Babylon5 #29

#29 Soul Mates

粗筋

Garibaldiは、Virが税関エリアで口上を何度も復唱しているのを見つけた。 彼はLondoの三人の妻たちを出迎えるためにここで待っていたが、 そこに現れた一人目のTimovは一方的に不満をぶちまけて、 Londoの所にすぐに連れて行くようにVirに求めた。
二人が立ち去った後、Garibaldiは二人の男が諍いを始めたのに気を取られる。 しかしぶつかられて怒っていた男は、 突然怒りの原因を忘れたように立ち去った。

GaribaldiはSheridanに税関での一件と、 ぶつかった方の男はStonerという自由貿易商であると報告した。 彼はこの件がなぜ気になるのか説明できなかったが、何か匂うと言う。 そのときオフィスにTaliaが入ってきて、Stonerの名前に反応した。 それは彼女の別れた夫だった。

Londoがバーで大勢の知り合いを集めて大騒ぎしている間、 VirはLondoの部屋でTimovの相手をしていた。 TimovはVirに、Londoがなぜ自分をここに呼んだのか、 また一体何をしているのかと尋ね、Virの言い訳には耳を貸さずに Londoへの不満をぶちまける。 彼女がVirにあれこれ尋ねているとき、二人目の妻Daggairが部屋に入って来た。 従順な妻を装うDiggairにTimovは噛み付き、 二人の妻はたちまち口喧嘩を始めた。

SheridanはTaliaが地球歴史展の展示品を眺めているのを見つけて、 なぜ急いで彼のオフィスから出て行ったのかを尋ねた。 彼女は何も話したくないと言い、さらにしつこく彼が尋ねるのは 司令官の仕事ではないと反発した。 しかしなおも彼は友人として話して欲しいと彼女に迫った。

Delennに呼ばれたIvanovaが彼女の部屋のベルを鳴らすと、 中から彼女の困りきったような声が答えた。 他に誰も居ないのを念押ししてからドアが開き、 中に入ったIvanovaはDelennの姿を見てびっくりした。 彼女の髪はもじゃもじゃで絡まり放題になっていた。 Delennは自分が変身したのはMinbari人と地球人との橋渡しとなる為で 大きな名誉と考えていたがこんな事になるとは思わなかった、 この髪の毛をどう扱ったら良いか解らないと、 泣きそうな声でIvanovaに訴える。 Ivanovaが彼女の髪が傷んでいるのを指摘すると、 Minbari人は生まれ変わりの象徴として、 ある種の化学薬品で毎朝肌を洗浄するが、 その薬品を髪に使ってみたと彼女は答えた。 Ivanovaはこれからは替わりに入浴するように勧め、 彼女の髪の手入れを手伝うために、司令室に暫く先約が入ったと伝えた。

Taliaの話では、彼女とMatthew StonerはPsi Corpsのトレーニングで知り合い、 子供が二人以上のテレパス能力を持つだろう事が判明したために Psi Corpsによって結婚させられたが、 すぐに結婚は失敗だったと解った、 その後Matthewは何らかの方法でPsi Corpsを脱退し、二人は離婚したという。 Sheridanは彼がどうやってPsi Corpsを抜けられたのか興味を持つが、 Taliaもそれについては全く知らなかった。

G'KarはSheridanとZocaloを歩きながら、 彼がもう基地の運営に慣れたかどうか尋ね、 自分の権限を踏み超えないようにと言った。 Sheridanがなぜ今日は皆同じ事を言うのかと答えると、 G'KarはSinclairと同じ事が彼に起こるのを心配しているのだと説明した。 そして自分はなにか異常な事があると頭痛が起こってそれを察知出来るが、 この所頭痛がひどいと言い出す。 そのときご機嫌な様子のLondoが現れ、 今日は自分にとって記念すべき日だと言ってG'Karの健康を祝した。 それに対してG'Karは頭を抑えて立ち去った。

TimovとDaggairがVirと待ちくたびれている所にやっとLondoが戻ってきた。 彼は二人に自分の昇進30周年の記念として 皇帝が彼の望みを叶えてくれる事になり、 彼は離婚を望んだと話した。 しかし皇帝は3人のうち一人だけは残すように命じたため、 彼は妻たちをここに呼んで誰を残すか決める事にした。 彼から財産を奪ってきた妻たちのうちの二人を 明日には全てを奪って放り出すつもりだと彼は話し、 それを聞いた二人が再び口論を始めたとき、三人目の妻のMarielが現れた。

StonerはZocaloで別の商人に自分の商品を見せていたが、 そのほとんどはガラクタだった。 しかし商人はCentauriの彫像にだけは興味を示す。 そこにGaribaldiがやって来てStonerに商品の出所を尋ね、 彼を保安オフィスにしょっ引いた。

