Babylon5 #85

#85 Between the Darkness and the Light

粗筋

SheridanはFranklinと小さなテーブルを挟んで座っていた。 Franklinは彼が無事に監禁場所から脱出できた事を祝し、 脱出に協力した火星のレジスタンスの名前を尋ねる。 しかしSheridanはレジスタンスの相手は名前でなく番号で呼ばれていたと答えた。
実はSheridanは未だに監禁されたままで、 彼の頭には洗脳装置が取り付けられていた。 "Franklin"はさらに、司令官が地球政府に反旗を翻したのは彼のせいではなく、 異星人に操られていたからだと言うが、Sheridanはなおもそれを否定した。 尋問官は彼が未だに完全には落ちない事に驚嘆する。 そして彼に薬物をさらに飲ませ、 彼が異星人の影響下にあった事を認めさせようとしていた。

Garibaldiはレジスタンスへの接触を図ったが、 現われたレジスタンスたちはSheridanを売った彼を袋叩きにして連れ去った。
やがて縛られて頭に袋を被せられた彼の前に現われたリーダーのNumberOneは Franklinに銃を渡し、裏切り者のGaribaldiを処刑するように求めた。 Franklinの声を聞いて Besterに頭の中をいじられて嵌められたと叫ぶGaribaldiを、 彼も冷ややかな眼差しで眺めるが、 袋を外されLytaの姿を認めたGaribaldiは、 自分の話を証明するためにディープスキャンしてくれと叫んだ。 LytaとFranklinは同意し、 相手にせずにGaribaldiを射殺しようとしたNumberOneとその部下を銃で制して、 Lytaはスキャンを行った。 Psi Copによる強力なブロックを破って、 LytaはGaribaldiがBesterに見せられた全ての光景を探り出し、 彼の主張は真実だと確認する。 そして納得しないNumberOneをにらみつけ、 「地獄が見たいの? それなら見せてやる!」と言って、 自分が見たGaribaldiの頭の中の光景を彼女の脳にも送り込む。 衝撃でよろめいたNumberOneは真実を知り、Garibaldiの縄を解くように部下に命じた。

WhiteStar2のIvanovaが率いる開放艦隊は、 Clark政権側でBeta9の民間人への攻撃を行ったOmega級戦艦DamoclesとOrionを包囲し、 降伏して戦犯法廷で裁きを受ける事を要求していた。 それを無視して攻撃を仕掛けてきた二隻の戦艦は、 WhiteStar艦隊の砲火を浴びてたちまち大破し、 乗員は脱出を始めた。 ライフポッドの回収を命じるIvanovaに対しMarcusは、 敵の小規模な艦隊を相手にせずに直接地球を目指した方が良いのではと言うが、 彼女は市民への攻撃を行った艦の乗員には それが軍の命令によるものでも責任を取らせるべきであり、 そうする事によって味方に加わる艦もますます増えて行くと答え、 次の目標への進撃を命じた。

GaribaldiはNumberOneらにSheridanが拘束されているらしい場所を示し、 自分とFranklin, Lytaによる救出作戦への協力を求めた。 彼女は彼らをそこに潜入させる事を手伝う事は約束したが、 人手が足りない事を理由にしてその先の事は彼ら自身でやるように言う。

Babylon5ではSheridan救出に艦隊を率いて向かおうとしていたDelennを Lennierが呼び止め、 LondoがDelennに黙って全体顧問会議を主催している事を知らせた。 二人が会議場に入ってきた時、 Londoは非同盟惑星諸国の大使たちの前で、 Shadow戦争でのSheridanの恩義に報いるために 救出艦隊を組織する決議をした所だった。 G'Karも彼に同意し、 Shadow戦争以降、地球人のおかげで自分たちは嘗て無いほど結束できたと言う。 そしてこの決定は政治的にも道徳的にも極めて正しいと、 Londo, G'KirとVirが口を揃えた。 なぜ自分が居ない間に会議を開催したのか尋ねるDelennにLondoとG'Karは、 彼女が居ればSheridanへの愛情のために決議を行ったと 非難される可能性があり、 自分たちの決定が単に感情的な理由に基づくのではなく 正義に基づくものだと証明するためだと説明した。 全体顧問会議の総意でIvanovaの艦隊への援軍派遣が決まった事に対し、 Delennは彼らに感謝の気持ちを示す。

