Babylon5 #32

#32 GROPOS

粗筋

Ivanovaが深夜の司令室で、久しぶりの静かな夜をくつろいでいるとき、 突然地球同盟の軍艦6隻がジャンプゲートから出現した。 彼女はぼやきながら、睡眠中のSheridanらに急を知らせる。
やがてSheridanは、 シャトルで入港してきた第356歩兵師団のFranklin将軍を迎えた。 師団の到着について何も知らされていなかったと言うSheridanに対し、 将軍は任務は秘密だが後で説明すると答え、 部下の兵士たち2万5千人の宿舎を求めてきた。 あまりの人数の多さを聞いてたじろぐSheridanに、 ここには数日滞在する予定で、 その間兵士たちを艦内に閉じ込めておけないと彼は重ねて要求する。 そしてSheridanの問に答えて、Dr. Franklinは自分の息子だと言うが、 息子への連絡の申し出は自分で直接話すと言って断った。

師団兵たちの入港と、部屋の割り振り手続きが始まった。 Ivanovaはなんとか秩序を保とうとするが、 あまりの人数の多さのため、それは困難を極めた。 彼女を探しに来たGaribaldiは、 基地の住民がこのような大量の兵士たちの到来をみれば 不安にかられるだろうと指摘し、 Ivanovaはドッキングベイへの部外者立ち入り禁止を命じた。

Franklin将軍とのミーティングに向かう途中で、 IvanovaはSheridanに、通常の四倍詰め込んでも部屋が足りないと言い、 Garibaldiの懸念と共に通常の入港業務の遅れを指摘した。 さらにGaribaldiは、兵士たちが娯楽エリアに繰り出したときの騒動を指摘し、 Sheridanは、警備をさらに増やすようにGaribaldiに命じる。
Franklin将軍はSheridan, IvanovaとGaribaldiに、 Shilassen政府からの要請で惑星Akdorでの内戦に介入するという 彼らの任務を説明した。 Sheridanはこの要請を彼が地球に伝えたときは却下されていたので混乱するが、 将軍はこの計画は一般国民には知らされない秘密任務だと言った。 彼の師団はMatokの要塞の反乱軍を攻撃する計画で、 そのために現地の状況に詳しいSheridanの知識が必要だった。 秘密を保持するため、兵士たちには自分たちがIoに向かうと教えられていた。 将軍は三人に、この件については 政府からの発表があるまでは誰にも言わないように命ずる。
さらに彼はBabylon5に新たな武器システムを取り付け、 戦艦にも対抗できるほどに防御力を上げることも説明した。 CentauriとNarnの戦争が始まったため、軍事的な緊張が高まっており、 もしMatokの要塞を落とせなければ、彼らはBabylon5を新たな前進基地として 利用するつもりだった。

Kefferが自分の部屋に戻ると、予期せぬ同居人のYangと"Large"が 既に部屋でくつろいでいた。 始めKefferは彼らを追い出そうとして"Large"と衝突したが 彼の豪放な態度にあっけに取られ、 結局は彼らを受け入れた。

Dr. Franklinは父の将軍と家族の事を話し合っていた。 しばらくぎこちない親子の会話が続いた後で、 将軍は息子に地球へ戻って地球人のために働くように提案したが、 彼はここで地球人だけでなく全ての種族を救うために働く、 Minbari戦争当時のように、異星人を殺す研究をするのは真っ平だと断った。 結局彼は父親を怒らせ、将軍は黙って部屋を出て行った。
しばらく後にFranklinが医療室で働いていると、 Ivanovaが兵士の一団を伴って、 病室への臨時宿泊の割り当てを持ってきていた。 はじめ彼はその要請を断るが、 一旦兵士たちを下げさせたIvanovaは彼の苛立ちの理由を尋ね、 父親との会話について話したFranklinは、 父が軍人としては一流だが家庭では暴君であり、 彼を愛しているのに会うたびに怒りを感じてしまうと打ち明けた。 Ivanovaが自分も父親に同じように感じていたと話し始めたとき、 司令室から呼び出しが入り、 彼女は勤務明けに彼とその続きを話し合おうと約束する。 結局Franklinは彼女の求めに応じて、医療室に兵士たちを受け入れた。

