Babylon5 #70

#70 Falling toward Apotheosis

粗筋

Ivanovaによる映像放送が続いていた。
彼女はVorlon艦隊によって次々と植民星が壊滅させられている事を報じ、 難民を受け入れている惑星のリストを挙げた。 画面にはPlanet Killerを含むVorlon艦隊の映像が写っている。 放送は20分おきに繰り返し伝えている。

Babylon5のドッキングベイは、Vorlonの攻撃からの避難民によって大混乱になっていた。 一人の地球人女性が夫を探し回っていたが、 混乱の中で転んで群集の下敷きになりそうになる。 その手を掴んで救い出しZackに彼女を引き渡したのは、Sheridanだった。 彼とLorienとが去っていくのを見ながら、女性はZackに彼が死から蘇ったというのは 本当ですか、と尋ねる。 Zackはここではなにが本当の事なのか判らない、と答えた。
Lorienは人々が彼について言っている事を聞いたかとSheridanに尋ね、 彼ら全員を救う事は出来ない、という。 しかしSheridanは困難でもやってみると答えた。

Garibaidiは私室でドッキングベイでの混乱の監視映像を見ていた。 彼はSheridanに常に付き添っているLorienの動きを監視しており、 様子を見に訪れたZackに彼の正体が不明で胡散臭い、と言う。 Zackが彼は司令官が命の恩人だと言っており、 それよりGaribaidi自身はもう大丈夫かと尋ねると、 彼は怒りを爆発させ、司令官が「一度死んでから蘇った」などと言っているのを 皆がそのまま受け入れているのに、なぜ自分の方はいつまでも腫れ物に触るような 扱いをされるのだと詰め寄った。 Zackは単に皆が彼の事を心配しているからだと言い、 Ivanovaが再検査で異常がなければ彼に職務に復帰するよう求めていると伝えた。 最後にGaribaldiは、司令官が自分を避けているようだとZackに訴えた。

Londoは皇帝に呼ばれてCentauri本星の夜空を見上げていた。 そこに現れたMordenがVorlon艦隊がShadowの影響下にある惑星を次々と破壊している と教えた。 彼はびっくりして彼にCentauri本星にいるShadow艦隊の即時撤退を求めたが Mordenは拒否し、逆にCentauri艦隊に本星への封鎖陣を敷いて Vorlon艦隊を阻止するように求めた。 Cartagia皇帝もMordenを支持し、Londoは黙り込む。 Mordenが去ったあと皇帝はLondoに、艦隊を送るつもりなどないと言い、 安心した彼について来るように命じた。 嘗ての廷臣たちの首が並ぶ小部屋に彼を案内した皇帝は、 これは自分の「影の内閣」だと紹介して、ここで色々な事を考えると言う。 そしてLondoに、このままVorlonにCentauri本星を破壊させ、 自分が神になるための生贄とすると言い出し、 「国は炎の中で燃やしてしまえ」とうそぶいた。

医療ラボでFranklinはGaribaldiの再検査をしていた。 最後に彼の首の後ろをチェックし、 Shadow艦に同化された痕跡が無い事を確認して検査は終了した。 GaribaidiはたぶんShadow艦が亜空間にジャンプしたときに巻き込まれて 自分は基地から遠く離れた場所に飛ばされたのだろうと言ったが、 Franklinが手袋を脱ぐのを見て、一瞬自分が何かの処置を受けていたシーンが蘇った。 Sheridanが入ってきて、自分の検査の結果を尋ね、二人は部屋を出て行った。
Ivanovaの放送映像がスクリーンに再び現れた。 彼女はさらに別の植民星からの連絡が途絶えたが、 Vorlonが通信を妨害しているため詳しい状況は不明だと伝えた。 そしてさらに三つの基地が破壊され、Sector57の全政府が非常事態を宣言した事を伝え、 難民を運ぶためあらゆる種類の船が必要だと訴えた。

ちょうど放送が終わる前に、DelennがSheridanの部屋に入ってきた。 彼はIvanovaの声が恐れを露にしており、このような彼女を見るのは初めてだとDelennに言った。 そのあと彼は二人だけで会うのは自分が帰ってきてから初めてだと言う。 彼女は本当の事を話さなかったのは彼を失う事を恐れたからだが、 それと同じくらい、彼が帰ってきた後で彼女の事を許してくれない事を恐れていたと打ち明けた。 彼は彼女の行為は正しかったと慰め、Z'ha'dumで最後の瞬間に彼を救ったのは 彼女の微笑みの記憶だったと打ち明けた。 そして「こんなに愛しているのに許さないなんて」と言い、 二人は抱き合った。

