Babylon5 #78

#78 Conflicts of Interest

粗筋

新しい客と話しているGaribaldiの所に、 植民星で生き別れとなった娘を探す仕事を彼に依頼していた別の客が現われ、 進展がない事に苛立ちを示した。 しかしGaribaldiに即されて男が振り向くと、探していた娘が彼に飛びついた。 喜んで礼を言う男にGaribaldiは請求書を渡すが、 その金額は始めの請求の30%に過ぎなかった。
そんなGaribaldiをWadeが離れて見張っており、 別の男に、彼に初仕事をやらせようと告げた。 そして彼が危機をどう乗り切るかを見て、仲間に引き込むかを決めるつもりで、 今の段階では彼はまだ使い捨ての駒に過ぎないとも語った。

Zackが呼ばれて司令官のオフィスに入ると、Sheridanは黙って壁の絵を眺めていた。 彼はDelennが居なくなったため今まで放っておいた事に手をつけることにしたと言い、 警備主任を辞任したGaribaldiにIDカードと通信機そしてPPGを返却させるように Zackに命じた。 始めZackは難色を示すが、Sheridanは規則を盾にとって命令を実行するように求め、 Garibaldi本人よりも彼の仲間が気に入らないのだと説明した。

火星から戻ったFranklinは、放送局に模様替えされた戦略室に足を踏み入れた。 彼が火星でのレジスタンスとの話し合いの成果を話した後 初放送での準備の進み具合を尋ねられたIvanovaは、 設備は整ったが出力が足りず、この近辺の星域にしか放送が届かないと答えた。 FranklinはShadow戦争中に医療基地を設けたEpsilon3なら、 十分なエネルギー源があるのではと言うと、 彼女はそれを思いつかなかった自分の愚かさを罵り、 直ぐにシャトルベイへ向かった。

ZackはGaribaldiの仕事場を訪ね、彼の仕事が順調なのを知って喜ぶが、 司令官からの指示を伝えた。 IDカードと通信機は素直に渡したGaribaldiだが、 PPGは仕事に必要だからと言って返却を拒む。 しかしZackにそのPPGは軍の支給品で、必要なら個人的に入手出来るからと重ねて言われ、 仕方なくPPGも返却した。 さらに予備のPPGも取り上げられてGaribaldiはさすがに怒りを見せ、 Zackに司令官の命令を断るべきだ、そうすれば代わりの人間が来るだろうが、 少なくとも彼には渡さずに済んだのに、と言った。

Ivanovaのシャトルが基地を離れた頃、Garibaldiは夕食の支度をしながら テレビアニメを観ていた。 そこにWadeが訪ねてきて、 火星からのある人物を密かに基地に出入りさせるという仕事をもちかける。 元の同僚である警備班を欺く覚悟が出来ているか尋ねるWadeに、 Garibaldiは「昨日までだったらNoだが、今日はYesだ」と答えて仕事を引き受けた。

Epsilon3の地下に到着したIvanovaは、 丁度荷物を持って通りかかった人物を追いかけてDraalの居場所を尋ねた。 振り返ったその人物はZathrasで、 彼女はValen(Sinclair)と共に1000年前に行った彼がここに居るはずはない、 とびっくりする。 始め彼女には会った事がないと否定するZathrasだが、 やがて理解して Zathrasは十人居てそれぞれ名前の発音が微妙に異なり、 彼女が会って過去に行ったZathrasは別のZathrasだと説明した。 放送のための出力を供給して欲しいという彼女の要請を聞いた彼は、 皆が彼の所に来るのは困った時だけだと文句を言いながらも 協力を約束して彼女をどこかに案内した。

