Babylon5 #80

#80 Moments of Transition

粗筋

部屋でぐっすりと眠っていたGaribaldiは、Edgarsからの呼び出しで起こされた。 火星とBabylon5とでは7時間の時差がある事を知って欲しいと不満げなGaribaldiに、 Edgarsは自分と同様に雇った相手にも24時間いつでも働く事を求めると言い、 彼に新たな仕事の指令を出した。 それは彼の研究所が作った化学物質をBabylon5に密かに持ち込んでIoに送るというもので、 違法物質でないのならなぜこのような秘密ルートを通すのかと問われたEdgarsは、 自分は政府も運び屋も信用していないからだと答えた。 さらに彼が以前に提示した火星への招待について問われると、 いずれしかるべき時期にとだけ答え、 いつも通りに顔を見せないままEdgarsからの通信は切れた。

Sheridanはベッドで眠れずにいた。 彼は司令室に自分がMinbariに送ったメッセージについて尋ねたが、 首都で戦闘が起こっており着信確認が取れないとの返答だった。 相手はきっと彼女は無事でしょうと安請け合いし、 その後Sheridanは何とかして眠ろうとしていた。

その頃Delennは攻撃によって幾つもの建物が炎上するMinbariの首都に居た。 彼女が居る建物の廊下には多くの負傷者が収容されている。 Lennierが現われ、都市を包囲した戦士カーストの指導者からの最後通告を伝えた。 その中で戦士カーストは、明日までに聖職者カーストが降伏しなければ、 都市を破壊し住民を皆殺しにすると警告していた。

LytaはZocaloで彼女をフリーのテレパスとして雇いたいという女性と会談していた。 交渉は順調にまとまりかけたが、 LytaがPsi Corpsを抜けた事を知った女性の態度は一変し、 会社の方針でPsi Corpsに属さないテレパスとは契約できないと断った。 彼女はSheridan司令官が自分の身元を保証していると抗議するが相手は納得せず、 彼女に再びPsi Corpsに戻ったら連絡してくれと言った。

NeroonはShakiriの待つ戦艦に戻り、彼に自分の任務の成功を報告した。 その中で彼は聖職者カーストは自分がShakiriに反旗を翻すと考えていたようだが、 そんな事はありえないと言う。 Neroonがこの戦争の犠牲の多さに対して懸念を示すと、 Shakiriは都市が破壊され多くの命が失われたのは悲劇だが 死は命あるもの全ての者たちの定めであり、 犠牲者はいずれ戦士カーストとして生まれ変わるだろうと述べ、 聖職者カーストのために自分たち戦士カーストは地球との戦争に駆り出され 多くの犠牲を出した、 今後は信念ではなく自分たちの利益のために戦うのだと言った。 そして何よりも命を尊ぶDelennは聖職者カーストが殺されるのを見過ごせず、 彼らの命を救うために降伏するだろうと言い、 Neroonが命を尊ぶのは過ちか、自分たちはそのために戦うのではと問い返すと、 生と死とは対等であり、戦士カーストが戦うのは定めだと答える。

Zackは入港者たちを検査場に誘導してしているとき、 通路の角でGaribaldiが他の男から何かを受け取っているのを見つけた。 そちらへ向かおうとした彼を部下が呼び止め、 彼の前に連れてきたのはBesterだった。 彼の質問に対しBesterはPsi Corpsの代表として個人的なビジネスのために来たと言い、 基地に迷惑をかけない限り自分を拘束する理由はない、 それともIvanovaがVoice of Resistanceで述べていた、 この基地は誰でも歓迎するというのは嘘で軍事的独裁下にあるのか、と皮肉った。 Zackは司令官に確認を取るといってその場を離れ、Garibaldiを追いかける。 そして会談で彼に追いつき、受け取った荷物を出すように求めたが、 それはすでに彼の手元にはなく、William Edgarsと手を組んで 彼のために検査を通さずに物資を通過させていると非難されても とぼけるばかりだった。 そして自分の行為は地球同盟から脱退してここに独自の帝国を築くのと同様に 合法的だと、Sheridanを皮肉った。

Minbariの首都ではDelennがLennierを呼び、 他の者との相談の結果、降伏する準備が出来たと戦士カーストに伝えるように言った。 Lennierは表情をこわばらせるが、彼女は命令を実行するように重ねて命じた。

