Babylon5 #73

#73 Epiphanies

粗筋

Starfury中隊がBabylon5の周囲で曲芸飛行を演じ、何発もの花火も咲いていた。 ZocaloではShadow戦争の終結を祝う大パーティーが開かれ、 全ての人々が大喜びで踊っていた。 SheridanとDelennはCat Walkからその光景を誇らしげに見下ろしていた。 しかし同時に彼は勝利の代償の大きさと、次に待ち受ける苦難についても 考えをめぐらせていた。

地球のPsi Corps本部では、Besterが上司に呼び出されて 大統領の対Babylon5極秘計画について聴かされていた。 Shadowが銀河を去り、後ろ盾を失ったClark大統領はにわかにBabylon5への 危機感を強め、Psi Corps, Night Watch, 公安省と軍を動員する大掛かりな計画を 発動しようとしていたが、その内容はそれぞれの部署には部分的にしか知らされていない。 Besterの疑問に対し彼の上司は、Babylon5の独立宣言直後に軍を送ったが かえって世論の反発を招いてしまったので、まず世論と異星人政府のBabylon5当局への 信頼を失わせる事が目的だと説明した。

Centauri本星ではLondoがBabylon5へ出発しようとしていた。 彼はもう少し留まるように言う宮廷大臣に、 Narnを開放し前皇帝の死にかかわったと噂されている自分にとって 宮廷は安全な場所とはいえないと答えた。 さらに彼は、議会での新皇帝の指名は延期となって代わりに摂政を置く事になり、 宮廷大臣がその摂政に選ばれたと告げた。 驚きながらも喜びを隠せない新摂政に貴族たちが指示を求めている隙に、 Londoは彼に別れを告げて出て行った。

Babylon5の医療室では、FranklinがG'Karの抉られた眼の診察をしていた。 彼はG'Karに、もしかすると見る事の出来る義眼を作れるかも知れないと言うと、 G'Karはその申し出に感動して喜んでいた。 立ち去ろうとする彼にFranklinがなぜNarnの指導者にならなかったのかと尋ねると、 彼は権力の恐ろしさを知ったからだと答えた。

Garibaldiが自室でひげをそっているとき、解読不能の暗号メッセージが 彼宛に届いているという知らせがあった。 彼がそれを画面に表示するように求めると、奇妙なモアレパターンが現われる。 それを暫く見ていた彼は、受信記録も含めてメッセージを消去した。
Sheridan, IvanovaとFranklinが待っている所にGaribaldiが現われ、 警備主任からの辞任を申し出た。 皆は彼を説得しようとするが、彼は誰のためにか解らない戦争を戦い続けるのは もう疲れた、自分たちが戦ったのは自分で決める権利を得るためだったと言い、 戦争で傷ついた人々を助けるための会社でも設立しようと思うと言って出て行った。

ドッキングリンクでZackが部下に入港チェックの心得について説明し、 要注意人物に注意するように言っている所に、 Londoが入港してきた。 Zackの厭味やNarn人の険しい目つきにもどこ吹く風の様子で彼が通り過ぎた後、 今度はBesterが護送されて現われた。 Zackが今日は絶対に厄日だとぼやいていると、 Garibaldiの件で司令官から呼び出しが入った。

Garibaldiがドアを開けると、そこに立っていたのはG'Karだった。 黙ってじりじりと詰め寄るG'Karが激怒しているかと思った彼は、 自分を探すためにBabylon5を離れた事でCentauriに捉えられて 結果的に片目を失う羽目になった事を詫びるが、 G'Karは彼に飛びついてきつく抱きしめ、再会を大喜びした。 彼はGaribaldiを探しに行ってCentauriに捉えられた為に Londoと取引が出来、祖国を解放できたと彼に感謝し、 宇宙は心底祈れば必ずその望みを叶えてくれると言った。

Zackは司令官からGaribaldiの辞任を知らされ、耳を疑っていた。 しかし警備主任のポストを空席には出来ず、代わりに彼が指名され、 LytaをBesterとの会談に立ち会わせるため呼びに行くように命じられた。 そのときISNのニュースで地球政府がBabylon5への自国民の渡航を禁止したという ニュースが流れた。

Lytaが新たな調度類を買ってきてレイアウトに悩んでいる所に、Zackが彼女を呼びにきた。 彼女はBesterの名前を聞いて、彼はアカデミー時代にアシスタントだったが Psi Copの仲間さえ彼を恐れていたと言い、彼は自分を脱走テレパスとして 連れ戻そうとするだろうと言ったが、Zackは司令官が彼女の安全を保障すると答えた。 さらに彼女は皆が自分に頼みごとばかりして、友人として振舞ってくれない事に不満を示す。 Zackは彼女がVorlon人に仕えていて彼らに改造されたという噂すら流れている事を指摘し、 そのために敬遠されているのだと説明した。 それを聞いた彼女は自分の置かれている立場を改めて理解したが、 彼女が部屋を出る前にZackは荷解きの手伝いが必要なら呼んでくれと言った。

Zocaloで上機嫌のLondoの前にG'Karが現われた。 顔をこわばらせて立ち尽くす彼にG'Karは、 「Narnは開放された。おまえは私の世界に存在しない。」と言い、 「二人が二度と会わない事を祈ろう」と言って立ち去った。

