと主張し、 実際にいくつかのMinbari語をしゃべって見せるが、それを聞いたDelennは苦笑する。 DelennとMarcusはやはりMinbari語で考えられるくらいでなければ危険だといい、 結局Marcusがいっしょに行く事になった。

LondoとVirは謁見室で何かのパーティーが行われているのに気がつき、 部屋に入ってみて絶句した。 そこでは縛られたG'Karが道化師の格好をさせられ、 Cartagiaと廷臣の前でなぶり者にされていた。

2261年1月17日、Babylon5は主だったメンバーが不在となっていた。 IvanovaとMarcusはWhiteStarでFirst Oneの目撃情報を追っているが、 今の所空振りに終わっていた。
司令室のDelennの元に、Zackがやって来てG'Karが掴んだ情報を元にしてGaribaldiを 捜索に行く許可を求める。 彼女は了承したが、連絡が途絶えたG'Karにも捜索を出す事には、 もはやその余裕がないと言った。

Centauri王宮の庭園でVirは、 G'Karの受けている仕打ちを見て何も感じないのかとLondoに迫った。 Londoはもちろん辛いが今は何もしてやれない、 自分との約束があるから彼はこの仕打ちを耐えるだろうと答えた。 続いてVirがCartagiaを暗殺する以外に別の方法があるはずだといっている所に、 そのCartagiaが護衛を連れて嘆きながら現れた。 彼はG'KarをPain Master(拷問の専門家)に任せていたが声一つ上げないので、 ついに自ら拷問してみたが全く無反応でがっかりしたと言い、 G'Karの血にまみれた自分の手を洗った水を植木にやって 「いい花が咲くぞ」とにっこりする。 彼が去った後、Virは「やはり殺しましょう」とLondoにささやいた。

DelennはLytaの部屋を訪ねたが、彼女は始めなかなかドアを開けようとしなかった。 やっと中に入ったDelennはマットレス以外の家具が何も無いのを見てびっくりする。 これは新Koshの命令によるものだった。 Delennは、Z'ha'dum攻撃という彼女の計画にVorlon艦隊も参加してくれと 新Koshに頼むようにLytaに求めたが、彼女はそれは無理だろうと答えた。 彼女によると、Vorlonは独自に何か計画しており、 他の種族がどうなろうと気にしていないようだという。 それでも彼女はVorlonの真意を確かめてくれというDelennの頼みに応じた。

Zackの率いる捜索チームは彼らが探していた輸送船を発見し、降伏を求めた。 応答が無いためZackたちが攻撃を仕掛けると、輸送船はライフポッドを放出して自爆した。 ポッドの中ではGaribaldiが寝かされていて、コンピューター音声が、 「プログラム起動確認」と言った瞬間に彼は眼を開けた。 そのとき奇妙な光のパターンが彼の頭に当たっていた。
救出された彼はBabylon5の医療ラボに運ばれ、手当てを受ける。 FranklinはZackに恐らく彼は回復するだろう、 やっと自分たちに運が回ってきたようだといった。 Garibaldiは眼を開けていたが、Zackを見ても反応がなかった。

新Koshは、Lytaに宿っていた自分の一部を取り出していた。 Lytaは乱暴なやり方に抗議して新Koshの心は冷酷で何か隠していると言い、 元のKoshはLytaの事をもっと気にかけてくれていたが、 あなたといると利用されるだけで不要になったら捨てられる気がする、 彼らの言う通りに自分の体を改造させたのだから、 もっと自分にも敬意を持って接してくれと訴えた。 対して新Koshは、「誰からの敬意だ?」と嘲り、 隙をみて彼の心を探ろうとしたLytaをヘッドピースの眼孔からの 衝撃で部屋の隅に跳ね飛ばした。 そして、「私の考えが解ったか?」と言って眼孔を広げ、 彼女は悲鳴を上げた。

拷問を受けた後、再び閉じ込められているG'Karの牢に、Londoが尋ねてきた。 彼はG'Karに、このままプライドの為に悲鳴を上げずに拷問に耐えつづけていても、 結局はCartagiaに殺されてしまい、Narnの開放という望みも失われてしまうと説く。 しかしG'Karは、拷問に屈してしまえば自分はもはやNarn人でなくなってしまう、 Londoは彼に望んでいる事の意味を理解していないと言う。 Londoは、「解っているとも!」と言い捨てて牢を出て行った。

亜空間の中を次の目的地に向かうWhiteStarのブリッジで、 MarcusはIvanovaにこの戦争が終わったら何をするつもりか尋ねた。 彼女は地球の故郷に戻って亡父の墓参りをしたいが、誰も彼女を待っている 特別な相手はいない、と答えた。 Marcusは自分には特別な相手がいるが、彼女はそれを知らないとIvanovaに打ち明ける。 そのとき、計器が奇妙な信号を捕らえた。 亜空間にポケットのようなゆがみがあり、何かが潜んでるらしい。 First Oneではと考えたIvanovaはそこに向かうよう命じた。
ゆがみの中にいたのは、膨大な数のVorlon艦隊だった。 そこには、これまで見たことのない巨大な船も居た。

医療ラボで意識を取り戻したGaribaldiに対し、Zackは何があったかを尋ねた。 実は彼の中ではShadow艦に囚われていたときのイメージが繰り返していたが、 それを具体的に捉える事が出来ず、彼は何も憶えていないと答えた。 彼は自分が二週間も行方不明だったことを聞かされ驚くが、 SheridanがZ'ha'dumで死んだと聞かされたときはそれほど驚かなかった。
そのころ、亜空間の中を奇妙な鳥のような形をした船が一隻Babylon5へ向かっていた。