GaribaldiはWadeをドッキングエリアの反対側に連れて行き、 密かに用意しておいた予備のIDカードを使ってドッキングベイに入り込んだ。 Wadeは始め予定していた訪問者が変更され、 その妻が来る事になったとGaribaldiに説明する。 やがて通路で彼が見たのは、以前の恋人のLiseだった。
GaribaldiはLiseを部屋に連れて行き、説明を求めた。 彼女は始めの夫の浮気で別れたが、 不公正な裁判で娘の親権も取られて会えなくなった、 ここに来て幸福そうなGaribaldiを見てショックを受けたと言う。 六ヶ月前に今の夫に出会ったと言う彼女だが、 その夫がMars Domeの半分を所有すると言われる 大富豪のWilliam Edgarsだと知ったGaribaidiは、玉の輿だと厭味を言い、 彼女との事はもう終わった事で、単なる顧客に過ぎないと宣言した。 そして彼らを呼びに来たWadeと共に、取引の場所に向かった。

LondoがSheridanと彼のオフィスで話している所に、招かれたG'Karが入って来て、 Londoを見て立ちすくむ。 Sheridanは二人に話があると言い、 Shadow戦争の終結後非同盟惑星諸国の周辺空域で海賊行為が頻発している事を説明した。 その相手として彼がDrakhの名を出すと、 彼らはCentauriの伝説の存在であり、未だ生きているとはとLondoは驚いた。 G'Karは彼らがShadow技術を手にしている事を憂慮すると、 Sheridanは諸国の境界沿いにRangerのWaiteStar艦隊をパトロールさせる事を提案した。 G'Karはそうすれば領土目当ての侵略行為と見なされるのではと危惧するが、 SheridanはRangerは各国に招かれた場合のみ出動すると説明した。 LondoもG'Karの意見に同調するが、 Sheridanは彼に、まずCentauriとNarnの境界沿いにWhiteStar艦隊を配備して 他国にアピールする事を提案した。 Centauriは自力で国を守れると言って始めLondoは受け入れを拒んだが、 何もせず手を拱いていれば大勢の人が死ぬというSheridanに、 彼もG'Karも黙り込んだ。

Zackは警備主任のオフィスでコンピュータにレポートを尋ねた。 その結果入港者が一人行方不明になっている事が判り、 さらにGaribaldiが取り上げたはずのIDカードを使った事も判明する。 Zackはすぐに彼のIDを無効化した。

LiseとWade, GaribaldiはDownbelowの酒場で取引相手を待っていた。 現われた男はLiseに透明なセキュリティキューブに入ったものを渡す。 Garibaldiの問に答えようとしないWadeに換わりLisaが、 Edgersの部下の研究者がテレパスの遺伝子が悪性のウイルスに変異する可能性を発見し、 異星人の協力を得てそれを食い止める薬品を作らせたのだと説明した。 この薬品を手に入れようと多くの人々が狙っているという。 そのときGaribaldiは怪しい男たちに気づき、 直ぐにここを離れるように言う。 しかしすでに遅く撃ち合いが始まってしまい、 逃げる途中で取引相手の男は殺される。
三人はその場を脱出し、ある小部屋のドアを棒でロックして時間を稼ぐが、 IDが無効化されていて反対側のドアを開ける事が出来なくなった。 Garibaldiは天井のパネルを外して通気孔に入り、 二人を先にやって自分は通気孔の角に潜んだが、 やがて上がってきた男は彼の顔を暫く見てPPGを撃たずにそのまま戻っていった。 はっと気がついた彼は二人を急いで追いかけ、直ぐに引き返すように言う。 その直後、二人の向かっていた方向の通気孔の床からPPGが次々と撃ち込まれた。 GaribadiはLiseに、 第三ドッキングベイに行くので頭の中でそう唱え続けろと命じて先に向かった。 しかし三人がついた場所は第三ドッキングベイではなく、 Garibaidiは彼らを襲った相手がテレパスらしいので、 わざとLiseに間違った目的地を教えたと説明する。 そこに通りかかった嘗ての部下に、 彼は第三ドッキングベイに襲撃者が向かっている事を告げ、 Wadeには自分が何回か逮捕した事のある男からIDカードを手に入れて、 Lisaを基地から逃がすように指示を出した。 このまま別れるのを嫌がるLiseを振り切り、 自分たちを襲った相手を突き止めようと、 彼は第三ドッキングベイに向かった。
第三ドッキングベイではGaribaldiらを追っていた二人の男が 駆けつけたZackらに拘束されたが、 二人は「未来のために!」と叫んで服毒自殺した。 Zackが医療室に連絡している所に、Garibaldiが入ってくる。