LennierがDelennの部屋に入ると、 彼女の頭はヘアカーラーで覆われて傍にIvanovaが立っていた。 彼は彼女に、Londoからパーティーの招待状が届いたと伝え、 彼女は出席すると答えた。 Lennierは自分の見た光景に首を傾げながら部屋を出て行った。

StonerはGaribaldiが彼の行動について色々と追求するのに対して、 なぜ自分をしつこく追いまわすのか判らない、と主張した。 そして自分はTaliaの友人だというGaribaldiに、 彼女との性生活についてあれこれしゃべり始め、彼を激高させる。 Garibaldiは彼がTaliaに近づくのを見たら只では置かないと警告するが、 Stonerは平気な顔をして出て行った。

MarielはZocaloで道に迷った振りをして 通りかかったSheridanに話しかけ、彼を誘惑する。 その様子を見かけたLondoはSheridanを脇につれて行き、 彼女は明かりに飛んでゆく蛾の様に権力を持つ男にいつも擦り寄っていくが、 最後に焼け死ぬのは男の方だと、警告した。

カフェで注文しようとしていたTaliaの横にStonerが座り、 彼女が立ち去ろうとするのを制した。 彼女がなぜ彼がここに来たのか尋ねると、彼は彼女に自分との復縁を求めた。 彼女は拒否するが、彼は彼女がPsi Corpsに属しているのを望んでいない事を指摘し、 自分はテレパシー能力を失う事によってPsi Corpsを抜けられた、 彼女にも同じ事ができると言う。
しばらくして彼と別れた彼女にGaribaldiがStonerの事を話し掛け、 彼女の安全を自分が気にしている事を説明するが、 彼女は自分にかまわないでくれ、と答えた。

Londoの部屋にMarielがやって来て、 自分は彼を愛しているので自分を妻に残すよう求め、寝室に誘う。 するとDaggairが寝室から顔を出し、同様の事を言った。 しかしそこにやって来たTimovは、 彼のハーレムの一員で居るのはうんざりだと言い、 彼に平手打ちを食わせた。

Garibaldiの部屋にTaliaが訪れ、先ほどの非礼を詫びた。 しかし彼女はBabylon5を去る事にしたと言って彼を驚かせる。 彼女の説明では、StonerはPsi Corpsのテレパシー能力を強める実験に参加して かえって能力を失ってしまい、その結果Psi Corpsを抜けられたのだという。 彼と同じ方法でPsi Corpsを抜けて、彼とやり直す事にしたという彼女を Garibaldiは止めようとするが、彼女は聞かなかった。

MarielがStonerが売ったCentauriの彫像を商人から買っている横では、 IvanovaがSheridanに今夜のLondoのパーティーには、Centauriの習慣に従い 出席者は裸足でなくてはいけないと注意していた。
Londoの巨大な肖像画が飾られたパーティーの席に、 G'Karが靴を履いた正装で現れた。 Londoの妻たちは彼の行為をLondoへの侮辱だと非難し、 彼も正にそのつもりだとやり返した。 しかしLondo本人は全く気にせず上機嫌な様子だった。 肩透かしを食ったG'Karは立ち去るときに、 気がつかれないようにしてMarielに何かを投げ渡した。
一方Garibaldiは髪を整えて出席したDelennに目を見張った。 彼女は彼が浮かない様子なのに声をかけ、 彼はTaliaに振られた事をほのめかす。 対してDelennは、魂の輪廻に関するMinbariの言い伝えを話した。
Londoは招待客からのプレゼントの包みを開け始める。 Lennierからのプレゼントはカードのセットだったが、 希望通りにカードに印をつけておいたと彼は無邪気に口にし、 Londoは聞こえなかった振りをして、 妻たちからのプレゼントを開ける。 それはMarielが買いも求めたCentauriの彫像だったが、 その目から突然針が飛び出してLondoの額に刺さり、 彼はその場に崩れ落ちた。 Sheridanは直ちに医療チームを呼ぶ。

FranklinはSheridanにLondoは輸血しなければ死ぬが、 Centauri人の血液のストックが無く、 彼の血液型が特殊なため提供者も見つからないと報告した。 意識不明のLondoのベッドの横では、 Marielが他の二人の妻に自分は彫像に毒針が仕掛けられている事を知らなかったと主張していた。 Daggairは彼女を追い払い、彼はまだ正式には離婚を発表していないから 彼が死ねば自分達の身分は安全だとTimovに言った。 Timovは彼女の薄情さを非難し、自分は彼を見守ると言った。