Delennは部屋を訪ねてきたBrakiri大使のLethkeから、 Z'ha'dum攻撃という彼女の計画に対し反対する集会がZocaloで計画されている事を知らされた。 彼は彼女がどう対処するつもりか尋ねるが、 彼女は特に何も手を打たないと答える。 さらに彼は、亜空間をBabylon5に向かっている未知の船があると伝えた。

LondoとVirは真夜中に皇帝から呼び出され、彼の秘密の部屋に連れていかれた。 皇帝は二人に縛られたG'Karをみせ、彼に悲鳴を上げさせるため、 特製の電気鞭で拷問すると言った。 この鞭は打つにつれてショックが強まり、40回目でどんなNarn人も息絶えてしまう。 拷問が始まったが、G'Karは声を立てずに耐え続ける。 Virは見ていられずに手で顔を覆い、 Londoは堪りかねて、叫べとG'Karに解るようにつぶやいた。 ついに39回目で、G'Karは絶叫し、その場に崩れ落ちた。

IvanovaのWhiteStarはBabylon5のジャンプゲートから出た。 彼女は基地の司令室にある宙域への通信を探るように言い、 さらにLytaを探すように命じた。 やがて司令室に戻った彼女の元に、 ジャンプゲートから未知の形の船が現れたという通報が入った。 その船は呼びかけに答えず、基地のアクセスコードを使って ドッキングベイに勝手に入ってきた。 直ちに警備班がベイに向かい、知らせを聞いたGaribaldiも Zackの制止を振り切ってベイに駆けつける。 銃を構えた警備班が取り囲む中、二人の人影が船の中から現れた。

Zocaloでは人々が集まり始め、LennierはDelennを呼び出した。 やがてDraziの大使らがZocaloの上のベランダに現れ、 聴衆に向かってDelennたちの計画が自分達を危険に晒していると暴露を始めた。 Delennは反論するが、大使たちは 彼女がSheridanを失った悲しみの虜になっており、 Z'ha'dumに行って帰ってきた者はいない、 行くのは自殺行為で、Shadowの反撃を招くだけだと言い、 彼女は取り押さえられそうになる。
そのとき、ある人物がベランダに現れた。 それはSheridanその人で、 唖然とする大使たちを尻目に彼は聴衆に向かって話し始めた。 彼はDelennの艦隊はこの戦争を終わらせ、1000年ではなく 恒久的な平和を築き銀河の形を変えるための第一歩だと宣言し、 自分たちへの協力を求めた。 聴衆たちは熱狂して彼への賛意を伝えた。 ベランダに上がってきたDelennに彼は、決して彼女とは離れないと誓い、 二人は抱き合う。

Lytaは呼び出しにも答えず、自分の部屋で頭を抱えていた。 ドアから入ってきたIvanovaに、 彼女は「あなたも知っているわね、始まってしまったわ。」と言った。

Sheridanはオフィスに軍事委員会のメンバーを集め、 VorlonとShadowとが他のFirst Oneたちに若い種族の世話を任されて銀河に残り、 始めはお互いの立場を尊重していたが、 そのうちに自分達だけが正しいと考えて戦争を始めた顛末を説明していた。 Garibaldiがやはり部屋に居るLorienについて疑問を挟むが、 Sheridanはそれを受け流した。
そのとき、IvanovaとMarcusそしてLytaが現れる。 IvanovaはSheridanの帰還を祝福するが、 それをぶち壊しにする悪い知らせを持って来た。 亜空間にいたVorlonの大艦隊は、Sector70に向かい、 そこにあったShadowの基地を惑星ごと破壊していた。 その惑星の700万の住民も同時に殺された事に皆はショックを受ける。 LytaはVorlonは害虫を駆除するように、Shadowの影響を受けた種族を 惑星ごと滅ぼす事に決め、Shadowもそれに反撃するために、 このままでは70光年以内の全生命が滅びると警告した。
亜空間ではVorlon艦隊が次の目標にむかって進軍していた。


印象に残ったシーン、台詞

新Koshに対するLytaの訴えは、メロドラマの中で たちの悪い男に利用されている女の台詞と同じだ。


Memo

Vorlon艦隊の中の巨大な船は、いわゆるPlanet Killerで、 惑星丸ごとを破壊できるSWのDeath Starと同様の最終兵器である。 Tech-Manualによると、全長が45kmに及ぶという。

Lytaが悲鳴を上げたのは痛みからではなく、 新Koshから知ったVorlonの計画があまりに恐ろしかったからだろう。

元々はVorlonもShadowも同じ立場で考え方が違うだけだった。 実はVorlonよりもShadowの方が正直だった事になる。

Garibaldiがライフポッドの中で受けていた処置は何か? もし彼を捕らえていたのがPsi Corpsなら、 Taliaと同じSleeperプログラム の可能性も否定できない。

IvanovaはMarcusが言っていた特別な相手というのが自分の事だと、 全く気がついていようだ。 最初のシーンで、Delennの方はMarcusの気持ちに気づいているように見える。

SheridanのVorlonとShadowとを対等に扱っての説明にDelennが反論しなかったのは、 "The Hour of the Wolf"での新Koshとの会話以来 Vorlonの意図に疑いを持ち始めたからだろう。
もともと彼女はVorlonに対して絶対的な信頼を持っていた。 それは例えば"Comes the Inquisitor"での、 理不尽とも思える尋問者の責め苦に 耐えつづけた事にも現れている。 しかしこの時点では、旧Koshはともかく新Koshにははっきりと不信感を持っており、 IvanovaとLytaによるVorlon艦隊出現の知らせでそれは決定的になる。


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