Epsilon3から戻ってきたIvanovaはFranklinに、 放送のエネルギーを確保できた事を告げたが、 司令官に報告しようと意気込む彼女に彼は、 今行くととばっちりを受けると忠告した。
その頃Sheridanは、オフィスにZackが連れてきたGaribaldiに対して 三名の死者が出た事件について説明を求めて追求していた。 Garibaldiは、死者のうち一人は自分の顧客の取引相手で 他の二人はいきなり襲い掛かってきたので自分にも訳が解らないと答え、 それ以上の説明を拒んだ。 そして彼の行為が基地を危険に晒したと怒るSheridanに、 自分の方こそ司令官の命令のおかげで命を落とす所だったと開き直る。 激怒したSheridanは、今回は大目に見るが今度同じ事が起これば 基地から締め出すと宣告した。
Garibaldiが部屋に戻ると、Liseからのメッセージが届いていたが、 彼はもう終わった事だと言い、内容を見ずに消去する。

その後今度はWilliam Edgars本人からGaribaidiに連絡が入った。 彼はLiseが無事に戻った事を告げ、Garibaldiに礼を言ってから 彼を特別待遇で雇いたいので火星に来るように求めた。 渡航は禁止されているのではと問い返す彼にEdgarsは、 警備主任を辞めた彼に誰も注目しないし、 自分は政府に影響力があると説明した。 それを聞いたGaribaldiは彼の提案を受け入れた。

テストパターンがスクリーンに映ってから、 Ivanovaによる"Voice of the Resistance"の初放送が始まった。 彼女はこの放送を、真実を求める全ての船と、 火星とProxima3と地球の自由のために戦う闘士たちに贈ると言い、、 ClarkによるSantiago前大統領暗殺以後、 三年間の間彼らのプロパガンダしか聞く事が出来なかったが、 遂に真実を放送出来るようになったと述べた。 そして「植民地を爆撃し、船を破壊して罪のない人々を殺す事は出来ても 真実を殺す事は決して出来ない」と宣言した。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

Garibaldiが部屋で観ていたアニメ"Daffy Duck"では、 主人公のDaffyはアニメの外の世界のBugs Bunnyの悪意によって 運命を翻弄される。 これは恐らくGaribaldi自身が自分の人生について感じている事を暗示している。

テレパスの遺伝子の一部が悪性のウイルスに変異する可能性があるという話が 本当なら、それはVorlonによって仕掛けられていたものだろうか? Vorlonは多くの惑星において遺伝子操作を行いテレパスを作り出したと言われている。 (#66 "Z'ha'dum")

Edgersの提案にあっさり乗ったGaribaldiだが、 彼は拉致されている間に「我々の為だけに働け」と 暗示を受けていた。 どうやら彼を拉致していたのはPsi Corpsではなく、Edgersの組織らしい。 彼はテレパスとは敵対しているのだろうか?

「未来のために」と言って自殺したテレパスはPsi Corpsの一員だろうか、 それとも逃亡テレパスだろうか? 「未来」とはBesterの未来の計画と 関係があるのだろうか?

実は#30 "A Race through Dark Places"で 逃亡テレパスのリーダーRickがTaliaに「あんたは未来だ」というシーンがある。 それを考えると、薬品を追っていたのは逃亡テレパスの方で、 EdgersとPsi Corpsとは結託している可能性が高い。
(実は上の推測は全くの間違いだと判明した。 : c.f. #83 "The Face of the Emeny")

G'Karが部屋に入ってくる直前のLondoの言葉 「一体どうやったのか見当もつかない、君も恐らく目を疑うぞ」とは、 G'Karの義眼の事だろうか?

Epsilon3に医療施設を作ったというのは、 #70 "Falling toward Apotheosis"で Franklinが提案した件である。


戻る

inserted by FC2 system