作戦室でIvanova, Garibaidi, FranklinとZackが基地の現状について話し合っていた。 Garibaldiは既に基地は定員オーバーの状態で、この上難民が押し寄せて 入港の権利を争い出したら大変なことになる、と指摘した。 FranklinがEpsilon3を中立地帯として難民受け入れに使えないかと提案している所に、 Sheridanが一人で入ってきた。 彼はGaribaldiに新Koshが居る限りVorlonに対して有効な手が打てないため、 彼を基地から退去させる必要があると言い、Garibaldiに処置するように命じた。 GaribaldiはVorlon艦隊に対する作戦を尋ねたがSheridanは彼に教えてはKoshに 心を読まれると言って打ち明けなかった。 彼がむくれながら出て行ったあと、Ivanovaは彼が余計にひねくれたと言い、 心配したZackは彼の後を追う。 そこにLorienとLytaが入ってきた。 SheridanはLytaに準備を尋ね、彼女はやってみると答えた。 LorienはShadowが旧Koshを殺せたのはFirst One同士だからで、 彼らが怒りに燃えたVorlon人に対抗するのは難しいと警告する。 Franklinが尋ねたのに対し、Sheridanは このまま新Koshがここに居てはあと何十億人も死ぬ、 必要ならどんな手段を使っても彼を排除する、と答えた。

Garibaldiは5人の部下を率いて新Koshの部屋に入った。 彼が司令官からの命令として基地からの退去を命じ、船まで護送すると言ったのに対し、 新Koshはそれを拒否し、PPGを抜いた一人はヘッドピースからのエネルギーで弾き飛ばされた。 他の隊員もPPGを抜き、Koshに向けて撃ちまくるが、 結局6人とも酸素マスクを壊されほうほうの体で逃げ出した。

Sheridanの元に、Centauri本星のLondoから通信が入った。 彼はVorlon艦隊がCentauri本星まで来るのはいつ頃か尋ね、 Sheridanはおそらく7,8日後と答えた。 さらにLondoは彼らに何か対策があるのかを尋ねるが、 Sheridanはある事はあるがうまくいく保証はないと返した。 Londoは彼に借りが出来たと礼を言い、通信を切った。

新Koshの元にLytaが現れ、Sheridanたちが彼に反旗を翻そうとしていると警告した。 彼は彼らの事など問題外だと答えるが、続いて彼女は 旧Koshの一部が別の地球人に宿っていて、彼がそれを手放そうとしない、と教えた。 それを聞いた新Koshは怒りを示し、彼女に案内をしろと命じて二人は外に出た。
通廊を急ぐLytaに新Koshは彼女が何かを隠している事に気づき、心を開くように命じた。 しかしそのとき、彼の環境スーツは電撃に包まれた。 隠れていたSheridanはLytaが逃げるのを助け、保安チームに新Koshへの攻撃を命じた。 新Koshは電撃とPPGの弾幕に包まれ、ついにヘッドピースが吹き飛んで 中から銀色の光の塊が飛び出した。
それは空中に浮かびアメーバの様に触手を伸ばして 射撃手たちへの攻撃を試み、何人かが倒れた。 Sheridanは司令室のIvanovaにもっと電流を回すように命じた。 そのときステーションは大きく揺れ、 Vorlon船が生き物のように暴れだしたと報告が入った。 Ivanovaはステーションの外壁を破壊される前に、 船を外に逃がすように命じた。
後ろで戦いの様子を窺っていたDelennが負傷者を助けようとしたとき、 光の塊の中に赤い目のようなものが現れ、彼女の目はそれに吸いつけられた。 Sheridanが彼女を救おうと飛び出し、逆に光の塊に捉えられたが、 物陰からLorienが現れてSheridanに「今だ」と言う。 彼が銀色の光の塊に向き直ると、彼の体から金色の光の帯が流れ出て、 銀の光と絡み合い、両者は争っているようだった。 Delennはそれが旧Koshの一部である事に気がついて口にすると、 Lorienは旧KoshとSheridan, さらに自分の一部だと訂正した。 絡み合って戦う二体のVorlon人はやがて壁を抜け、ステーション全体が光に包まれた。 それからその光は外に脱出したVorlon船に飛び、そこで爆発が起こった。
Delennは床に倒れているSheridanを助け起こそうとしたが、 Lorienは彼女を止め、彼に手を当てて生命エネルギーを補充してやった。 こうして彼の命をすこし延ばしたというLorienに、Delennはどれくらいの時間か尋ねた。 彼は「十分な長さ」とだけ答え、意識を取り戻したSheridanをDelennは堅く抱きしめた。

