Babylon5 #83

#83 The Face of the Enemy

粗筋

Sheridanの率いる艦隊は植民星や前哨基地への進撃を続けていたが、 多くの地球軍の艦船が合流する一方で Clark政権になおも従う艦隊の激しい抵抗も続いていた。
その頃FranklinとLytaは「貨物」と共に火星に到着し、 シャトルチューブでドーム都市に向かっていた。
GaribaldiはSheridanの父Davidを捕らえる事に成功し 現在火星に護送中だとEdgarsに報告した。 Davidを囮にしてSheridanを罠にかけるという彼にEdgarsは、 辛いだろうがやらなくてはならずSheridanも後になれば彼に感謝するだろうと励ましたが、 Garibaldiは自分をキリストを売ったユダに喩え、部屋を出て行った。

ある小惑星の近くで解放艦隊と地球の残存艦隊との戦闘が続き、 地球側は多くの損害を出しながらも撤退を拒んで戦いを続けていた。 彼らが勝ち目のない戦いをなぜ続けるのか理解できないSheridanは もう一度降伏勧告を行い、戦艦CadmusのFrank艦長が応答する。 彼は「降伏すればクルーは皆殺しにされ、Minbari人と入れ替えられる」 と教えられたと主張するが、 VestaのMacdougan艦長がそれはデマで自分たちは全員生きていると説得し Cadmusは撤退した。 そのとき新たにジャンプポイントが開き、嘗てSheridanが指揮していた 戦艦Agamemnonが出現した。 自分たちも戦列に加わりたいという艦長の申し出にSheridanは大いに喜び、 早速WhiteStar2からAgamemnonに乗艦する。

Franklinはレジスタンスの基地でNumberOneと再会したが、 彼がLytaをテレパスだと紹介すると、 自分の承諾を得ずにテレパスを基地に入れたと彼女は腹を立てる。 そしてテレパスの存在は自分たちを危険に晒すと主張し、 二人と共に到着した貨物の中身が 沢山のテレパスの冷凍カプセルだと知って憤慨して出て行った。

SheridanはAgamemnonの艦長から彼らが戦列に加わった経緯を聞いていた。 そのときMarcusから呼び出しがあり、 火星のGaribaldiからの父親のDavidが捕らえられたという緊急の連絡を受けた。 彼はDavid救出のためにSheridanが火星に来るように求める。 IvanovaやAgamemnonの艦長の反対を押し切り、 SheridanはGaribaldiの求めに応じる事に決め、 自分の代わりとしてIvanovaに艦隊に合流するように命じ、 Agamemnonを火星に向かわせた。

三人での夕食の席でもNumberOneはLytaの存在に対して腹を立てており、 遂に途中で席を立ってしまった。 LytaはFranklinに、火星ではBloodhoundと呼ばれるテレパスたちが レジスタンスの容疑者を手当たり次第ディープスキャンしており、 そのために死者も出ているのだと説明する。 さらに彼女は自分のPsi Copのインターン時代に起こった連続テレパス殺人の犯人を 捕らえるためにPsi Copが同様の違法捜査を行い、 捕らえた犯人に一生消えない幻覚を植え付けて拘束している事も話す。 そして彼女はFranklinに、いつか普通人とテレパスの間に戦争が起るだろうと 恐れている事を告白した。 Franklinが彼女を慰めていると、 NumberOneが皮肉を言いながらSheridanからの暗号メッセージを持って来る。 それを見たFranklinは表情を硬くした。

Minbariから戻ってきたDelennとLennierはエレベーターを出た所で、 出発する直前のIvanovaに出会った。 彼女はDelennにSheridanが父親を救出するために火星に向かった事を説明し、 自分が出発した後の基地の指揮を任せる。 司令官の身を危惧するLennierに対し、 Delennは唇を噛んで 彼が理解した上での行動だからGaribaldi次第だと答えた。

Thunderboltに乗り換えたSheridanは単身で火星に降り立ち、 Garibaldiの指示したバーに入った。 テーブルに座り父の救出作戦を尋ねる彼の手に、 Garibaldiはトランキライザーのパッチをはりつけ、 逃げようとする彼を男たちが取り囲んだ。 彼は必死に暴れるが男たちに殴ったりけられたりして、 遂にその場に崩れ落ちた。 その光景をGaribaldiは平然と見守っていた。
ISNは通常の放送を変更して、 Sheridan逮捕のニュースを伝えていた。 丁度WhiteStar2に到着したIvanovaは、 Marcusと共にそのニュースを凍り付いていたように見ていた。
その頃拘束されたSheridanは 牢獄のなかでなおも暴行を受けていた。
Babylon5で眠っていたDelennは彼の受難に感応して飛び起きる。 そのときLennierが彼女の元に急を告げに現われた。

GaribaldiはSheridanの逮捕でClarkが有頂天になっていると話すEdgarsに対し、 自分が約束を果たした見返りに彼も計画の全てを話すように求めた。 Edgarsは承諾し、問題はClarkではなく彼が権力を与えてしまった テレパスだと言って、Garibaldiに隠し戸棚から取り出した 二つのセキュリティーキューブを示す。 一つは彼がBabylon5を通過させたテレパスの発病を抑える薬品だったが、 もう一つは同時にに彼が開発させたウイルスだった。 このウイルスはテレパスだけに感染するが空気感染で感染率は100%であり、 感染すれば二週間おきに治療薬を投与しない限り発病して確実に死に至る。 Edgarsは数日後にはウイルスをばら撒いてすべてのテレパスたちに感染させ、 治療薬を独占する事で彼らを奴隷化して Psi Corpsの世界支配を阻止するつもりだった。 それを聞いたGaribaldiは何の異存もないと言い、 安心したEdgarsとWadeは部屋を出て行く。 しかし部屋の外ではLiseが聞き耳を立てていて、彼女もそっと立ち去った。 一人部屋に残ったGaribaldiは、奥歯を外して中から小さな通信機を取り出した。