ClarkによってProxima3へ降伏を迫るために送られたStarfury部隊が 却って亡命したというニュースを伝えるVoice of Resistanceを観ながら 食事をしていたLytaの隣にBesterが座った。 彼女は彼と話すのを拒んだが、 彼はかまわずに彼女の仕事探しがPsi Corpsに属していないために うまくいっていない事を持ち出した。 そして自分なら彼女の名をPsi Corpsの秘密部隊の名簿に加えられると言う。 その代償として彼が求めたのは、 彼女がPsi Corpsのバッチと手袋を再び着用して、収入の一割を納める事と、 彼女の死後彼女の肉体をPsi Corpsに引き渡す事だった。 彼はVorlonが彼女のテレパシー能力を増強した事を知っており、 その秘密が彼女の死と共に失われるのはテレパス全体にとって損失だと言う。 彼は自然死以外で彼女が死んだ場合はその契約が無効になる事を説明して 彼女を説得したが、彼女は怒って席を立った。 彼女が立ち去るのを近くのテーブルからGaribaldiが眺めていた。

NeroonはShakiriに聖職者カーストが降伏の意向を伝えてきた事を知らせた。 そしてVarenni寺院で降伏の儀式を行う事を進言した。 そこはValenが現われGrey評議会を設立する以前には 戦争が終結した際に新たな指導者を選ぶ場として使われていた経緯があるため 伝統に立ち返るにはふさわしい場所で、 また惑星中に儀式の模様を放送する設備が整っており、 相互の行き違いを避ける事が出来るとNeroonは説明する。 最後に彼がDelennの処遇について尋ねたのに対し、 彼女はいずれ戦士カーストに反旗を翻すだろうから 平和が訪れた後に彼女がBabylon5に向かう船は、 決して目的地に着いてはならないとShakiriは答えた。

Lytaが部屋で夕食の準備をしていると、Zackが現われた。 彼女の夕食の誘いに対して彼は言いにくそうに、 この部屋からもっと小さい別の部屋に移って欲しいという司令官の要請を伝えた。 彼女は落ち込むが、自分が仕事を探している事を話す。 Zackは彼女に償いとして、最近様子がおかしいGaribaldiをスキャンする仕事をもちかけるが、 本人の同意がない事を知って彼女はそれを拒否した。

Garibaldiは犬と猫が銀河征服を企んでいるという妄想を抱いている男に悩まされていた。 その客が帰った後Lytaが彼の前に座り、自分を雇ってくれないかを切り出す。 始めはテレパスは自分の仕事に必要ないと言ったGaibaldiだが、 彼女の能力の範囲が表向きよりはるかに強い事を知って 彼女を見張り役として雇う事に同意した。 その時Besterが現われ、彼の顔をみて意味ありげな台詞を言って立ち去った。 Lytaは彼がGaribaldiをスキャンしたと注意し、 怒ったGaribaldiはBesterを追いかける。 しかしBesterの胸倉を掴んでいるGaribaldiは、 保安部員に掴まって引きずられていった。 それをにやりとして見送るBesterの前に、 全てを見ていたZackが立ちふさがった。

DelennはLennier以下三名を伴ってVarenni寺院の廊下を歩いていた。 「こんな日が来るとは」と嘆くLennierに、 「今日という日はまだ終わっていませんよ」と彼女は答え、 彼に指示の入った筒を渡す。
広いホールの周囲の壁の上から多くの人々が見守る儀式の場で、 DelennはShakiriの問に対して 聖職者カーストは戦士カーストに降伏すると答えた。 喜びを露にして、 偉大な都市を再建しGrey評議会ではなく戦士評議会を作ろうと叫ぶShakiriを遮って、 聖職者カーストは降伏には同意したが 新たな統治組織への関与を放棄してはいないとDelennは言い、 「戦争はどちらかが降伏しなければ終結せず、降伏は不名誉ではない」 というDukhatの言葉を引用する。 そして彼女が、聖職者カーストは過去数百年の間戦士カーストを武装させ、 戦闘訓練を助けてきたと言うのに、 Shakiriはそれでは自分たち戦士カーストの方が強い事を認めるのだなと反発した。 それに対しDelennは、 強いのは確かだが、賢いと言えるかと問い返し、 Valen以前の伝統に立ち返るのなら、 次の指導者選びも伝統に立ち返るべきだと主張した。 彼女の言葉と共に寺院の天井が開き始め、 開口部から床に白い炎の柱が立った。 Valen以前の時代、合い争った両カーストの指導者はこのStarfire Wheelの中に入る事で 次の指導者を決めたといって自ら炎の柱の中に入ったDelennに対し、 Shakiriは何とかしてそこに入るのを逃れようとしたが、Neroonが口を挟んだ。 彼によって以前の自分の発言との矛盾を突かれたShakiriは、 結局ためらいながらもStarfire Wheelに入るしかなかった。 彼はDelennに自分と共に外に出るように言うが彼女は拒否し、 堪えられなくなった彼は炎の柱の外に飛び出し床に倒れた。
それでもStarfire Wheelの中に立ったままのDelennを見て、 NeroonはLennierに彼女はこの事を戦艦での会談の場で話したが、 Shakiriが出たのになぜ彼女は外に出ないのかと尋ね、 Lennierは、彼女は民のために命を投げ出そうとしているのだと答えた。 彼女が力尽きて足元に崩れるのを見てNeroonは飛び出し、 一瞬ためらってから炎の中に入って彼女を抱き上げ、Lennierに渡した。 そして彼は、自分は戦士カーストの出身だが、宗教こそ求めるものだと言い、 Delennに従うように全ての人々に訴えた。 そのとき天井の開口部はいっぱいに開き、 爆発が起こって周囲の人々は思わず床に伏せた。 Lennierが目をやると、炎の柱は消えてそこには誰もおらず、 ただ燃え残りの炎がくすぶっているだけだった。

