Babylon5 #21

#21 The Quality of Mercy

粗筋

Londoは元老院議員からの通信で、 Babylon5において他の種族とより友好的関係を発展させるのが重要だと訓令を受けていた。 彼は自分は最善を尽くしていると抗議するが、 議員は彼により積極的に働くように叱責した。
暫くしてLondoはLennierに会い、 彼が異星人とどのように友好を深めているかを尋ねる。 Lennierが自分はもっぱら本から異星人文化についての知識を得ていると言うと、 Londoはすかさず、自分が真のBabylon5の案内をしてやろうと申し出た。

その頃Babylon5の法廷では、Wellington判事がKarl Edward Muellerという男に、 ステーションの居住者二人と保安部員一人を殺した罪で有罪を宣告していた。 刑の詳細は明日の朝宣告すると判事は述べた。
DownbelowでFranklinが非合法な無料の治療所を勝手に開いている事を知ったIvanovaは、 そこへ行って彼を責めていた。 彼女は治療所の閉鎖は求めなかったが、これは地球資産の違法流用であり、 管理責任を問われる可能性があるのだから、自分にも前もって話しておくように求める。 そして彼の強情さに苦笑しながらも、求めに応じて治療を手伝った。

GaribaldiはWellington判事, SinclairそしてTaliaと、Muellerの運命について話していた。 Muellerが恐らく今回の件以前にも何人もを殺していると確信しているGaribaldiは Spacingこそ彼にふさわしい刑だと主張するが、 判事は法的には三つの可能性しかないという。 一つは地球への送還だが、司令官が言うように地球政府はそのための費用を出すつもりはない。 二つ目は基地での終身刑だが、Garibaldiは既にここには十分囚人が居ると指摘した。 そして三つ目は「人格消去」でこれはTaliaがしぶしぶ認めたように彼女の助けが必要となる。 犯罪者のスキャンをするのは精神的に負担が大きいため、その仕事をやりたがるテレパスは稀で、 自分の代わりが来ると期待できないと知っている彼女は、 仕方なく判事の依頼を引き受けた。

FranklinはDownbelowでの自分の治療所の患者が減っているのに気がつき、 調査した結果Laura Rosenという女性の別の治療所にたどり着いた。 彼女は異星人の器具を使って奇妙な治療をしており、 彼は彼女を偽医者だと決め付ける。 押し問答をするうち彼女の娘のJaniceが帰って来て、彼を追い返した。

翌日、Wellington判事はMuellerに人格消去を言い渡した。 彼は記憶を消去されて新たな記憶を植え付けられ、 一生を奉仕活動に捧げる事になる。 彼はその判決を聞いて激怒し、警護の保安部員ともみ合いながら連れて行かれた。
Franklinは記憶消去の装置をチェックしてくれるようにGaribaldiに頼むついでに、 Laura Rosenについて調べてくれるように求めた。

LondoはLennierをエロチックダンスを披露するクラブに連れて行き、 二人の飲み物を注文してから彼にこれこそBabylon5のいわば内臓だと説明した。 彼は自分のカードを忘れてきたと言ってLennierに代金を払わせるが、 Lennierが少量のアルコールでもMinbari人は凶暴になると言うと、 慌てて彼の飲み物を水に替えさせた。

市場の出店でJanice Rosenが装飾品を売っているのを見かけたFranklinは、 彼女に母親の事を尋ねてみた。 彼女は母のLauraは元は本当の医者だったが、興奮剤の依存症になって 患者を殺してしまい、医師資格を剥奪されたと説明する。 そしてその後彼女はどこかであの異星人の装置を手に入れ、 それを使って治療行為を再開したという。 Janiceは治療を再開した事で母が笑顔と希望を取り戻したと訴えるが、 Franklinは彼女の治療はごまかしだと決め付け、 もし本当に効果があるならなぜ地球に戻ってその発見を公表しないのかと尋ねた。 Janiceは母にはそんな余裕は無いと言うが、 Franklinは彼女が母親に真実を告げたくないのだと言った。 Janiceは彼にこれ以上母に手を出さないように警告して立ち去った。

Lennierが自分が受けた教育についての話に夢中になっているのを Londoは退屈しきって聞いていた。 彼はMinbariの97もの方言を学び、その後数学、特に確率論を学んだという。 これを聞いてLondoは急に生き返り、 ステージを離れてポーカーテーブルに彼を引っ張って行った。

準備の出来たTaliaはスキャンの為にMuellerの独房に入った。 彼は非協力的で自分を恐れる彼女をあざ笑ったが、 最後には彼女のスキャンを受け入れた。 彼女が見たのは、Muellerの視点に立った保安部員の死の場面だった。 しかしそれだけではなく、彼の犠牲者の顔が次々と現われた。 彼は心の中で自分の犠牲者で聖歌隊を作り、 天国と同じくらいの歌声を聞けるまでその数を増やそうと考えていた。 「まだ序曲が始まったばかりだ。」 彼はそういって笑い、Taliaはスキャンを打ち切ってよろめいた。

LondoとLennierは地球人二人とポーカーを始めたが、 Lennierは自分の手を見て無邪気にこの手が出来る確率は1/5000だと言う。 それを聞いた相手は直ぐに降りてしまい、 Londoは彼に黙っているように命じた。