勤務明けのバーで、Franklinは彼女に軍人の父との子供時代が いかに窮屈で辛かったかを話した。 彼はそれを逃れるため宇宙に出て、色々な惑星を放浪していた。 彼が地球軍に入ってからも、たまに父と会うと喧嘩してばかりで ほとんど話をしなかったと言う。 Ivanovaは彼に父親と腹を割って話し合うべきだと勧め、 それが出来ずに父を失った自分の轍を踏まないように言った。 それを聞いたFranklinは、 師団の目的はIoへの救援ではと怪訝な顔をする。

DelennとGaribaldiはNarn-Centauri戦争の事を話しながら歩いていたが、 彼が彼女から離れた隙に、彼女は不良兵士の一団に囲まれた。 彼らは彼女に何者かと尋ね、Minbari人だという答えに納得せず、 髪がある彼女の姿が地球人を馬鹿にしていると罵った。 そして戦争中にMinbari人が地球人にした事を教えてやると彼女を脅したが、 そこに別の女兵士が止めに入った。
たちまち兵士たちの間で乱闘が始まり、 彼らが争っている隙に逃げ出したDelennはGaribaldiに急を知らせた。
兵士たちの乱闘は曹長がやってきた事で収まり、 曹長は彼ら全員に営倉行きを言い渡すが、 そこにやってきたGaribaidiの頼みでそれは取り消しとなった。 GaribaldiはDelennをかばった女兵士のDurman(Dodger)に、 Delenn大使が可能な限り平和的に事態を解決するように 彼に頼んだ事を説明した。 彼女は自分がかばったのがMinbari大使だった事を知って驚き、 「戦争が始まってしまう所だった」と言った。

Franklin将軍はSheridanとMatok要塞への攻撃計画を議論していたが、 Sheridanはどうやっても多くの犠牲が出るのは避けられず、 攻撃そのものを見直すべきだと進言した。 しかし将軍は、反乱軍鎮圧の見返りとして、 Shilassen政府からAkdorへの永久駐留権が手に入る事を明かし、 AkdorはCentauriとNarnとの両方に近く、 両国の戦争が始まった今、 彼らがここに拠点を得る事が重要だと言って、彼の意見を退けた。
そのときDr. Franklinが現れ、父の将軍に話をしたい、 さっき部屋で言った事は本心ではないというが、 将軍は後にしろ、本心のいえない息子に育てたつもりは無いと怒って 彼を追い払った。 彼が立ち去った後で、将軍はSheridanに、 彼がBlack Starを撃沈したときに自分が人殺しだと自覚したかと尋ねた。 Sheridanが難しい質問だがMinbariはそう思っているだろう、 戦争の唯一の真実は人々が死ぬ事だと答え、 殺し合いは兵士の仕事で、拒む事はできない。 それをする理由が正しい事を祈るだけだと続けると、 将軍は頷いて、息子にはそれが理解できない、とつぶやいた。 それを聞いたSheridanが、Dr. Franklinが優秀な医師であり、 どんな種族の命も尊重するという自分の主義を命令に背いてでも貫くと 説明すると、将軍は表情を和らげる。 さらにSheridanは自分の父親との葛藤を話し、 彼ら親子はある意味似た者同士で、 意見が一致しなくても互いに愛し続けるだろうと言った。 彼の話を黙って聞いていた将軍は礼を言い、 攻撃作戦の議論を打ち切った。

GaribaldiがZocaloで、 Lou Welchから警備状況の報告を受けている所に、 Dodgerが現れて彼に基地の案内を頼み込む。 始めは忙しいと断ったGaribaldiだったがLouが気を効かせて、 二人はレストランでの食事の後、彼の部屋に入った。 彼女はベッドに腰掛けて、その続きをしようとしたので、 彼は自分が最近恋人を失った事を話し、 あまりに性急すぎてまたすぐ失うのが心配だと言った。 それを聞いて彼女は飛び起きて、 自分は別に彼と結婚したいと言っているのではない、 自分は明日の事も判らない兵士であり、 今が大切だと言い捨て、 慌てて呼び止めようとする彼を残して部屋を出て行った。

