Babylon5 #105

#105 Movements of Fire and Shadow

粗筋

Draziの植民星近くでCentauri艦隊を迎え撃ったDrazi艦隊は激しい戦闘を行い、 Drazi側は大きな損害を受けた。
Lochleyは私的記録で、Centauriとの戦争が泥沼化し、 Babylon5に住むCentauri人に対する報復の襲撃が多発していると述べていた。 このままではCentauri人居住者と交戦種族とを隔離しなくてはならないが、 Centauriはほとんどの種族と戦争になっているため、 それを実行するのは困難だった。 夜中に彼女が部屋で口述を続けている所に、深刻な表情でSheridan大統領が訪ねて来た。 彼は彼女に、Centauriがジャンプゲートを攻撃目標にし始めたという情報を伝える。 ジャンプゲートの破壊は亜空間のネットワークを破壊する事につながる 重大な交戦規約違反で、彼ら自身も困るはずだが事態はそこまで悪化していた。 Babylon5もCentauriの攻撃に備えて警戒態勢を敷いているが、 WhiteStar艦隊が参戦しない限り 平和の維持に不可欠なこの基地を攻撃する事はしないだろうと言う彼女に、 実は先ほどWhiteStar艦隊に 同盟国艦隊に攻撃を行ったCentauri艦隊への反撃命令を出し、 もはやこの基地の中立性は崩れ去ったと彼は告げる。 彼が立ち去ると直ぐに、彼女は司令室に警報をした。

朝食の席でJohnはDelennに、頼みがあると言い出した。 始め彼女は、彼の贈り物の事かと思ったがそうではなく、 同盟の軍事資源であるWhiteStar艦隊の件だった。 Shadow戦争や地球の内戦によってかなりのWhiteStarが破壊されたが、 今回の戦争でさらに多くの艦が消耗しており、いずれ戦力が尽きるのは明らかなため、 彼は新型の大型艦の建造を提案する。 WhiteStar艦隊の建造は元々Shadow戦争に備えるという目的で Grey評議会から承認されており、 新たな艦隊の建設には改めて評議会を説得する必要があると指摘するDelennに、 いっそ地球とMinbariの共同プロジェクトとしてはと彼は言い、 その計画を既に地球のLuchenko大統領に話したと彼女に告げる。 そして彼女自身がMinbariに戻って評議会を説得する事を頼み、彼女は了承する。 現在Babylon5からMinbariへの航路は安全とは言えなくなっているため、 喩えCentauriに遭遇しても直ぐに逃げるように忠告する彼に、 危険を避けるのは賢明だが問題はそれが不可能な事よと彼女は答えた。

FranklinとLytaを部屋に招いたVirは、 CentauriとDraziとの戦いで相手側がCentauriに戦死者の遺体を返還してくれない事を 説明した。 遺体の返還に応じないのは原則の宣言に違反すると言うFranklinに、 Drazi側の説明には納得できない点が多く、 Virは彼らが生存者を隠して拷問しているのではという疑惑を持っていた。 今回の戦争で中立を宣言しているVreeの輸送船を押さえたので、 二人でDrazi本星に行って調査して欲しいと言うVirに、 Franklinは大統領の了解を取ってからという条件付ながら彼の頼みを引き受けるが、 Lytaはこの仕事を引き受ける代金として50万クレジットを要求した。 Franklinも流石に驚きを示し、Virは何とか40万に値切ろうとするがLytaは譲らず、 振込み口座のメモを残して部屋を出て行った。 「どうすればいいでしょう」とぼやくVirに、 Londoに連絡したらとFranklinはアドバイスするが、 首相は現在手が離せない状態だと彼は答える。

