Centauri本星(Centauri Prime)は巨嘴鳥座Zeta(Zeta Tuc)の第三惑星であり、
公転周期は625日、衛星は二つ。
主星は太陽とほぼ同じ主系列星(スペクトル型F9V)で、実視等級は4.22等である。
上の同定に従えば太陽系からの距離は23.6光年とあり、
それから計算すると絶対等級は4.92等級となる。
ただし#7 "The War Prayer"の中のLondoの発言によれば、
Centauri本星とBabylon5との距離は75光年、また地球との距離は70光年となっているから、
別の恒星という事になる。
いずれにせよ、Centaurus座とは関係がないようである。
Centauri人は男女の性を持つ哺乳動物であり、外見は地球人に似ている。
心臓が左右に二つあり、右の心臓は地球人のそれと同様の働きを持つが、
左の心臓は腎臓のような機能を持つ。
男性は腰に6本の長い触角を持っており、これが外性器の役割をする。
男性は扇を広げたような髪型をしており、
この大きさは社会的な地位が高いほど大きくなる。
一方女性は頭髪を剃りあげる習慣があり、
後頭部に一筋だけ残した髪を、
ポニーテールのように垂らしている事が多い。
Centauriは地球より古い文明であり、
地球暦紀元前3000年頃にCentauriの文化はローマ帝国と同水準に達していた。
その頃Centauri本星には、現在のCentauri人の他にXonという別の知的種族が生息していた。
Xonは現Centauri人より大型で肉体的には優位だったが、文化水準は劣っていた。
両種族は別々の大陸で進化し、始めのうちはごくわずかの接触しかなかったが、
地球暦紀元前738年頃にCentauri人がルネッサンス時代に入り、
大都市を築き大洋を渡る事ができる技術水準に達すると、
Xonとの絶え間ない争いが起るようになった。
そしてある年に、Xonの奴隷の内通によってCentauriの大都市にXonの軍隊が攻め入り、
200万人のCentauri人が全滅するという悲劇が起った。
この知らせがきっかけとなって、それまでは相互に争いを続けていた
Centauri人たちは団結し、両種族は全面的な戦争状態に入った。
Xonとの戦争が始まった頃のCentauri人の人口はおよそ8億人だったが、
地球紀元262年(ただしページ末のMemoを参照)に
遂に全てのXonが一掃されたときには、
生き残ったCentauri人は600万人に減少していた。
この千年に渡るXonとの戦争の間に、現在のCentauriの社会体系がほぼ形作られた。
生き残ったCentauri人たちは、Xonとの戦争の指導者だったTuscanoを皇帝に選んだが、
そのときに三人のTechnoMageが現われて彼を祝福したと伝えられている。
Tuscano皇帝は激減した人口を増やすために、全ての成人した男性に妻帯を命じ、
女性たちには子供を持つように命じた。
Tuscano皇帝の時代、Centauriの文明は20世紀の地球とほぼ同等の水準にあった。
しかし皇帝の治世の末期に、Shoggrenという異星人種族がCentauriに侵略を試みる。
彼らを撃退する副産物として、
Centauri人は一気に原子力と宇宙航行の技術を侵略者から得た。
そして次々と自分たちの太陽系内の惑星に植民地を作っていった。
その過程で太陽系内にジャンプゲートが発見され、
ジャンプエンジンが開発されると共に、
彼らは他の恒星系にまで進出して行く。
この時代はちょうどVorlon-Minbari連合とShadowとの戦争が終結した直後であり、
ほとんどの宇宙航行種族が戦火によって没落していたため、
Centauri人たちが出会った異星人種族のほとんどは彼らより科学技術の水準が低く、
彼らは容易に征服してゆく事が出来た。
しかしCentauriとほとんど同等の技術水準にあったDilgerに関しては、
また彼らについての色々な噂を聞いていたために、
Centauriは彼らとの接触を避けた。
一方MinbariはCentauriを凌駕する科学技術を持っており、
最初の接触後直ぐにCentauriは彼らと戦っても勝つ見込みがない事を悟った。
そのためCentauriはそれ以降は武力ではなく外交術と貿易によって
領土を拡大してゆく。
地球暦で1695年頃には、Centauriは127の太陽系と309の植民地を持ち、
共和国は最盛期を迎える。
Minbariは彼らより優れた科学技術を持っていたが、
彼らのような帝国主義を持っていなかったため、
Centauriは銀河の1/4を支配する事となった。
(この数字は大げさに過ぎると思われる。
ここで使われている"quadrant"を直訳すると「四分円」となるが、
文字通り「銀河の1/4という意味ではないようだ。)
この最盛期は200年間続いたが、あまりにも広い領土を治める事が困難になって、
共和国の没落が始まった。
20世紀の中ごろには、これまで征服した多くの惑星の原住民たちが次々と反乱を起こし、
Centauriの艦隊を奪って本国政府の艦隊と戦いを始めた。
40年の戦争によってCentauriはほとんどの植民星を失い、旧共和国は没落する。
しかしその後、重力統御技術などを発見したCentauri人たちは、
共和国の再建に乗り出した。
十分な軍事力は未だ不足していたため、もっぱら外交によって
彼らは旧領土を回復し始め、同時に新たな植民星を開拓して行く。
このCentauriの第二次黄金期に、Narnが発見された。
Narn人たちはCentauriの征服者を自分たちの伝説の神として迎えたため、
その錯覚を利用してCentauriはこの豊かな惑星を容易に征服してしまった。
しかしやがて錯覚に気がついたNarn人たちは粘り強い抵抗運動を始め、
NarnはCentauri共和国の癌と変わった。
数十年に及ぶ反占領レジスタンスとの戦いの間に
CentauriはNarnの富を収奪し尽くし、遂にNarnから撤退する。
これによって第二次黄金時代は終わりを迎え、
Narnの他にも幾つもの植民星が独立した。
独立したNarnは嘗ての収奪者への恨みを忘れず、
Centauriを目の敵にしてその領土を蚕食し始めた。
しかし没落した共和国は、NarnやDilgerによる侵略に
有効な手段を打つことが出来なくなっていた。
しかしながらそれでもCentauriは大国であり、強力な国力を維持している。 Babylonプロジェクトには、資金援助を行っている。
明らかに帝政であるにも関わらず、共和国と呼ばれる理由は不明である。
恐らくモデルの一つであるローマ帝国が嘗て共和制だったため、
その連想によるものであろう。
近代史部分はむしろスペインや大英帝国がモデルになっているようだ。