Babylon5では、Garibaldiが寝ているところを又もEdgarsからの通信で起こされていた。 Edgarsは彼がLytaを雇った事を聞きつけ、即座に解雇するように求める。 驚いて、あなたはテレパスを救うための薬を開発しているのではと問い返すGaribaldiに、 ラットの薬も作るが雇うわけではない、自分は彼らを信用しないし、 間接的にでも雇う事は出来ない、 いやならいくらでも彼の替わりはいるとEdgarsは宣告し、通信は切れた。
ZocaloのGaribaldiの机の前に座ったLytaが彼に抗議し、 最後に諦めて立ち去るのを眺めながら、 Besterは自分が彼をあおってZackらと一層不仲にさせた事を述懐していた。
その後LytaはBesterとの契約を受け入れ、 涙ぐみながらPsi Corpsのバッジと手袋をつけた自分の姿を鏡で眺めていた。

Minbariの戦艦の中で Starfireの中で受けた傷がまだ癒えていないDelennは、 無理をしないように諌めるLennierに 他のカーストを長く待たせると疑問は懸念に変わると説明し、 戦略ルームに入っていた。 その床の上には九つのスポットライトの光が円を為し、 中心にもう一つの光があり、彼女はそこに立った。 その様子はMinbari中に放送されていた。
彼女はGrey評議会の再建を宣言し、九人の評議員を呼び入れる。 その内訳は戦士、聖職者カースト各二人に対し労働者カーストが五人で、 両カーストの争いの板ばさみになった労働者カーストにこれからのチャンスを与えると 彼女は宣言した。 そして中央の指導者の場所は、 いずれ「その人」が継ぐまでNeroonの追悼のために明けておくと言い、 彼女は部屋の外に出た。

Sheridanの部屋に怒りに我を忘れた様子のIvanovaが飛び込んできて、 地球軍のOmega級戦艦Polluxが民間人を満載した輸送船二隻を撃墜した映像を示した。 この攻撃で一万人の民間人が死んだとまくし立てる彼女に Sheridanも同様の怒りを見せ、 もう我慢できない、今こそ地球への反撃を始めるときだと言って 植民星、火星、そして地球へむけて進撃を開始すると宣言した。