Centauriの王宮ではLondoがCartagiaに、彼が神になる事を祝わせるため 他の種族にも彼をあがめさせてはと進言した。 始めCartagiaは他の種族などどうでも良いと答えるが、 LondoがそれではCentauriが滅びた後に誰がCartagiaをあがめるかと問うたのに 意表をつかれて考え込んだ。 LondoはG'Karの裁判と処刑をNarn本星で行い、皇帝の偉大さをNarn人に見せつける事を 提案し、皇帝の同意を取り付けた。

Babylon5の周りには、Sheridanの要請に応じてMinbariやBrakiriの戦艦など、 沢山の船が集結して来ていた。 Ivanovaが司令官は史上最大の艦隊で進撃するつもりだ、と言うのに対し、 Garibaldiはもし勝ったらその後どうなるんだと言い出して、彼女に呆れられる。
自室でSheridanがLorienと話している所にDelennが呼ばれてきた。
彼は彼女に自分が実際にはZ'ha'dumで一度死んで、 Lorienの力で死を遅らされている事を打ち明けた。 Lorienは彼女に、彼の余命は20年でその後彼の鼓動は停止すると言い、 一生彼と過ごせると思っていた彼女はショックを受けた。 Lorienが部屋を出て行った後、彼女はこのようにまた彼を失う事を 恐れていた、20年はあまりに短い、と嘆く。 彼は逆にあと20年も余計に生きられる、Z'ha'dumへ行ったからには代償を払わなくては いけないと覚悟していたと慰め、彼女に小さな箱を渡した。 それはZocaloで買った婚約指輪で、次に結婚式で指輪を交換するまでの つなぎの品だと、彼は彼女に地球人の習慣を説明した。 はじめ怪訝な顔をしていた彼女は結婚を申し込まれた事に気がつき、 二人は見つめ合ったあと抱き合い、キスを交わした。

Centauri王宮ではCartagiaがG'Karの様子を牢の中に入って眺めていた。 探しに来たLondoに、皇帝はG'Karの自分を見る目つきが気に入らない、と言い、 なにかうまい処置はないかと尋ねた。 しどろもどろになり、「閣下がお決めになる事です」と言ってLondoが立ち去った後、 皇帝は衛兵にG'Karの片目をくり抜けと命じた。


印象に残ったシーン、台詞

戻ってきてから二人きりになるのは初めてだね、と言うJohnにDelennが。

Delenn: 「あなたを失って自分を責めたわ。 Annaの事を隠していたため、あなたは行ってしまった。 あなたを失うのと同じぐらい恐れていた、戻ってきたあなたが私を許そうとせず、 またあなたを失う事を。」
John: 「良かれと思ってした事だ。」
Delenn: 「そんなの言い訳よ。許して、John!」
John: 「私はZ'ha'dumで淵に落ちた。 死を目の当たりにしてそれを受け入れた。 見上げるとAnna, いやAnnaのなれの果てが居た。 その瞬間別れを告げたんだ。 今まで決して出来なかったのに全てを手放した。 しがみついたのはただ一つ、君の優しい微笑みだ。 生きて戻る事が出来ないなら、それでも良かった。 だが、君が生きる理由をくれた。・・・ これほど愛しているのに、許さないなんて。」


Memo

Caritagiaの秘密の部屋の中の大臣の首は、 G'Karの俳優Andreas Katsulasのそれだった。

Cartaigiaの「国は炎の中で燃やしてしまえ。」という言葉は、 "The Coming of Shadows"でKoshがTurhan前皇帝の 「結末はどうなる」という 質問に答えた「炎の中だ」に対応している。 どうやら旧Koshはこの結末を予知していたようだ。
また、一方でLondoは嘗て 「(Centauri以外の)残りの銀河系など燃え尽きてしまえ」とMordenに言ったが、 その時の彼の決断が皮肉にも逆の結果を生んだ。

新Koshの元に始めにGaribaldiらを送り込んだのは、 彼に油断をさせ、作戦を悟られないようにするためだったらしい。


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