Garibaldi, FranklinとLytaは、レジスタンスの一人の案内で Sheridanが拘束されている施設に繋がるトンネルへの抜け道にたどり着き、 彼女を残してフェンスを通り抜けた。 そしてトンネルの警備を襲って制服を手に入れるが、 Garibaldiは背中を刺されて重傷を負う。

MarcusによってWhiteStar2のブリッジに連れて来られたDamoclesの士官は、 自分は民間人への攻撃に反対だったと釈明するが、 そんな事は法廷で言えとIvanovaに一蹴された。 しかし彼は情報を提供する事を申し出た。 それによると、降伏して解放艦隊に加わった地球の艦船の一部から Clark大統領に情報が流れており、 大統領は解放艦隊の集結地点に自分の最精鋭艦隊を待ち伏せさせていると言う。
それを聞いたIvanovaは、 待ち伏せ艦隊は開放艦隊に加わった地球の艦船を破壊して 解放艦隊が異星人の侵略軍であるように見せかけるつもりだと推測し、 WhiteStar艦隊のみで終結地点に向かう事を決断する。
AgamemnonのJames艦長はIvanovaの決断に反対し、 自分たちも一緒に戦いたいと抗議するが、 彼女は新型艦隊に対抗できるのは速さで勝るWhiteStar艦隊だけだと説明した。 彼女の説得を諦めたJamesは火星で会おうと言い、艦隊は分かれた。
集結地点に着くまで5時間あるので仮眠を取るように勧めるMarcusに対し、 Ivanovaは交代で2時間半ずつ仮眠を取る事と答えると、 彼は了解して彼女が先に仮眠を取るように言った。

Garibaldiらは地球軍の制服を着て、監禁施設の入り口に現われた。 警備員はGaribaldiがSheridanを突き出したというニュースを観ていたため、 囚人の健康診断を行うという彼の嘘を信用し、三人は中に入った。 しかし監禁室の入り口の警備員はニュースなど観ていないといって、 Garibaldiに正式な入室許可書を求める。 Lytaが一人の警備の耳元で「痛み」と囁くと彼は床に崩れ、 もう一人の警備もGaribaldiに殴り倒された。 Lytaがテレパシーで読み取ったコードを使って、彼らは独房に入る。 そこには頭に装置を取り付けられ空ろな表情をしたSheridanが座っており、 Garibaldiを見て「お前のケツを蹴り上げたかったが理由が思い出せない・・・」 と呟く。 Franklinが彼の拘束を外し、三人は彼を助けながら外へ向かった。

仮眠室で眠っているIvanovaの顔を眺めながら、 Marcusは「人の気持ちも知らないで・・・」と呟く。 彼に起こされた彼女は、4時間も眠っていた事を知って、約束を守らなかった事を怒る。 そしてさらに嘗てこの部屋で彼が挨拶と称して、 Minbari語で彼女の美しさを褒め称えた事を 皮肉った。

三人はSheridanを施設の外に連れ出そうとするが流石に警備はそれを許さず、 さらにGaribaldiの背中の怪我を怪しまれる。 とっさにGaribaldiらはPPGを抜き、警備員らを撃ち倒した。 床に落ちているPPGをまだ空ろな表情のSheridanが拾い上げ、 既に倒れている警備員に何度も発砲する。 彼がPPGを持ったまま振り向くと、 そこにはGaribaldiがこわばった表情でPPGを構えていた。

終結地点で通常空間へ出た20隻強のWhiteStar艦隊の周囲に 多数のジャンプポイントが開き、地球軍の艦隊が出現した。 その艦は黒い有機テクノロジーの装甲を持ち、 Shadow技術を使っている事が明白だった。 艦隊の司令官はWhiteStar艦隊に降伏を命じる。 「名前を名乗れ」と言われたIvanovaは、 「私はSusan Ivanova, 中佐、AndreとSophie Ivanovの娘。 そして怒れる報復の旗手であり、あなたたちのケツを蹴り上げて地球に追い返すのが役割。 私は死の権化であり、あなたたちが見る最後の生きた人間。 神の使いよ!」 と名乗って、先制攻撃を仕掛けた。
敵艦の強力な砲火によってWhiteStarは次々と破壊されるが、 Ivanovaの艦の速さを生かした指揮によって激戦の末に 敵艦隊を壊滅させた。 しかしコントロールを失ったWhiteStar2は ブリッジに敵艦の破片の直撃を受けて大破する。 Marcusが意識を失ったIvanovaを残骸の下から救出して艦を脱出した直後に、 WhiteStar2は爆発した。