SheridanとIvanovaは司令室で、今回の急な仕事に対する 港湾労働者への補償措置について打ち合わせていた。 そのあと彼女が新しく導入された強力な防御兵器システムについて 説明するのを聞いて、彼はそれが役に立つ日が来ない事を祈ると言った。

Dr. Franklinは部屋で訪ねて来た父と話をしていた。 将軍は過去の息子に対する自分の振る舞いを詫びたが、 彼が自分の事を人殺し呼ばわりする権利はないと、言った。 対してStefanは、父のこれまでの家庭を顧みない態度で自分たちが傷ついた事や、 彼がいつか戦死することを恐れていた事を説明し、 それでも自分は父を誇りに思っていると言った。 そしてこれまで父に投げつけた言葉や、 彼に愛していると言う機会を失ってきた事を後悔していると言った。 最後に二人は和解して抱き合った。

KefferはルームメートのLarge, Yangとバーに座って、 Largeの戦場への自慢話を聞いていた。 Largeが席を立ったときに、彼はYangにLargeは戦場の話しかしないのかと言い、 Yangはこれまで戦場に出た事があるかを尋ねた。 Yangは自分はまだ経験がないが、Largeは何度もあると答え、 Largeの話に何度も出てくる名前は、 彼の長年の戦友だがMinbari戦争で戦死したと説明する。 彼がKefferの体験について尋ねている所に Largeが戻ってきて、三人は再び乾杯した。
別の席では、Dodgerが座っている所にGaribaldiがやってきた。 彼女は彼の部屋での自分の言動を詫びてから、 自分たちがIoへ向かうという話は信じられない、 将軍はこんなつまらない任務に駆り出される人物でない、と言った。
KefferがSheridan司令官赴任直後の
Trigati事件での 自分の体験を話しているときに、 彼のひじが隣の兵士Kleistに当たった。 彼はDelennに絡んだ不良グループの一人で、 Kefferが詫びるのを聞き入れずに喧嘩が始まり、 それは酒場全体に広がった。
突然Franklin将軍がSheridanと曹長を連れて現れ、 師団がすぐにここを出発する事を告げた。 兵士たちは酒場を出て、出発の準備を始めた。

GaribaldiはDodgerと、Kefferは二人のルームメートと別れを告げた。 将軍はSheridanに兵士たちが基地に与えた損害の弁償を約束した。 SheridanはMatok要塞の防御についての自分の意見が間違っているといいが、と告げた。 将軍は息子に彼を誇りに思っていると言い、二人はもう一度抱き合った。
Garibaldiは基地を発つ兵士の列からDodgerを見つけ、最後に彼女とキスを交わした。 そして師団は基地を離れ、ジャンプゲートに消えた。

基地のスタッフと住人たちは、 ISNによるAkdorのMatok要塞をめぐる戦いの ニュース映像に見入っていた。 レポーターはFrankiln将軍の勝利宣言を伝え、 地球人の住人たちは歓声を挙げるが、 GaribaldiはLouから現地からの戦死者レポートを受け取った。 そこにはDodgerやLarge, Yang, Kleistの名前もあった。 Garibadiからレポートを受け取ったKefferは、 人々が立ち去った後も、一人でその場に立ち尽くしていた。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

DodgerのファーストネームはElizabethである。 どう見ても彼女は今回だけの出演と思われるが、 実はずっと後にもう一度出てくる。

Franklin将軍の師団を運んできたのは、 Nova級戦艦1隻と、輸送艦5隻の船団である。 Nova級戦艦は、Omega級駆逐戦艦の回転部が欠けた言わば簡易型であり、 今回現れた艦の名はSchwartzkopfらしい。

Garibaldiの父親は、嘗てFranklin将軍の部隊に所属していた事があり、 彼は模範兵だった。

DelennはCentauriとNarnの和平の仲介を試みていたようだが、 どうやら効果はなかったらしい。


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