Babylon5 #102

#102 Meditations on the Abyss

粗筋

Johnが寝室のベッドで眠っている横で、Delennも横になっていたが眠れない様子だった。 その時ベッドの横のピラミッド型の装置が何かを知らせ、彼女は起き上って寝室を出た。 目を覚ましたJohnに、会議室に忘れた書類を取りに行くと言い訳をして、 彼女は部屋の外に出た。
ガウンをすっぽり被った彼女がバーの片隅のテーブルに座り、訪問者を待っていると、 彼女に目をつけた地球人の男がしつこく声を掛け、手を出そうとした。 彼女は油断した彼の指をへし折り、テーブルを立ち去る。 後を追おうとした男の前に別のガウンの人物が立ち塞がり、 彼を叩きのめした。 それはLennierで、二人はバーを後にする。
狭い補修用通路の中でDelennはLennierに、 GaribaldiがDrazi本星で輸送船への襲撃にCentauriが関わっているらしい証拠を 見つけた事を話した。 しかしそれは未だ疑いの段階で、確実な証拠が無ければ真相を公表する事は出来ない。 Rangerの多くはCentauriについての知識が乏しいため、 彼女はこれまでCentauriとも関わってきたLennierなら 彼らが関わっている証拠を見つけられると考えて彼を呼び出したのだった。 彼女の指示で彼は、Centauriの宙域境をパトロールするWhiteStarに乗り込む事になった。 WhiteStarの艦長にも彼の真の任務は知らされておらず、 ただの戦闘訓練という事になっている。 また彼女は夫のSheridan大統領にもLennierをこの任務に派遣する事を話して居らず、 Marcusの死以来彼は彼女が傷つくのを心配して 彼女に親しい者たちを危険な任務に就かせたがらないからだと、 その理由を説明した。 それを聞いたLennierは、彼はあなたの事をよく理解していないのではと評するが、 愛は理解を妨げる事もあると彼女が答えるのを 彼は複雑な表情で聞いていた。
話の後、頬の傷についてDelennに尋ねられたLennierは、 Draziの訓練生との格闘訓練で負ったと説明する。 それを聞いたDelennは、彼があまりに訓練にのめりこみ過ぎていると懸念を示すが、 彼はそうでなければ自分はこの場に呼ばれなかっただろうと答えた。 そして直ぐにWhiteStarへ向かうという彼を、 Delennは死者の日以来に会ったのだからと言ってもう暫く話をしたいと引き止めた。 しかし彼は、その死者の日にMordenが彼の前に現われ、 自分がいつかRangerを裏切ると
予言したと彼女に話した。 それを聞いた彼女は、そんな日が来るとは信じられないと言いながらも表情を曇らせる。

Londoの部屋に日常用品の山を持ったVirが入ってきた。 Londoは久しぶりに再会に喜びを露にしたが、 自分の不在中にVirがファーストフードでしのいでいたと聞いて、 お前のような地位の者がそのような真似をするなと叱った。 そのとき盗聴警報機が作動し、彼が調べると VirがDraziの商人から買った品物の包みに盗聴器が仕掛けられていた。 会話を注意するようにVirにジェスチャーで示したLondoは、 わざとDrazi大使の妻が他の異星人たちと誰彼構わず浮気していると噂話をしてから、 盗聴器を壊した。 その後Londoは、自分が皇帝に即位した後任のBabylon5大使にVirを起用すると彼に話し、 Virは誇らしそうに顔を綻ばせる。

WhiteStar27に到着したLennierは、艦長のEnrique Montoyaに歓迎された。 艦長は彼の経歴に敬意を払うが、公式には彼はRangerの訓練生であり、 他の訓練生と同等に扱うと言う。 艦長がこの艦をMariaという名前で呼んでいる理由を尋ねたLennierに、 彼はそれは死んだ妹の名だと話した。 拙い事を尋ねたと反省したLennierだが、 先輩訓練生の Findellから、 艦長は無意味な質問などなく、全ては質問から学べると考えていると聞かされ、 それなら自分は居場所を見つけたようだと答えた。

Franklinが自分のために新たな義眼を取り寄せてくれたと話しながら G'KarがSheridanのオフィスに入ってきたとき、 そこには彼とDelennの他にDrazi大使が待っていた。 Drazi大使は、Drazi船への新たな攻撃があった事を話し、 評議会は襲撃の黒幕を既に知っているのではと追求する。 Delennが今しばらく調査の時間をくれるように求めると、 彼はもし例えばCentauriが黒幕だったなら、それを公表するかと尋ねた。 Sheridanらは一瞬顔を見合わせるが、証拠がそろえばもちろんそうすると答える。 それを聞いたDrazi大使は、 襲撃の真犯人が明らかになれば自分たちのいかなる決定をも支持する、という 先の約束をDelennらに思い出させた。 そこに入ってきたLondoはDrazi大使の顔を見て、 自分の部屋に盗聴器を仕掛けた者が居るが、そのような真似は許さないと言ってから、 彼の妻は元気かと大使に皮肉たっぷりに尋ねる。 Londoが出て行くとすぐに、 Drazi大使もSheridanらにもう一度脅迫じみた念押しをして彼を追うようにして部屋を出て行く。 さらにG'Karも自分の義眼を指差してその場を後にし、 Delennは渋い表情をした。

Maria上では、FindellがLennierにMontoya艦長が二人に Niel戦闘機での偵察飛行任務を命じたと伝えた。 しかし同時に彼は、艦長が特に何を偵察するかを言わなかったと言い、 彼がしばしば重要な情報を隠していると不満を露にする。 LennierはFindellに、艦長はMinbari流だけではなく地球流のやり方も学ぶように 自分たちを試しているのだろうと答え、 地球人に慣れている自分が彼の助けになれると示唆したが、 彼はその申し出を拒んだ。