そのLondoはG'Karと共に依然牢獄に入っていた。 G'KarはLondoにこれ以上意地を張らずに外に出るように言うが、 首相である自分がここに不当に囚われている事が知れれば民衆が騒ぎ出し、 それによって議会も動かざるを得なくなって摂政に戦艦への命令を撤回させる 事につながるだろうとLondoは答える。 言い争いに疲れた二人が寝場所を交代した直後に、 閃光と共に爆発音が轟き二人は気絶した。 牢獄の扉が開き、謎の異星人がLondoを引きずり出して台車に乗せ、 どこかに運び去った。
やがて台車の上のLondoに光線が投射され、彼の全身骨格が写った。 それから彼の頭に伸びた手のような装置が頭を包み込み、 さらに口の中に何かを入れた。 そして異星人たちが彼の顔の上に屈み込み、 赤いビームで顔を照らして顔の上でドリルが回転を始める。
やがて装置が取り外された彼の顔を異星人たちが覗き込んだとき、 Londoはふと意識を取り戻して「お前たちは誰だ、何の用だ」と呟くが、 覗き込んだ別の異星人が「いいぞ、この男なら申し分ない」と言うと 彼の顔にマスクが被せられ、異星人の顔がぐるぐる回って彼は再び意識を失った。
悲鳴を上げてLondoが飛び起きたのは元の牢獄の中で、もう朝になっていた。 すでに起きていたG'Karは、 「怒れる民衆がなだれ込んで来る雄たけびかと思ったらお前のいびきだった」と言う。 「いやな予感がする。直ぐに外に出なくてはならないが、 お前と一緒に居ると啖呵を切った面子がある。」というLondoに、 それなら方法があるとG'Karは答え、おもむろに胃の中のものを吐き出した。
やがてパニック状態で「こんな所には一秒だって居られない!! Narn人の反吐があんなに酷い悪臭を放つとは!」とわめき散らすLondoは、 同じように手で鼻を覆った衛兵に付き添われて牢獄を後にした。

NarnのNa'Tok, BrakiliのKulomaniとDraziのDaro将軍を集めた会議室で、 SheridanとLochleyはCentauriと各国との戦況報告を尋ねていた。 WhiteStar艦隊の援軍によって各国の艦隊はCentauri艦隊を撃退していたが、 なぜ互いに共同戦線を張らないのかという問に、 KulomaniとDaroは相手の指示を受けないと言って協力を拒む。 Centauri艦隊は基地の防御と攻撃の二つに分かれており、 完全に別々に行動しているというGaribaldiの報告を受けて、 SheridanはNa'TokにこれはCentauriの典型的な作戦なのかと尋ねるが、 Na'Tokはそうではないと答えた。 そのとき司令室からの緊急連絡があり、Lochleyは会議を中座する。 さらにこの戦争でのCentauriの目的が判らない、おかしいとは思わないのかと言う Sheridanに対し、 理解できないのはなぜこちら側が後手を踏んでいるのかだ、 Centauri本星を直接叩くべきだとNa'Tokは答え、 他の二人もそれに同調する。 しかしSheridanは、民間人の犠牲を出すのは許さないと言って、 その要求を突っぱねた。

司令室に戻ったLochleyに、Corwinは亜空間の探査機が Centauri戦艦の機影を捉えた事を伝えた。 奇妙な事に戦艦は一隻だけで、 さらにジャンプエンジンの異常と機内に生命反応がないという追加情報がもたらされたとき、 Centauri艦はゲートを破壊するつもりだと気がついたLochleyは、 Alpha中隊に敵機への攻撃を命じると共に、 ゲートの支柱間隔を最大限に開かせる。 戦艦は攻撃を受けながらジャンプゲートにたどり着き、 さらにそこでジャンプエンジンを作動させて爆発するが、、 幸いゲートには大きな損傷はなかった。
ゲートがあわや破壊されかけた光景を見ていたDaroはNa'Tokに、 地球人はこの戦争をやり抜く気力がない、 自分たちでCentauri本星を攻撃しようと提案し、 Na'Tokもそれに同意した。