Franklinは治療所の助手からLauraの患者の経過報告を受け取った。 始め彼はこれをJaniceに見せて彼女の母の治療は役に立っていないと説明するつもりだったが、 それに目を通した彼は急いで飛び出した。
彼がLauraの治療所に飛び込んだとき、彼女は異星人の装置を使って 女性の患者を治療している所だった。
彼は彼女に医療用スキャナーを向け、彼女の治療中ずっと観ていた。 治療が終わり患者の具合が明らかに良くなって出て行った後、 彼は彼女に謝罪してから治療の間彼女のライフサインが15%も低下した事を指摘した。 彼女はそれを認め、この機械は生命力を人から人に与える装置で、 恐らく元は刑罰の道具として使われた物だろうが、 注意して使えばドナーを殺す事はないと説明した。 Franklinはこの装置での治療によって彼女は自分の命を削っている事になるというが、 彼女は自分はLake症候群に罹っていてどちらにせよ余命3年だと言った。 そして自分の身になにかあったらこの装置を彼に譲るが、 そのかわりJaniceにはこの装置の真の作用を知らせないように求めた。

GaribaldiはTaliaが庭園に居るのを見つけた。 彼女はMuellerに対する人格消去後の比較のためのスキャンは済んだ事を告げた後、 彼の心は今まで彼女がスキャンしたどんな異星人よりも非人間的だったと言った。 そしてGaribaldiが彼が以前にも人殺しをしていると言ったのは正しかったとも言う。

ポーカーテーブルでは、Londoが荒い息をして服を緩めた。 すると何かが服の下から出て、動き出した。 彼が自分の手を確認しているときに、 テーブルの反対側の山札の所に触手が現われ、一番上のカードをそっと取った。 そしてLondoはそのカードを自分の手のカードと取替え、 触手はそれを山に戻した。

Garibaldiと彼の部下はMuellerを護送していた。 移動チューブのドアが開いたとき、Muellerは警備の一人に襲い掛かり、 彼の武器を奪って中に飛び込んだ。 ドアが閉まる直前にGaribaldiは彼を撃ったが、 彼は怪我をしたまま別の階で移動チューブを出て逃走した。

Londoは別のカードをすりかえようとしたが、ジョッキの下に触手を挟まれてしまう。 彼は具合が悪そうな様子で、何とか触角を抜こうとするがうまく行かず、 ジョッキが揺れるのに気づいた男がいかさまに気がついてLondoを咎め、 テーブルをひっくり返しての乱闘になった。 Lennierはあっさりと二人の男をノックアウトするが、 クラブ中の人間が集まってきて、 Londoと戦いの構えをするLennierを取り囲んだ。

FranklinはMuellerに襲われた警備員を治療し、 直ぐにDownbelowの自分の診療所にPPGで怪我をした男に注意するように連絡した。 そしてLauraの治療所に向かったが、 そこにはJaniceにPPGを突きつけ、Lauraに治療を迫るMuellerが居た。
治療が終われば彼が娘を殺すつもりだと知ったLauraは 治療装置をいじって自分のLake症の痛みを彼に送り込んだ。 するとMuellerは痛みのあまり床に崩れ落ちた。 彼女は「これがLake症よ」と言い、その苦しみの症状を並べたてた。 終わったときMuellerは動かなくなり、 Franklinは彼が死んでいるのを確認した。

しばらく経って、Wellington判事の法廷でLauraは正当防衛を認められ無罪を言い渡された。 しかし彼女の使っていた異星人の機械は当局に没収され、 Franklinが預かって研究する事になった。 彼女のLake症はMuellerに送ってしまったため 彼女は完治しており、寿命が延びた彼女は過去を償う方法を探す旅に出る事にし、 Franklinが娘のJaniceの面倒を見ることになった。 さっそく彼は彼女をディナーに誘う。

SinclairはLondoとLennierに、クラブでの乱闘の原因について説明を求めたが、 Lennierは自分がゲームのルールを誤解したために議論していただけだと主張する。 Sinclairはそれを信じなかったが、外交特権に免じて二人を釈放した。
司令官が立ち去った後、LondoはLennierに彼が自分の名誉を救ってくれた事を感謝した。
Lennierが彼の触手について質問すると、彼は傍にあったCentauriの彫像を示した。 それは腰の後ろから六本の長い触手が広がっており、彼はこう言った。 「これはLi, Centauriの情熱の神で、合体した男女を表している。 君たちは今までこれを単なる装飾だと思っていたんだろう?」


印象に残ったシーン、台詞


Memo

「嘘をつかない」と言う事になっているMinbari人のLennierが、 Londoを庇って嘘をついている。 これは誰かの名誉を守るためには嘘が許される、という事になっているためである。

Centauri人は、地球人と「服の外に出ている部分はほぼ同じ」と言われている。 しかし「服の中」はかなり違うようだ。 この触手の話は、ずっと後にVirとIvanovaの会話に出てきて 彼女をどぎまぎさせる。(#56 Sic Transit Vir)

「人格消去」は、この世界においては死刑に替わる極刑と見なされているようだ。 確かに「人格」そのものは死刑になるのと同じだから論理的にはそうなのだが、 被害者側は犯人(と同じ顔の人間)が正義人面をして堂々と生きているのだから、 受け入れがたいのでは。 この点も後の話で扱われる。(#48 Passing through Gethsemane)

最初のシーンでLondoに訓令を与えていたCentauriの元老院議員は、 日本語の吹き替えでは女性になっているが、髪型はどう見ても男性である。 それともCentauriでは、公職についている女性は男性と同じ髪型にする決まりなのだろうか?


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