印象に残ったシーン、台詞

降伏の儀式の場で、

Shakiri: 「Delenn、Mir家の者よ。 戦士カーストの名においてお前を迎えよう。」
Delenn: 「Shakiri、Koft家の者よ。 聖職者カーストの名においてあなたを迎えます。」
Shakiri: 「残念だな、せっかくお互いにこのような神聖な場所に集まったのに、 こんな不幸な行事だとは。 だが今日は我が民の新たなスタートとなる。 我々の間の闘争は過酷で激しく避けられなかった。 だがそれも終わりだ。 聖職者カースト全体の代弁者となるか、Delenn?」
Delenn: 「なります。」
Shakiri: 「今日はどんなメッセージを我々に持って来た?」
Delenn: 「聖職者カーストは降伏します。」
それを聞いた聖職者カーストの者たちは、下を向いた。 一方Shakiriは周囲の窓から見守る人々の方を振り向き、両手を広げて呼びかけるようにして、
Shakiri: 「聖職者カーストは降伏する、皆聴いたな。 我々の闘争は終わった。 それでは始めよう、偉大な都市の再建だ。 以前よりももっと偉大に。 さあ、踏み出そう、新しい一日の光の中に。 さあ、立て直そう、Grey評議会を戦士評議会に。」
Delenn: 「待ってください!」
演説の腰を折られて不機嫌そうに、
Shakiri: 「何だね?」
Delenn: 「降伏するとは言いましたが、新政府を組織する絶対的権限を放棄するとは言っていません。 (注意:ここは誤訳されている。 「新政府を組織する権限を完全に放棄するとは言っていません。」 が正しい訳である。) Dukhatは言った、どんな戦いでもいずれ一方が降伏しなくてはいけない、 それは自然の理法であって不名誉でも恥でもありません。 戦士カーストは軍事力で我々に勝っています。 我々は七世紀に渡ってあなたたちを武装させ、戦闘技術を習得させました。 それが我々を脅かす事に。」
Shakiri: 「では我々の方が強いと認めるのか?」
Delenn: 「確かに強いけれど、賢明かしら?
我々は千年に渡り、人々を知恵で導いてきました、武力でなく。 それを直ぐに変えるとでも? ここや国土で観ている国民たちは、 この場所とその歴史を知っているはず。
Valen以前、我々はここで指導者を選んだ。 我々の多くがここで仕え、ここで死んだのです。 昔の人は知っていた、 戦争が起こって送られるのは権力のない者や若者たちだと。 送る側の指導者、戦士、将軍たちは自らは戦いはしない。 前線で血を流す事も、凍てつく夜に人知れず死ぬこともない。 でもこの場所でそれが変わったのよ。」
Delennが上を見上げるしぐさをすると、寺院の天井が開き始め、 白い炎の柱が床に向かって立った。
Shakiri: 「これは一体何の真似だ!」
Delenn: 「もしも戦士カーストがValenの知恵をないがしろにしてそれ以前のやり方に戻りたいのなら、 古代の人々の定めた法に従うべきです。 争うカーストの両指導者は円の中に入ります。 Starfireの環が開き、その炎が彼らをあぶり始める。 統治する資格のない者や人にやらせるばかりで自分を犠牲にしない者は炎から逃れる。 自らのカーストを深く信じて、彼らのために命を投げ出す者が その炎の中に残ります。 統治するカーストは、そうやって決定されるのです。」
Shakiri: 「それでは降伏の意味がない!」
Delenn: 「それが我が民の伝統なのです。 戦士カーストが戦争を始め、聖職者カーストが終わらせる。
我々は宣言します。 我々は我が民のために、喜んでStarfireの環の中へと入ります。 戦士カーストが追随しないのなら、指導者の資格はないと。」
Delennは踏み出し、Starfireの環の中に入った。
Delenn: 「Valenは言った、炎の中に付いて来るかと・・・。 どうします?」
炎の柱の中のDelennに歩み寄って、
Lennier: 「大使、いけません!」
Delenn: 「もう遅いのよ、外には出られません。 指示を渡したでしょう、それを守って。」
彼女はLennierに向かって手のひらを向け、 彼もそれに答えて引き下がった。 彼女はShakiriの方に向き直って、
Delenn: 「Shakiri、付いて来ないのですか。 戦士カーストは指導権を譲るの?」
Shakiri: 「こんなのは茶番だ!」
Delenn: 「国民全体が見守っているのですよ。 己のカーストを信じているのなら、中に入って命を差し出すのです。 私のカーストを殺すほうが容易いのですか? 他人をあなたのために死なす方が容易いの?!」
Shakiri: 「常軌を逸しておる! 私は断じて・・・。」
それまでShakiriの反対側で黙って見守っていたNeroonが彼に歩みより、口を挟んだ。
Neroon: 「あなたは戦士カーストは死を恐れないと言った。」
Shakiri: 「Neroon、どういうつもりだ?」
Neroon: 「死は成り行きの一つに過ぎず、尊んだり恐れるものではない。 そして死とは義務からの開放に過ぎないと言った。 どうして恐れるのですか、我が民よりご自分のほうが尊いのですか?」
Shakiri: 「やつらの味方をする気か?」
Neroon: 「これは我が民の声なのです。 あなたのは何です、何の声になら従うのです? 彼らはあなたの答えを待っています。」
こう言って、彼は儀式を見守る人々を示した。