Liseはシャトルチューブの座席に座っているGaribaldiを発見し、 夫の計画を阻止するように求めるが、彼は空ろな表情で彼女を追い払う。 その直後にもう一人の人物がシャトルの車両に入ってきた。 それは彼からの呼び出し信号を受け取ったBesterで、 動き出したシャトルの中で 凍りついたように座席に座ったままのGaribaldiに報告を命じる。 Edgarsの計画の全容を知ったBesterは、 反テレパスの動きがあるとは知っていたが この計画にはまったく気がつかなかった、 予想だにしなかったが直ぐに処置すると言ってから 用済みとなったGaribaldiをどうするかと呟き、 まず彼がBabylon5から姿を消してから何が起ったかを思い出させた。

SheridanがZ'ha'dumでJustinと対峙していたとき、 彼が死んだ場合の光の軍隊の後継者として Shadowが想定していたのはDelennとIvanova, そしてGaribaldiだった。 ShadowはそのうちのGaribaidiに狙いを絞り、彼をBabylon5から拉致した。 そして自分たちに都合の良いようにPsi Corpsの中の協力者に彼を調整させようと したが、Besterが介入し彼を火星の秘密研究所に送らせた。 BesterはShadowがテレパスを恐れており、 いずれ自分たちを排除しようとすると判っており、 今回のEdgarsのウイルスもShadow技術の産物だと言う。 火星の研究施設でGaribaldiは心を改造され、 生来の権力に対する反抗心と猜疑心をより増大して Sheridanから離反するように仕向けられた。 そして拉致されてからの記憶を全て消され、 見つかるようにわざと情報を流して彼をBabylon5に戻した。 これは一つにはSheridanらへの復讐の手段としてであり、 もう一つはテレパスに対するShadowの策略を探り出すためだった。 彼は定期的にPsi Corpsからの暗号メッセージを受け取って再プログラムされていたが、 それからの彼の行動はBesterの期待以上で、警備主任を辞任してからEdgarsの組織と接触し、 彼のテレパスに対するホロコースト計画を探り出した。

BesterはもはやGaribaldiがBabylon5での仲間に対する裏切り者となって彼らの元には 帰れない事を見越した上で、わざと暗示を解いて彼を自由にする事に決めた。 Besterがシャトルを降り、シャトルが再び走り出してから少しして、 Garibaldiの脳裏に拉致されていた時のシーンが蘇った。 彼は自分がした事全てを理解し、大声で悲鳴を上げた。

WhiteStar2ではMarcusがIvanovaにGaribaldiがBabylon5と 通信を試みている事を知らせた。 それを聞いた彼女は彼との交信を拒否し、 もし彼が現われたら即座に射殺するようにBabylon5に伝えるように命じた。 そしてこれからの方針を尋ねてきた艦隊に、 Sheridanの意思を引き継ぎ、このまま地球開放戦争を続けると宣言する。

GaribaldiはEdgarsの応接室に駆け込んだが、 そこは荒らされていてEdgarsとWadeが倒れており、 ウイルスと治療薬は奪われていた。 まだ息があったWadeは彼の問に対し、 Psi Corpsの部隊が踏み込んできて手ひどく殴られたと言い、 そのときLiseはその場に居なかったと言って絶命する。

ISNは大統領がSheridan逮捕を記念して祝日とする事を決めたと伝え、 さらにWilliam Edgarsが自宅で殺され、火星のテロリストによる犯行らしいという ニュースを報じた。 そして最後にキャスターは、 Sheridanを引き渡したのはBabylon5の元警備主任のGaribaldiだったと伝えた。


印象に残ったシーン、台詞

Garibaldiに裏切られたSheridanが男たちに囲まれて暴行を受けるシーンは、 Refaが Narn人たちになぶり殺しにされるシーンと重なって見える。 両方のシーンともスローモーションで映され、それに歌が重ねられていた。


Memo

VestaのMacdougan艦長は、年下の同僚からの信頼が厚い老艦長らしい。

NumberOneが夕食の席でやたらに機嫌が悪いのは、 単にLytaがテレパスだからではなく、嫉妬もあるのではないだろうか。

LytaがPsi Corpsを脱走してBabylon5に向かう前に、 彼女はNemberOneの組織に匿われていたらしいが、 そのときはテレパスである事を隠していたようだ。 しかし以前 彼女は独立運動にテレパスとして雇われたといっていたようだが、 矛盾はないのだろうか?

LytaがFranklinに話した連続テレパス殺しの犯人へのPsi Copの処置は、 LytaがKoshの副官として戻ってきた直後にLondoに Vorlonでの出来事を話すように求められた時の 彼女の脅し文句を思い出させる。 (#48 "Passing through Gethsemane")

Franklinは「司令官がなんとかしてくれる」とLytaを慰めたが、 これはGaribaldiの言う英雄崇拝の 典型例ではないだろうか?
また一方、Sheridanが「Garibaldiが自分を傷つけるとは思わない」と言って 変装もせずに火星に乗り込んでいったのは、 彼の「英雄気取り」の自信過剰の表れではないか?
総じてGaribaldiの分析は客観的に見てそれなりに当たっているように感じる。

EdgarsのウイルスがShadow技術の産物だろうというBesterの推測は、 #78 "Conflicts of Interest"での話と符合している。 実際にはShadowの補助種族であるDrakhが製造したものだろう。


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