Babylon5 #94

#94 Strange Relations

粗筋

レポートを読みながら通路を歩くLochleyをDelennが呼び止め、 Johnが彼女を司令官に指名した理由を聞いたと言った。 Lochleyは始め「地球の人たちを納得させるため」という建前を口にするが、 もう一つの理由だとDelennは続けた。 LochleyはうろたえてDelennに詫びるが、Delennは大統領の決定を自分も支持すると告げた。 感謝するLochleyだが、この事は自分たちだけの秘密にしておいて欲しいとDelennに言って、 彼女はチューブに乗る 柱の陰でGaribaldiがその様子を見ていた。

展望室で外を眺めているLondoの元にZackが現われ、 彼をCentauri本星に乗せて行く輸送船が到着した事を告げた。 Londoは摂政の病気が重く、彼が死ねば自分が皇帝になってもうBabylon5には ほとんど戻れなくなるだろうとZackに言う。 Zackは皇帝になるのは夢だったのではと言うが、 Londoは夢で観た自分の死のシーンを思い出し、暗い気分だった。

ドッキングベイでは、トラブルを起こした地球の貨物船が 管制していたCorwinの指示を無視して強引に入港しようとして、 防御ドアに激突した。 この事故でドッキングベイは使用不能になるが、 Starfuryで様子を見に行ったLochleyは何とか早く再開できるように整備員に命じる。 戻って行く彼女のStarfuryと、Psi Corpsのシャトルがすれ違った。

医療室でLytaが大量の薬品類を持ち出そうとしている所にFranklinが現われる。 咎める彼に彼女は、Byronたちに届けるためだと言い、 迫害されていた彼らは医者を信用していないので医療室には来られないが、 薬品が必要だと説明した。 結局Franklinの黙認によって彼女は薬品類を持ってByronに会いに行き、彼らに歓迎される。 しかし突然一人のテレパスが表情をこわばらせ、Byronも「彼らが来た」と言った。 始めは何の事か判らなかったLytaだが、 Byronの導きで心を開き、Bester率いるBloodhound部隊が基地にやって来た事を知る。

Zackの留守中に彼のオフィスに座り込んでいたGaribaldiは、 Zackの部下からBesterが基地にやって来た事を聞き、血相を変えて飛び出した。 LochleyのオフィスでBesterが上機嫌で彼女と話している所に Garibaldiが飛び込んできて、彼に襲い掛かろうとする。 Lochleyは彼を突き飛ばし、「あんたには解っていない」と叫んで 尚もBesterに掴みかかろうとするGaribaldiを保安部員に連行させた。 部下の非礼を詫びるLochleyに、慣れているからとBesterは答えた。

DelennとG'Karが医療室にFranklinを訪ね、 異種族間の感染問題についての研究を提案した。 二人は同盟設立以来異種族の交流が進むにつれこの問題が脅威になっていると指摘し、 彼が同盟参加惑星を回ってこの問題を調査するか、 それが無理ならBabylon5の大使たちから実態の聞き取り調査を行う事を求め、 Franklinは快諾した。 医療室を出た後で、G'KarはDelennに 自分が未だ同盟に十分貢献している実感が持てないという。 Delennは、「注意しなさい、宇宙がそれを聞いていたら何が起るか」と答えた。

Lochleyをオフィスに呼んだSheridanはGaribaldiの一件に言及し、 BesterはGaribaldiの脳内に入り込んで人生を狂わせただけでなく、 自分を殺そうとした事も指摘する。 しかしLochleyは、Besterは地球政府の正式な要請で脱走テレパスを捕えるために この基地に来たのであり、地球の法では脱走テレパスは犯罪者である以上、 参加国の主権を尊重するという同盟の理念からして Besterに協力しないわけには行かないと反論した。 しぶしぶながらそれを認めるSheridanだが、 自分が安全を保障したテレパスたちを逮捕させる事はできないと言い、 Lochleyに解決策を考えるように求めた。

ドッキングベイの修理が進まず、痺れを切らせたCentauriの輸送船は Londoの乗艦を待たずに出発する事になった。 Centauri本星へのコースをセットした直後、輸送船は爆発を起こし木っ端微塵になる。
Zackの調査の結果、事件はLondoを暗殺するためのテロだと判明した。 その報告の最中にLochleyの個人ファイルをGaribaldiが引き出していた事が発覚し、 怒った彼女は拘束室に向かう。

Bloodhound部隊を率いて脱走テレパスの捜索に入ったBesterの前にLytaが立ち塞がり、 ここには誰も居ないと言って彼らを追い返そうとする。 Besterは部下に周囲を捜索するように命じたが、 Lytaはテレパシーによるショックを与えて彼らを動けなくし、 彼を殺す事になるかもしれないとBesterに警告した。 それなら司令官に頼んで警備班と同行してもう一度来ると言っBesterが立ち去った後、 疲労でよろめくLytaは、物陰から現われたByronに仲間を分散させて逃がすように言った。 Byronは彼女に礼を言い、キスをする。