BesterはLytaの会議への立会いに激しい反応を示し、 彼女はそのような権利は無いし、どちらにせよ彼女の能力では 自分のテレパシーをブロックできないから無駄だと主張したが、 Sheridanに却下された。 彼は大統領がShadowの後ろ盾を失った結果、 Babylon5の攻勢を恐れて先制攻撃に出る決意を固めたといい、 既に宣伝戦が始まっていると指摘した。 そして次の作戦について知らせる代わりに、 恋人のCarolynを救う技術を手に入れるため 自分をZ'ha'dumに連れて行く事を求めた。 そしてこれで両者の協力関係を終わりにしたいと言う。
Sheridanたちがその取引を検討している隙に彼は密かにテレパシーで 彼らのスキャンを試みたが、Lytaにブロックされかえって手ひどい反撃を食らう。 Sheridanは提案を受け入れ、Besterは大統領の計画を説明した。

Sector49にあるBabylon5への最終中継ポイントは 地球のパトロール部隊によって封鎖されている。 大統領はそこに密かにPsi Copの精鋭部隊であるBlack Omegaを送り、 封鎖部隊を全滅させてそれをBabylon5の仕業に見せかける。 それによって彼は世論と異星人政府のBabylon5への信頼を失墜させる計画である。
SheridanはBesterを連れてWhiteStarでZ'ha'dumに向かい、 一方IvanovaはAlpha中隊を率いてSector49に向かった。

Zackは仕事の引継ぎの為にGaribaldiの部屋を訪れたが、 彼が仕事を辞めるのは間違っていると意見した。 Garibaldiは人間は常に間違いを犯すものだと答え、 そうだとしても自分の手でチャンスを掴みたいと言った。 そしてZackに彼と初めて会ったときの話をし、 良い警備主任になれるだろうとエールを送った。

Z'ha'dumに向かうWhiteStarの中で、SheridanはDelennと二人だけのひとときを楽しんでいた。 彼女は彼が自ら苦難を求めており秩序を作り出す力があると評し、 彼が大人しくしているのは想像できないと言う。 彼は彼女は未だ彼を理解していないようだとからかい、 二人は抱き合ってキスを交わした。

Sector49のジャンプゲートから現われた輸送船に、封鎖部隊は引き返すように命じていた。 その後ろからさらにIvanovaのAlpha中隊が現われ、これは罠だと封鎖部隊に警告する。 輸送船から発進したBlack OmegaのStarfuryは、 Alpha中隊と封鎖部隊の挟み撃ちにあって全滅し、輸送船も破壊された。 警告の礼を言って所属を尋ねた封鎖部隊にIvanovaは、Babylon5から来たと答えた。

WhiteStarの中でBesterはLytaに、 彼女のテレパシー能力が格段に強くなっている事を指摘し、 Psi Corpsの恩義を思い出させて 彼女に何が起こったのかをPsi Corpsに報告するように求めた。 彼女がそれを拒否すると、彼は彼女の知られたくない秘密を知っていることをほのめかす。 それに対し彼女は一瞬彼をにらみつけた。

Z'ha'dumに着いたSheridanは、惑星の防御システムが全く反応しない事に不審を抱いた。 そのとき惑星から脱出したらしい謎の船団がジャンプゲートを通過して行くのが目撃され、 DelennはShadowと同盟してそのおこぼれに預かっていた「暗黒の使い」だと言った。 Sheridanはとっさに引き返すように命じ、食って掛かるBesterの目の前で Z'ha'dumは大爆発を起こして消滅した。 唖然としてその光景を見つめるBesterにSheridanは、 「これでまた別れられなくなったな、世界は不完全だから」 と皮肉った。 彼らの横で、Lytaは密かに笑みを浮かべていた。

Babylon5に戻ったBesterは、ステーションを去る前に意識のないCarolynが 冬眠状態に置かれているカプセルの前に佇んで、彼女に話し掛けていた。 彼は彼女を救うために部下を見殺しにしたがうまくいかなかった、 しかし彼女のためならどんな犠牲も払う覚悟だと独白し、 最後に自分はまだSheridanたちに復讐する切り札を持っていると言った。

Lytaの部屋にSheridanが尋ねてきて、 Z'ha'dumの起爆装置を作動させたのはLytaであったことを指摘し、 彼女がそうした理由を尋ねた。 彼女はあくまで仮定の話だと言いながらも、 Besterが彼女を怒らせたため彼に復讐をした、 彼はこれまで多くの人々を苦しめてきたのだから、 恋人を失って苦しめばいいんだ、と言い放った。 Sheridanは彼女の意見に共感しながらも、 二度と勝手な真似は許さないと警告して立ち去った。
その直後にZackがピザをもって彼女の元を訪れ、 部屋のレイアウトの手伝いを申し出た。

SheridanはIvanovaに、Z'ha'dumを脱出した船団の行方が気になると話していた。 彼女はZ'ha'dumはもう無いのだから、「暗黒の使い」が復讐しようとしても 直ぐには無理だろうと楽観的な意見だった。
Centauri王宮では悪夢から目を覚ました摂政が、夢だと知ってほっとしていた。 しかし鏡を覗き込んだ彼の肩の上には"Keeper"が憑いており、 それがかっと目を開いた。


印象に残ったシーン、台詞

Lytaの心の中の葛藤が始めて描かれた。 確かに特にVorlonが去った今、彼女の立場は微妙だ。 これからZackとの仲は発展するのだろうか。


Memo

Z'ha'dumの近くにもジャンプゲートがある事が始めて明らかになった。 これでIcarusがZ'ha'dumに行き着けた方法は説明できるが、 これまでの描写とはやや矛盾するような。 そもそもあのジャンプゲートはどこの種族が作ったのだろうか?

Garibaldiの受けた暗号メッセージのモアレパターンは、彼が誘拐され救出される 直前に受けていた処置のときに見られたものと 同じようだった。 するとこのメッセージはPsi Corpsからとみるのが正しいだろう。 そうすると、Besterの言っていた「切り札」とはGaribaldiの事か? 彼はやはりSleeperプログラムの犠牲者なのだろうか?


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