Starfire Wheelの中に立った、Neroonの最後の言葉。

Neroon: 「私の生まれは、戦士カーストだ。 だが今解った、私の心が求めるのは宗教であると。 戦争は終わりだ! Delennの言葉に従え!!」

新たなGrey評議会の戦艦の中の会議室に入ったDelennが、 九つのライトが作る円の中心に立って。

Delenn: 「本日、壊れたものを再建します。 本日、Grey評議会を再建します。 九人を呼びました、Valenが大昔にしたのと同じように。
Dalidi, 聖職者カースト。 Mazik, 戦士カースト。 Burli, 聖職者カースト。 Shaka, 戦士カースト。
過去においてはバランスを求めるのが我々の伝統でした。 各カーストから三人ずつ選んだ、労働者、戦士、聖職者。 でも今、それが変わります。 さあ、前へ。
Dulann, Katz, Zaca, Nur, そして Barenn, 労働者カースト。
労働者カーストを忘れていたでしょう。 聖職者と戦士が争うと、彼らは板ばさみになった。 彼らが思い出されるのは、物を作るために働く時と、死ぬ時。 彼らは我々が祈る寺院を建て、戦う船を作り、我々の導きを求めます。 でも、祈る者は消え、戦争は忘れられ、作られたものは残る。 彼らは征服も変化も望まず、ただ未来を作る。 今後は彼らにチャンスを与えます。 聖職者と戦士カーストは、評議会に助言します。 正しい方法で仕えるのです。 宗教と戦争は人々のためになるべきで、逆は許しません。」
そして彼女は円の中心から動き、その場所を示して、
Delenn: 「そしてここは・・・、この場所はNeroonへの追悼に空けておきます。 来るべきその人が継ぐまで。
あなた方は国民の心で、手で、声です。 賢明で立派な判断を。」


Memo

前回の最後のシーンでは、NeroonはDelennとの密約に完全に従って行動していると 単純に考えていたが、実際には彼の心の中にはかなりの葛藤があったようだ。 恐らくShakiriとの会見で彼が命を尊ぶ事を否定した場面で 彼に対して不信感を持ち、 さらに降伏後にDelennを殺害する事をほのめかした時に、 Shakiriは指導者としてふさわしくない人物だと悟って 最終的にDelennに従う事を決断したようだ。

Grey評議会が崩壊する以前から戦士カーストは評議会を聖職者カースト主導とみなして、 それほどの敬意を払っていなかったようだ。 Grey評議員であったNeroonよりもShakiriの方が地位が高いというのもその現われだろう。

Shakiliの階級はMinbari語ではShai Alytであり、 これは地球との戦争時の戦士カースト最高指導者だった Branmer, Sinevalと同じ称号である。 彼の氏族は、カースト内でも最も過激で悪名高いWind Swordらしい。

Neroonの最後の言葉は、戦士から聖職者へとカーストを変えたと受け取れる。 これは彼の嘗ての上官だったBranmerが 聖職者から戦士へとカーストを変えていた事と釣り合いを取った形となった。

BesterがLytaに言った、 「司令官たちはカーゴベイからの収入で部屋代をまかなって楽に暮らしているが、 哀れなLytaはどうやって生計を立てるのだ?」という問は、 もちろん彼女と司令官たちとの仲を裂こうという目的の発言だが、 かなり本質を突いているのも確かである。 Sheridanは偉大な目標にまい進していて足元の部下の困惑が見えていない。 特にLytaに対しては、使い捨てにしたと思われても仕方のない扱いをしている。

Sheridanが地球への反撃を宣言するシーンは、 DelennがBabylon5を去る前に言った言葉が 現実になったと思わせる。

NeroonのShakiriへの発言から、Grey評議会はMinbari本星上ではなく 戦艦の中に常駐していた事が判る。 彼はそのために評議会が国民との絆を失ったと言っていた。

Lytaが仕事探しをしていた始めのシーンで、 地球の企業の関係者がBabylon5で彼女の面接をしているのは不思議だ。 Clark大統領による渡航禁止命令はどうなったのだろうか。

LytaがKoshの補佐官をしていた時には、 彼女の部屋代はVorlon政府が支払っていた。 しかしVorlonが去り、彼女には定収入がないため支払いが滞っており、 それが部屋を追い立てられる直接の原因になった。

今回始めて現われたStarfire Wheelだが、第五シーズンのタイトル "Wheel of Fire"と関係があるのだろうか?

新評議会開催の場で最後にDelennが言った、 指導者の場を継ぐべき「その人」とは、Zathrasが言っていた 「その人」と同じ なのだろうか?

BesterがGaribaldiをスキャンしたのはZackの頼みによるものだろうか? (川崎さんによる意見)
確かにそうすれば保安部員がBesterを庇った事も、 Zackの複雑な笑みも説明がつく。 その場合、スキャンの交換条件は何だったのだろうか? Besterの最後の独白からすると、 Zackは彼にしてやられた可能性が高い。 少なくともBester自身はそう思っているようだ。

Delennが引用したValenの言葉、「炎の中に付いて来るか」は、 #5 "The Parliament of Dreams"でのMinbariの宗教行事 の中でやはり彼女によって引用されている。 そのときの話の内容からすると、 Valenが初めてGrey評議会を作ったときに九人の評議員に言った言葉の引用である。


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