StonerはGaribaldiの尋問に対し、 あの彫像はCentauriの見捨てられた植民星で発掘したと説明した。 Sheridanによるとその星の植民地はNarnによって破壊されたもので、 彫像はNarnによる罠だったのでは、と言う。 GaribaldiはStonerを拘留し、G'Karに彫像について質問に行った。

Franklinの元にTimovが現れ、自分の血液型はLondoと一致していると告げた。 なぜ初めから教えてくれないのかとFranklinがなじると、 彼女は本当は彼を見捨てるつもりだったが、 このような形で彼に勝つのは本意ではないと答え、 彼に自分が提供者だと明かさないという条件で血液の提供を申し出た。

警備班のLou Welchが入ってきてGaribaldiにStonerの話は全て真実だったと告げた。 しかしGaribaldiがもう一度Stonerを尋問しようとすると、Welchは彼が食事中だと言った。 なぜ規定の時間外に食事を出したのか尋ねるGaribaldiに、Welchはなぜだか判らないが 彼に好意をもってしまったと答えた。

Londoが意識を取り戻すと、3人の妻たちとFranklinに囲まれていた。 DaggairとMarielはLondoが良くなって嬉しいと言うが、 Timovはただ疲れたと言い病室を出て行き、残りの二人も出て行った。 LondoはFranklinに3人の妻とも悪夢だが、Timovは最悪だと言った。 対してFrankilnは、人生は忍耐だと言い、Londoも同意した。

StonerはやはりPsi Corpsを抜けたくないというTaliaを説得していた。 彼女はテレパシー能力は自分の一部で、それを失うのはいやだと主張したが、 突然考えを変えて、StonerとBabylon5を離れる事に同意した。 しかし二人が部屋を出ようとした所で GaribaildiがStonerを拘束し、Taliaに実験への協力の礼を言った。

G'Karは自分の部屋でMarielを前にして、 今回のLondoの事件について話していた。 そのなかで彼は、事件が自分と彼女の共謀による暗殺未遂だった事を ほのめかし、彼女がもっと注意して調子に乗らないように警告するが、 彼女は相手にしなかった。

SheridanはStonerに、Psi Corpsが彼を釈放するように 圧力をかけてきた事を告げ、 彼が依然としてPsi Corpsの一員であり、 テレパシー能力を失ったのではなくそれをエンパシー能力に 転換したのだと指摘した。 Stonerはその能力を使ってその場を逃れようとしたが、 Garibaldiによって、部屋の周囲は警備班で固められていた。 Garibaldiは、Psi Corpsは彼とTaliaとの間に さらに強いエンパスを生ませようとしていたのだろうと言った。 Stonerは自分と一緒に行くようにもう一度Taliaを説得するが、彼女は拒否した。

Virは地の出港ゲートの前で、 妻の座に留まったTimovにLondoの今後の予定について説明していた。 DaggairとMarielは今回の決定に不満な様子で、 Londoは大きな過ちを犯したと責めるが、 Londoは彼女らにも十分な手切れ金を渡すのでそれで我慢するように言う。 二人が先にゲートをくぐった後で、 TimovはLondoにお互いに愛していないのが解っているのに なぜ自分を残す事にしたのか訪ねると、 彼は彼女といると自分の身のほどが解るからだと答えた。 そして彼女の出発を見送る。

DelennはIvanovaに駆け寄って、今回の彼女の助けに感謝した。 Ivanovaが他に何かあればいくらでも相談に乗ると答えると、 彼女は少し前から突然の腹痛が始まっている事を打ち明けた。


印象に残ったシーン、台詞

Delennが泣きそうになってIvanovaの助けを求め、髪がどうしてもまとまらない、 と訴えるシーンは笑える。 多分彼女は、Ivanovaのように髪をまとめる事に漠然とあこがれていたのだろうか。


Memo

この前の#27,28とDelennは登場していない。 もしかすると、髪のトラブルで暫く人前に出られなくて困り果てた結果が 今回のIvanovaへの相談につながったもかもしれない。

Delennの「突然の腹痛」は、はっきりと書いていないが 生理が始まったという事だろうか。

G'Karは今回のLondo暗殺未遂に関わっていたらしいが、 彼とMarielとStonerの3人の関係が良く解らない。

ここでの「エンパシー」とは、他人の感情を操作できる能力を言う。 Foundation SeriesのMuleの能力のようなものだろう。

Centauriでは嘗てのXonとの戦いによって男性の数が極端に減り、 その時以来男性は三人の妻を持つのが伝統になっている。

Londoが嘗て言っていた、 彼が結婚して直ぐに後悔した相手の元踊り子というのは 三人のうち誰だろうか?

Timovの言葉によれば、 彼女が彼と結婚して20年経つらしい。


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