Minbariに向かう途中のWhiteStarの中で、DelennはJohnからの報告を受けていた。 ジャンプゲートへの攻撃によりStarFuryのパイロット一人が死亡、 二人が負傷し、商業船の通行は修理が済むまで数日停止したが、 WhiteStarを始めとする大型艦は自前のジャンプエンジンがあるので大丈夫だと 彼は言い、さらにDelennだけでなくFranklinも居ないので忙しいと続けた。 その事を聞いていなかった彼女が怪訝な顔をすると、 彼はFranklinとLytaがDrazi本星に向かった事を告げる。
その二人はDrazi本星に着き、前にGaribaldiが泊まったホテルを目指していた。 街の道は狭くて混雑しており、 LytaはFranklinに本当に道が正しいのかしつこく問い質す。 彼らの跡を、Draziが一人つけていた。

Londoは国防大臣Choliniとその他の大臣たちを呼んで、 自分が今の摂政を選んで議会が承認したのはそれが安全な選択だと思ったからだった、 それは間違いだった、と説得していた。 しかしCholiniは同意せず、摂政の命令で艦隊が他国の輸送船への襲撃を行っていると 指摘するLondoに、そんな事はしていない、ただ祖国を守っているだけだと主張する。 そしてもしLondoが摂政への反逆を企てているのなら、 国防省の支持なしでやって欲しいと言い、大臣たちは部屋を出て行った。

部屋で書類を見ながら一息入れていたSheridanの元に慌てた様子のGaribaldiが現われ、 NarnとDraziの艦隊の30%が姿を消し、 Centauri本星攻撃に向かったようだと報告する。 始めはそれを疑ったSheridanだが、 このままでは数十万人の民間人の犠牲が出ると指摘され、 WhiteStar艦隊を率いて直ちにCentauri本星に向かった。

無事にホテルに収まったFranklinとLytaの部屋にDraziの医師が訪ねて来た。 彼はFranklinの問に対し、Centauriの戦死者の遺体はここには無いと答えるが、 Lytaは彼が何かを隠している事に気がついた。 そのときベランダの上から別のDraziが二人ロープで降りて来てFranklinと銃撃戦になる。 一人はFranklinが倒し、もう一人はLytaのテレパシーで自分の銃で頭を撃たされた。 二人はDraziの医師を脅して、DraziがCentauriの戦艦から回収した何かを隠している 場所に案内させる。

亜空間を飛ぶWhiteStarの操縦席にはLennierが座っていた。 そこにDelennが戻ってきたとき、4隻のCentauri艦隊が現われる。 彼女は直ぐに回避するように命じるが、Centauri艦隊に探知されて攻撃を受け、 WhiteStarは激しく損傷する。

FranklinとLytaがDraziの医師に案内させた場所には、 Centauri人の遺体ではなく謎の黒い装置が幾つも並んでいた。 医師は二人に、Centauri艦はどれも無人で、これらの装置がつながっていたと説明する。 Lytaがその一つを手にとり、「これを知っている」と呟いたとき、 部屋の向こうから何者かが撃ってきて医師が殺され、 二人はそのまま逃げ出す。

夜中に自分の部屋に戻ったLondoは、そこに摂政が居るのに気が付いた。 自分が艦隊に命令を出した事をあっさり認めた摂政は、 もうすぐ自分の時代は終わりお前の時代が来る、自分はもう疲れきったし、 この最後を見届けるのは忍びないと謎のような事を言う。

SheridanはWhiteStarの中で、Drazi本星のFranklinからの連絡を聞いていた。 FranklinはCentauri艦に取り付けられていたのはShadow技術の有機テクノロジーデバイスで、 これがあれば戦艦を遠隔操縦できるため乗員は不要だと説明する。 そしてCentauri本星の誰もが攻撃艦隊について何も知らなかったのはその所為で、 恐らくZ'ha'dumを脱出したShadowの残党がCentauriの高官に装置を売りつけたのではと言う。 しかしLytaはもう一つの可能性として、 Centauriは本当に無実で彼らに濡れ衣を着せるために何者かがこの装置を使っているのでは と指摘した。 DraziはCentauriと貿易上のライバルのため、この戦争が続く事を望んでおり、 また同盟に知れれば調査のために装置を取り上げられる事を恐れて その存在をひた隠しにしていた。 彼らの報告を聞いていたSheridanは、 この戦争はhadowの残党が仕組んだもので、 その目的は同盟を分裂させCentauriを他の国に攻撃させる事だと気がついた。 そして正にその狙いに嵌まって、 NarnとDraziがCentauri本星を攻撃に向かっている事に慄然とする。