拘束室のGaribaldiに向き合ったLochleyは、 事をはっきりさせようと、なぜ赴任してきた始めの日から自分を目の敵にするのか尋ねた。 彼は彼女を良く知らないからだと答え、彼女がBesterと親しい理由を問い返す。 彼女は嘗て勤務していた基地で脱走テレパスによる殺人事件が起きたとき、 Besterが犯人を拘束して部下の命を救ったために彼には借りがあり、 信用は出来ないがこれまで不快な思いをした事はないと答える。 それを聞いたGaribaldiは、こちらには彼を殺す十分な理由があると息巻いた。
次のSheridanがなぜ彼女を司令官に選んだのかという質問に対し、 自分は地球の統一を守るための象徴として内戦の敵側から選ばれた、と彼女は説明するが、 なぜ大統領はあなたを信用しているのかという問にはしばらく躊躇った。 そして誰にも話さないように念を押してから、 士官学校卒業直後に自分とSheridanとは結婚していたという過去を話す。 お互いに夫婦の主導権を取ろうとして大喧嘩の末、僅か三ヶ月で別れたが、 その結果今では相手を信用出来ると言う彼女に、 真相を知って唖然としたGaribaldiは笑いだした。 丁度そのときZackからLochleyに、Besterの捜査に警備班を協力させるようにという Earth Domeからの指令があったという連絡が入った。 誤解が解けたのだからもう自由にしてくれと言うGaribaldiに対し、 Besterが居るうちは駄目だと言ってLochleyは拘束室を後にした。

Bloodhound部隊によって脱走テレパスたちは次々と拘束されて行き、 柱の陰でその様子を見ていたLytaは唇を噛む。 肩を落とす彼女は、Besterの横に立ったZackが 司令室に途中経過を報告している場面に遭遇した。 彼女と目が合ったBesterはにやりとし、Zackは目を伏せた。 そのとき彼女は誰かがテレパシーで呼びかけたのに気づき、 その場を立ち去った。 やがて彼女の前に姿を表したByronは、すでに仲間の半数が捕えられた、 自分も投降すると言う。 投降すれば殺される、諦めずに一緒に戦おうと彼女は訴えるが、 彼は暴力に訴える事を望まず、 他人を信じ、仲間や彼女に幻想を与えたのが間違いだった、 自分の理想を他のテレパスたちに伝えて欲しいと告げ、 彼女の顔を手で包んで別れを告げた。

ミーティングでCorwinはドッキングベイの修理が終わり、 間もなくスケジュールが正常に戻るとLochleyに報告した。 Zackは今日中に脱走テレパス狩りは終わるだろうと報告し、 地球へのテレパス移送の引き伸ばし要請には返事がないとCorwinは付け加える。 ため息をついてLochleyがミーティングを終わらせた後で、 Franklinが彼女にDelennからの依頼で異種族感染の調査をするため 医療室での自分の仕事を一部Hobbsに委ねる了解を求めた。 それを聞いたLochleyは名案を思いつく。
その頃Bloodhound隊員がByronを見つけ、無抵抗の彼に襲い掛かった。

Delennは自分の部屋でG'Karに、Londoが暗殺されかけた経緯を話し、 G'Kar自身がLondoの護衛として共にCentauri本星に行く事を提案した。 始めは乗り気でなかったG'Karだが、 Londoと共にCentauri宮廷の全ての行事に参加できるという点が気に入って Delennの提案を受け入れ彼女に礼を言う。

殴られ拘束されたByronを連れて、 Besterは脱走者全員を拘束した事をLochleyに伝えた。 しかしLochleyは、彼らは何年も未知の星域を放浪していたため 危険な感染症に罹っている可能性があり、 規則によって60日間の隔離が済むまで地球には移送できないと通告する。 それでもBesterはByronだけでも連れ帰ろうとするがLochleyに拒否され、 60日後にまた来るまで彼らを逃がさず、絶対に信用しないように念を押す。
Besterらが出て行った後で、LochleyはZackにテレパスの拘束室の鍵を 目のつくところに放置してしばらく監視を怠るように命じた。 そしてByronに、60日は時間を稼いだがその後は基地から出る事は許さないと通告した。

LondoはDelennからG'Karが自分の護衛に付くという話を聞き、あきれながらも受け入れた。 出発ベイに向かう二人はどちらが通路側に座るかで早速口論を始める。

遅い夕食を食べているLochleyにCorwinが近づき、テレパスの一件の解決法に賛意を示した。 しかし彼女は自分が正しかったのか確信をもてない様子で、 Besterの方が正しかったのかもしれないと話す。 Corwinが立ち去った後、彼女はGaribaldiを拘束室から出すのを忘れていたのを思い出し、 直ぐに連絡をした。
その頃開放されたByronたちのグループは集会を開いて、 蝋燭を点した中で皆で歌を歌っていた。 そこにLytaが現われ、微笑んでその様子を見つめている。 やがて気がついたByronが彼女に目をやると、 彼女はPsi Corpsのバッジを外して彼らの輪の中に加わった。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

Londoの遠い祖先の一人は皇帝だった(Mollari一世)。

Londoを迎えに来たCentauriの輸送船は、Primus級戦艦と同じ形に見えた。 もちろん次の皇帝である彼を迎えるのに戦艦が用いられても不思議ではないが、 他の乗客も居るような話だったので、戦艦ではなく普通の定期便なのだろう。


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