G'KarはFranklinが入れ替えた、Narn人用に色調を調和させた新たな義眼の出来に満足し、 彼の好意に礼を言った。 それに対しFranklinは、G'Karの書を自分も読んだ事を話し、 彼がNarn人たちに教えを話している場に自分も参加したいと告げる。 G'Karは喜んでそれを受け入れた。

MariaからNial戦闘機で発進した直後に、 事前に点検をしていたはずなのに酸素が15%しか残っていない事にLennierは気がついた。 Findellの機も同様で、二人を残してMariaが亜空間に消えたのを見た彼はパニックになる。 Lennierは彼にこの場に留まって瞑想に入り、酸素使用量を抑えるように呼びかけ、 二人はMariaが戻ってくるのを待った。

Narn人たちに自分が学んだ宇宙の真実を話すG'Karに、 聴衆の一人は「真実とは、また神とは何か」としつこく尋ねた。 始めは壁に写った明かりの喩えを話していたG'Karは、 再度の質問に対して 「真実とは河、神とはその河口だ」と答え、満足した聴衆は出て行った。 それを離れて聞いていたFranklinは苦笑いをする。

一時間後、酸素がほとんど無くなったFindellはやけを起こして 酸素を探しに行こうとする。 そのときMariaが現われ、二人を回収した。 艦長は二人に、これは訓練の一環であり 艦はより重要な任務のために個人を犠牲にする場合も有ると学ぶように求めた。 そしてLennierの判断と処置が適切だったと誉めた。

Zocaloでは、VirがDraziの商人に対し、 自分の買い物に盗聴器を仕掛けた事に対して釈明を求めていた。 しかし商人は、彼は弱虫で何も出来ないと皆知っていると嘲る。 それに対しVirはLondoの部屋に取って返し、 飾ってあった剣を持ち出して商人の店で振り回し、商品が散乱する。 腰を抜かしてへたり込んだDraziの胸元に剣を突きつけたVirは、 彼に決闘を迫り、Draziはこれは誤解だとしどろもどろで釈明する。 その様子をVirを追って来たLondoは誇らしそうに眺めていた。 保安部員と共に到着したZackがVirに何があったのかLondoに尋ねると、 彼は「これでやっと彼もCentauriの大使になった」と答える。

Mariaでは、艦長が四人の訓練生に新たな訓練任務を説明した。 小惑星帯にばら撒かれた39個のターゲットを戦闘機で追い、 一人最低10個を破壊しなければならない。 従って一人はノルマを果たせずに脱落する事になるが、 Findellは自分が脱落すると皆思っているとやけになっていた。 そんな彼にLennierはRangerを志願した理由を尋ねる。 自分の家族二人が何れもRangerでShadown戦争で死んだためだと言う彼に、 それは正しい理由ではないとLennierは答える。
訓練が始まり、Lennierは次々とターゲットを破壊してゆくが Findellは一個も破壊できなかった。 自暴自棄になった彼は、戦闘機を全速力で近くの小惑星に突っ込ませようとする。 Lennierは任務を中断して彼の戦闘機を追いかけて 思いとどまるように呼びかけ、最後にはエンジンを攻撃してから 彼の機を牽引してMariaに戻った。
帰艦した訓練生を迎えた艦長はLennirに釈明を求めるが、 彼は自分の操作ミスでFindellの機を攻撃してしまったと言い張った。 艦長は彼を叱責して落第点を告げた後、 Findellに対してMinbariのRanger募集事務所に行って 正しくない理由で志願する者が入ってこないようにチェックする任務を命じた。 そしてこれは恥ではなく、彼でなければ出来ない重要な任務だと告げる。 彼が去った後で、艦長はオフレコで非公式だと言いながらLennierの行為に謝意を示し、 Findellの記録には今回の事件を残さない事を約束した。 それと同時に、プライベートチャネルも傍受される事を学ぶようにと注意を与えた艦長は、 次の目的地への出発を命じる。

Sheridan大統領夫妻の私室でのディナーの席に招かれたZackは、 ZocaloでのVirの奮闘振りを話して皆は大笑いしていた。 しかしそんな中でも、いずれCentauriが襲撃に関わっている証拠を見つけて 公表しなければならない事を考えて SheridanとDelennは表情を曇らせる。
招かれたのに現われなかったGaribaldiは 酩酊状態で寝室の床に転がっており、 サービスにピザの配達を求めていた。


印象に残ったシーン、台詞


Memo

情報を一部伏せているというMontoya艦長のやり方は、はたして「地球流」なのだろうか? むしろMinbari人が、「全ての真実を話さない」と言われていたはずだが。

Drazi大使はどうやらCentauriが襲撃の黒幕だと気がついているらしい。 やはりあのパイロットから 何らかの情報を得ていたのだろう。

G'Karの書の原本を借りたGaribaldiがコーヒーの染みをつけた話は、 #89 "No Compromises"でG'Kar自身がSheridanに言っていた。

FindellのRangerへの志願理由は、Marcusのそれとほぼ同じである。 彼についても正しい理由ではないとTuvalが評していた。 ただ、Delennに認めて欲しいというLennierに理由も正しいとはとても言えないように思う。

今回Lennierが嘘を付いてFindellを庇ったのは、 「他人の名誉を守るためなら嘘を付いてもよい」というMinbariの習慣に従っている。

どうやらこの時点まではGaribaldiの酒乱は他の誰にもばれていないらしい。 しかしおそらくピザを届けに来た配達員の口から、それが広まって行くのだろう。


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