破壊されたDelennのWhiteStarは亜空間を漂っていた。 意識を取り戻したLennierは艦の状態を調べてからDelennを介抱し、 彼女も意識を取り戻す。 攻撃でほとんどの乗員が死亡し、残ったエネルギーを使って艦は位置を保持していたが、 それが出来なくなれば亜空間を漂流することになる。 救難信号は送ったが届くか判らない、最悪の事態になったとLennierは言った。

牢獄の中ではG'Karが手帳に何かを書き綴っていた。
摂政は窓から空を眺め、艦隊に撤退命令を出すように求めるLondoに、 「そうすれば一時的には平和になるが長続きはしない、そう『彼ら』は言った」と答える。 そしてさらに、自分は明日の朝までに死に、その後をLondoが皇帝となって引き継ぐ、 正直言ってそれが嬉しい、「彼ら」の言う事を聴かずに済むからと続け、 「彼ら」とは誰だと問うLondoに、直ぐにお前にも判ると答える。 そしてここに来る直前に、「彼ら」の命令に従って Centauri本星を防衛していた艦隊を発進させ、 惑星防御システムを解除したと告げた。 それを聞いて顔をこわばらせるLondoに、 「もう直ぐ空が明るくなる、さぞ綺麗な光景だろう、自分はここで見届ける」と 続けた。 「嘘だ!」と叫んだLondoは部屋を飛び出し、宮殿の外に走り出て空を見上げた。 同じ時、牢獄のG'Karも窓から空を見上げる。 そのときNarnとDraziの艦隊は亜空間から出現し、Centauri本星に向かって砲撃を開始した。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

Johnが頼みがあると言ったとき、始めDelennが勘違いした彼からの贈り物とは何だろうか? 「それを身に付けるのは、Minbari人の感覚ではちょっと間抜けな感じがする」というのだが。

WhiteStarより大型の新型艦をMinbariと地球との合同プロジェクトで建造するという計画は、 " A Call to Arms"と"Crusade"の主役艦Excalibur(Victory級)登場への伏線である。 ただし実際には、Victory級の前にValen級という艦の建造が進められたらしい。 ("The Legend of the Rangers"の設定による。)

元々建造されたWhiteStar艦隊は何隻だっだのだろうか? WhiteStarはどうやら通し番号がついているようだが、 これまで三桁の番号は登場した事がないので、 多くても100隻を多くは超えないのではと想像される。

LytaがVirに要求した50万クレジットという金額はどのくらいの大金なのだろうか? "A View from the Gallery"で、 MackとBoは昼食のSpoo一個が10--15クレジットは高すぎると意見が一致していた。 すると1クレジット40--50円程度だろうか? とすれば、Lytaの言った50万クレジットは、2000万から2500万円という事になる。

Londoを連れ去って手術をした異星人は、Calorynに Shadow艦に同化するためのインプラントを取り付けたのと同一の種族である。 narumiさんの情報では、この種族は「TechnoMage三部作」の中で "Technician"と呼ばれている。
一方、Technicianと一緒にLondoを見下ろして「この男は使える」と言ったのは、 摂政の前に現われてKeeperの触角で首を締め上げたのと 同じ種族で、こちらがDrakhらしい。

Londoは実際にDrakhに何か(Keeper?)を取り付けられたのだろうか? それとも彼の見たのは現実ではなく予知夢だったのだろうか。 摂政もKeeperを取り付けられたとき、始めは悪夢を 見たのだと思っていたから、今回のLondoも現実のように思うが、 G'Karも襲われた事を全然記憶していないのはちょっと妙な気もする。


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