MinbariやCentauriの戦艦も加わって進む地球解放艦隊の脇に新たなジャンプポイントが 開き、一隻のWhiteStarが現われた。 Minbari旗艦の通路を歩いていたSheridanは、 広い通路の向こうにDelennの姿を認め立ち止まる。 彼の姿を見て顔を輝かせた彼女は駆け寄り、二人は抱き合ってキスを交した。 「君が立っている姿が何度も何度も目に浮かんだ」とやつれた髭面で言う彼に 彼女は自分の医師に診てもらうように勧めるが、 彼はまずIvanovaに会いたいと言う。
二人がIvanovaの病室に入ったとき、 彼女の枕もとで見守っていたMarcusは 「Minbariでは不吉だと言うけれど、彼女が喜ぶようにベッドを水平にしてあげました、 それしか出来ない」と寂しそうに言う。 意識を取り戻した彼女はSheridanの顔を認め勝利を報告するが、 立ち去ろうとする彼に、自分の状態について本当の事を教えるように求めた。 彼は彼女の傷が深すぎて助からないと答え、 涙ぐむDelennがあと二三日と教えると、 彼女は悪くないと呟き、 Sheridanにある場所に行くように求めた。

CentauriとNarnの戦艦と共に飛ぶAgamemnonのブリッジにSheridanが入ってきた。 彼はJames艦長に代わって艦長の椅子に座り、 友人の頼みによってここで指揮を取る事に決めた、と説明する。 彼の命令の元に、艦隊は火星への進軍を始めた。


印象に残ったシーン、台詞

"Who am I? I am Susan Ivanova. Commander. Daughter of Andre and Sophie Ivanov. I am the right hand of vengeance and the boot that is going to kick your sorry ass all the way back to Earth, sweetheart. I am death incarnate, and the last living thing that you are ever going to see. God sent me."
-- 新型艦隊の司令官に名前を問われたIvanovaの答え。

最後の連合艦隊のシーンで、 NarnのG'Quan級戦艦とCentauriのVorchan級巡洋艦が並んで飛んでいる。 長く敵対していた両国の艦が同じ目的のために艦隊に加わっているのは、 雪解けが始まった象徴とも言える。


Memo

Sheridanの頭に取り付けられていた装置は、 かつて#8 "And the Sky Full of Stars"で Sinclairの尋問に用いられた物と同様の、 仮想現実を見せる装置である。 真相が判ってみると、前回の尋問シーンも何処までが現実だったのか 判断が出来なくなってくる。 Draziが二度目に現われた辺りからは、 仮想現実に入っているのでは?

連絡相手のレジスタンスは名前でなく単に番号で呼ばれていたというSheridanの主張は、 彼が"Franklin"を本物でないと警戒しての発言ではなく、 実際に真実だったのでは?

LennierがDelennへの報告の中で、 「Mollari大使の事だから、いやな予感がします。」と言っている。 これまでの言動が祟っているから仕方ないが、 Londoは全く信用されていないらしい。

地下トンネルでLytaがGaribaldiらに、 自分は嘘つきではなく単に嘘が少し上手いだけだ、と抗議する場面は、 かなり唐突である。 「Lytaが嘘が上手い」と言われているという話はこれまでにあっただろうか? 単に彼女がこれまでの鬱憤をぶちまけているだけなのか?

Lytaが「痛み」という言葉で警備員を倒したのは、 #16 "Eyes"でのGreyと同様の手法である。 地球軍の軍人のうちのかなりの部分にこのような制御プログラムが埋め込まれている 事が示唆されるが、それはPsi Corpsの独断で行ったものなのだろうか?

救出されたSheridanが拾ったPPGを倒れている警備員に乱射したときの Garibaldiの引きつった表情は、 おそらく自分が復讐のために撃たれると思ったためだろう。

Clark大統領の虎の子の艦隊の艦は、Omega-X級と呼ばれる新型戦艦である。 Shadowの有機テクノロジーをOmega級戦艦に適用したもので、 装甲、火力ともにOmega級よりも格段に優れている。
それまでは相手に先に手を出させていたIvanovaも、 この相手にはその余裕が無かったようだ。


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